野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

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順応しなければならない、というお話


第22話 パーティーとチャイナ娘

「織斑君クラス代表おめでとう!」

 

「「「「「おめでとー!」」」」」

 

クラッカーの音が鳴り響く。

ちゃっかり恭一も受け取ったクラッカーを鳴らしていた。

「おお」とか言いながら。

 

現在、一夏のクラス代表就任を祝うパーティーが行われている場所は寮の食堂であり、明らかに一組の生徒だけでなく、他のクラスの生徒、さらには上の学年の生徒も混じっているのだが、無礼講というやつなのだろうか。

 

「いやー、これで一年間もっと楽しくなるよねぇ」

「ほんとほんと」

「ラッキーだったよねー。織斑くんと同じクラスになれて」

「ほんとほんと」

 

この場を機会に1組以外の女子が一夏に取り入ろうと画策しているが、一夏の脇には箒とセシリアが控えており、その周りを囲む形となっていた。

 

「おお~...おりむーは人気者だね!」

「う~ん、でも少しウチのクラスの子は減ってない?」

「確かにそうですね、昨日と今日で織斑君に対する評価を改める子もちらほら出ているようですよ?」

 

しぶちー応援隊がそんな話をしていると

 

「はいはーい。新聞部の黛薫子でーす! 話題の新入生、織斑一夏君に突撃インタビューをしに来ました! ついでにもう一人の方も記事にしちゃうよ~」

 

何となく、しぶちーを蔑ろにされた気がしてムッとなる三人娘だったが、本人を見てみるとチキンを両手にモキュモキュと頬張っていた。

 

『...なんかリスみたい』

 

そんな恭一の姿に三人娘以外にもちらほら癒される者がこっそり出現していた。

 

「では織斑君、クラス代表になった感想をどうぞ!」

「えーと...まぁなんというか頑張ります」

「普通だなぁ...もっとこう、俺に触るとヤケドするぜ! みたいなのが欲しいなぁ」

「自分、不器用ですから」

「うわっ、前時代的すぎる」

 

とりあえずは聞き終わったのか薫子の次の標的は恭一に絞られた。

 

「次は渋川君! 2人目として学園に来た感想をどうぞ!」

「チキンがうまい」

「はっ...?」

 

サラダを食べながら、このコメントである。

 

「いや、えっとねそういう事が聞きたいんじゃなくて」

「イチゴがのったケーキが食べたい」

「いやだからね?」

 

「しぶちーあっちにケーキがあるみたいだよ~」

 

本音の声に反応した恭一は薫子の横を素通りして行った。

 

「えー...」

 

さすがの薫子も初見では恭一の自由っぷりに対し、見事に切り返す事は出来なかった。

その様子を恭一と同じ1組の女子は「ああ、渋川君は今日も平常運転だ」との感想だったが、他のクラスの女子は違った。

 

「...なにあれ」

「頭おかしいんじゃない?」

「って言うかアレでしょFランクの落ちこぼれなんでしょ?」

「えっそうなの?何でそんなのがこのIS学園にいんのよ」

 

これみよがしに、恭一を快く思っていない女子達が騒ぎ立てる。

彼女らが面白おかしく恭一を揶揄するのを見て1組の皆が思った。

 

『おいばかやめろ』

 

入学してから1週間以上経って恭一という男についていくつか分かった事がある。

訓練機でも代表候補生を圧倒する強さ

生身でコンクリートを破壊する程の強靭な肉体

そして---あの男は面倒事に巻き込まれる事を非常に好む傾向がある

 

そんな男が易々と火種を逃すはずがない。

これが恭一に対する1組の大半の認識である。

 

「渋川君に聞こえちゃったかな?あの子達の会話」

「どうでしょう...と言うより、あの人達は昨日の模擬戦を見てないのでしょうか」

 

見ていたら普通の子なら言わない。

よっぽどの自殺願望者か、自分の力を試したい勇気ある者か。

 

「...渋川さんが聞いていない事を祈りましょう」

「そうだな...」

 

恭一の強さと怖さを知るセシリアと箒だからこその言葉であった。

 

「ん? なにがだ?」

 

一夏も平常運転だった。

 

 

「寮の食堂でパーティーが開かれるとは、愚弟も偉くなったもんだ」

 

そこへ恭一大好き人間が現れてしまった。

 

「渋川も居るのか...珍しいな。お前の事だからこういう事には参加しないと思ったんだが」

「...........いえ、折角クラスの皆や他のクラスの人達と交流出来る場ですから。大いに楽しんでましたよ」

 

凄く...物凄く暗い顔で千冬に応える恭一

 

「ん? その割には悲しそうな顔じゃないか、嫌いな料理でもあったか?」

「.....自分なんか死んだ方が良いって...生きてる価値ないから今すぐ死ねって...言われました........」

 

『そこまで言ってねぇええええええええええッッ!!!!!!!』

 

---1組、心の叫び

 

「....なんだと?」

 

周りの温度が一気に下がる。

 

「誰が.....私のきょ...私のクラスの生徒に誰がそんな事を言った......?」

 

修羅の問いに対し---

皆の視線が一箇所へ固まる

 

「えっ...いや、そんな事言ってないよね」

「そっ、そうそう!何勘違いしちゃったのかな渋川君」

「普通にお話してただけだよねっっ」

 

---黙れ

 

「ひっ....」

「貴様ら、指導室へ来い。話はそこで聞いてやる」

 

このままじゃ連れて行かれてしまう生徒達。

それに待ったをかけた勇敢なる者がいた。

 

「待ってください織斑先生」

「....渋川?」

「俺は...彼女達に.....認められたい!!こんな俺でも..生きて良いんだって認められたいんですッッ!!!!!!」

「渋川...」

「でも....どうすれば、俺は....そっそうだ! ここはIS学園なんだ」

 

『やばい』

 

「俺にっ...俺に彼女達と今から模擬戦をさせてください!!!!お願いしますッッ!!!!!」

 

あろう事か土下座までする恭一

どんな顔をしているのかは見れない。

 

「そうだな...本来ならもうアリーナの使用時間は終わっているのだが、特例で認めてやろう。ルールはどうする?」

「4vs1でお願いします」

 

そんな恭一の言葉に、その4名はほくそ笑んだ。

 

(なぁんだ楽勝じゃん。っていうかこれを機にボコボコにしてやりましょ)

 

「なお、これは非公式のため監修は私のみ。当然、観客も無しだ。行くぞ、ついてこいお前たち」

 

千冬に続く形で揶揄していた女子も続く。

最後に恭一が出て行く最中---

 

 

「....これでもう誰も逃げられない」

 

 

狂者の言葉が1組の生徒にのみ聞こえた。

.

.

.

「しぶちー行っちゃったね」

「土下座してたね」

「見れませんでしたけど、どんな顔をしてたと思いますか?」

 

静寐の問いに皆が思った。

 

『絶対嗤ってた』

 

「ふんっ...渋川様にあんな事を言ったんだもの。自業自得よ!!」

「そうよっ!! ああ私も渋川様が蹂躙なさるお姿を拝見したいいいいいいッッ!!!!!」

 

「う、うわぁ...」

 

クラス代表推薦時に恭一と一夏を揶揄し、狂者の標的となった女生徒2人は今まで体験した事のない恭一の凄みにあてられた結果、変な方向へ進んでしまった。

 

「全く...渋川め、何故こうも無為な事に対して全力で挑むんだ」

 

ため息をつく箒

 

「あの4名の人達は、ご愁傷様としか言えませんわね。正直あのような恐怖だけはニ度と御免被りたいですわ...」

 

ブルリと肩を震わせるセシリア

 

「何で土下座までしてたんだアイツ?」

 

怒涛の展開に理解が追いついてなかった一夏である。

.

.

.

翌日、スキップしながら登校している恭一の姿が多数目撃され、件の4名は学校に現れる事はなかった。

 

 

________________

 

 

 

クラス代表戦から数日後

 

「転校生?」

「違うクラスらしいんだけどね、何でも中国の代表候補生なんだってさ」

 

最近、少しずつだが恭一に話しかけてくる者が増えてきており、今話している女子もその1人である。

名前を『谷本癒子』という。

 

「代表候補生なぁ...」

 

恭一にとってもはやその肩書きは無に等しい存在となっていた。

主にセシリアの影響で。

 

一夏たちの会話でも話題になっていた。

 

「へぇ...中国の代表候補生か。どんな奴だろうな?」

「あら。私の存在を今更ながら危ぶんでの転入かしら?」

 

最早、お約束のポーズを取るセシリアに

 

「ないだろ」

 

箒のツッコミが入る。

 

「んなっ...その言い方っ....最近、貴女渋川さんに似てきてますわよッッ!?」

「なっ何を戯けた事を言っている!?何故アイツに私が影響されなければならんのだ!!」

「お前ら仲良いなぁ」

 

「「どこを見て言ってる(ますの)ッッ!!!!」」

 

「し、しかしアレだぞ一夏。今のお前は女子を気にしている余裕があるのか?もうすぐクラス対抗戦が控えてあるだろう?」

 

箒の言葉にクラスの女子も激励する。

 

「織斑くん、がんばってねー」

「優勝特典のデザートフリーパスのためにもね!」

「今のところ専用機を持ってるクラス代表って1組と4組だけだから、余裕だよ」

 

「――その情報、古いよ」

 

そんな声が、教室の入り口から聞こえてきた。

 

「2組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝出来ると思わない事ね」

 

ツインテールを靡かせ、ニヒルな雰囲気を醸し出している小柄な女の子が立っていた。

 

「鈴...?お前、鈴か?」

 

どうやら、一夏の知り合いらしい。

 

「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」

「何格好付けてるんだ?すげえ似合わないぞ」

「んなっ!? 何てこと言うのよ、アンタは!」

 

一夏の言葉に噛み付く鈴音だったが、その後ろには

 

「おい」

「なによっっ!?」

 

ドゴッ!!!!

 

「ふがっ」

 

聞き返した鈴音に返ってきたのは、出席簿打撃だった。

 

「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

「ち、千冬さん...」

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」

「す、すみません....」

 

中国代表候補生でも千冬には逆らえないようで、スゴスゴと引き下がる鈴音。

 

(そう言えば、このクラスにもう1人男がいるんだったわよね?)

 

帰り際に恭一の姿を確認し

 

「また後で来るからね! 逃げないでよ、一夏!」

 

とある疑問を持ちながら教室へ帰って行った。

 

(何で折り紙?)

 

とりあえず、ヒコーキから折る事に妥協した恭一の姿だった。

 

「...一夏、今のは誰だ? 知り合いか? えらく親しそうだったな?」

「い、一夏さん!? あの子とはどういう関係で---」

 

他にも一夏に詰め寄る女子達全員が千冬の出席簿の餌食となった。

.

.

.

「待ってたわよ、一夏!」

 

昼休みになり、食堂で一夏達を待ち受けていたのは先程の中国娘だった。

 

「とりあえずそこ退いてくれ。食券出せないし、普通に邪魔だぞ」

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

 

ようやく席につき、語り合う2人

 

「それにしても久し振りだな。ちょうど一年ぶりになるか。元気にしてたか?」

「げ、元気にしてたわよ。アンタこそたまには怪我病気しなさいよね!」

 

そんな会話の中、痺れを切らしたのか箒とセシリアが突っかかる。

 

「一夏! いい加減どういう関係なのか説明してほしいのだが?」

「そうですわよ。もしや、この方と付き合っていらっしゃるのですか!?」

 

「べべっ、別に付き合ってるわけじゃないわよ?」

「そうだぞ、何でそんな話になる?ただの幼馴染だよ」

「..........」

「何、睨んでいるんだ?」

「別に何でもないわよ!」

 

一夏が発した言葉に引っかかる箒

 

「...幼馴染?」

「箒とは入れ違いに転校してきたんだよ。小4の終わりに箒が転校したから鈴が転校してきたのは小5の初めだな。ほら、鈴。前に話した事があっただろ? 俺が通ってた剣術道場の娘さんだよ」

「あぁ...そんな事も言ってたっけ?」

 

鈴は箒に挑発的な視線を送る。

 

「む...」

「初めまして、これからよろしくね。篠ノ之さん?」

「ああ、こちらこそ」

 

2人共、一夏に関しての敵だと認識し、視線をぶつけ合う。

 

「箒がファースト幼馴染で、鈴がセカンド幼馴染だな」

.

.

.

離れた場所でいつもの3人娘に癒子を加え昼食をとっていた恭一達にも、一夏達の会話が聞こえていた。

 

(幼馴染って優劣が存在するのか...分からん世界だなぁ)

 

「ねね、渋川君はあの中国の娘どう思う?」

 

清香がそんな事を聞いてきた。

昼食を全て平らげお茶で一服していた恭一はふと目をやる。

 

「....まずあのツインテールを掴んでジャイアントスイング―――

「ちっがああああああああうッッ!!!! 誰が倒し方を聞いたのよ!?」

「ええ...?」

「あ、あはは。やっぱり渋川君って他の人とは何かが違うね」

 

癒子の呟きに3人は、こんなの序の口レベルなんだよ、と思ったそうだ。

そんな恭一達のまったり(?)とした会話をよそに一夏達の方は少しずつヒートアップしていった。

 

「ところで、一夏がクラス代表なんだって? ISの操縦、見てあげてもいいわよ。なんせ強いしね私」

「ああ、それは助かるな―――」

 

バンッ!!!

 

机を叩き立ち上がる箒とセシリア

 

「貴女は2組でしょう!? 敵の施しは受けませんわ!」

 

セシリアは鈴の横暴な言葉に対して

 

「お前はっ...あの人この人どフラフラとッッ.....!!!」

 

箒は一夏の八方美人な言葉に対して

 

「あたしは一夏に言ってんの。関係ない人は引っ込んでてよ」

「関係無くないですわ! 私と箒さんが一夏さんに指導してますのよ?!」

「はぁ...アンタ達には聞いてないってば、教わる本人の意見が大事なんじゃない? 一夏は誰にISの事を教わりたいわけ?」

 

鈴の唐突な言葉に困惑した一夏は少し考えて

 

「みんなで一緒に、ってのはどうだ?」

 

「「「はぁ!?」」」

 

 

「さて、そろそろ教室に戻るか。強敵(折り紙)が俺を待っている」

「しぶちー、さすがにそのセリフはカッコ悪いと思うな♪」

 

一夏達の喧騒などまるで興味のない恭一達はすたこら食堂を出て行った。

クラスの子曰く、恭一達が行ってからも騒ぐ声は一向に治まらなかったらしい。

 

 

________________

 

 

 

「お前がここに来た時の顔はたいてい眉間にしわが寄ってるな?」

 

放課後、いつものように恭一がプレハブ小屋の前で鍛錬をしていると、不機嫌な顔をした箒がやって来た。

 

「うるさい...こっちの木偶使わせてもらうぞ」

「ああ」

 

恭一との試合以来、ほとんど毎日の頻度で恭一の住む小屋に来ては共に鍛錬するようになったので、箒用に新しく鍛錬用の木偶人形が設置されていた。

 

「今日は随分と来るのが早かったな? まだアリーナの使用時間は残っているだろ」

「ふん...一夏が今日来た転校生と久々に話がしたいという事だったんでな。気持ちは分からんでもないから早めに切り上げたんだ」

 

アリーナの使用時間が終わっても門限まではかなりの時間がある。

この時間をどう使うかで、実力に大きな差が出る可能性は確かにある。

恭一の壮絶な鍛錬風景を見た事で、それに感化された箒は空いてる時間を有効に使う事を心掛ける様になった。

 

2人の間に特別な会話は無い。

箒が気になった部分を聞き、恭一からアドバイスを受け実践しながら確認していく。

そのようなシンプルなやりとりなのだが、この空間は箒には居心地が良かった。

 

「...今夜はこれくらいにしておくか」

「ああ、いつもすまないな」

 

鍛錬が終わる頃にはスッキリした顔になる箒

 

「そう思うなら俺に傷をつけてみせるんだな」

「ふんっ...今に見てろ」

 

くっくっ、と笑い合う2人

 

「それじゃあ、また明日な渋川」

「ああ、また明日だ篠ノ之」

 

 

________________

 

 

 

「はぁ!? いきなり部屋に来たと思ったら何を言ってるんだ貴様はッッ!!!」

 

寮に戻り、ベッドで休んでいると鈴が箒と一夏の相部屋に乱入してきた。

 

「いやぁ篠ノ之さんも男と相部屋なんて嫌でしょ? 私ならほら一夏の幼馴染だから一緒でも我慢出来るからさ? 部屋替わってよ」

「それを言うなら私だって一夏の幼馴染だ! それにこれは私と一夏の問題だ。お前が突っ込むような話では無いだろう!?」

「ねぇ一夏、私と一緒の方が気が楽でしょ?」

 

急に話を振られ

 

「えっ...いや、俺に振るなよ」

「一夏ッッ!!! お前がそんな優柔不断な態度でどうするんだ!?」

「そんな事言われてもなぁ...」

「あ、ねぇ一夏。あの約束覚えてる?」

「は? 約束?」

「私を無視するなッッ!!!!!!」

「うるっさいわねぇ...私は一夏に話しかけてんの! 部外者は黙っててよ!!」

 

「どっちがぁ....」

 

そう言い、竹刀に手をかけようと――――

 

 

 

『聞いたぞ、篠ノ之? お前、なんだ? やたら竹刀やら木刀やら振り回してるらしいじゃねぇか』

『む...貴様には関係ないだろ』

『そんな事して楽しいのか?』

『なんだと? 貴様がそれを言える事では無いだろう!?』

『先に手を出すのはもったい無いとは思わないのか?』

『....は?』

『気に入らん奴が居たらとりあえず挑発してみようぜ』

『............は?』

『相手が頭にキて手を出してきてくれるのがベストだな。来た処をまずは華麗に捌き、格の違いを見せつける。この時の表情は場面に寄るな。無表情の方が良い時もあれば笑っていた方が良い時もある。これは経験で自然と分かるようになってくるから安心しろ...そこからはもう俺達の独壇場だな。どうだ? な? 考えただけでワクワクしてくるだろ?』

『いや....あの...何かもう、全てがおかしくないか?』

『へ?』

.

.

.

ッッ――――このまま竹刀を取っちまったらださいよ~、憎たらしい声が聞こえたような気がした。

 

「ちっ...勝手にしろ!!!!」

 

箒は勢い余って部屋から出てきてしまった。

 

「そもそも、口下手な私が渋川のように口が回るわけが無かろう...」

 

出てきてしまった以上、すぐに戻るのは気まずくロビーの方へ向かう。

 

「ん? さっきぶりだな、篠ノ之」

「渋川...」

 

自販機の前で何を買うか迷っている恭一と遭遇した。

 

 






鈴ちゃん未だしぶちーとの絡みは無し

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