野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

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頼られているのか、いないのかというお話



第83話 友として

「はあああああッッ!!」

「っ....そこッッ!!」

 

授業も終わり、放課後には全アリーナが解放される。

第3アリーナではいつも面子がISを纏い、来たる『キャノンボール・ファスト』に向けて高機動パッケージのインストール、各スラスターの出力調整などを行っていた。

いち早く終わった鈴は、調整の必要が無い訓練機の箒と試合中だ。

 

「ふうっ....だいぶコツが掴めてきたわ」

 

『甲龍』に新たにインストールされたキャノンボール・ファスト用の高機動パッケージ『風(フェン)』の試運転はまずまずと云った処である。

 

「それにしても....」

 

ISを纏った『たんれんぶ』の面々を見やる。

其処にセシリアの姿は無かった。

 

「....セシリアは今日も別のアリーナなのね」

「セシリアの事が気になるのか?」

「べ、別に心配なんかしてないわよ!」

 

心配、とは言っていないのだが。

そう思ったが箒も同じ気持ちなので突っ込まない。

 

「この前の襲撃でアイツにも思う処があったのだろう」

「『サイレント・ゼフィルス』はイギリスが開発したんだっけね。そりゃアイツからしたら許せないんでしょうけど...」

「BT適正の無い私達ではセシリアに助言したくても出来ん。それをセシリアも分かっているから1人で特訓しているのだろう」

「分かってるわよそんな事....」

 

友達が藻掻き苦しんでいるのに何も出来ない。

鈴と箒にやり切れない思いが覆う。

 

「悔しいが私では適切なアドバイスが思い浮かばん。しかし、もしかすればアイツなら―――」

「そう云えばアイツ居ないわね。いつも羨ましそうに私達を見物してるのに」

 

其処に居るはずの部長の姿が今は無い。

果たして何処へ行っているのか。

 

 

________________

 

 

 

「1、2! 1、2!」

「たああああッッ!!」

「目標捕捉! 撃ちます!」

 

IS第2アリーナ。

其処でも第3アリーナと変わらず、上昇志向の強い生徒達がIS訓練に明け暮れている。

 

「はぁっ.....はぁっ.....」

 

その一角で息が上がっているのはセシリアだった。

 

「もう一度ッッ!!」

 

何度もビット連動の高速ロール射撃を行っては、そのレーザーに『曲がれ』と念じる。

しかし、現実はただ直線にレーザーが放射されるだけ。

 

「ぐっ....もう一度ッッ!!」

 

彼女が今、必死に習得しようとしているのは『BT偏向射撃(フレキシブル)』。

射出されるビーム自体を『精神感応制御』によって自在に操ることが出来ると言われている能力である。

BT兵器稼働率最高状態時に使用可能とされているのだが。

 

(ビーム自体を自在に操れるなんて、机上の空論だと思っていましたのに)

 

セシリアは思い返し歯を食いしばる。

文化祭での襲撃者の事を。

 

(どうしてあのような者が!!)

 

悔しい。

祖国で開発された自分の纏うIS『ブルー・ティアーズ』の姉妹機を奪った者が、自分には出来ない『偏向射撃』を軽々しくやってのけた。

この事が彼女の誇りを大きく傷付けた。

 

(認めてたまるものですかッッ!!)

 

「....ッッ」

 

意識を集中し、BTライフル『スターライトmkⅢ』を構える。

狙うはバルーン上方。

 

(―――曲がりなさいッッ!!)

 

だがセシリアの想いも虚しく、レーザーは真っ直ぐに突き進み、遮蔽シールドに当たって霧散した。

 

「....どうして、ですの」

 

呟いた顔には、焦燥と疲労。

 

(私では無理なのでしょうか....)

 

IS学園でBT適正Aを持っているのはセシリアのみである。

それ故、他人に頼る事も出来ない。

今の彼女には、暗い思考がグルグル付き纏っていた。

 

「はぁ.....」

「辛気臭ぇ顔してんなぁオイ。溜息ついてっと幸せが逃げるって偉い学者さんが言ってたぜ?」

「....恭一さん」

 

暇を持て余した恭一が何時からか、其処に居た。

 

 

________________

 

 

 

「随分難しい顔して撃ってたじゃねぇか。ラウラから聞いたが『なんちゃら射撃』の練習なんだって?」

「『偏向射撃』ですわ....まるで糸口すら掴めていませんが」

 

いつもの微笑みは無く、ただ自分の無力さを恨んだような表情で返す。

 

「要するにビームを曲げる練習って事か?」

「簡単に言いますとそうですわね」

 

頷いたセシリアを前に恭一は「う~ん...」と首を傾げた。

 

「分かんねぇんだけどよ、何で曲げる事に拘ってんだ? 直線じゃ駄目なのか?」

「当たり前ですわ!! 直線射撃など基本中の基本!! 既にマスターしている私が強くなるためには『偏向射撃』が必須なのです!」

「うわははははッッ!! マジで言ってンのかお前!?」

 

恭一は彼女の言葉に吹き出した。

 

「なっ....何が可笑しいんですの!?」

「すまんすまん。射撃でも同じ台詞を聞くとは思わなかったんでな」

「い、意味が分かりませんわ!! 茶化すのなら向こうへ行って下さいまし!! 私は真剣に悩んでいますのよッッ!!」

「今のお前じゃ無理だな」

 

はっきりとそう告げられたセシリア。

 

「....私を侮辱するおつもりですか? いくら恭一さんでも―――」

「見下しているのはお前だろう?」

「わ、私が何時っ.....ッッ!?」

 

噛み付くセシリアの目の前で拳を構える恭一。

 

「な、何ですの?」

「何かしらの技術をカジった奴らはよく言いやがる。『直線』....つまり『ストレート』は基本でもう覚えた、ってな。だから次はフックやアッパーだってよ。今のお前さんで言う拳の『偏向射撃』だな」

 

構えたまま言葉を続ける。

 

「良いかセシリア。『直線』ってのはお前が思っているよりも遥かにスゲェ。俺は最高の技の1つだと思っている」

「最高の技....ですか?」

 

ピンと来ないセシリアに向かって

 

「何故なら構えた処から....最短距離を最速にッッ!!」

 

シュンッッ!!

 

「目標を撃つ事が出来るからだ」

 

顔面ギリギリ直前の位置まで拳を突き出した。

 

「最短を....最速....」

「お前ならこんな事言わなくても、分かってると思ったんだがな。上を見すぎて下を疎かにしてンじゃねぇぞ」

「私は.....」

 

恭一はセシリアの『偏向射撃』を習得しようとする事に異を唱えた訳では無かった。

『曲がり』を意識し過ぎて、これまで培ってきたモノを『軽視』しつつあったセシリアの態度に違和感を感じていた。

 

「一枚の葉に囚われてる内は木は見えて来ねぇぜ? 直線だろうが曲がろうが射撃は何処までいっても射撃だろう?」

 

(私は『曲げる』事に固執し過ぎて、他の技術を無意識に下に....?)

 

私はなんて大馬鹿なのでしょうか。

自分のこれまでを支えてくれたモノを蔑ろにしていたなんて。

これでは習得出来る訳無いでしょう!

 

「ッッ!!」

 

両手で自分の頬を2回叩く。

気合を入れるために、これまでの自分を戒めるために。

 

「セシリア・オルコット! もう一度基礎からやり直しですわッッ!!」

「ふっ....そうかい」

 

答えの見えない迷路を彷徨っていた彼女は、吹っ切れたようだ。

 

「なら俺も一緒に鍛錬を―――」

「それは駄目ですわ」

 

自然な流れでも無理なものは無理である。

 

 

________________

 

 

 

「う~ん....」

 

それはある日の事。

中国代表候補生、凰鈴音は自分の手帳に記されたカレンダーを睨み唸っていた。

今月はIS学園のイベント『キャノンボール・ファスト』がある。

だが、それ以外にもイベントが鈴にはあった。

 

「27日は日曜日ね」

 

『キャノンボール・ファスト』が行われる27日。

この日は一夏の誕生日でもあるのだ。

 

「あの馬鹿、相変わらず自分の誕生日を忘れてるっぽいわね」

 

当然のように鈴も皆に言っていない。

 

「聞かれもしてないのに喋るとかKYだもんね、うん。あたしは間違っていない」

 

『たんれんぶ』の面子はともかく、一夏を狙っている少女は多い。

そんな連中に知られたら一体どうなる事やら、想像したくもなかった。

 

「アイツも、もう高校生だもんね。男の子ってどんなプレゼント貰ったら嬉しいのかしら」

 

アクセサリーはもう『白式』の待機状態で付けているし。

 

「こう云う時に男友達が多いと良いんだけどなぁ」

 

中国から来た鈴には一夏と弾くらいである。

 

「弾は....駄目ね。一夏の事で揶揄ってくるに決まってるし」

 

そうなると残るは―――

 

自分の視界内で自販機に向かって怒鳴っているアホ。

 

「いや、でもなぁ.....大丈夫かしら」

 

『ネアンデルタール人でも分かる恋愛指南書』をドヤ顔で購入していた男である。

戦力になるかどうかは....何とも言えない。

 

(まぁ居ないよりはマシかしらね)

 

鈴による乙女的採点では中々の辛辣さだった。

 

「ねぇ恭一」

 

まだブツクサ言っている恭一に声を掛ける。

 

「おう鈴。コーラ買ってくれよ」

「ナチュラルにたかってンじゃないわよ!!」

 

しょうがないから買ってあげる鈴は、何だかんだ良い子である。

 

「ね、あんた明日暇でしょ? ちょっと付き合いなさいよ」

「コーラを買って下さった鈴様に従いましょう」

「きもちわるっ!?」

 

即答&恭しいお辞儀の恭一に対し、思った事を口にする。

 

「それじゃ駅前のモニュメントに十時ね」

「かしこまりっ!」

「気持ち悪いっツってんでしょあんたァ!!」

 

 

________________

 

 

 

「あー....早く着すぎたわね」

 

目が覚めた鈴はする事も無かったので、少し早目に出たのだ。

時計を確認する。

 

(こんな事なら一緒に出た方が良かったかしら)

 

しかし、2人で出掛けようものなら誰かしらが聞いてくるに違いない。

何処へ行くのか、何のために、と。

そうなれば一夏の誕生日が知れ渡ってしまう可能性がある。

それだけは正直避けたかった。

 

(恭一の奴おっそいわねぇ....レディーを待たせて何が恋愛指南書よ)

 

流石の恭一も待ち合わせ30分前から待っては居ない。

 

(最近、制服とジャージしか着てなかった気がする)

 

久しぶりに着た私服をウィンドウでチェックしていると

 

「カーノジョっ♪」

「今日ヒマ? 今ヒマ? どっか行こうよ~」

 

見るからに遊び人、と云った風体の男が2人。

女性優遇制度を各国が取るようになってから、男性の地位は確かに急転直下した。

しかし、それなりの容姿があれば権力者である女性から愛される、俗に言うホストやアイドルなどは以前以上に可愛がられるようになったのである。

 

自分が強いと勘違う女性と共に、容姿さえ良ければ自分を求めてくれると勘違う男性も増えていたりするのだ。

 

「嫌よ」

 

当然、鈴はキッパリと断る。

 

「えー? いいじゃん、いいじゃーん、遊びに行こうよ」

「車向こうに駐めてるからさぁ。どっかパーッと遠くの方まで行こうよ!」

 

一回断られた位では諦める筈も無い。

 

「嫌って言ってんでしょ。しつこいわよ」

 

そんな2人をキッと睨むが

 

「そんな怖い顔も可愛いね!」

「笑ったトコ僕に見せてよ~」

 

(キモッ!! ウザッ!! ぶっ飛ばしてやろうかしら)

 

しかし、それは出来ない。

彼女はただの一般人では無いので、大事になると後々処理が面倒なのだ。

イライラ沸騰しかけた、その時

 

「お~っす、お前早いなぁ....まだ15分も前だぞ?」

「あっ....恭一」

 

ナンパ師2人からススス、と離れ恭一の腕に自分の腕を絡める。

 

「あたし、コイツとデートなのよ。だからナンパなら他を当たってちょうだい」

「???」

 

(いいからあたしに合わせなさい!)

(ツープラトンか?)

(そっちじゃないわよ馬鹿ッッ!!)

 

「まぁそういう訳なんで―――」

 

とりあえず鈴に合わせ、2人の横を通過しようと

 

「オイオイ待てよ」

「そんな男なんかより俺らの方がカッコイイだろぉ?」

 

(はぁ....まぁこうなっちゃうわよね)

 

この展開も正直頭の中にあった鈴は心底だるそうな顔になる。

 

「揉め事は勘弁して貰えませんか? これから行く所あるんで」

 

あくまで下手に出る恭一にますます図に乗る2人組。

 

「おうおうビビッちゃって! 君の彼氏だっさいねぇ!」

「オラ、まずは財布出せよ。そしたら行かせてやるよ」

 

ニヤニヤして手を差し出す。

 

「なっ....いい加減にしないとッッ!! 恭一?」

 

手で下がるよう言われた鈴は不満顔だ。

 

「金目のモノでも、良いですか?」

「オウ、早く出せよ」

 

(なっ....何で其処までしなくちゃいけないのよ!! 確かに騒動は御免だけどこんなの間違ってるでしょ!?)

 

鈴の憤りを余所に、恭一は申し訳なさそうにポケットをまさぐった右手を

 

「ぺぎゅあっ!?」

 

相手の顔面にめり込ませた。

 

「なっ....何してんだテメェ!!」

「何って金目のモン出したんだろうが」

 

恭一は悪びれずに右手を見せびらかし

 

「『鉄拳』.....なんちゃってな! うわははははッッ!!」

「あぁ....そういやコイツはこう云う奴だったわね」

 

1人爆笑する恭一に鈴は頭を押さえるばかり。

 

「さっさと座布団出さねぇかコラァ!!」

「へぶぅっ!?」

 

唖然としていた片割れにはハイキック。

吹っ飛んだ先にて2人は仲良く重なり合いダウンした。

 

「さて、鈴よ。中々面白い催し物だったが、此処は日本だ」

「はぁ? 急にどうしたのよ」

 

目まぐるしく変わる恭一のキャラに付いて行けない鈴。

 

「法治国家に優秀な警察社会」

「まぁそうね.....ってちょっ!?」

 

言い終わる前に鈴は優しくお姫様ダッコされ

 

「なっ、何すんのよバカ! エッチ!」

 

―――からの

 

「よっと」

 

脇に抱えるお米様ダッコに移行。

 

「そう云う意味で言ったんじゃないわよッッ!! 馬鹿じゃないのあんたァ!!」

「あん? こっちの方が運び易いンだよ」

「はこ....? ちょっ....まっ....ひょわあああああああッッ!?!?」

 

鈴を脇に抱えた恭一は全力で駆け走る。

騒ぎが大きくなる前に、もっと言えば現場からは2分以内に脱出が肝なのだ。

 

「高速世界の景色を楽しめ鈴ッッ!!」

「そんな余裕ある訳っ....ひゃああああああッッ!??!」

 

この後イチゴパフェを奢らされた恭一だった。

 

 

________________

 

 

 

「んで、俺は何のために呼ばれたんだ?」

「一夏が今月誕生日でね。何か買ってあげようかと思ってるんだけどさ、いまいちピンと来ないのよ。だから男のあんたの意見も聞きたくてね」

「そう云う事なら任せろ!」

 

早速やってきた訓練器具コーナー。

 

「....うん、知ってた。こうなる予感はしてたわよ」

 

いざ行かん、とする恭一を引っ張って店から出る。

 

「何だよ。まだ何も見てねぇぞ」

「違うのよ、そう云うのは今回は求めてないのよ」

 

どうしたものか。

 

「ならあそこ入ってみようぜ」

「何処よ?」

 

恭一が指したのは時計店。

 

「へぇ....あんたにしては中々まともなチョイスじゃない」

「当たり前だよなぁ?」

 

恭一が選んだ理由は、今の立ち位置から一番近かった。

唯それだけである。

 

「アイツに似合う腕時計ってどんな感じかしらね」

「さてなぁ....『白式』のガントレットが白だろ? そっから考えてみれば良いんじゃないか?」

「おお....あんた中々やるじゃない!」

「当たり前だよなぁ?」

 

恭一にしては珍しく真っ当な意見である。

 

「ふむふむ....これにしようかしらね」

 

自分が乗っている『甲龍』と同じ色の時計をチョイスしたようだ。

 

「今日買うのか?」

「ええ、思い立ったが吉日ってね!」

 

鈴は満足したのか、笑顔で店員に包んで貰っていた。

出口で待っていた恭一と合流すると

 

「今日は付き合って貰って悪かったわね」

「別にいいさ」

 

時刻は丁度昼時である。

 

「お礼に何か昼ご飯奢ってあげるわ、感謝しなさいよね!」

「ふっ....俺を見くびるなよ鈴」

 

むっふっふ、と笑う恭一。

 

「こう云う時は、男が奢る事を俺は知っているッッ!!」

「....ネアンデルタール人?」

「ネアンデルタール人だ」

 

他の人が聞けば意味不明過ぎる会話だが、この2人だけは通じる。

 

「なら恭一の男らしい処を見せて貰おうじゃない♪」

「うむ。出来る漢恭一に付いて来るが良い」

 

道行く2人の端にはとある機械。

 

 

「コーラ買ってくれ鈴」

「なんなのよあんたァ!!」

 

 

________________

 

 

 

「ねぇあんた、マジでアイツにアレをプレゼントすんの?」

「おう!」

 

昼食を終えた処でもう鈴の目的は済んだのだが、恭一も一夏にプレゼントすると言い出し、先程まで見て回っていたのだ。

 

「いやまぁ.....う~ん.....良いとは思うけどね」

 

果たして何をプレゼントする気なのか。

それはまた別の機会に。

 

そんなこんなでIS学園への帰路につく恭一と鈴だが、疲れているのか鈴のテンションが少し低い。

恭一はと云うと

 

(昼はハンバーグ食ったから、夜はステーキだな)

 

気を遣えるのか、遣えないのか。

 

「ねぇ....恭一。あの.....さ」

 

いつもの元気ハツラツな少女は何処へ行ったのか。

もじもじと俯き加減で指をもてあそび、居心地悪そうに視線をあちらこちらへ。

 

「なんどす?」

「何で訛ってんのよッッ!!」

 

いつものノリで思わず突っ込んでしまった。

 

「あーもう!」

 

髪をワシワシかきあげる。

躊躇っていた自分が馬鹿みたいだ。

 

「あのね! 臨海学校の時にあたし溺れてたでしょ! その時助けてくれてアリガト! はい、おしまいっ!」

 

やっと言えた。

ずっとコイツに言えなかった言葉。

 

「おう! 気にすんな!」

 

恭一はニカッと笑った。

それに釣られて鈴も笑顔になる。

 

「今夜は私も焼肉定食でも頼もうかしらね」

「お前ほんと肉好きだなぁ」

「あんたに言われたくないわよ!」

 

何時かもう一度コイツに聞いてみよう。

あの時あたしが恐怖した、問いかけを。

 




悪友くらいにはなってほしいです(#゚Д゚)y-~~

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