野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

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転生あくしろよ


第7話 転生完了!

「うん。これ中々美味いね」

 

パリパリとせんべいを食べ、お茶を啜る恭一。

 

「でしょ?神が死者を饗すなんて、異例の事なんだから誇って良いですよ」

 

いや元はと言えば童のミスが原因なんじゃ---

そう思ったが口にする程世間を知らない恭一では無かった。

 

「それじゃあ、教えてよ。九鬼さんのお師匠さんの事」

「ふむ。そうじゃの何から話そうかのぉ...」

 

少しの間目を閉じ、これまでの師匠との時間を思い返す。

 

 

________________

 

 

 

『師匠と恭一の楽しい修行編』

 

 

「おめえさんは天性の身体能力に頼りすぎだぁな」

「どういう事だよ?」

「おめえさんの握力に物を言わせた破壊っぷりは嫌いじゃねぇが、オイラからすりゃ隙がありすぎんだよ」

「隙だって?自慢じゃないけど、師匠と戦うまではこれでも負け無しだったんだぜ俺?」

 

確かに恭一は未だ男に勝てずにはいたが、馬鹿にされた気がしてムッとなって反論した。

 

「それじゃあ、説明してやろう。まずおめえさんの握撃についてだが「ちょっと待て」ん?なんだ?」

「あくげきってなんだよ?」

 

さも当然と言わんばかりの男にちょっと待ったをかける。

 

「握力による攻撃、略して『握撃』分かり易いだろ?」

「...そうだな。」

「おめえさんは握撃についてどう思ってる?」

「どうって言われてもなぁ...とりあえずは重宝してるぜ?人体ドコの部分でも掴めさせすりゃ潰せるんだからよ」

「ほれ、もう答え出てんよ」

「は?」

「言葉よりも武で語った方が早いな、来いよ鬼ちゃん」

「よく分かんねぇが、いつも通り攻めるだけだッッ!!」

 

恭一は己の最速最小の動きで男の腕を掴んだ瞬間---

 

---意識が落ちた---

 

「......はっ」

 

周りをキョロキョロ見渡す恭一。

 

「おうおう、よぉさん寝とったのぉ寝不足だったんか?」

 

男の言葉に

 

「...30分以上も落ちてたのか俺は.....」

「自分が何されたかぁ理解しとるか?」

「いや....正直何が何だか....ただ胸の辺りがジンジン痺れてる様な感覚があるんだ」

「それじゃあ、ネタバラしだ。おめえさんの攻撃には動作が2つ存在する。掴む、潰す。この2動作の間、力を入れるため一瞬だが動きが止まる。今までおめえさんと対峙した奴らはどうか知らんが、オイラにとっちゃ眠っちまう程の時間だぜぇ?」

 

カッカッカ、と笑う男に恭一は戦慄した。

やはり眼前の男は何もかもレベルが違う---と。

 

「なるほど。その動作間でアンタは俺の意識を刈り取ったんだな?左胸、心臓の辺りの痛みと関係あんのか?」

「ああ。なぁに、言葉にすりゃ何て事ねぇぞぉ?心臓を腕で打ち一瞬で落とす、ただそれだけだ」

 

言葉にすれば単純極まりない事だった。

だが、意識を一瞬で落とす程の力と早さに正確さが要求される事は、恭一もすぐさま理解した。

 

「ふっ...言わずともちゃんと理解出来てるみたいだぁな」

「...ああ」

「この技は  " 金剛 "  と言う。富田流 入江文学から学んだ」

「富田流...入江文学....アンタの知り合いか?技を学んだってくらいだから師匠か?」

「まぁそんなところだぁな。これからおめえさんにも覚えてもらう」

 

---入江文学...師匠が学ぶ程の男か。

 

いつか会ってみてぇな---

 

「アンタを拒否する強さは今の俺にはないからな、覚えるさ」

「カカカッ!!分かってきてんねぇ鬼ちゃん!」

「何かコツみたいなんはあんのか?」

「そうさねぇ...重い金属で体の表面じゃなく心臓を強く叩くイメージだぁな。実践あるのみよ」

「おっ...叩かせてくれんのか?」

 

やった、と嬉しがる恭一に

 

「今のおめえさんじゃ、遅すぎて当たる前に眠っちまわぁな」

 

男は辛辣なお言葉を

 

「ぐっ...じゃあどうすんだ?」

「空手の百人組み手ってあんだろ?アレをやろう」

 

いやいや

 

「百人って...そもそも俺ほとんどの道場で出入り禁止くらってんだけど」

「とりあえずヤクザを相手にすりゃいい。この際だ、オイラとおめえさんで指定暴力団の1つ潰しちまうかぁ!!」

 

なっ!と良い笑顔でサムズアップ。

 

「何でテンション上がってんだよ...」

「前半は警戒してないから楽勝すぎてつまらんだろうが、後半からは警戒しだして銃とか出てくるから、絶対おもれぇ戦いになんぞぉオイ!!」

「だからテンションおかしいだろ!!」

「あっ...おにぎりと水筒用意して行くからなッッ!!」

「ピクニック気分じゃねぇか!!」

 

 

________________

 

 

 

『師匠と恭一の楽しい食事編』

 

 

「おめえさん蛇は喰った事あるかい?」

「唐突になんだよ師匠。ガキの頃はちょこちょこ喰ってたぜ?」

「味はどうだった?」

「焼けば割と美味かったなあ...しっかり洗わねぇと泥臭くてキツいがな」

「よし、喰いに行こう!!」

「ああ?蛇料理なんかやってっトコあんのか?」

 

んー...と唸る男が手を叩く。

 

---やれやれ、近くの森にとか言い出すなよぉ

 

「良し!ブラジル行くぞブラジル!!」

「はぁっっ!?何で?!」

「どうせなら王様喰わねぇとなぁ!!アナコンダ喰いに行くぞぉ!!」

「いや、俺パスポートとか持ってねぇんだけど...」

 

何言ってんだコイツと言わんばかり白い目で見てくる男に

 

---あぁ、この歳でパスポート持ってないとか

 

やっぱ非常識なん「泳いで行くに決まってんだろ」フザケンナッッ!!!!!

 

 

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『師匠と恭一の楽しい旅行編』

 

 

「い~い季節になってきたなぁ...鬼ちゃんよ」

「何がだよ」

 

この男がこんな表情をする時は荒唐無稽な事を言う時だ。

恭一は冷や汗を書いた。

 

「オーロラ見に北極行くぞ」

「フザケンナッッ!!」

「わぁーってるたぁ思うが、当然泳いで行くからな」

「フザケンナッッッ!!!」

「北極グマ屠って喰いながら見よう」

「フザケンナッッッ!!!」

 

 

________________

 

 

 

「あっはっは...本当に愉快な方なんですねぇ。貴方のお師匠さんは」

 

カラカラと笑う転生神に対し

 

「ワシ以上に本能に生きとったからのぉ師匠は。あの人の何処までも非常識な行動が

ワシの本能に理性を与えて下さったんじゃて。言ってて何となく情けないがの」

 

「そう言えば、九鬼さんのお師匠さんって名前なんでしたっけ?確か---範馬勇次郎でしたっけ?」

 

それを聞くや恭一は

 

「くっくっ....がーっはっはっはっはっは!!!!」

 

突然大爆笑しだした恭一にいったい何が?

 

 

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『師匠と恭一の免許皆伝式』

 

 

「のぉ鬼ちゃんや、おめえさんがここに来てどれくらい経つ?」

「はい!もうかれこれ25年かと」

「月日が流れるのは早いねぇ...おめえさんにはこれまで数多くの技を教えてきた」

「はい」

「オイラにはまだまだ勝てんがそれでもオイラの技を全て覚えたんだ。ここに『免許皆伝書』をおめえさんに贈ろう」

「?!?!?」

 

すぐさま1歩下がり、手を地に付け頭を下げた。

 

「ありがとうございます!!!!この九鬼恭一、少しでも師匠に近づけるよう一層努力しますッッ!!!」

 

恭一は感動で涙が溢れた。

恭一の前に大きな木箱が置かれた。

 

大きな、それはとてもとても大きな木箱が---

 

「おお...」

 

感嘆の声をあげる恭一。

習得した技について詳しく書いてある。

 

皆伝書....それと初めての対面!!

興奮で手が震えながらも木箱の蓋を開け......???

 

「?????」

 

一度蓋を閉める。

 

---呼吸を整えて

 

もう一度、開ける。

 

「?????????」

 

「どうした鬼ちゃん」

「師匠?これは巷で言うところの『漫画』というモノでは?」

「ああ、そうじゃぞ?」

「????????????」

「カカカッ!!おめえさんから見て右の本を今読んでみな」

「なんなんですかもう...」

 

何が何だか分かっていない恭一は、とりあえず言われた通りにペラペラと読んで

 

 

「富田流の入江文学じゃねぇかッッッッ!!!!!!!アンタ知り合いって言ってただろうが!!!!」

 

一気に口調が若返る恭一。

 

「さて、そうだったかぁねぇ」

 

憎たらしい笑顔しやがって...!!!

 

「ん?」

 

ふと、木箱に入ってある漫画の中で目に付いた

 

『範馬刃牙』

 

---その時恭一に電流走る---

 

勢いよく一冊掴み、サッと捲っていった。

 

「範馬勇次郎じゃねぇかッッッッ!!!!!!!アンタ本名じゃねぇだろコレ!?!!?」

「カッカッカッカッ!!!!25年ぶりの真実じゃの!!」

「このクソじじいが、本名なんていうんだよ?」

「...教えてほしけりゃ倒してみんさい、鬼ちゃん?」

 

---ブチッ

 

「上等だ、そのままぶっ殺してやるよクサレじじいが!!!!!!!」

「カカカッ!!」

 

 

________________

 

 

 

「結局最後まで師匠の名前は聞けんかったのぉ...」

「はぇー...何かもう本当に色んな意味で飛んでますねぇ」

 

お互いお茶を飲み終え一息ついたところ

 

「こんなとこで良いかの童?」

「ええ、大満足ですよ九鬼さん」

 

穏やかな時間が流れる中

 

「転生出来る時間になりましたよ九鬼さん」

「おう、ようやくかいな」

「そう言えば、結局その漫画はどうしたんですか?」

「ボロボロになるまで毎日読んだよ。何度買い直したか。それが影響で、漫画集めが唯一の趣味になったくらいだしのぉ」

 

そう言いながら、転生陣に入っていく恭一に転生神は興味本位で問いかけてみる。

 

「全て習得出来たんですか?」

「...いやワシにも....師匠ですら極める事は出来なかった。使い手が1人おったわ」

「その名は?」

 

転生陣に眩い光が溢れ出し、恭一の肉体が新たな世界へ消えゆく中で

 

 

 

---渋川剛気

 

 

 

最後に放った恭一の言葉は、しっかりと転生神の耳に残った。

 

 





ああ、やっと...ISの世界が始まるんやなって


ほんとぉ?(疑心暗鬼)


あっそうだ(唐突)
作者は原作もアニメも観た事ないゾ。


ちなみに二次創作でしか知らない作者のキャライメージ言っとくゾ。

一夏...主人公補正がないと絶対学習しない駄々っ子?
セシリア...オルコット家を守る(笑)あっへぇ!!
鈴音...比較的まとも?中立ポジションが多い気がする
シャルロット...絶対オリ主に惚れさせる決まりでもあんのこの子?
ラウラ...接待嫁か妹宣言する子
千冬...無能無能あんど無能、老害すぎて引くレベル、絶対弱い
束...味方時は常識人、敵対時はそこそこのキチガイ?
ほうき...キングオブキチガイ、キチガイのチャンピオン、一夏か屑転生者至上主義者?

アニメ観て間違った印象直さなきゃ(使命感)

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