野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

25 / 180
あっそうだ(唐突)
やっとISアニメ1期全部観終わったゾ

総評は後書きにて


第24話 乙女は感情豊か

モブ「やーい、男女~」

箒 「ううっ...」

恭一「うるせーばか!」

モブ「ウワー」

箒 「恭一...♡」

一夏「恭一...」

恭一「ん?」

 

モブ「やーい、パンダ~」

鈴 「ううっ...」

恭一「うるせーばか!」

モブ「ウワー」

鈴 「恭一...♡」

一夏「恭一...♡」

恭一「えっ...」

.

.

.

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!!!!!」

 

ベッドから跳ね上がるように起きる恭一

 

「はっ...はぁっ...はっ.....ゆ、夢か?」

 

周りを見渡し、自分の部屋である事を確認すると安堵する。

 

「この前、鈴や篠ノ之に慣れない恋愛話を聞いたせいかよ。久々に寝た結果がコレとか嫌すぎる...。」

 

時計を見ると、時刻は朝方の4時だった。

とりあえず、ベッドから降り鍛練場へ足を運ぶ。

 

「しかし、夢の中とは言え俺に恐怖心を与えるとは...侮れんな織斑め」

 

人知れず恭一の中で一夏の評価が上がった。

変な方向に―――

 

 

________________

 

 

 

ダンッ!! バギャ!! ドガッ!!

 

「...今朝も精が出るな、恭一」

「おはよう、千冬さん」

 

毎朝、鍛錬をしていると5時頃から千冬さんが合流するのもIS学園に来て以来の恒例となっていた。

 

「そう言えば、お前は打鉄をちゃんとメンテナンスしてるか?」

 

組手をしながら千冬が恭一に聞く

 

「んー? しっかり、とは言い切れないかなぁ」

「ISだって人間と同じく定期的にちゃんとした管理や把握する事が大切なんだぞ? 今日辺り整備室に行って診てもらえ」

「そうだね、確かに千冬さんの言う通りだ。放課後に行ってみるよ」

 

 

________________

 

 

 

放課後になり、とりあえず整備室へ向かう恭一

恭一の目的地とは違う場所でちょっとした口喧嘩が勃発するのだが、当然恭一は知らないし、興味も無いだろう。

 

「最近、箒さんが鈴さんと一緒に過ごしているのをよく見ますわね」

「そういや箒の奴、ISの鍛錬が終わったらいっつも居なくなるんだけど、鈴と何かしてんのか?」

「部活動では無くて? 箒さんの事でしょうから、剣道部に所属しているのでしょう?」

「そっか、そうだった。忘れてたよ」

 

セシリアと一夏がアリーナに向かいながら話してると、同じくアリーナに向かう箒と鈴と遭遇した。

ここ数日間、箒はともかく鈴は一夏と距離をとっていた。

例の約束を勘違いされた怒りを落ち着かせるために時間が欲しかった事と、これだけ時間を置けば、一夏もきっと分かってくれると思ったからである。

 

「よっ...さっき、セシリアとお前たちの話してたんだぜ? 最近よく一緒にいるなって」

「あ、そう。まぁ箒とは色々あって、何だかんだ気が合っちゃったのよ」

「ふふ、まぁ確かにな」

 

鈴の言葉に箒は少し照れながらも相槌を打つ

 

「そんな事よりも! ね、一夏。反省した?」

「へ? なにが?」

 

一夏の返事に対し、ピキリと頬をひくつかせる鈴

 

「鈴、深呼吸だ」

「えっええ、そうね。すぅぅぅぅぅ...ふぅぅぅぅ...」

 

箒の言葉で何とか気を落ち着かせる

 

「あのね、私を怒らせて申し訳なかったなーとか、仲直りしたいなーとか。そういう気持ちは無いわけ?」

「いや、そんな事言われても...鈴の方が避けて無かったか?」

「確かにそれはそうだけどっっ!! そこは察しないと駄目なんじゃないの!? アンタ女の子が放っておいてって言ったら言葉通り放っておくわけ?!」

「おう」

 

事情を知らないセシリアはこの状況に傍観せざるをえなく、沈黙を守り、事情を知り鈴と仲良くなった箒はどうしても鈴側の気持ちで一夏を見てしまっていた。

一夏の小気味良い返答に鈴がまたヒートアップしていく。

 

「ん? なんか変か?」

「変かって....謝りなさいよ!!」

 

とうとう、一夏の言葉に我慢の限界が来たらしい。

 

「だから、何でだよ!? 約束覚えてただろうが!」

「覚えてたら叩くワケないでしょ!? 約束の意味が違うっツってんのよ!!!」

「意味って何だよ! 毎日飯奢ってくれるんだろ!?」

「アンタに奢って私に何の得があんのよ!! アホかアンタ!!」

「お前がそう言ったんだろうが!!」

「ちっがああああああああう!!!!! 奢るんじゃなくて、『食べてくれる』って言ったのよ!!!!!」

 

勢い余ってつい言ってしまい、顔を赤らめる鈴だが

 

「どっちも同じ意味だろ?」

 

一夏の名誉(?)のために一応言っておくが、ここに居たら恭一も一夏と同じ様な事を思ったに違いない。

 

最早完全に蚊帳の外である箒とセシリアだったが、セシリアが尋ねる。

 

「鈴さんの言っているのって、もしや日本に伝わると云う古風な言い回しのアレなんでしょうか?」

「うむ...まぁな」

 

ため息混じりに応える箒

 

他人の己に対する感情、特に好意に対しては何故か天変地異的レベルまで鈍感な一夏の事を幼少時からの付き合いがある箒、そして1年前まで共に過ごしてきた鈴も理解はしているつもりだ。

 

実際、一夏は歩くフラグと言われる程、昔からモテていた。

告白されたことだって幾度もあった。

しかし、告白が成就した例は過去一度も無い。

『付き合ってください』『何を買いに行くんだ?』これが中学時代、王道のやり取りだったそうだ。

当時の鈴はその様子を笑っていたのだが―――

 

今回はその鈍感ぷりにあてられた張本人である。

鈴からすれば、たまったもんじゃないだろう。

 

「だ・か・ら! 同じ意味なら何で私はアンタに怒ってんの!?」

「知るかよ! ちゃんと言ってくれないと分かんないだろ!?」

 

悲しい事に、分かっていないのはこの場では一夏のみだった。

 

 

『へぁっ.....クシッ!!!!! んがっ...整備室って埃でも溜まってんのか?』

 

 

「アンタ日本人でしょうが!! ちょっと考えれば分かるでしょ!?」

「考えるって何だよ! 教えてくれりゃ良いだけだろ!!」

 

もうここまで来たら、売り言葉に買い言葉状態である。

 

「あったまきた...どう言っても謝る気はないのね?」

「いや、だから説明してくれりゃ謝るって!!」

 

一夏の言う事は最もなのだが、恋する乙女からすれば

 

「そっ...それが出来たら苦労しないのよ!」

 

このままじゃずっと平行線である。

 

「分かったわ、ならこうしましょ? 明日のクラス対抗戦で勝った方が相手に何でも言う事を聞かせられるの! どう、のる?」

「おう、良いぜ。俺が勝ったら説明してもらうからな」

「説明は...ちょっと..」

 

指をモジモジさせる鈴

 

「なんだ? 嫌ならやめでもいいんだぜ?」

 

そんな気は無いのかもしれないが、挑発めいた言葉であった。

そして当然の如く、鈴がまたキレる。

 

「誰がやめるのよ! あんたこそ、謝罪の練習しておきなさいよ!!」

「なんでだよ馬鹿」

 

いつもの軽口なのだが今の鈴には

 

「馬鹿とは何よ!? こっの朴念仁! 超鈍感! 耳腐ってんでしょこのKY男!!」

「なんでそこまで言われなきゃなんないんだよ!? この貧乳!!」

 

あっ...言ってから一夏もまずいと気付く

 

 

ドガアァァァァァン!!!!!!

 

 

鈴の腕にはISが部分展開され、アリーナの壁を粉砕していた。

 

「あんた...覚悟してなさいよ」

「いや、今のは悪かった」

「『は』じゃないでしょ『は』じゃ!! ずっとアンタが悪いんじゃないッッ!!!!」

 

そう言って鈴はアリーナから走って出て行ってしまう。

その時、箒とセシリアは鈴の涙を見てしまった。

 

周りで練習していた者たちも当然この光景を目にしており、アリーナ全体の空気が重かった。

 

「おい、一夏。謝りに行かないのか?」

「そっ、そうですわ一夏さん。さすがに今のはちょっと...」

「何でだよ、俺だって非道い事言われたんだぜ?」

「...一夏、お前は男だろう。男なら引く時は引いてみせるのも度量では無いのか?」

 

男、という言葉を出され言葉を詰まらせる一夏

そう言うと、箒も出ていこうとする。

 

「箒さん、どちらへ?」

「鈴が気になる。私は鈴の処へ向かう、今日の一夏の指導はお前に任せた」

「分かりましたわ...」

 

この後のアリーナは非常に気まずいままだったらしい―――

 

 

________________

 

 

 

―――一方、その頃の恭一は

 

「わっかるかああああああああああああああッッッ!!!!!!!!」

 

だいぶ、キテた。

 

整備を担当する先生が居ないので、とりあえず自力でメンテナンスに取り掛かろうと説明書片手に作業に移ったのだが相手は嘗て無い程の強敵だった。

 

「何回読んでも分かんねぇ.....」

 

縦読み?斜め読み?前後逆?

あらゆる可能性を模索したのだが―――

 

『ここにクリップをドラッグして、プロジェクトをビルドしてください』

 

「???」

 

『パルスのファルシのルシがコクーンでパージ』

 

「???????????」

 

 

「完全にスワヒリ語じゃないか.......」

 

何度も言うようだが、前世では『武神』と呼ばれた彼は裏を返せば『武』以外は人並み程度、若しくは以下である。

『武』以外でまだ得意なのは国語辞典を読書していた事から『日本語』くらいなモノか。

 

ぐぬぬぬぬ、と説明書と睨みっこをしている恭一を奥の方で観察する者が居た。

 

「あの人って...確か本音がよく話す、なんて言ってたっけ、『物体X』?」

 

私は前に1組で行われたクラス代表戦を息抜きついでに見に行った。

凄いの一言だった。

訓練機で専用機持ちを圧倒する強者の姿。

その日の夜は、相部屋であり、親友の本音と興奮して語ったのをよく覚えている。

 

「何か困ってるみたいだし、教えた方が良いのかな...でも.......」

 

自分にもやるべき事がある。

そして彼女―――『更識簪』は人見知りをするタイプであった。

どうしようか、と迷っていると

 

「あら、渋川君じゃないですか」

「おおっ山田先生! 助けてください!」

 

「..........」

 

悩みが解決したのか、笑顔で真耶と話す恭一を確認する簪

 

「はぁ.....こんなんだから、私はお姉ちゃんに認めてもらえないんだ......」

 

悲しい声で呟くが、その言葉に応える者は今はまだ居ない。

 

 

________________

 

 

 

クラス対抗戦 第一試合

 

『織斑一夏vs凰鈴音』

 

間もなく始まろうとしていた。

 

「ぬわぁぁんで、俺がこんなトコにいるんだ?」

 

他人の試合など特に興味を持たない恭一は『そんな事より鍛錬だ!』と張り切って身体を酷使させていたところ

 

『これも学園生活の1つなんじゃないか?』

 

と箒に誘われたため、アリーナで観戦しようとしたのだが、鈴と一夏の2人に対して激励したいと言うのでホイホイ付いて行くと、気づいたら恭一も千冬や真耶が居る管理室で観戦する事になっていた。

.

.

.

アリーナに出てきた2人だが、まずは口上戦からなのか鈴がオープン・チャンネルを開き、一夏に話しかける。

 

「一夏、今謝るのなら少しくらい痛めつけるレベルを下げてあげても良いのよ?」

「雀の涙くらいだろ、そんなのいらねぇよ。全力で来い!!」

 

雪片弐型を構え、そう啖呵を切る。

 

「一応言っておくけどね、ISの絶対防御だって完璧じゃない。シールドエネルギーを突破する攻撃力があれば、本体にダメージを貫通される事は出来る。なにより命は守られても痛みは感じるんだからね」

 

その言葉を最後に、鈴も戦闘態勢に入る。

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

ブザーがアリーナに鳴り響く、と同時に両者が動き出すッッ!!!!!!!

 

観ると決めたからには、恭一も2人の戦いを真剣な眼差しで見ていた。

 

 




ちなみに冒頭の夢は、しぶちーが子供の頃から
学校に通っているIFの世界線でのお話です。
どっちの世界が幸せなのか(困惑)


アニメを観た事で作者が読んだssによるイメージとの相違はあったのか

検証

一夏: 主人公補正に最も愛された男。何をしても上手くいく正に神に愛された者。他のssで何故「一夏魔改造」やら「別世界で強くなって」みたいな流れが必要なのか、よく理解できました。

セシリア: キチガイ
鈴音: キチガイ
シャルロット: キチガイ
ラウラ: キチガイ
箒: キチガイ

キチガイばっかやんけ!いやでもコイツらマジで頭おかしい(驚愕)
色々あるけど、とりあえず力で物言わせすぎィ!!!!

あ、そっかぁ...だから恭一君が喚ばれたんやなって(納得)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。