2025年6月15日
和歌山県串本沖230キロ
「艦橋CIC!本艦、2時の方向に艦影2!距離3万2千!接触まで、一時間!なお、一隻にSIF反応あり!」CICでレーダーを見ていた青梅一曹から連絡が入る。
「何?」驚く角松にたいし、梅津艦長は
「我々を捜索している ゆきなみ や あまぎ かもしれん。目標の詳細をチェックせよ。」
艦長の意見を聞いた角松が艦内放送用のマイクを
取り、「CIC艦橋!詳細を調査し報告せよ!」と大声で話す。
「…こ、これは?」
「どうした?」
唖然とする青梅に菊池が声をかけた。
「砲雷長…。SIF反応があるのですが…。」
レーダーで詳細を調べたところ2つの目標の内、一つからSIF反応が出たのだ。
「IMF信号の識別は可能か?」菊池が識別するよう指示した。「少し、電波が弱いですが…。やってみます!」
青梅は受信される信号を、みらいのデータと照合させた。
「ま、まさか!?…いや、こんなことは。」
SIF信号を照合させたところ…。我々、みらい のSIF信号と一致したのだ!
「艦橋CIC!目標のSIF信号は…。我々と同じ、みらい です!」青梅の言葉が艦橋に響き、角松が
「んな事あるかぁー!SIF信号は同じものは存在しないはずだぞ!ちゃんと、調べているのか!」
と、怒鳴った!
「きちんと、データを照合しました。ですが、みらい のSIF信号以外に一致するものはありません!」
艦橋とCICとの間で意見の食い違いが起こるなか、通信室に無線が届いた。
「砲雷長、目標より無線信号を受信!」
「なんだと!?それで、詳細は?」
「ったく、CICは寝ぼけているのか?」角松が愚痴をこぼしていると、
「艦橋CIC!目標より無線を受信!内容は、[こちら、日本国国防海軍 横須賀鎮守府所属 旗艦 吹雪!以下、海上自衛隊横須賀基地所属 DDH-182 みらい!貴艦の所属と航海目的を通告せよ!]とのことです!」と、CICから連絡が入った。
「このままですと、あと10分で目視距離に到達します。艦長、どうしますか?」角松の質問に対し梅津艦長は…。「相手は国防海軍所属の艦娘。しかし、海自のSIF反応もある…。もう一隻のみらい は気にかかるが…。ここは、吉と出るか凶と出るか…。懸けてみようじゃないか。」と、梅津艦長の意外な決断に角松は驚いた。
「総員!対水上戦闘用意!対空 対潜 対水上 警戒を厳にせよ。」梅津艦長の掛け声で各隊員達が配置につく。
「まさか、ここまで早く事態が進むとは…。」
食堂にいた草加少佐は呟いた。そして、艦橋へと歩き始めた。
「見えた!」
吹雪とみらいは、イージス艦みらいに向けて向かっていた。
「みらいさん…。本当に近づいて大丈夫なんですか…?」旗艦の役割をしていた吹雪だが、少し心配な顔をしながらみらいに質問した。
「私の勘だと、あれは絶対に船の頃の私です!何でこの世界に居るのか分かりませんが、提督が話しているのを聞いて…。これは絶対に真実だと思ったんです!」鋭い目付きで、みらいは遠く彼方に見えるイージス艦を見つめた。
「目標さらに接近!距離、2千5百!」
「草加少佐!あそこの艦娘は、国防海軍の者と言うことで断定していいのか?」
艦橋デッキに出て望遠鏡で確認していた角松が草加少佐に尋ねた。
「ああ、紛れもなく我が海軍の艦娘だ。」望遠鏡で確認した草加少佐が大丈夫だと話す。
「機関前進半速~」
梅津艦長が減速を指示し、徐々に速度が落ち、緩やかに船体が停止した。。
「主砲!自動追尾に切替!甲板!警備部隊配置!」
角松の指示で主砲が吹雪達の方に向き、甲板に84式機関銃を持った警備部隊が出てくる。それを見た吹雪は真っ青な顔で震えながら、
「み、みらいさん!?ほ、本当に大丈夫なんですか…?」
吹雪の話に聞く耳を持たないで、みらいは発光信号を送った。
「我々は左舷側に停泊する。!乗船と共に許可を求む!」
「うむ、相手は海軍の艦娘とはいえ…。人間と同じだ。草加少佐の進言を信じるしか無かろう…。乗船を許可する。あちら側の情報も手にいれたい。内火挺を準備せよ。ただし、乗船する際は武装解除を要求せよ。」
「了解!左舷側、内火挺をの準備せよ。」
角松は内火挺の準備を指示したあと、艦橋デッキに出て拡声器を使い、「貴官らの乗船を許可する。ただし、全武装の解除を要求する。この件に、一切の例外は認められない!」と要求した。
「みらいさん!武装解除は危険です!拳銃くらいは忍び込ませた方が…。」心配する吹雪をよそに、
「承諾しました。武装は全て預けます!」
みらいは大声で話した。
「みらいさん…。いいんですか?自慢のイージスシステムを預けても!」震えながら声をかけてきた吹雪にみらいは…。
「余計なもので、無駄な争いは起こしたくないの私が船だったときに、似たようなことがあったら。」みらいから、内火挺がやって来た。そこには、機関銃を持った角松の姿があった。
「みらい副長の角松洋介です。みらいより、お迎えに上がりました。乗船に際して、あなた方の武装は預からさせて頂きます。」
二人は内火挺に乗り込み装着していた艤装を外し、みらいの乗組員に手渡した。
「重いし、精密機器なので気を付けてください。」みらいと吹雪は、海上自衛隊の乗組員達に艤装を渡した。
「見た目は人間だが、艦娘っうのは元々は船の魂らしいぜ…。」
「俺は、艦これやってないからよくわからんが…。艦娘の装備は、実物の船と同じ威力があるみたいだぞ…。」
「非番の日に衛星回線で艦これやってるけど、一人は吹雪だが…。もう一人は知らねぇなぁ?」甲板にいた隊員達の中ではこのような話が広がっていた。
ドドドドドドド
内火挺がみらいの左舷側に着いた。
ステップを使い吹雪達、艦娘らが上がってくる。艤装は重いため、内火挺ごとクレーンで収納することになった。
武装した乗組員達に囲まれた中、梅津艦長か出迎えに上がる。
「日本国 国防海軍 横須賀鎮守府所属 特型駆逐艦 吹雪です!」
「同じく、横須賀鎮守府所属 海上自衛隊 ゆきなみ型イージス艦DDH-182 みらい です!」
吹雪とみらいは、梅津艦長に向かって敬礼した。
「私がみらい艦長 梅津三郎だ。…。吹雪さん。君は見たところ学生みたいだか…。生まれはいつかな?」
「ハッ!私が艦娘として生まれたのは平成10年です。」吹雪が敬礼しながら話す。
(…私の娘と同い年か。)
心の中で自分の家族の事がふと浮かんだ。
「ようこそ!我がみらいへ!」
梅津艦長は二人に手を差し出し握手する。
艦橋デッキからは草加少佐が静かに二人を見つめていた。
ガチャ!
案内係の尾栗に案内され、吹雪とみらいは艦内を見学している。食堂にやって来たところ…。
「君たち、ずっと二人きりで海の上を走ってきたんだろ?だったら喉乾いているよな?」
「え?」
ゴトン! チャリンチャリン…。
「どうぞ。」
尾栗が食堂の自販機でコーラを買い、吹雪達に手渡した。
「あ!ありがとうございます。」
「尾栗三佐、ありがとうございます。」
「頂きます!」
ふたを開けるとカシュ!という音がして、吹雪とみらいは美味しそうにコーラを飲んだ。吹雪は特に喉が渇いていたのかコーラをイッキ飲み(笑)と言うことはやはり、ゲップが出るわけで…。
「プハァ~! 美味しかったです。ありがとうございした。尾栗三…ゲップ!」
自分より位が高い人の前で大きなゲップをしてしま
ったことに…「うわぁぁぁぁぁ。」と、真っ赤になった顔を慌てて両手で隠す吹雪。
「いいんだよ。二人とも喉か渇いていたんだから。こんな状況だったら、俺も同じことすっから。」と、尾栗は笑い飛ばした。
しばらくたって、ミーティングルームへ尾栗が吹雪達を連れてきた。
「尾栗三等海佐!お客様を連れて参りました!」
ガチャ!
尾栗が扉を開けると中には、梅津艦長 角松二佐 菊池三佐 と草加少佐がいた…。みらい がミーティングルームに入ると草加少佐の姿を見つけたため…。
「…草加少佐。生きていたんですね。」
「ああ、みらい。私はこの世界の人間として生きている。貴様の知っている帝国海軍 海軍少佐の草加拓海ではない。」急に鋭い目付きになったみらいに、吹雪は少しだけ恐怖を感じた。
(この二人…昔、何かあったのかなぁ…?)
二人の様子を見ていた角松達も気づき、菊池が
「どうかしましたか?」と、訪ねる
「いや、なにも。昔の知り合いと勘違いしたらしい。」
「…。」
草加少佐は話をずらそうと、簡単なこじつけを付け椅子に座った。みらいと吹雪も同じテーブルに付いた。
「さて、本艦は補給のため、シンガポールへ向かっているのだが…。今後の航海を行うに当たって、貴官らにお尋ねしたいことがいくつかあるのだが…。よろしいかな?」梅津艦長が質問の承諾を得るため交渉を始めた。
「わかりました!」
「了解しました!」
と、二人が了解の返事をする。
「まず、この戦争の敵である。深海棲艦の事についてお尋ねしたい…。」
話はじめてから、かれこれ二時間…。
吹雪とみらいは、この世界の事について詳しく話しシンガポールへ行くよりも、横須賀へ向かった方がよいと進言した。
「しかし…。我々は国防海軍ではない。海上自衛隊だ。いくら、貴官らを乗せているとはいえ…。排他的経済水域内、いや、領海に入るのは危険だと思うのだが…。」
と、角松が呟く。
「その上、敵勢力の海域を通ることになる。そうなると国防海軍側から見ると我々を、敵として判断し、攻撃される危険性があるのでは?」菊池がリスクについて吹雪達に尋ねた。
「その件に関してですが…。領海の接続水域付近に達した際に、衛星回線を使い横須賀鎮守府へ連絡したいと思います。」と、吹雪が提案した。
「衛星回線が使えるのか…?」
その場にいた、みらいクルーが驚く。
「ええ、衛星回線の機能をもつ電話機を持っていればの話ですけど…。みらいさんなら持っていると思いますが…。」と、吹雪がみらいにふる。
「え、ええ。一応ありますけど…。ですが、この船
なら周波数を合わせれば可能だと思いますが…。」すると、みらいの返答に噛みつく人がいた。
「だが、敵勢力に傍受される可能性はどうなんだ?」
みらい砲雷長 菊池雅行だ。
「衛星回線とはいえ、敵勢力に傍受される可能性高い。そのリスクはどうする?その上、君たちが国防海軍を説得したとして…。単独で東京湾に侵入するのは危険ではないか?」と、この作戦のリスクを導きだして質問した。
「本土に接近するまでは、出来るだけ島から離れたところを航行したいと思います。大島沖で我々、横須賀鎮守府の艦娘達に迎えに来てもらうのはいかがでしょうか?」と、みらいが答えた。
「う~ん…。」
みらいの幹部は黙り込んでしまった。
ミーティングルームには沈黙が流れる。
「ところで航海長、残りの燃料と食料はどのくらい残っている?」と、梅津が口を開いた。
「ハッ!既に燃料は50%を切っています。食料も生鮮食品に関してはあと8日分。備蓄分も二週間で底をつきます。」
「…うむ。」
梅津艦長はしばらく考えたあと、
「シンガポールにて補給するより、良いか悪いか分からんが…。ここは君たちの話を信じて横須賀へ向かおうではないか?」
「これより本艦は、シンガポール行きを断念し我々の母港!横須賀へ帰還する!」
シンガポールへの航路を変え、横須賀基地へ折り返す みらい。ミーティングルームでの会議を終えた みらい が、角松に先日発生した父島での事件について尋ねた。
「角松二佐!先日の父島での事についてお聞きしたいのですが…。」
みらい の言葉に艦橋へ向かっていた角松が一度足を止め、みらいを連れてデッキに出た。
「先日の事件か…。あのとき俺の判断ミスで海鳥に乗っていた森二尉を死なせてしまった…。」
「…そんな。」ふと、みらいの口から驚きの声が漏れた。
「俺はあの戦闘で、この世界の状況を知ることができた…。しかし、その代わりにかけがえの無い、一人の隊員の命を失ってしまった…。だが、俺は一人の自衛官だ。俺の役目はこの戦争をとっとと終わらせ、犠牲者を減らすことを先決にしていきたい。それが例え、艦これの世界であってもな。」という角松の言葉を聞き、みらいは船の時の記憶を振り返っていた。
夕暮れに染まる太平洋を航行するみらい。
吹雪とみらい は森二尉の弔問のため、尾栗三佐と共に医務室へやって来た。
「…。」
無言で線香を立て、吹雪とみらい は手を合わせる。
「全く、まさかこんなことになるなんて思っても見なかったよ…。」
「…この度は申し訳ありませんでした!!」椅子から勢いよく立ち、涙ながらに謝る吹雪。その行動に一瞬驚いた尾栗だったが、「いや、君が謝らなくともいいんだよ。もう、過ぎてしまったことだから…。」
「で、ですけど…。」
といい、泣き出してしまう吹雪…。桃井が吹雪を支えながら「いいのよ…。あなたの責任じゃない…。」と、励ます。一方のみらいは、終始無言のままだった…。
翌朝…。
みらいの飛行甲板には、制服を着て整列した隊員らの他、艦娘である吹雪、みらい や草加少佐の姿もあった。艦尾の自衛隊旗は半旗である。
「気を付けぇ!」
「全員!森二尉に敬礼!」
ダダーン
角松の掛け声で全員が敬礼し、喪砲が鳴り響く。
そして、森二尉の棺が喪を意味するラッパの音が鳴るなか白い花束と一緒に海へ投下される。
「黙祷!」
「日の丸相手に戦って、日の丸背負って死んだんじゃ元も子もねぇや…。」
と、一人の隊員が呟いた。すると…。
「艦これの世界だって?ふざけんじゃねぇ 現に森はやられたじゃねえか!?」
「それより、深海棲艦の事が分からない俺達が生きていけるのか??」
「横須賀へ戻ったとしても、国防海軍だろ?」
整列していた隊員のあちこちからたまっていた文句が出てくる。
「それでも貫いてほしい!」
大声をあげたのは梅津艦長だった。
「専守防衛とは平時の題目ではない、我々の灯台だよ。これを見失えば、身も心もこの広い海に漂ってしまう…。我々が護るのは、あの霧の中に消えてしまった我々の日本だ!平和を尊ぶ人間の誇りは銃や弾丸のみで守られるものではない!どんな状況であろうと我々は我々であることだと、森二尉も望んでいると私は思う…。」
「昼行灯転じて、嵐の夜のかがり火ですね。」梅津艦長の姿を見ていた尾栗が呟く。吹雪と みらい もまた、梅津艦長の言葉を聞いていた。
横須賀へ進路を戻してた翌日…。
みらいは南鳥島沖を航行していた。
「そろそろ、横須賀鎮守府へ連絡したいのですが?」
みらいと吹雪の姿はCICにあった。横須賀入港までの間、二人の指揮権は梅津艦長が持っている。扱い上は幹部である。
「まもなく領海に入るな…。よかろう、衛星回線での通信を許可しよう。」みらいからの要請で横須賀鎮守府に電話連絡を入れる。
プルルルルルル プルルルルルル ガチャ!
横須賀鎮守府の秘書官が電話を取る。今日の担当は翔鶴だ。
「はい。日本国防海軍 横須賀鎮守府でございます…。えっ?」
「提督!行方不明になっていた みらい さんから電話です!」
「なに!?」
翔鶴の言葉を聞き、柏木提督は慌てて電話を取った。
「もしもし!柏木提督ですか?」
「いかにも、国防海軍 横須賀鎮守府 の柏木提督だ。みらい!無事なら、早く連絡せんかぁ!」
「連絡が遅くなり申し訳ございません。」と、提督に思いっきり渇を入れられる。
「それより、現在地はどこだ?必要ならば救援部隊を向かわせるが…。」
「救援部隊の必要は現在のところ必要ありません。容易に信じてはもらえませんが…。私たちは現在、海上自衛隊横須賀基地所属のゆきなみ型イージス艦[みらい] に乗船しています。」
「・・・。なんだってぇ!?」
驚きのあまり、提督は立ち上がった。湯飲みのお茶がこぼれて書類を汚しているのも気にしないで、話を続けた。
「なるほど…。すまないが、みらい…。そちらの艦の、艦長と変わってくれないか?話がしたい…。」
「わかりました。」という みらい の声が聞こえたあと、梅津艦長が電話に出た。
「はじめまして。海上自衛隊 護衛艦 みらい艦長の梅津です。」
「こちらこそ、はじめまして。国防海軍 横須賀鎮守府の柏木です。」
「電話にて質問することは申し訳なく思う。貴艦は海上自衛隊の所属であると申していたが、この件は本当ですか?」という、柏木提督の質問に梅津が返した言葉は…。
「はっ。我々は海上自衛隊の所属であります。本来、我々はハワイ沖での日米合同軍事演習に参加するため航行していましたが…。ミッドウェー沖で異常な低気圧に遭遇…。この世界に飛ばされていました…。」
「なんと…。」
「そのため、この世界では属する事のできる部隊や港がなく…。漂流しているの同然です。本艦の目的すら見つからない状況でありますが、途中で合流した、艦娘の 吹雪 みらい 両名及び、漂流していたところを救助した 通信少佐の草加拓海少佐の情報により、現在は横須賀鎮守府へ向けて航行しています。」
「待ってくれ、途中で救助した海軍少佐の名前をもう一度教えてくれないか?」梅津艦長が話した内容で気にかかったことを尋ねた。
「国防海軍 通信少佐のの 草加 拓海少佐ですが…。」
「なに!?草加か!!!」
驚く柏木提督。すると、梅津艦長のマイクを借りて みらい が話始めた。
「ええ、紛れもなく国防海軍の身分証明を持っていました。間違いありません!」
「了解した。」
(そうか、草加は無事だったか…。)
電話を聞きながら安心した顔になる。
「ところで提督?我々はどうすればいいでしょうか?」電話から みらい の声がする。
「すまんすまん。貴艦の東京湾入港を許可しよう。ただし、我々の横須賀鎮守府へのドッグ入り前に、猿島沖で直接会談したいがよろしいかな?」梅津艦長は数秒、考えたあと…。「了解しました。貴官のご決断に感謝します。」と話した。
「こちらこそ、3名の命を救っていただきありがとうございます。これにて無線連絡を終了します。」と、柏木提督から感謝の言葉を貰い無線連絡は終了した。
「まずは、横須賀へ戻ることが確定したことを祝いたい。たが東京湾進入までの間、敵勢力下の海域を航行する。対空 対潜 対水上監視を厳にせよ。」
横須賀へ向け、航行する みらい。横須賀到着まであと3日、気象班の隊員らは偏西風に乗ってやってくる小さな低気圧を見逃していた…。