《完結》【蒼明記・外伝】カメラ越しに映る彼女たち―――   作:雷電p

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取材ファイルNo.4~3年生について~

 

 

 

 ふと、こんなことを思う時があります。

 

 

 “3年生のみなさんって、異常に美しすぎませんか?”って――――

 

 

 だって、そうは思いませんか?

 我々と同じような2年生を送っていたはずなのに、急激に、女子力と女性の魅力が増しているって、どういうことなのでしょうか?

 

 具体例を挙げますと、ここに去年の3年生方の写真がございます。 なんとも、ヤンチャそうで可愛らしい一面が垣間見える、そんな姿がここにあります。

 

 しかし、もう一方の写真をご覧ください。 これは現在の3年生の姿です。

………なんと言いましょうか……去年の面影をまったく感じさせない艶姿に唖然させられてしまいます。 何この美人? 突然変異でも起きちゃったのかな? それとも進化しちゃったのかな? と思ってしまうほどの変わりように頭を悩ませてしまいます。

 

 

 大人の階段を登るって……こういうことなんでしょうね…………

 

 

 いずれ、私たちもこのような姿に…………

 

 

 

 いや、穂乃果ちゃんはありえないような気がします。 あのような天然ドジっ子の烙印が押された私の親友が、大人の魅力を醸し出すだなんて………想像できません。

海未ちゃんは当然ですが、ことりちゃんはどうなんでしょうね……?

 理事長がかなり魅力的ですから、同じようになるのは必然なのでしょうね。

 

 

 そして今回、その3年生の中でも1,2位を争うほどの美貌の持ち主に突撃取材の程をさせていただくことになりました。 しかも、我らが生徒会に所属するお方ですし、校内での人気もかなりあるというのですから、かなりの期待がありますよ!

 

 

 それでは、早速、行ってきまーす♪

 

 

 

 

 

―― 

――― 

―――― 

 

 

 

[ 生徒会室 ]

 

 

 

「ど~もど~も~、広報部で~す♪」

 

「あらあら、噂をすれば来たようね」

「せやろ? ウチのカードは嘘は言わへんって」

「けど……取材って、洋子のことだったのね………はぁ……期待して損した気分だわ………」

 

「そんな、にこちゃ~ん。 ヒドイですねぇ~、これも列記とした公式の取材なんですからね」

 

 

 生徒会室の中に入ると、すぐに目を合わせたのがこの御三方です。

 生徒会長の絢瀬 絵里、その副会長の東條 希、そして、アイドル研究部部長の矢澤 にこの3人です。 いずれも3年生でありまして、今日は取材のためにわざわざこちらに来ていただいたというわけです。

 

 

「しかし、今日もお美しいですなぁ~、見てて惚れ惚れしてしまいますよ。 さすが、校内随一の美少女であり、人気No.1生徒会長ですねぇ~!」

「そ、そうかしら……? 別に、そんなことを言われるようなことはしていないのに……?」

 

 

 そう言いつつも少し照れた表情を見せてくださる絵里ちゃんは、実にかわいらしく見えます。 このお方こそ、我が音ノ木坂学院の生徒会長でありながらも、μ’sのメンバーとして活動して下さっている、絢瀬 絵里ちゃんです。

 その容姿は、見る者を魅了してしまうほどの美貌とその黄金に輝くなめらかな髪が、彼女のよさを引き立てています。 母方がロシア系のハーフであるため、実質、ロシア系のクォーターということでこのような素質を手にしているのでしょうね。

 

 現在の乙女たちから見ても理想の女性像と言っても過言ではないでしょうね。

 

 

「ふふっ、えりちもなかなか人気やもんなぁ。 その内、男性よりも女性の方のファンが増えるんとちゃうか?」

「そ、そんなことは!……ないはずよ………」

「おやおや~、自信が無くなってしもうたんか? 少しばかりと心当たりがあるようやんなぁ~」

 

 

 そう言って、クスクスと笑いながら絵里ちゃんを困らせているのは、副会長の東條 希ちゃんです。

 こちらも絵里ちゃんに劣らないほどの容姿の持ち主でして、さらに言えば、類稀なナイスバディが特徴と言えましょう。 なんせ、その胸の大きさは校内随一でありながら、ウエストやヒップの大きさは絵里ちゃんよりも小さいという驚きの事実があるのだとか。

 つまり、Dカップは余裕に越えているということになりますね………胸の大きさが寂しい自分にとっては羨ましい限りです………ッ!!

 

 

 

「いや~、御二方がこう立ちますと絵が映えますなぁ~。 これで最高の写真が撮れそうですよ♪」

「ちょっとぉ!! にこのことを忘れちゃ困るわよ!!!」

「あっ………そういえば、いらっしゃいましたね。 すみません、見落としていました」

「それはどういう意味よ! 私が小さいってことかしら?!」

 

 

 部屋の中で、ただ一人ぴょんぴょこと騒いでいるのが、矢澤 にこちゃんです。

アイドル研究部の部長である彼女は、常に誰かのために気を遣うやさしい先輩です。 容姿は、私よりも背が小さく、童顔なために小学生と間違われそうになることもあるとか……?

 そうしたコンプレックスを抱えながらも、そこを自虐ネタとして扱ってくれるし、扱っても良しとしているその姿勢は、勇ましくも思えます。

 

 ウチのマスコットじゃないでしょうかね……コレ……?

 

 

 

「はぁ……まあいいいわ、さっさと取材の方を進めちゃってよ。 にこには、やることがあるんだから」

「とは言っても、この後すぐに練習なんだけど……にこはこの後に何かやることでもあったのかしら?」

「えりち、にこっちは今芸人気取りの真っ最中なんやで? 気にしたらあかんて」

「だぁれが芸人ですってぇー!!?」

 

「まあ、落ち着いて下さい! 分かりましたから、早めに終わらせますからそのままで、そのままで………」

 

 

 最高学年の漫才を見つつ、それの収集を付けようとする後輩の絵図って………なんか笑えますね。

 あっ、これ記事になりそうな…………そうでもないな…………

 

 

 

 

 無駄な考察を含ませながらも、愛用のメモ帳とレコーダーを取り出しては、今日も情報収集に勤しむ私です。

 

 

「では、取材の方を行わせていただきますね♪」

 

 

 

 

(ピッ――――――――)

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 まずですね、私はとっても気になっていたのですが、絵里ちゃんは、どうしてあれほど嫌っていたμ’sに参加したのですか?―――――

 

 

「うぅ……いきなりその話題なのね………。 確かに、以前はμ’sの活動を否定していたわ。 廃校になるんじゃないかって言っている時に、部活動を行ったところで何も変わらないと感じていたの。 でも、やってみてすぐにそれが違うって感じたの。 穂乃果たちが頑張って何とかしようって言う気持ちが、私にもようやく分かるようになってきて、もしかしたら出来るんじゃないかって思い始めたら参加しちゃってたのよ」

「―――とは言っとるけど、ホンマは前からずっとやりたがっていたんやけどな」

「まさか、あんなにキレイな踊りができるだなんて思ってもみなかったわね~、エリーチカちゃん?」

「んもぉー! 希もにこもからかわないでよー!!」

 

 

 あはは、ここ最近になってかなり弄られるようになりましたねぇ~。 これもμ’sに入って垢が抜けたのではないでしょうかね?―――――

 

 

「えぇ、多分そうかもしれないわ。 でも、そうしてくれたのは蒼一のおかげなのかもしれないわ」

 

 

 ほぉ、蒼一さんのおかげですか。 そう言えば、絵里ちゃんは以前から蒼一さんと面識があったと聞いておりますが、そこら辺はどうでしょうか?―――――

 

 

「そうね、確かに私と蒼一は小学校の時から面識があったわ。 その時から蒼一は、私の前を行く存在で私はその後を追いかけるような感じだったわ。 それにちょっとだけ、憧れていたりしていたわね」

「へぇ~、えりちもそう思っとったんかぁ~。 ウチも蒼一に憧れていたりするんよ」

「あら奇遇ね、にこも蒼一のことをそう思っているわ。 けど、にこの場合はどちらかと言えば、一緒に居たいって気持ちの方が大きいわ。 蒼一ならウチの妹たちのことを頼めることができるし」

 

 

 おやおやまあまあ、蒼一さんはμ’sの中では大人気の御様子ですねぇ~。 確かこの中では、希ちゃんが一番早く会っているのですねぇ~。 もうその時からなんですか?―――――

 

 

「そうやね、転校続きで友達がおらんかったウチにとって、蒼一は初めての友達やったね。 せやから、特別な想いを感じとるんよ」

「いいわねぇ~、アンタたちは。 私なんて、結構後に一度しか会っていなかったし、顔だってちゃんとおぼえられていなかったのよ」

 

 

 でも、気に入っているのですよね。 蒼一さんのことを――――――

 

 

「そりゃあそうよ、今のにこがあるのは蒼一のおかげなんだから! 蒼一がいなかったらこんな生活なんて出来なかったんだからね!」

「それは私も同じだわ。 蒼一がいなかったら私はずっと塞ぎこんでいたのかもしれない。 そんな私を解放してくれた蒼一には感謝しかないわね」

「うふふ♪ なんや、みんな揃って蒼一に助けられておったんやな」

 

 

 蒼一さんは、やさしいですからね。 困っている人を見過ごせないタイプなんでしょうね。 まったく、罪なお人ですね――――――

 

 

「そうよねぇ、そう言う意味では何だか危なっかしいわよね………仕方ないわね、私が蒼一を支えてあげなくっちゃね」

「あら絵里、その必要はないわよ。 なんってったって、この宇宙ナンバーワン・アイドルのにこが蒼一のことを完璧に支えてあげるんだから、問題いらないわよ」

「へぇ~……にこがねぇ………私の方がにこよりも蒼一のことを良く知っているから、より完璧に支えられると思うのだけど?」

「あらぁ~? 何を言うのかしら? にこの方が家事だって出来るし、食事だってちゃんとした栄養のあるモノを作ってあげられるし、癒してあげられるのよ……?」

「私だってそのくらいのことは全部こなせるわよ。 それに、私の方がもっと蒼一を癒してあげられるし………」

「絵里、アンタもしかして私にケンカでも売っているのかしら……?」

「事実を言っただけだけど……何か問題でもあるかしら……?」

「へぇ~……言ってくれるじゃないの……だったら私h「もう、ええ加減にせな2人とも!!」」

 

「「の、のぞみ………」」

 

「まったく、そんな下らんことでケンカするんやないんよ。 蒼一がかわいそうやないか。 せやったら、ウチらで支えていけばええやん? お互いに足りないところは補ってく、そないなことをしていけばええやん」

「た、確かにそうね……希の言う通りね………ごめんなさい、にこ………」

「わ、私も少し頭に血が上ってたわ……こっちこそごめん………」

「うんうん、それでええんやで♪」

 

 

 はわわわ……危うくケンカに巻き込まれるところでしたよ………こうも女を惑わせてしまう蒼一さんは、やはり罪なお方のようですね。

 

 それでは、今後の活動に向けて一言をお願いしますね――――――

 

 

「そうね、まだやり始めたばかりだから今後どうなるか分からないけど、必ず音ノ木坂が廃校になることがないように頑張っていくわ」

「ウチはこう言っているえりちを支えながらもμ’sのために、学校のために頑張っていくで」

「ふっふっふ、にこがいれば人気なんて宇宙だって越えてみせるわ! みんな、にこのことを応援してよね♪」

 

 

 にこちゃん……近いです………こんなに前に出なくてもちゃんと聞こえてますから………

 

 

 それでは、最後に1枚撮らせていただきますね―――――――

 

 

 

 

 

(カシャッ!)

 

 

 

【音ノ木坂学院、生徒会室にて撮影:絢瀬 絵里、東條 希、矢澤 にこ】

 

 

 

 

 また1つ、フィルムの中に思い出が納まったようですね―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

 

 

【再生▶】

 

(―――ピッ――――――ジジ―――ジジジ――――――)

 

 

 

 

 

 

――

――― 

 

 

 

「おやおやまあまあ、いらっしゃいませ~♪ 何に致しましょうか?」

 

「ああ、こちらですね~。 毎度ありがとうございます~♪」

 

「いやぁ~、あなたのおかげでいい写真ばかりが撮れますよ。 そのおかげで種類は増えましたし、収入は上がっているんですよ。 あっ……! いらっしゃいませ~♪」

 

「おや、こちらですかぁ~。 いえ、まさかあなたも同じモノを要求するとは思いませんでしたからね」

 

「ふふっ、何やかんや言いながらも同じモノが好きで、同じ種類が好きなんですね~♪」

 

「はい、お買い上げありがとうございますです~♪ これからもよろしくお願いしますね~♪」

 

 

 

 

 

 

 

(―――ジジ―――ジッ――――――――ピッ)

 

 

【停止▪】

 

 

 

(次回へ続く)

 

 

 

 





どうも、うp主です。

今回は、3年生の会談となりました。



さて……残すところあと数話です…………

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