《完結》【蒼明記・外伝】カメラ越しに映る彼女たち――― 作:雷電p
“μ’s”
それは、我が音ノ木坂学院に突如現れたスクールアイドルである――――
メンバーは合わせて9人所属しており、その内訳は、各学年ごとに3人ずつというキッチリと均等されたメンバー構成であります。
今年の4月から活動を始めた彼女たちは、現在全国のスクールアイドルランキングの上位グループの中に入り込み、注目の的となっているのです。
そんな彼女たちの魅力は、グループ内独自に制作された楽曲とダンスではないでしょうか。
歌詞に込められた思いであったり、それを乗せていくメロディが私たちの耳から離れないのが良いところじゃないでしょうか?
一度聴いたら忘れられない―――少し飛躍し過ぎのようにも思えますが、実際に、あの曲を聴いてしまうと誰しもがそう感じてしまうことでしょう。 それが功を奏して、多くのファンに受け入れられているわけであります。
ちなみに、これらの楽曲を手掛けているのは事実上3名によるものです。
1人は、作曲を手掛ける1年生・西木野 真姫ちゃんです。
今年、15歳でありながらも作曲の能力を備えているために起用されたとか。
ちなみに、彼女が作り上げた楽曲はおよそ5曲以上だとしている。 私は音楽の知識とかは持ち備えてはいませんが、3ヶ月の間でここまで出来るのはすごいことだと考えております。
もう1人は、その作曲されたモノを編曲する指導者・宗方 蒼一さんです。
真姫ちゃんと同じく、音楽の知識があったことと以前からその技術を持ち合わせていたということで、この作業に当たっているということだそうです。
蒼一さんの作業を通すことで、初めて1つの曲ができ上がるとか。 それと、その作業を行うのに専用の部屋が自宅に用意されているということだそうです。
この前の取材では行けなかったので、今度見せてもらうことにいたしましょ~♪
そして、最後の1人は、この作り上げられたメロディの中に入れる歌詞を作る2年生・園田 海未。
初めは断っていたそうなのですが、穂乃果ちゃんたちによる説得によってやらされることとなったとか………言ったい何があったんでしょうねぇ………
とは言っても、現在は結構やる気を見せている様子で、その歌詞の内容もなかなかに良いモノですよ。 元気の出るような言葉が並べられていて、聴く側からすると、勇気付けられるような感じがしますね。
そんな、意欲はどこから生まれるのだろうか………是非とも聞きたいものですね!!
―――てな訳で、今回取材いたしますのは、μ’sの発起メンバー(@お友達)であります、高坂 穂乃果、園田 海未、南 ことりの3人に聴いてみたいと思います!
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「……というわけでぇぇぇぇぇ!!! 海未ちゃんのその創作意欲はどこから来るのかを徹底的に調査したいのでありまぁぁぁぁぁす!!!」
学校のとある空き教室を使いまして、3人の取材を開始し始めたところです。
「ななな、 何なのですか、洋子!? 何故、差し迫って来るのです!?」
「まあ、取材ですからこういうことは当たり前みたいなものじゃないですか?」
「当たり前なはずがありません! それに、どうして私のことを探ろうとするのですか!? もっと他のことがあるはずでしょうに!!」
「そんなこと言わないでくださいよ~。 私個人的には、どうしたらあのような歌詞が思い付くのか気になるところでして……そこのところをちょっとだけ知りたいのですよ~」
「だ、ダメです!! それだけはいけないのです!!」
興味が湧いてしまったモノは、徹底して調べていきたいという衝動に駆られてしまうのは、いわゆるサガというヤツでしょうね。 であるからして、私はこのことを全力取材したいわけですぅぅぅ!!!
「まあまあ海未ちゃん、いいじゃない、そのくらい。 見られたっていいと思うよ」
「何を言うのです、穂乃果! あなたはいいかもしれませんが、私は嫌なのです! 恥ずかしいのです!!」
「あ! そうだ洋子ちゃん、私ね、海未ちゃんがこんなに歌詞を作ることができる理由って知っているよ~」
「ほう! では、ことりちゃん、その理由とは一体何なのでしょうか?」
「え~っとね、昔、海未ちゃんがノートにたくさんの詩を書いてt「こ、ことり!! い、いけません!!!」」
おやおやぁ~? どうしたことでしょうかねぇ~? 急に海未ちゃんの様子が慌ただしくなってきたようですよぉ~? これは何かありそうな感じが………これは聞かなくてはいけない使命感を感じます!!
「あれれぇ~? どうしたのですかぁ~? そんなに慌てちゃって~?」
「い、いえ……何でもありませんよ…………」
「本当ですかぁ~? かなり、取り乱しているようにも感じられたのですがぁ~………んで、ことりちゃん。 さっきの話をkwsk」
「それはねぇ~、海未ちゃんが中学の時にすっごい妄想をたくさんしてて……それがノートの中n「わわ、わ―――――――っ!!! わ――――――っ!!!」」
「この取り乱し様………本当のようなのですね………では、その話をじっくり聞かせてもらいましょうかねぇ~……もちろん、そのノートを見ながらで………」
「いいね! それおもしろそうだよ、洋子ちゃん!!」
「私も海未ちゃんの妄想しながらの作詞しているところ見てみたいなぁ~♪」
私たち3人の意見がここで合致したのを確認すると、こぞって海未ちゃんの方に向かって迫っていくのでした。 ジワジワと……ジワジワと………です………。
「あ、あなたたち……っ!! や、やめてください………っ!!!!」
「ふふふ……そんなことを言われて止めるような私ではありませんよ~?」
「う~みちゃん♪ 今までの恨みをここで晴らしちゃうよ~……」
「海未ちゃぁ~ん♪ 覚悟してね♪」
「あ、あわわ………い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!!!」
可憐な乙女、園田 海未に迫る3つの影ッ!!
果たして、彼女の運命はいかにッ!!!
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「まったく……!! ふざけるのも体外にしてください!!!!」
『は、はぁ~い………』
私と穂乃果ちゃんとことりちゃんとの3人で、作詞作業の様子を探ろうと海未ちゃんに迫っていったのですが……何故か、急に立場が逆転しまして………現在、説教を喰らっているところなのです…………
それに私たち3人の頭の上には、海未ちゃんからの鉄槌・断罪チョップによって出来てしまった大きなタンコブが………ううぅ……触るだけで痛い…………
「まったく、どうしてあなたたちはそんな下らないことばかり考えるのでしょう……本当に、悩みどころです……!」
「下らないと言われたら何とも言えないのですが…………」
実際、私が調査しているモノというのは、対外が下らないモノという認識下に置かれている事柄なので、否定することができません!! ですが、私にとってはそちらの方が面白いと思っているので、止められないのですよ!!
「ですが………これ以外に、どんなことを聞けばよろしいのでしょうかねぇ………? 悩みどころです………」
海未ちゃんが断固として作詞について語ろうとしてくれないために、他に何かを聞き出さなくてはいけないのですが…………う~ん………考えモノです……………
「それじゃあさ、蒼君のことについて話そうかな?」
『!!!』
穂乃果ちゃんの言葉に、私の脳裏に電流が走る……ッ!!!
なんと……!! その手がありましたかぁ………!!
数多くの謎を持っているようにも思える男・蒼一さんのことについて、第三者の視点から語ってくれることは、こちらとしては嬉しい限りです!! 先日、取材に伺った時もあまり奥深く迫ったような話ができませんでしたからね、蒼一さんをずっと見ていたこの3人ならば、何かよい情報が得られるやもしれませんね……!
「ほほぉ~、その話は是非とも聞いておきたいところですねぇ~。 私自身も蒼一さんのことはよく分からないところがございまして、幼馴染の3人であれば何かしらの見解が明らかになると考えているのですが……どうでしょう、kwskお願いします!!」
「うん、いいよ! 蒼君のことなら私に任せてよ! いろいろなことを知っているから教えてあげるよ!!」
「私も蒼くんのことなら穂乃果ちゃんよりもたくさん知ってるよ! うふふ……それに、あんなことやこんなことまで教えちゃうよ……♪」
「私の知っている範囲だけですが、お話しすることができますよ。 それでも構わないのであれば、お話しいたします」
―――と、言った感じで、何故かすんなりとこちらの取材がOKされたわけなのですが……何故に、蒼一さんの話は通ったのでしょうか………不思議です………。
兎も角、お話しを聞けるだけでもありがたいことです。
早速、取材用のメモ帳とレコーダーを取り出して、取材を始めます。
さてさて、今日もどんなおもしろいお話しが聴けるのかが楽しみです♪
(ピッ――――――――)
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まずは、蒼一さんと初めて出会った時のことについて聞きたいと思います――――
「蒼君と初めて会った時のことかぁ~……私は幼稚園にいた頃に初めて会ったから3歳くらいかなぁ? 確かその時、ことりちゃんと一緒に遊ぼうとした時に蒼君がいたんだよね。 うわぁ~思い返したら懐かしいよねぇ~」
「私も穂乃果と同じ頃に会っていますね。 人前に出るのが得意ではなかった私に手を伸ばしてくれたのが、穂乃果と蒼一でしたね。 本当に懐かしい思い出ですね」
「私は、物心付いた時の1歳頃に、お母さんに連れられて蒼くんの家に行ったんだよね。 小さかったから記憶が曖昧なんだけどね」
なるほど。 と言うことは、μ’sの中ではことりちゃんが一番早く蒼一さんと出会っていたというわけなのですね―――――
「そうだね。 前に蒼君が話していたけど、弘君よりも早くことりちゃんに出会っていたって言ってたよ。 いいなぁ、私ももうちょっと早く出会いたかったよぉ~」
「無茶を言うモノではありませんよ、穂乃果。 時の流れや運命というモノは決まっているのです。 人の意志で変えられることはできませんよ」
「わかってるよぉ……でも、もしもの事があったら早く会いたいって思うじゃん!」
「そ、それは………否定はできませんが…………」
「とにかく、私はことりちゃんが羨ましいのぉ~!」
「あはは………でも、蒼くんのことを全部知っているわけじゃないし、穂乃果たちとそんなに変わらないよ」
「またまたぁ~、ことりちゃんそんなこと言って、本当は蒼君のあんなことやこんなこととか知っているんじゃないの?」
「それを言ったら、穂乃果ちゃんだって蒼くんの家にあるモノとか大分知っているようだったけどね~」
まあまあ、その話はその辺にして………というより、どうしてそんなにも蒼一さんのことを気に掛けるのですか?―――――
「だって蒼君はカッコいいし、頼りになるし、私のお願いをいろいろ聞いてくれるし………」
「私は、蒼くんが私のために行動してくれるし、約束だって守ってくれるんだよ♪」
「何やかんや言っても、蒼一には助けられてますからね。 頼ってしまいたくなってしまうのですよ」
へぇ~、やはりそこには幼馴染という関係が強く影響しているのでしょうね。 つまり、そういうところから蒼一さんに活動を手伝ってもらいたいとお願いしたのですね?――――――
「そうだよ! 蒼君なら何とかしてくれそうな気がしてね、それでお願いしてみたの。 そしたら引き受けてくれたんだ~♪ その時、とっても嬉しかったなぁ~♪」
「うんうん、蒼くんとまた一緒にいられるって考えただけで嬉しくなっちゃったんだよね♪」
「明弘も入れての5人での活動は、幼いころから長くやっていましたからね。 それがこの歳になっても出来るだなんて感慨深い気持ちになりました」
ふむふむ、明弘さんも入れて5人でよく遊んでいたと………ふむふむ………。
流石は幼馴染と言ったところでしょうかね。 しかし、それと蒼一さんに気を掛けるとの因果関係が見えませんねぇ~、もしかして………違った思いでもあるんじゃないですか?―――――
『(ビクッ…!!)』
おやおや、これは思いもよらない反応が出てきましたねぇ~。
もしやと思って、鎌を掛けてみたのですが、これは意外にも大当たりであったりして………
「そ、そそそそのようなことがあるはずがないではないですか!! そそそ蒼一とは、良い友人関係であり、頼れる年上の男性であって、それ以上のことなど考えたことはありません!!」
「わ、私も蒼君のことをどう思っているか何て……ねぇ………親友で、いつも頼りにしているから……まだ、そんなことは考えたことがないよ………ねぇ、ことりちゃん?」
「うん、そうだね。 私は蒼くんのことが好きだよ♪」
『!!?』
「私は、蒼くんのことが好き……だぁ~いすきなの♪ 蒼くんのカッコいい姿が好き、蒼くんの口から出る言葉が好き、蒼くんの力強い動きが好き、私のことを思ってくれる蒼くんが好き………もう全部好きなの♪」
うおぉ……まさかの大胆な告白………まさかそこまで蒼一さんのことを思っていたとは……御見それいたしました。 ということは、ことりちゃんはそれ故に蒼一さんをここに呼ぼうと考えたわけなのですか?―――――
「うん♪ だって、大好きな人と一緒にいられるって嬉しいことだと思うの。 この学校は女子校だから蒼くんと一緒に学校生活を送ることができないのは分かっているよ。 でも、こうしたかたちで一緒にいられるって考えただけでとっても嬉しいの♪ だから、蒼くんが来ることを喜んでいたの♪」
そうでしたかぁ……ということは、単衣にことりちゃんの蒼一さんに対する愛がこのような結果を生んだわけなのですね?―――――
「うん♪ これは私の蒼くんに対する愛の結晶なんだよ~♪」
「ちょっと待ってよ、ことりちゃん! 蒼君が好きなのは私も同じだよ!」
「へぇ~……そうなの……? でも、さっきはそんなことを一言も話していなかったし、考えてもいなかったって言ってたよね?」
「そ、それは………こ、言葉のあやだよ! ただ洋子ちゃんの前で言うんが恥ずかしかっただけなんだよ!」
「ふふふ……ダメだなぁ、穂乃果ちゃん。 本当に好きなら誰の前でもハッキリ言えるモノなんだよ? ハッキリ言えないのはね、蒼くんのことを本当に好きではないってことなんだよ?」
「ううっ……ことりちゃんのイジワル………」
「うふふ、大胆になれない穂乃果ちゃんが悪いんだよ?」
あー……なんだか雲行きが怪しくなってきたようなので、その話題はもうお終いにしましょうか。 今度またいろいろなことをお聞きしますので、その際にまたお願いしますね―――――
「えー?! もっと、蒼くんの話がしたかったよぉ~!」
それはことりちゃんしか得しない話ではないでしょうか? 私にとっては、ただの惚気にしか聞こえませんでしたし、それに今回の取材内容は公表できませんよ………ですから、何か今後の活動について一言お願いします―――――
「そっかぁ……残念。 それじゃあ、今後も頑張っていくので応援をよろしくお願いします♪」
「私も蒼君たちと一緒に音ノ木坂学院のために頑張っていくので、よろしくー!!」
「……………………。」
あれ? 海未ちゃんはどうしたのでしょうか? さっきから何も話していないのですが――――――
「こ…ことりが………そ…蒼一のことを…………す、すすすすす………そ……そのような………は…破廉恥な………………」
あっちゃぁ…………小刻みに震えながら気絶してますよ……さっきの話がよっぽど応えたんでしょうね――――――
「仕方ないよ、後は私たちに任せて」
わかりました、ことりちゃん。 ではでは、お頼みしましたよぉ~!
そう締めくくり、今回の取材(?)を終わらせることとなりました―――――――――
後日―――――
今回の取材に添えるための写真を一枚撮らせていただきました。
(カシャッ!)
【音ノ木坂学院、空き教室にて撮影:高坂 穂乃果、南 ことり、園田 海未】
また1つ、フィルムの中に思い出が納まった―――――――――――
(余談)
【再生▶】
(―――ピッ――――――ジジ―――ジジジ――――――)
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――
―――
「おぉ~! ちょうどよかったですね。 ちゃんと用意して持って来ましたよ」
「上手だなんて……そんなことはありませんよ。 まだまだ、修行不足ですよ」
「ありがとうございます~♪ あぁ、どれも1つ50ですから気に入った分だけ持って行って構いませんよ?」
「あはは、当然金欠になりましょう……少しは買うのを控えましょうよ………」
「まったく御二方も少しは控えましょうよ………でも、毎度ありがとうございますぅ~♪」
「あぁ、ようやく来ましたか……待っていたのですよ」
「はい、新作のいいものなんですよ、ハイ。 コレなんかはどうでしょうか?」
「あっはっは、それはよかったです。 では、早速準備いたしますね」
「はいどうぞです。 では次回もご利用くださいね♪」
(―――ジジ―――ジッ――――――――ピッ)
【停止▪】
どうも、うp主です。
今回は、2年生の会談話となりました。
次回は、1年生の話になります。