ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

13 / 94
 
 さて前回、遂に角松達が乗艦している海上自衛隊イージス護衛艦[みらい]が艦これ世界へと次元を越えて入ってきました。艦これ世界と信じられない自衛隊員達と混乱する艦娘達。そしてあの人も…。



航跡8:護衛艦[みらい]~遭遇~

 

 海上自衛隊の最新鋭イージス艦[みらい]の乗員達が混乱しているのと同じ頃…。

 この場に遭遇した艦隊のメンバー(電 、雷、夕立、島風、白雪、深雪、陸奥、榛名、霧島、瑞鶴、翔鶴)の中でも大混乱となっていた。

「翔鶴姉、さっきの軍艦…。一体なんだと思う?」

「分からないわ…。でも、182って船首に書いてあったわね。」瑞鶴と翔鶴が話しているとき、

「白雪ー!さっきのデッカイ軍艦はなんだ!?」という深雪の大きな声に白雪が説明し始めた。

「私の記憶だと…。あれは旧海上自衛隊のイージス護衛艦ですね。こんごう型護衛艦に似た、艦橋横のSPYレーダーや特徴的な鉄塔タイプの大きなマスト。それに…」

「それに…?」霧島が白雪に聞いてきた。

「あの127ミリ速射砲と後部航空格納庫。それに182のナンバー…。あれはゆきなみ型イージス艦[みらい]です!」

 

「はぁ!?みらいだってぇ!?」

白雪の結論に深雪が驚きの声をあげる!!

「みらいさんって、この前着任した艦娘だったぽぃ?」夕立が疑問をあげるのと同時に榛名も「そうですよね。みらいさんはこの前、私たちと同じ横須賀鎮守府に着任しましたよね?」と、声をあげる。

「じゃぁ?なんで、ここにいるの?しかも、護衛艦の姿で出てきたのよ?」陸奥が霧島に尋ねた。

「う~ん…。なぜ、船の時の姿で出現したのかは分かりません。ただ、現段階では本当に我々の味方なのか?それとも、敵の新たな勢力なのか…。」

深く考え始めた霧島をよそに雷が…。

「ねぇ?司令部に連絡しないでいいの?」

 

 

「・・・・・。」

 

 

「しまった!すっかり忘れてました!」と、霧島が声を上げた。

 

 

「私が先に行ってくるよ~♪」島風が話もそこそこに猛スピードで航行し始める。

「おーぃ島風~」深雪が慌てて声をかける。

「そんなに早く行かなくとも大丈夫なのです~。」電も一緒に声をかける。すると、気が付いた島風が戻ってくる。

「そうだった~ぁ~!」急制動で止まった為水しぶきが起き、深雪が頭から水を被ってしまった。

「島風、冷たいなぁーもう!」

「ごっめーん!」

「謝れば良いってもんじゃねぇ~(怒)」と、深雪と島風が喧嘩し始めたのをよそに…。

「瑞鶴!艦積機を鎮守府まで飛ばしてくれる?」と、榛名が声をかけてきた。

「いいけど…。でも、それって翔鶴姉がやった方がいいんじゃない?」話しつつ瑞鶴が翔鶴の方を見ると…。翔鶴は頭の上で×印を出していた。

「…あ、やっぱりそうよね…。」

瑞鶴は連絡用の艦積機を取りだし、パイロット妖精に途中の休息場所を伝えた。「いい?途中で蒼龍たちが演習しているから、そこで一旦給油して横須賀に向かってね!」

「リョーカイ!」パイロット妖精は瑞鶴に敬礼し、一路横須賀へ向け、飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝…。

海上自衛隊のイージス艦[みらい]は、朝日に照らされる太平洋上を航行していた。

「本艦2時の方向よりUnknown目標接近!高度150㍍、速力100ノット。本艦直上通過コース!」

と、CICから艦橋に連絡が入る。

「速力が100ノットということは、ミサイルや戦闘機では無さそうだな。目標の進路に注意せよ。」

 

「画像、メインモニターに出します!」

CICでは、青梅が艦首に設置されている監視カメラから撮影された画像をCICのメインモニターに出した。

「…これは?」と、菊池が呟く。

「目標。データ照合できません!」青梅がCICで叫んだ頃、艦橋横のデッキでは…。

「うぉ!!火吹いてやがる!」

「あの機影はまさしく、深海棲艦の艦積機ですよ!」

双眼鏡を覗きながら驚く尾栗をよそに、柳が淡々と説明する。深海棲艦の艦積機は、みらいのすぐ前方の上空で爆発を起こし海に墜ちて行った。艦橋内部から見ていた角松は、「浮遊物、生存者はあるか!?」と、声をかけるが…。デッキに居た麻生は、「あっという間の水没です!洋上はオイルのみ。」と、声をあげた。

「夢じゃないっすよ。麻生専任曹長…。だってこんなに…血が…。」麻生が柳の顔を見ると、柳の左ほほに切り傷があり、そこから少々出血していた。

「あっ!バカ!とっとと、医務室へ行ってこい(怒)二分隊柳一曹破片にて負傷!代員求む!」

麻生と尾栗につまみ出されるように、柳は医務室へ向かった。

「副長。艦内放送の準備を頼む。」

一部始終を見ていた梅津艦長は、角松に放送の準備をするよう指示をした。準備が出来、梅津艦長は…

「艦内乗員につぐ、昨夜から周辺で理解しがたい現象が発生しているが…。本艦は、艦隊これくしょん。通称、艦これの世界に入ったと思われる!本艦は、ロストした僚艦を発見、合流し…。米海軍真珠湾基地へ入港することが目的である。その際、明らかに戦闘海域周辺を通過することとなる。各科の作業に専念し、不測の事態とならぬよう乗員全員、対応せよ。」

その艦内放送に乗組員たちは驚愕した。厨房で料理を作っていた隊員たちは、

「給養長!何で俺たちは艦これの世界に!?」

「んなこと知るか!何処へ居ようが、腹は減るんだよ!チキンが焦げてるぞバカヤロー!」

「はっ!」

「ぅアッチ!!」

 

 

 

「CIC艦橋!本艦の270マイル前方にて交戦中と思われし集団を発見!対空射撃による小さな衝撃波を観測しています!」

と、青梅がCICで叫んでいるなか…。

「砲雷長、艦橋へ。」「了解。」

艦橋から角松が、菊池に艦橋へ来るよう指示した。菊池が艦橋へやって来ると、梅津艦長が帽子を深くかぶり…。何やら考えている様子だった。

 

「んん~。艦長!どうするんですか!?解説者よろしく、ここでおとなしく見物ですか!?」しびれを切らした尾栗が、声を上げる!

「戦に飛び込むというのか?」冷静な菊池が尾栗に聞く。すると、

「戦っているのは、女の子達だぞ!!いくらゲームの世界だろうが、俺たちが入ることで、あの子達の命が助かるんだぞ!!」怒りに任せて発言する尾栗に対し、「それを…バタフライ効果と言うんだ…。」と、菊池が告げた。

「蝶がどうしたって?」

「北京で蝶が羽ばたけば、その気流が一ヶ月後にニューヨークに嵐をもたらすことだってある。ましてや、原潜さえ撃沈可能なこの船だ…。ミクロの現象でも、マクロには大きな影響を及ぼすことだってある。ゲームの世界とはいえ、影響が大きすぎる。我々は、この世界にとって危険なんだ…。」

 

 

 

 

 

 

 

「じゃぁ、何で俺たちはこの場にいるんだ?」

 

 

 

 

「見ろよ菊池!!あれは戦争だぞ!この最新鋭艦で、戦ってみろってことじゃねぇのかよ!」

「こ、康平…。落ち着け!」菊池の声をよそに尾栗は、菊池の襟をつかみながら怒鳴った!そして、角松に意見を求めた。

「洋介!おまえはどう思う!?」

しばらくの沈黙のあと角松は、

 

「腹が立つ…。」と、小さな声で呟いた。尾栗の「えっ?」の声もつかの間…。角松は水平線の彼方に見える戦いを見ながら、

 

「自惚れや過信で、作戦をおったてて…。将来ある女の子達を危険にさらしていることを思うと…。はらわたが煮えくり返るほど腹が立つ!!!」

と、大きな声で叫びながら、近くにあった机に八つ当たりする。バン!!という音にその場にいた全員が驚く。

 

「だが、俺たちの任務は…。ロストした僚艦を見つけ、本艦と乗員全員の安全を確認し、横須賀へ帰投することだ。全員、その事を第一に考え、行動してほしい。」と、角松が言い終わったときCICから連絡が入った。

「CIC艦橋!ホノルルからのラジオ放送をキャッチしました。アメリカ軍の発表によると、米海軍の艦娘部隊がミッドウェーで快進撃を繰り広げていると、伝えています!!」

 

 

「どうやら、真珠湾に着いても歓迎されないようだな…。補給の心配もある。このまま、戦闘海域に深入りすれば…。本艦と乗員に、重大な危機が及ぶだろう…。横須賀の状況はどうなっているか分からんが、この現象が本海域のみ作用している可能性もある…。」と、下を向いたまま、梅津艦長は呟いた。

「進路変更!横須賀基地へ!」

「ハッ!!進路、270°とします!」

梅津艦長の指示を受けた尾栗が、みらい の進路を横須賀へと変える。

「衛星が使えないとなると…。頼りになるのは、ジャイロコンパスと天測だけだ。」

そう、呟くと…。梅津艦長は、棚から海図を取り出してきた。

 

 

一方、艦橋デッキでは…。

「…え!?」望遠鏡で戦いを見ていた柳が声をあげた。

「あっ、菊池三佐…。どうして引き返すんですか!?あのままだと、艦娘達に犠牲者が!」柳の悲痛な訴えに菊池は…。

「決められた歴史…。それが、例えゲームの世界であっても、我々に変える権利はない…。」

と話し、菊池はCICへ戻っていった。

 

 

その夜…。みらい は、海上に不時着した日本の偵察機を発見した。

「照明照らせ~!」

パッとみらい の探照灯が偵察機を照らした。

「どうやら、操縦席が狙われたようだな。パイロットは死亡していると思われるが、後ろの軍人はどうか…?」と、梅津艦長は双眼鏡を下ろしなから話した。すると、角松は

「艦長!念のため、調査させてください。後ろの軍人は生存している可能性があります!」

「うむ…。よかろう。」

梅津艦長からの許可を得て、角松は内火挺を用意し始めた。

「洋介!お前はゲームの世界に、手を加えることが怖くないのか?」声をかけてきたのは菊池だった。

「…俺は自衛官だ。どんな状況であれ、目の前で消えかけている命は救おうと思っている。それが、例えゲームの世界であってもな…。」と、角松は菊池に伝えて内火挺に乗り込んだ。

 

 

 

「うっぷ!」内火挺に乗っていた みらい 乗員の数名が慌てて口を塞ぐ。目の前の血だらけになったパイロットの遺体をみて、気分が悪くなったのだろう。

「前部のパイロットは死亡を確認!これより、後部の軍人の調査に入り…あっ!!」

調査に入ろうとしたところ、突如偵察機が沈み始めた。「内部の座席部分に浸水した模様!沈みます!」と、内火挺から連絡が入る!

(これでいい…。これが、この世界の運命なのだ…。)と、菊池が思っていたのもつかの間…。

 

バッシャーン!!

 

「うぉ!洋介が飛び込んだぞ!!」

艦橋から見ていた尾栗が声をあげる!

沈みいく偵察機から、角松はその軍人を救いだした。

「ぷはぁ!ハァハァ、艦長へ報告!乗員の軍人を救助!現在、意識不明の重体!艦内での応急処置を要請します!」角松は軍人を内火挺に引き上げ始めた。

「よかろう!治療を許可する!」

「了解!」

 

「バカヤローと叫んだ時には、既に飛び込んでおる。これで、三人目の人命救助か…。」

妙に納得している梅津艦長に対して菊池は、

「上官として、よろしくない行動ですね。あれでは、艦全体の行動方針にも関わる…。」

上官としての角松の態度を批判する菊池に「まぁ、何よりも中途半端を嫌う正義感の強い人間じゃよ彼は…。」内火挺で軍人の様子を見ている角松を、艦橋から見ていた梅津艦長はこう話した。この光景見ていて、菊地は心の中で…。

 

(2015年6月5日…。いや、20XX年6月5日、太平洋上で、撃墜された日本海軍機から海軍の士官を救助…。)

 

バタン!

 

「おやまぁ、みらいの頭がお揃いで。」みらいのミーティングルームに桃井一尉が入ってくる。

「早速で悪いが、救助した軍人の容態はどうだ?」と、梅津艦長が聞いた。桃井一尉はカルテを見ながら…。

「不時着したショックで、胸骨を3本骨折。及び、頭部を強打したと思われ意識不明の重体。また、脳震盪の疑いがあります。脳圧、血圧共に高く…。絶対安静が必要です。」

「そうか…。」

「要するに危険な状態であると言うのだな?」

菊池が桃井に聞く。「ええ、全治2ヶ月と推定します!」と、桃井が話したのもつかの間。菊池が話を続ける。

「治療中に奴の手荷物を調べたが、あの軍人の服装、持ち物から見て…。海軍の情報士官であることに間違いないだろう。しかも、あの若さでだ。大学卒のエリートだろう。」

「いいじゃねぇか!この際、こっちの情報を公開して日本軍と情報交換しようじゃねぇーか!」

菊池の意見に、尾栗が声をあげた。

「尾栗…。この世界で情報を公開することは危険だぞ。仮に日本軍と情報を交換した暁には、この みらい を拿捕しに来るに違いない。拿捕されなくとも、この戦争に協力せよと通達が来るはずだ。」

菊池の意見に押し潰されるかのように尾栗は黙ってしまった。

「危険な状態であるそうだが、念には念を入れておいた方がよかろう。桃井一尉。済まぬが、君の部屋をあの軍人の為に使いたい。部屋にある私物を全て出してくれないかね?」

「要するに、軟禁すると言うのですか?」

梅津艦長の言葉に驚く桃井。そこへ追い討ちをかけるように角松が、「相手は軍人だ。我々、自衛官とは違う。出来るだけ、本艦の情報を伝えたくない。よろしく頼むぞ。」

梅津艦長と角松副長の話を聞き、桃井一尉はミーティングルームから救護室へと向かった。すると、救護室の前にシャーナリストの片桐が立っていた。

「やぁ、桃井一尉!ちょっと、船酔いになってしまいてねぇ。船酔い薬…。貰えませんかねぇ~」

「んなこと言って、どうせあの軍人の写真を撮りたいんでしょ~!駄目だって、艦長が言ってたの!」

「んじゃ、船酔いの薬位下さいよ~。」と、しつこい片桐に対して桃井は…。

「軽い船酔いなら薬は要らないよ!デッキに出て、風に当たってきな!ぐずぐずしてると海に叩き込んで、サメのエサにしちまうよ!」

「んな、殺生な~でも、写真一枚位ダメですかねぇー?」これでも片桐は全然懲りない。

「だから、本人は意識不明の重体!ほら、面会謝絶!」と、救護室の扉をバタン!と桃井は閉めてしまった。すると…。

 

(い、意識が回復した…!?)

 

運ばれてきた軍人の姿を見て、桃井は驚愕した。あれほどの大ケガを受けていながら、奇跡的に意識が回復したのだ!

「こ、ここは天国か?いや、やはり地獄か…。」

周りの状況に理解できていないその軍人対し、桃井一尉が…。

「ここは現実の世界よ。あなたが、海で漂流していたところを助けられたのよ。」と、桃井が説明する

「現実の世界だとすると、ここは船の中だな。実に快適だ。是非とも船の中を見てみたい。」

と、軍人が少し調子にのると…。

「ダメよ。あなたは、胸骨を折っているし、脳震盪も起こしていた。おまけに血圧も高い…。絶対安静よ!」桃井は厳しく叱った。

「まぁ、今は、任務のことを忘れて休息を取るのが先決ね。」と、話して桃井は隣室に入っていった。

 

「う、うぅ…。」

 

(な、なに、どぎまぎしてんのよ(汗)子供じゃあるまいし…。)

思ったより相手がカッコよく、桃井は驚いていた。

「さてと、この部屋の私物を片付けないと…。」

 

5分後…。

 

「…え、うそでしょ。」

救護室に戻った桃井は驚いた!寝台で寝ていた軍人の姿が消えていたのだ。

 

プルルルル!

ミーティングルームの艦内電話がけたたましく鳴り響いた。

 

「はい、ミーティングルーム…。桃井一尉どうした?」

 

「…何ぃ!?軍人が消えたぁ!?」

電話に出ていた角松が驚きの声をあげる!

「軍刀は早めに処分しておくべきだったな…。自決という可能性も…。」腕を組ながら、梅津艦長が話す。

「艦長!取っ捕まえてきます!」

そう話し、角松がミーティングルームから飛び出していった。

 

「艦内、各乗組員に告ぐ。救助した軍人が脱走した。相手は軍刀を所持している。接触は避けよ。各持ち場は、入り口扉の施錠をせよ。繰り返す…。」CICに移動した菊池が、一斉艦内放送を行う。

「副長!武器庫から拳銃持ってきましょうか!?」

角松の後ろを走っていた尾栗からの質問に、

「んなものいらん!相手は怪我人だ!」

と、走りながら角松が答える。すると角松は、デッキに出る扉の前に桃井一尉が立っているのを見つけた。

「ハァハァ…。見つかったか!?」

「あそこ!!」桃井が指を指した方向を見ると、デッキに軍人が立っているのを見つけた。

 

角松らがデッキに出ると…。その軍人はぼんやりと海を見ており、こちらには気づいていないようだった。

「この船は美しいな…。我々、日本海軍や深海棲艦の船とも違う…。」

「ここから海に飛び込むのか?」草加に角松は尋ねた。

「何があっても任務を遂行する…。だが、ここから海に飛び込めば…。空襲で死んだ友のところへ行けるな…。」その言葉に桃井が、

「何を馬鹿なことを言っているの!?貴方を助けたのは、この人なのよ!」すると、その軍人は気付いたように…。

「飛び込もうと思い、ここへ来たが…。潮風に当たっていて思い出したよ。海軍の軍人でありながら泳ぎが苦手であることを…。ところで、この船の所属と航行目的を知りたい。」

「…残念ながら。お答えできない。」

 

(我々はこの世界でどこへ向かい、なぜ、存在しているのか…。それは、我々も知りたいのだ…。)

 

と、角松は心の中で思った。

「では、敵か?…それとも、味方…か?」草加の一声に、

「…ただ一つだけお答えできる。我々は、あなたと同じ日本人だ。私の名は、角松洋介。」

すると、草加は角松の方を向いて軍刀を差し出した。

「ヤロ…!」軍人の殺気を感じた尾栗が戦闘体制に入る。だが、直ぐに軍刀は戻された。

「私は日本国国防海軍通信参謀 草加 拓海だ。助けてくれたことに感謝する…。」

 

 

角松達が草加少佐と話している頃…。みらい から約5キロ弱程離れた海中に、みらい を狙う不気味な影があった…。その影は、みらい を見ながら…。

 

「コンナトコロニ大キナ船ガ、停泊シテイルゾ…。海ノ中ニ沈メテヤル…。」

 

と、呟いた。不気味な笑みを浮かべながら…。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。