野蛮な男の生きる道(第3話までリメイク済)   作:さいしん

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お前の喘ぎ声が聞きたいんだよ!(真剣)



第126話 狂鬼の目にも涙

「私達は先に中に入っている。幕が上がったらお前も入ってくるといい」

「は、はぁ」

 

メイド服を着た千冬と箒は何やら中で支度があるらしく、先に入って行った。

 

「あの格好てアレか。文化祭ン時のヤツか」

 

そう云えばあの時は織斑の接客を受けたんだっけか。

何やら懐かしい気分になる。

 

「おっ?」

 

垂れ幕が少しずつ上がっていき、恭一の目の前には扉が

 

「......開ければ良いのかな?」

 

チリンチリン♪

 

小気味よい鐘の音と共に扉を開くと

 

「「 お帰りなさいませ、ご主人様 」」

 

「へぁ!?」

 

ご奉仕喫茶改めメイド喫茶と化していた。

 

文化祭での『ご奉仕喫茶事件』(2人の中では)を未だに忘れていない箒と千冬。

クラスの出し物とは云え、恥ずかしい想いを我慢してメイド服を着たのにも拘らず、何故か本命相手の恭一を接客したのは、他でもない彼と同性の一夏だった。

あの時の悔しく無念な心は、今でも2人を燻り続けている。

 

(( それを晴らす時は今ッッ!! ))

 

気合十分な箒と千冬。

2人は同時に足を前へ

 

「「 それでは私が席へご案内致します 」」

 

互いの肩がぶつかり合う。

 

「「 それでは私が 」」

 

「......私がご主人様を案内する。貴様はテーブルを綺麗にしてろ」

「私がご主人様を案内します。テーブルは既にピカピカですので」

 

「「............」」

 

互いに譲る気が無いのか、睨み合う羅刹と阿修羅。

 

「え、えぇ......」

 

ご主人様をドアの前で置いてきぼりにするメイドが居るらしい。

 

 

________________

 

 

 

「箒と織斑先生......打ち合わせしてないのかな?」

「同じコンビでも私達とは少し毛並みが違うのよ。あの2人はね」

 

ポカーンとなっている簪に苦笑いで相槌を打つ楯無。

 

「開始5秒で仲違いとか、面白すぎンでしょあの2人」

「流石の恭一さんも固まってますわね」

 

 

________________

 

 

 

結局睨み合う2人を余所に勝手に席に着いた恭一。

 

「えっと......と、取り敢えず何か頼めば良いのかな?」

 

テーブルの端に置かれたメニューに手を伸ばし

 

ササッ

 

速攻で奪われる。

 

「「 私がお見せしましょう 」」

 

「え、えぇ......」

 

椅子に座る恭一の背後から両脇を固められ

 

「こちらは如何でしょうか? 『ご主人様にご褒美セット(箒)』」

「こちらなどが大変オススメです。『ご主人様にご褒美セット(千冬)』」

 

グイグイ圧力(精神的)を掛けてくる冥土組。

 

メニューに載ってあるのはこの2つだけだった。

かの文化祭で、結局頼む事は無かった『執事にご褒美セット』を彷彿とさせる品書きだが、それよりも恭一の今の心境は

 

(こ、怖ぇぇぇ......メイド怖ぇぇぇ......やっぱり冥土じゃないか.....)

 

普通にびびっており、何方かを選ぶ余裕など持っていなかった。

 

「おや? 何やら汗をかかれていますね。私が拭いて差し上げましょう」

「私が拭くから問題無い」

 

フカフカ柔らかい、肌に優しいハンドタオルを取り出す2人。

そんな2人の表情はまるで優しくなかった。

 

「だ、大丈夫! もう拭きましたから!」

 

己の服でゴシゴシと。

 

「「 チッ 」」

 

ご主人様の前で堂々と舌打ちかますメイドが居るらしい。

 

(な、何でこんな圧迫してくんの? 楽しい雰囲気皆無じゃねぇか......)

 

謎の閉塞感に襲われている恭一の心中は、早くもボロボロだ。

 

(の、喉がカラカラだ。水でも―――)

 

目の前のグラスに手を伸ばそうと

 

「私が飲ませてやろう、恭一」

「恭一に飲ませるのは私の役目であって、千冬さんの出る幕では無いです」

 

もうメイドの定義すら、彼方へ吹っ飛んでいる。

 

「あまり調子に乗るなよ箒」

「己に言っているんですね、千冬さん」

 

(こ、この流れはイカンでしょ!)

 

恭一はグラスでは無くボトルを掴み

 

「ゴクゴクゴクッ......ぷはっ.....も、もうお水はいいですから!」

 

「「 チッ 」」

 

(ううっ.....さっきの中華美味しかったなぁ......)

 

過去に逃げるしかない恭一だった。

 

「まぁいい。このメニューの品を説明するぞ恭一」

「は、はい。お願いします」

 

ナチュラルに恭一呼びだが、もう突っ込む気力など微塵も残っていない。

千冬と箒が取り出したのは、其々イチゴ味とチョコ味のポッキーである。

 

「私がこっちの端を、お前がこっちの端を咥えてだな」

「千冬さんじゃなくて、私が咥えたポッキーの端を恭一が咥えてだな」

 

いちいち自己主張が激しいメイドをやめた冥土達。

 

「咥えてどうするんですか?」

 

2人が向かい合って1本のポッキーの端を互いに食べ進んでいき、最後は

 

「さ、最後は?」

 

「「 キスだな 」」

 

「意味分かんねぇ!? ポッキーゲームじゃねぇのかよ!」

 

この2人が口を離す事など有り得ない。

そして恭一に口を離させる事も許さない。

 

「さぁ私としよう恭一!」

「する訳ねぇだろ! やーまだ先生とか居ンだぞ!」

「そうか、私としたいんだな恭一!」

「話聞いてましたか!? 人前でやる事じゃないっツってんスよ!!」

 

「「 照れなくていいじゃないかァ 」」

 

「ひぇっ......」

 

こう云う処は気が合うようで。

 

ポッキーを口に咥えて恭一にジリジリと詰め寄る2人。

 

 

________________

 

 

 

「アンタあの幽鬼共に割って入れんの?」

「......むむむ」

 

鈴の冷静な言葉に、それ以上出てこないセシリア。

 

「あっ、倒れたね」

「ふむ。恭一殿の『金剛』が刺さったようだな」

 

一体あの2人は何をしに行ったのだろうか。

 

そんな感想が頭に浮かぶが、虚しいので誰も口にはしなかった。

 

 

________________

 

 

 

「え、え~と......」

 

司会進行役の真耶もオロオロしている。

なにせ、箒も千冬も気絶しているのだから。

恭一の手によって。

 

「殺らなきゃ、このプレデター共に俺が殺られてた。これは正当防衛です」

「あーっと......」

 

 

じょわわわぁ~~~んっ!

 

 

銅鑼の音が鳴り響き、千冬と箒によるレクリエーション、此処に堂々強制終了。

 

.

.

.

 

「き、気を取り直して! 大トリを任されたのはこのお方! 親友の座は誰にも渡さねぇ! コイツの隣りに立つのは俺だ! いつか俺の零落白夜でお前を痺れさせてやるぜ! 織斑一夏君で~~~~っす♪」

 

(突っ込まねぇからな......絶対突っ込まねぇからな)

 

圧倒的マイクパフォーマンスで『たんれんぶ』部員の登場を彩った真耶。

これまで登場してきた『たんれんぶ』達を紹介した彼女の言葉の元は、事前に各々からメモを渡されたモノである。

真耶の言葉は、そのメモを彼女なりにアレンジしたモノだった。

 

「待たせたな、恭一!」

 

特にコスプレをする事無く、動き易い軽装で現れた一夏。

 

「んでも千冬姉ぇと箒は早く終わったんだな」

「あ、ああ。まぁ色々あってな」

 

一夏は準備をしていたため、何が起こっていたのか見ていないのだ。

 

「まぁいいや。ホラ恭一こっちへ来いよ」

 

一夏の声と共に舞台の幕が上がっていく。

 

「....................ウッソだろお前」

 

恭一の目に映るのはこれ迄のような、華やかな内装やシャレた装飾など一切無い。

ただ、ど真ん中に布団が敷かれていた。

あとタオルと。

 

「お前.......マジか?」

「?.......おう、マジだぜ!」

 

マジだった。

 

「ほら、横になれよ。スッキリさせてやるぜ!」

「マジかぁあああああああッッ!! おまっ、おまえっ!? マジなんかぁあああああああああッッ!?」

「テンション高いなぁ。そんなに喜ばれると俺もやる気が漲るよ」

「漲らせなくていいから」

 

一夏はやる気ビンビンらしい。

 

「ほら布団の上に横になるんだよ、あくしろよ」

「て、テメェ一体ナニする気だ?」

 

一夏は己の腕の部分の服を捲り

 

「何って......マッサージに決まってんだろ?」

 

ナニじゃなかった。

 

「......テメェわざとやってンだったら殺すからな」

「???」

 

(この野郎ォ......マジで天然かよ)

 

ギャーギャー騒いでいた自分が情けなく、恭一は素直に布団の上へと横になる。

 

「あの頃の俺とは違うぜ」

「は?」

 

一夏は悔いていた。

嘗て一度だけ彼は恭一に施術をされた事がある。

 

 

『オォン! アォン!』

 

 

その時、あまりの気持ち良さに一夏は絶望的に汚い喘ぎ声を出してしまったのだ。

周りに恭一以外居なかったのが不幸中の幸いだった。

 

(オォン! アォン!って声がよ)

 

うつ伏せになる恭一を見下ろす一夏の瞳に闘志の炎が燃え盛る。

 

(お前にやられた時のあの『オォン! アォン!』って声がど~~~~しても耳から離れなくってよォ)

 

一体どうすれば聞こえなくて済むのか。

答えは簡単である。

 

それは―――

 

(お前の喘ぎ声を聞く事だッッ!!)

 

自分だって幼い頃はよく千冬姉ぇのマッサージをしてたんだ。

それにアレから本格的なマッサージの本も読んだ。

ぬいぐるみ相手にスパーリングだってした。

 

(やられっ放しは趣味じゃ無ェんだ!)

 

「フッ.....フッ......」

 

一夏は一番自信のある指圧に早速取り掛かった。

腰から背骨の付け根、その左右両端をぐっ、ぐっ、と親指で指圧していく。

 

「恭一ってすげぇ力強いのに、筋肉自体は柔らかいんだな」

「筋肉の量=力って考えは捨てろよ織斑」

「えっ、そうなのか?」

「こんな逸話があるらしい」

 

高名な指圧士がマホメド・アライを指圧した処、嘗て客として訪れたマソソン・モンローの筋肉と同じ柔らかさだったと述懐している。

 

「はぇ~......」

「筋肉は弛緩と緊張の連続が要だ。如何に波のように撓やかさを持てるか、如何に一瞬で力みを解放させられるか。刹那のコントロールが勝負の明暗を分ける事もあるってこった」

「成程な」

 

恭一の講義は、強さを求める一夏にとって非常に為になるモノで、それから効率の良い肉体の鍛え方に始まり、ISでの近接格闘の立ち回り方、更には恭一の持つ技で何か自分でも習得出来るモノは無いか、とマッサージをしながらも話は一層盛り上がり

 

(―――って盛り上がってどうする!)

 

確かに気になる話だが、自分は恭一にリベンジしに来たんだ。

この話はまた後でも聞けるじゃないか。

 

一夏は親指を一旦離し、手のひらの下部で静かに圧力を掛けていく。

先程までの点での指圧では無く、面でのマッサージは心地良い負荷で恭一の身体を解す。

 

「ほう......中々お前、上手いじゃねぇか」

「ハッ......ハッ......そうだろう? これでも千冬姉ぇには上手いって褒められてるんだ」

 

上から押さえるだけでは無く、左右から寄せるように圧迫したり、合わせた手のひらで優しく叩いたりと、工夫を凝らしていく。

 

「どうっ.....だ、恭一っ......気持ちっ.....良いかっ」

「おう、大したモンだ」

「そ、そうか! ならっ......我慢しなくて良いんだぜ?」

「......は?」

 

急に何言ってだコイツ。

 

「気持ち良かったら声......出していいんだぜ?」

 

やたら低音ボイスだった。

 

「ッッッ!?」

 

寒気と同時に立ち上がり

 

パパパパパパパーンッ!!

 

「おぶうぶぶぶぶぶぶッッ!?」

 

超往復ビンタが一夏を襲った。

 

「な、何すんだよ恭一!?」

「それは俺の台詞だクソボケ! 一気に気持ち悪くなったじゃねぇかッッ!!」

「な、何でだよ! 俺はただお前に喘いで貰いたくて!」

 

not5W1H。

情報伝達の原則を怠った一夏。

当然恭一の反応は

 

「ギャァアアアアアアア! て、テメェやっぱナニする気なんじゃねぇか!」

「ふ、不埒ですよ織斑君! レッドカードです!」

「そ、そんな......バカな......」

 

織斑一夏、目的果たせず無念の強制終了。

 

 

________________

 

 

 

「これで全員終わったんじゃないですか?」

「うふふ。そうですね。でも一番大事なイベントが残ってますよ」

 

まだ何かあんのか?

もう色んな意味で堪能したンだが。

 

「あ、あれ? やーまだ先生?」

 

いつの間にか真耶の姿が見当たらない。

それに、他のメンバーも一切こっちへ来る様子も無い。

 

パッ

 

「むっ!?」

 

突然部屋の明かりが消え、辺りが暗闇になる。

 

「オイオイ。もう1回暗闇ン中で俺と殺りてぇのか?」

 

真っ暗闇に突如スポットライトが現れる。

 

「ん?」

 

その光が照らすモノ、それは―――

 

「でっけぇケーキだ!」

 

無邪気にトテトテ走っていく、まるで学習しない恭一。

そんな少年をケーキの周りに潜んでいる影達が一斉に

 

パンッ!

パンパパンッ!

パンパンパンッ!

 

「うぇいっ!?」

 

弾けるクラッカーと共に、皆へスポットライトが当たり

 

 

「「「「 お誕生日おめでとう、恭一! 」」」」

 

 

『たんれんぶ』一同に真耶と本音がクラッカーを手に、もう一度一斉に鳴らした。

 

「......誕生日......俺の?」

「今日は11月11日。束姉さんが作った架空のモノだが、記念日には違いない」

 

恭一に正式な誕生日など存在しない。

11月11日という日付も、IS学園へ通う際に戸籍が必要だったから束が作ったのだ。

この日の由来は正確には

 

「誕生日はどうするキョー君?」

「あー別に適当で良いけど、そうだなぁ......1がいっぱいあった方がいいな!」

「ほいほーい」

 

確かに束姉ちゃんと、そんな会話したような。

 

「篠ノ之の言う通りだ渋川。嘘も続けば真になる。これから何十年と続くお前の人生、今日この日がお前にとって初めての誕生日だ」

「織斑先生.......」

 

って事は、このレクリエーション大会は?

 

「どうせなら派手にしてしまおうって箒ちゃんが、ね♪」

「......箒」

「ま、まぁアレだ! 私はお前と2人きりでも良かったんだが、たまにはこういうのも悪くないと思ってだな、うん!」

 

何度も咳払いをしながら照れを隠す。

 

「改めて、誕生日おめでとう恭一!」

「織斑.....」

「おめでとうだよ、しぶちー!」

「のほほんさん」

 

「おめでとう、パパ!」

「おめでとう、渋川君」

 

皆から矢継ぎに送られる惜しみない祝福の声。

 

 

ドクン

 

 

(な、何だ......この感覚.....っ......)

 

恭一の胸の奥に痛み似たモノが走る。

 

「ッッ!?」

 

皆の目が驚愕で見開かれ

 

「恭一お前......」

「涙......?」

 

「ぬおっ!? な、何で!?」

 

急いで目を服で拭うが

 

「い、意味分かんねぇ!」

 

中々止まってくれない。

 

前世において全てを捨てざる得なかった幼少期。

人である事をヤメて鬼と称する自分に生まれなど無し。

生死を賭けた闘いに明け暮れた積年。

友から、愛する者から祝福されるという当たり前が抜け落ちたまま過ぎ去った100年だった。

自分が誕生日を祝われた際の感激、心響、胸詰。

恭一にとってあまりに不慣れ過ぎた。

故に恭一は涙する。

頭では理解出来なくても、心が痛い程理解するが故に。

 

「て、テメェらっ! その生温かい目やめねぇか!」

「無理な相談だな。よしお前ら、そこの泣き虫を囲め。記念写真撮るぞ」

 

「「「「 はーい! 」」」」

 

「ふっ、ふざけんな! 何の羞恥プレイだオイ!」

 

恭一の抗議を無視し、タイマーのセットを終えた千冬も輪に入る。

当然のように恭一の隣りへ。

もう片方は、がっちりと箒がキープ。

 

パシャッ

 

真ん中に間抜け顔の恭一。

両隣りの箒も千冬も、皆が笑って写っていた。

 

「焼き回しが出来たら、全員にやろう」

「ううっ......一生モンの不覚だコレぇ......」

 

流石にもう涙は止まったが、違う意味で泣きたくなった。

 

「なんだ、渋川。お前は写真欲しく無いのか?」

「......欲しいっす」

「フッ......」

「ぐぬぬ」

 

分かっていたと言わんばかりの千冬のしたり顔。

 

「そう云えば渋川君、今日のレクリエーションは誰が一番良かったですか? 恋人贔屓は無しで」

 

皆で割ったケーキを食べていると、真耶が聞いてくる。

 

「ああ、そういや最初にンな事言ってましたね」

 

うーむむむ、と悩む恭一に皆は其々色んな顔して待っている。

 

 

(パパはダーツの腕前も世界一位だったな! 私も世界一位な女になるぞ!)

(ん~僕は流石にダメかなぁ。恭一をいじめただけだったし)

(乙女の武器が恭一さんの弱点だと分かった事が何よりの収穫ですわ!)

(渋川君との必殺技談義は楽しい。また話したい)

(私ってば、ゲェー! しか言ってないのよねぇ)

(まっ、あたしの料理の上手さは証明出来たわよね!)

(いつの間にか気を失っていた)

(いつの間にか気を失っていた)

(リベンジはまた今度だな! 先はまだまだ長いしな)

 

 

「別に優劣付けるつもりなんざねぇが......誰か1人と云えばデュノアだな」

「へぁ!? ぼ、ぼくぅ!?」

 

一番自分が無いだろうと思っていたシャルロットは、素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「ど、どうして!? ま、まさか僕に意地悪な事されて恭一も嬉しいの!?」

 

変なスイッチがオンになる貴公子。

 

「何言ってだお前。頭大丈夫か?」

「恭一に言われたく無いよ!」

「そ、そうだぞ恭一! 何故シャルロットなんだ!? 私のメイドっぷりは」

「いや箒と織斑先生は一番無いだろ。それだけは遠慮無しにハッキリ言える」

 

「「 ぐはっ 」」

 

崩れ落ちる2人だが、残念でもないし当然だった。

 

「デュノアとの勝負は俺の完敗だったからな。策といい、運といい......中々どうして、熱くさせて貰ったぜ」

「あ、そういう事か」

 

(ホッとしたような、少し残念なような......変な感じだよ~)

 

「あー......あとよ、その......なんだ」

 

中々面と向かって言うのは、恥ずかしい。

が、意を決して

 

「今日は皆、ありがとな!」

 

祝ってくれてありがとう。

 

「「「「 どういたしまして! 」」」」

 





優しい世界(至言)

レクリエーション編もとい誕生日編終わり! 閉廷ッ!

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