野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

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夏祭りを楽しもう、というお話



第74話 花火

「しかしアレだなアグアグ。パッと見た感じムグムグ屋台ってのは食べ物がメインなんだな?」

 

フランクフルトを右手に、チョコバナナを左手に装備した男の台詞である。

 

「食べるか話すかにしろ」

 

先程まで嬉しそうに握られていた2人の手は、食べ物達の反乱により放されてしまった。

 

「おっ....あれは何だ?」

「金魚すくいだな」

 

目に付くものを箒に聞いてまわる恭一。

 

「金魚救い? 囚われてンのかアイツら?」

「お前は一体何を言っているんだ....」

 

次に恭一の目に入ったモノは

 

「あれは何だ?」

「あれは射的だな」

「なにィ....篠ノ之神社は銃が解禁されてンのか」

「お前は一体何を言っているんだ....」

 

食べ物はもういいや、となった恭一の手には再び箒の手が。

これには箒さんもニッコリである。

 

「ん? どうした恭一」

 

恭一が険しい視線を向けている。

箒も彼の視線の先に目をやると

 

「お面が売ってある屋台だな」

「お面....」

 

恭一はお面の屋台で立ち止まるが

 

「どちらかと言うと私達の年齢向けでは無いぞ? 子供が買って喜ぶ物だと思うが」

 

箒の声が聞こえていないのか、真剣な表情で見つめている。

 

「おっちゃん、カッコ良いのを1つ頼む」

「へ?」

 

恭一は地味に傷ついていた。

とある兄妹に変態呼ばわりされた事を。

 

「これなんかどうだい、あんちゃん」

「これは....っ」

 

屋台のオジさんに手渡されたお面を受け取る。

全体を黒色でコーティングされたそれは、屋台の光を受け何処か神々しさすら感じられた。

 

「ウォーズマンじゃねぇか!」

「おう。チビッ子達にも大人気のキャラクターだぜ」

 

流れに付いていけていない女の子が1人居る事を忘れてはいけない。

 

「買った!」

「ちょっ....」

 

ホクホク顔でお金を渡し、お面を付けようとする恭一の腕を掴む事に成功した箒。

 

「顔に着けるのはやめろ、せめて後頭部に着けろ」

「いや、それじゃ意味ね―――「い・い・な?」ぁぃ...」

 

言葉では無く、心で凄みを感じてしまった敗者の後頭部にはウォーズマン。

 

「あらかた見終えたが、俺は決して満足していない。分かるか箒?」

 

一通り屋台の前を回って、人通りの少ない場所へ出てきた2人。

 

「その顔に着けた面のまま話を進めるなら怒る」

「ごめんなさい」

 

そう言って後頭部では無く、側頭部に移動させたのはせめてもの意地か。

 

「俺は此処へ来る前に最後の締めはアレを食うって決めてたんだ」

 

恭一が指差す先には

 

「わたあめ?」

「おうよ! 夏祭りの風物詩とまで言われてるらしいじゃねぇか!」

「....誰情報だそれは?」

「クラリッサ副隊長」

「本当に誰だ!?」

 

もう待ちきれない、と云った感じの恭一に連れられる形で箒と一緒にわたあめが売ってある屋台へ到着した。

 

「....職人技じゃないか」

 

わたあめ専用機である回転釜に長めの割り箸を指揮者のように振るうオジさん。

そんな姿をキラキラした瞳で眺めている恭一。

 

「俺には見えるぜ....100人編成のフルオーケストラがよ」

 

(この男は一体何を言っているんだ)

 

もう言葉にする事すら億劫になり、心の中で突っ込む箒だった。

 

「分かるかい、兄ちゃん!」

 

恭一の言葉に対し嬉しそうに食い付いてきた、わたあめオジさん。

 

「ああ、良いモノを見せて貰ったぜ」

「くぅ....これは気持ちだ! 其処の可愛い彼女の分もタダでくれてやらぁ!」

「おおっ! ありがとうよ、わたあめオジさんッッ!!」

「よせやい、照れるぜ」

 

「「 あーっはっはっはっはっはっ!!!! 」」

 

(なんだこの世界観は....私が可笑しいのか!? 私が間違っているのか?!)

 

さすがの箒もたまには恭一に付いていけない事もある。

.

.

.

「そろそろ『神楽舞』の準備に行く時間だ」

「おう。お前さんの舞う姿、しっかり目に焼き付けさせて貰うぜ」

 

玄関まで送って貰った箒。

少しの時間だけ恭一とはお別れである。

そんな彼女は玄関を潜って行かない。

デートが中断される事を名残惜しそうに、と云うか。

中々繋いだ手を放そうとしなかった。

 

「あのー....箒さん?」

「うぐっ....わ、分かっている! う~~~~っ.....」

 

(これが本に書いてあった駄々っ子モードと云うヤツか)

 

「『神楽舞』の後には花火が打ち上げられるんだったな? 絶好の見物席があるんだろ?」

「そ、そうだったな!....少しの別れを惜しむなんてどうかしてた、な」

 

箒自身が思っている以上に、この時間を楽しんでいた証拠だった。

 

「それじゃあ、行ってくる!」

「ああ、終わったらまた此処まで迎えに来るよ」

 

箒と別れたが、少し思案する。

 

「始まるまでも中々時間が掛かるんだったよな」

 

とりあえず、もう一度祭りを見て回る事にした恭一。

 

 

________________

 

 

 

「恭一じゃないか!」

「んー?」

 

道行く人とすれ違う中、見知った顔と出会う。

 

「おう、織斑か」

 

一夏の隣りには見覚えのある2人。

 

「い、一夏さん。お友達ですか?」

「ああ。同じIS学園の友達なんだ」

「って事は、一夏と同じ男性起動者って事か?」

 

一夏の隣りには五反田兄妹の姿があった。

 

「1人で来てたのか?」

「まぁそう云う事になるのか?」

「何で疑問形なんだよ」

 

確かに1人で来たのだが、2人で回っていた事を説明するのを面倒くさがる恭一だった。

 

「紹介するよ、コイツは五反田弾っていって俺の中学の友達なんだ!」

「五反田弾だ、アンタ中々センスあるな」

 

恭一の側頭部にあるウォーズマンを見て嬉しそうに頷いている。

 

「こっちの子は五反田蘭、俺達とは一個下の後輩だな」

「五反田蘭です」

 

弾とは違い、言葉少なめだが何やら恭一をジッと見てくる。

 

「....もしかして私達って何処かで会った事無いですか?」

「......」

(変態仮面って言われるのはもう嫌だ)

 

恭一は何も応えない。

その代わり、反応したのが

 

「ナンパの常套句じゃないか!! お兄ちゃんの前でそんな事を言うなんて許しませんよッッ!!」

「なっ....ち、違うわよバカ兄ィ!! 一夏さんが勘違いしちゃうでしょ!!」

 

ポカポカ殴る蘭を見て

 

「相変わらず仲良いなぁ」

「家族なら仲が良い方がいいだろう」

 

一夏の言葉に恭一も同意を見せた。

 

「良かったら俺達と一緒に回らないか? これから射的屋に行くんだ」

「射的屋.....」

 

『思いも寄らないプレゼントで彼女のハートをワシ掴みにしちゃえ♥』

 

指南書の内容を思い出した恭一も同行する事になった。

射的屋に着き、それぞれが代金を払い鉄砲とコルクの弾を受け取る。

 

恭一は皆の動きを見よう見真似でコルクを詰める。

 

(箒の目線は確かにアイツにあった)

 

射的屋の説明を箒から受けた時、チラチラと彼女が見ていた物。

見るからにフカフカで抱き心地が良さそうな、大きめサイズの一頭身ペンギンのぬいぐるみ。

 

ぱーん。

外れ。

ぱーん。

外れ。

ぱーん。

外れ。

 

(.....やってくれるじゃねぇか)

 

何もやっていない。

当たってすらいない。

 

「お前、下手くそだなぁ....」

「ぐぬぬ....」

 

本当だから言い返せない。

 

「射的は初めてか? 力抜けよ」

「わぁーってるよ! すーはー.....すーはー....」

 

一夏に言われた通り、深呼吸してリラックスを心掛ける。

もう一度鉄砲を持って構えようとするが

 

「だめだめ、構え方からしてオカシイんだって。こうやって、腕を真っ直ぐにしてだな―――」

 

説明しながら、直接身体を触ってのご指導である。

 

「あーーーーっ!! どうして一夏さんと絡み合ってるんですか!?」

「変な言い方すンなよッッ!! アホか!」

「コラ蘭! そんな想像してるなんて、お兄ちゃんは悲しいぞ!!」

 

妙に息が合う恭一と弾である。

 

「まだ説明の途中だぞー」

 

そんな中、相変わらずマイペースな一夏だった。

 

『ありがとう、恭一!』

 

嬉しそうに喜ぶ箒の姿を思い浮かべた恭一は覚悟をキメる。

 

「徹底的に頼む織斑。俺は何としてでもアレを撃ち落としてぇんだ」

「....任せろ!!」

 

一夏による熱心な指導を受ける恭一を恨めしそうに見ている蘭。

 

「ううー....私も一夏さんに教わりたーいー」

「アイツはお節介だからな、お前も知ってるだろ蘭」

 

「―――こんな感じだな。どうだ? 分かったか?」

「おう。ありがとうよ織斑」

 

狙いを定めて―――

 

ぱーん。

ぺしっ

 

「.........」

「.........」

 

当たったのは当たった。

 

「....ビクともしねぇじゃねえか」

「そうだな」

 

納得がいかない恭一と、複雑そうな顔の一夏。

もう一度代金を支払い狙いを定める。

 

ぱーん。

ぱしっ

ぱーん。

ぴしっ

ぱーん。

ぷしっ

 

ムカッ

 

恭一が狙いをつけているのは、目玉商品の1つであった。

皆が目を引く物は中々倒れないモノである。

その事を知っている一夏達は苦笑いしか出来ない。

 

「おやじィ.....」

 

ゆらりと近づく恭一に一夏はハッとする。

 

(やばい! 暴れる気だ!!)

 

「きょ、恭一! 射的ってのはこういうモンなんだって!!」

「ああその様だな。よぉく分かったぜ織斑。こんなのは俺の流儀じゃねぇって事がよ」

 

恭一は有り金全部を取り出し、射的屋のオジさんの前に叩きつける。

 

「どういうつもりだいボウズ?」

「一回で良い。鉄砲は使わず、コルクを指で弾かせてくれ」

 

周りがざわつく。

 

「オイオイ、無茶言ったらいけないぜボウズ。そりゃルール違反だ」

「分かっている。俺もこの金だけで了承を得るつもりは無い」

 

そう言って恭一はコルクを1つ摘むと、射的場よりもずっと後ろまで行ってから止まる。

 

「俺が撃つのは此処からだ」

 

その言葉に周りの者達は呆れて笑う。

 

「いやいや渋川! 流石にその距離じゃ届く事すら難しいって!」

「そうですよ、諦めましょうよ渋川さん」

 

弾も蘭も無理だって顔をしているが。

一夏と恭一本人だけは違った。

 

「はっはっは! 良いぜボウズ。其処からなら代金も通常にしてやらぁな」

「....言ったな? 織斑、俺がアレを撃ち落とす可能性は?」

「100%だろ」

 

真面目な顔で言い切る一夏を信じられないと云う目で見る五反田兄妹。

 

 

―――正解だッッ!!

 

 

指に力を込めて解き放つ。

 

(傷付けないように、撃ち落としてやるッッ!!)

 

バシュンッッ!!

 

恭一の指から弾かれたコルクは螺旋状の回転で目標物へ唸りを上げる。

 

べしっ―――ころんころん

 

コルクが当たったペンギンは大きく前後にころんころん揺れ

 

「これが本当のコークスクリューだ」

 

恭一の決め台詞と共に

 

 

―――ぽてり。

 

 

ペンギンが倒れた。

 

『わああああああああああああ!!!!!』

 

何時の間にか出来ていたギャラリーから拍手喝采が起こる。

 

「す、すげぇ!!」

「うっそでしょ....」

 

口をあんぐりさせている五反田兄妹の隣りをすり抜けオジさんの前に行く。

 

「負けたぜボウズ。流石にこれじゃあ、文句の付けようがねぇやな」

 

何処か清々しい顔でぬいぐるみを手渡すオジさんから恭一は笑顔で戦利品を受け取った。

 

 

________________

 

 

 

「そろそろ箒の『神楽舞』が始まるな」

「へっ...? 何で恭一が知ってんだ?」

「箒から教えて貰ったからな」

「そうか」

 

恭一、弾、一夏、蘭の並びで始まりを待っていると

 

琴で奏でられた幻想的な曲と共に、純白の衣と袴の舞装束に身を包ませ、金の飾りを装った箒が舞台に現れる。

見ている者達まで緊張してしまうような雰囲気の中で篠ノ之箒による『神楽舞』が始まった。

 

「......綺麗」

 

思わず蘭が呟いてしまう。

ゆったりとした静水にも似た動きの中で、左手に持つ扇を開き、それを揺らす。

右手に持たれた鈴が厳かな音色を奏でる。

その様は神秘的な雰囲気を纏っており、息を呑むような美しさがあった。

 

(......『神楽舞』か)

 

恭一も一挙一動を見逃すまい、と箒の舞姿を最後まで見つめていた。

.

.

.

箒の舞台が終わると、恭一は一夏達と別れ待ち合わせ場所で彼女を待っていた。

 

「お、おまたせ」

「おう」

 

再び浴衣姿に着替えた箒を笑顔で出向かる恭一の手には大きなペンギンのぬいぐるみ。

 

「それって....」

「アレだ、まぁなんだ。射的屋でたまたまゲットしたからな。やるよ」

 

恭一は少しぶっきら棒にぬいぐるみを渡す。

 

「わあ....ありがとう恭一! 絶対、大切にするからな!」

「お、おう!」

 

受け取ったペンギンを笑顔で抱きしめる箒に、不覚にも高鳴ってしまう恭一だった。

とりあえず、これからの場所にまで持って行くには大きすぎるので玄関に置いておく。

玄関先を出ると、何方からともなく手を繋ぎ歩きだした。

 

「凄かった」

「えっ...」

 

神社裏の林へ向かう途中で恭一が呟く。

 

「ガキみてぇな感想になっちまうがよ....箒の舞う姿は綺麗だったよ」

「そ、そうか! 恭一にそう言って貰えたら私も頑張った甲斐があったな」

 

箒は嬉しそうに、はにかんだ。

 

 

________________

 

 

 

「ほう....これは確かに絶景だな」

「ふふっ...私のお気に入りの場所なんだ」

 

街全体を上から見渡せる場所は箒の言った通り絶好の場所だった。

 

「あっちがIS学園か」

 

ライトで彩られた街を見ていた恭一が感慨深そうに言う。

 

「束姉ちゃんと10歳ン時にサバンナで会ってよ、それからは見た事も無い真新しい景色の連続だった」

「恭一....」

 

恭一はこの景色に当てられたのか、少しノスタルジックな感傷に浸っているようだ。

 

「IS学園に来てからも、たった4ヶ月程度だが色んな事があった。色んな奴と出会った。この歳で娘まで出来た。友達だって出来た。初めての連続が其処にはあった」

「確かにお前は誰よりも濃い学園生活を送ってるのかもしれないな」

 

懐かしむように、思い出を胸に刻むように、一つ一つ言葉にしていく恭一に寄り添う。

 

 

ピュ~~~~.....

ドーーーーーン!!

 

 

轟音と共に夜空を彩る花火が揚がった。

それを2人で寄り添いながら楽しむ。

 

「綺麗だな」

「花火、か。静かな音から始まり華を咲かせるのはあっという間だな。『武』に応用できんもんかな....いてっ」

 

其処まで言うと腕を箒に抓られてしまった。

 

「むぅ....今くらいは私との時間に浸ってくれても良いと思う」

「わ、わりィ....」

 

確かに恭一の先程の言葉は減点モノである。

 

(こんな時間を過ごせる日が来るなんて、あの時は思いもしなかった)

 

前世の自分が15歳の時など、マフィアとの血生臭い殺し合いの毎日だった。

 

(それもこれも―――)

 

「恭一?」

 

花火では無く、自分の横顔を見ていた恭一に気付く。

 

「箒と千冬さんにIS学園で出会えたから、今の俺が在る。二人に出会えた事こそが俺にとっての奇跡だ」

「恭一....」

 

2人の顔はゆっくりと、華やかな火の下で静かに重なった。

 

 

________________

 

 

 

「ケイ君大丈夫かよー? 大丈夫かよー?」

「身体鍛えてるから大丈夫に決まってんじゃーん!」

「やっぱケイ君はすげー! マジすげー!」

 

昼間、恭一に吹き飛ばされた3人組はアテも無く彷徨っていた。

 

「でもあの変態仮面凄かったよなー、あんなに吹き飛んだの俺っち初めてだもんよ!」

「アレだよ気功術ってヤツだよ!」

「すげーマジすげー! アイツは間違いなく県内最強の武道家だぜ!」

 

県内では収まらないのがタチが悪い。

 

「....おいアレ見てみろよ」

 

ケイ君が指した先には、男女が寄り添い合っている。

 

「どーするよー? ケイ君!」

 

ケイ君の友達であるボウ君が指示を仰ぐと

 

「おいやっちまおうぜ!」

「やっちゃいますか!?」

「やっちゃいましょうよ!」

 

3人組は意気揚々と2人に近づき、早速チョッカイを出す。

 

「ねーお兄ちゃ~ん、俺達も混ぜてほしいんだけど~!」

「ちょっと熱いんじゃなーい!? こんなところでー?」

「聞いてんかーおーい、兄ちゃーん!」

 

「あ゛ぁ?」

 

3人組と男の目が合う。

 

―――ゾクッ

 

何故か分からないが、夏だと云うのに異様に寒気を感じ身体が震えだした。

 

「....またお前らかよ」

「知り合いか?」

「話したろ? 昼間、人生の道に迷ってた奴らだよ」

 

恭一は箒の問い掛けにウンザリしたような顔で話す。

 

「な、何言ってんだよカレシー」

「そ、そうだそうだー!」

「わっけ分かんねぇよ、マジで! マジで!」

 

頭では理解しなくても細胞が、本能が理解してしまっている3人組の声は震えていた。

 

「はぁ....覆面が無いと分かんねぇか?」

 

「「「 はっ 」」」

 

ピン、と来てしまった3人組。

 

「ま、まさか貴方様は!?」

「もう一度俺に牙剥くってンなら生命保険に入ってこい」

 

ガンッ!!

 

鉄柵に拳を叩きつけ綿棒のようにヘシ曲げる。

 

「最後の親孝行させてやる」

 

3人組に睨みをきかせると

 

「ひぃっ....モノスゴイ殺し文句だぁ」

「ケイ君ケイ君! 逃げようぜ!」

「おっ、そうだな!」

 

脱兎の如く、スタコラ逃げて行く3人。

 

「....なんだったんだあの3人は」

「こんな世界じゃある意味貴重な存在かもしんねぇぞ」

 

呆然としている箒に、何だかんだで恭一は少し楽しそうだった。

.

.

.

「なぁ恭一」

「ん?」

「今夜はその.....良かったら泊まっていくか?」

「へぁ!?」

 

流石にその発想は持ってなかった。

 

―――ピロリン

 

2人の携帯に同時着信。

 

 

『泊まりは許さん』

 

 

「「.........」」

 

「それじゃあ、俺帰るわ」

「そうだな。それが良いな」

 

エスパーっぷりを遺憾なく発揮する千冬に少しビビる2人だった。

 





3人組を出さず幸せなキスして終了で良かったんじゃないんですか(自問自答)

OVAも書けたし、次からは本編かなぁ(-。-)y-゜゜゜

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