魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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ガンマ「ウオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」

 

シグマ「ヌアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

ガンマとシグマ、2人のアマゾンライダーはそれぞれを攻撃しようと拳とアームカッターを放つがタイミングが同じなためにそれぞれ空を切る。

 

ガンマ「ウオアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

攻撃が空を切ったがガンマは左足を上げて踵落としを繰り出した。

 

シグマ「ヌウゥンッ!!!!!」

 

ガンマの繰り出した踵落としをシグマは左腕を盾にして頭への直撃を防ぐ。

 

シグマ「ウオラアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

踵落としを防いだシグマは空いている右腕でガンマの腹部を殴った。

 

深々とシグマの右拳がガンマに突き刺さる。

 

ガンマ「あぐっ、グガアァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

だがガンマもただで殺られず、右足を上げてシグマの側頭部に蹴りを叩き込んだ。

 

両者それぞれの攻撃を受けて互いに吹き飛ぶ。

 

シグマ「…効かねぇな」

 

吹き飛んで地面に激突する寸前で態勢を整えたシグマはノーダメージであるように起き上がって言う。

 

逆にガンマは地面に激突してまだ立ち上がっていない。

 

シグマ「スキあり!!!!」

 

好機を逃すハズの無いシグマは一気にガンマとの距離を詰めに掛かる。

 

シグナム「させるか!!!」

 

そこへシグナムがレヴァンテインで斬りかかってきた。

 

シグマ「おっと!!!」

 

シグナムの斬撃をシグマは右腕のアームカッターで防御した。

 

ティアナ「そこッ!!!」

 

シグナムの攻撃を防御して動きが止まったシグマにティアナが射撃する。

 

シグマ「ふん」

 

ティアナの射撃で放たれた弾をシグマは空いていた左手で掴むように防いだ。

 

シグマ「そんな弾が当たると思ったか?」

 

弾を全て防いでシグマは言う。

 

ティアナ「ええ、でも時間稼ぎくらいにはなったわ」

 

シグマ「なに?」

 

《ヴァイオレント・ストライク!》

 

シグマ「なに!?」

 

聞き覚えのある音声を聞いてシグマは空を見上げると左足を突き出したガンマが急降下してきていた。

 

迫るガンマにシグナムは素早くシグマから離れる。

 

シグマ「くそ!」

 

迫りくるガンマに対抗しようとシグマはアクセラーグリップを捻り、左前腕部のアームカッターを大型化させる。

 

《バイオレント・パニッシュ!》

 

ガンマ・シグマ「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」」

 

ストライクとパニッシュ、2つの必殺技が互いを殺そうと交差する。

 

"ズドオォォォォォン"っと激しい地響きと爆音が辺りに響き、爆煙が周囲から視界を奪う。

 

シグナム「リュイ!!」

 

視界を奪われてシグナムは叫ぶ。

 

薄れる爆煙の中で1つの人影が見えた。

 

小さな体をした影、色が見えるくらいまで視界が戻るとガンマが立っていた。

 

その足元には赤い血液が水たまりのように広がっていたがガンマの視線は前を向いていた。

 

その視線の先にいたのは……。

 

シグマ「………」

 

無傷の姿で立っているシグマがいた。

 

シグマ「今のは効いたぜぇ…だが、俺を殺るにはまだまだみたいだな。それに引き換え…」

 

シグマは痛みを感じ亭なのか何事も無いように話すとガンマの体がグラリと揺らいで膝をついた。

 

ガンマ「くっ…がはっ!!!!」

 

膝を着いたガンマは瞬間にマスクの隙間から大量の血液が流れ出した。

 

シグマ「不意打ちを狙ったつもりだろうが生憎と俺には通じなかったな」

 

ガンマ「それは…どう…かな…?」

 

シグマ「あん?」

 

余裕のあるシグマにガンマが不敵に笑って言った瞬間だった、"ボトリ"と何かが地面に落ちる音がした。

 

その方をシグマが見た、それは…丸ごと切断され、切り口から大量の血が噴き出しているシグマ自身の左腕であった。

 

シグマ「なに!?」

 

自身の左腕が丸ごと斬られたのを見て驚くシグマ。

 

ガンマ「おまえが…いたいの…かんじなの…わかった…だから…ひるまない…ひるまないと…すき…できない…でも…いたいの…かんじないと…じぶんの…からだの…げんかい…きづかない…」

 

今までの戦闘でガンマはシグマが痛みを感じないで戦っていたことに気づいた。

 

それは痛みからくる怯みを無くす事が出来るが逆に自身に来る体へのダメージ限界に気づきにくいという弱点があったのだ。

 

シグマ「痛覚遮断の処置が裏目に出たか…しかも相打ち覚悟であの技を繰り出すとは…凄いな、ガンマ…」

 

自身に施した痛覚遮断が裏目に出てアドバンテージを取られたことにシグマは納得し、相打ち覚悟で技を繰り出したガンマを称賛する。

 

するとガンマの隣にシグナムとティアナが来た。

 

シグナム「もはや貴様に勝ち目はない!大人しく投降…」

 

シグマ「ククク…クハハハハハハハハハッ!!!!!」

 

投降するようにシグナムが通告した瞬間にシグマは笑い始めた。

 

シグマ「そうだ…そうこなくっちゃなぁ…これからますますお前を殺すのが楽しみになったぜ…」

 

笑い終わってそう言うとシグマは右足を上げて地面に向かって振り降ろした。

 

振り降ろされた足に地面は砕けて周囲を土煙が覆った。

 

ガンマ「シグマ…ッ!!!」

 

逃げると予想して追撃しようとするガンマだったがシグマの"バイオレント・パニッシュ"のダメージによる痛みで動けなかった。

 

土煙が晴れるとシグマの姿も、斬り落としたシグマの左腕も消え、あるのは出血し地面に落ちた血液だけであった。

 

ガンマ「………」

 

シグマがいなくなってガンマはリュイの姿に戻るとフラリと倒れ始めた。

 

ティアナ「おっと」

 

倒れるリュイをティアナが地面に倒れる前に支えた。

 

シグナム「すまない、ランスター」

 

ティアナ「いえ。凄く頑張りましたから、リュイくん」

 

変身後の反動でスヤスヤと眠っているリュイを見ながらティアナは言う。

 

シグナム「あぁ。だが相打ち覚悟の攻撃はいささか褒められたものとは言えんな。起きたら叱らなくては…」

 

ティアナ「で、出来るんですか?」

 

シグナムがちゃんとリュイを叱れるかティアナは心配になって聞く。

 

どういう訳かリュイに関わるとシグナムはいつものクールさが消えてデレデレになってしまうほどリュイを溺愛している。

 

そんなシグナムがリュイを叱れるのか心配であったからだ。

 

シグナム「わ、私だって言うところはちゃんと言うに決まっているだろ!」

 

ティアナに心配されてシグナムは少し向きになって言い返したのだった。

 

この後、連絡を聴いて迎えに来たアルトのヘリで無事に帰還。

 

帰還後、八神家の家で目を覚ましたリュイをシグナムは叱ることが結局できず、代わりにはやてが叱ったのは別のお話…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シグマ「………」

 

戦線を離脱したシグマは自身の斬り落とされた腕をくっ付けていた。

 

腕はまるで糸で結ぶかのように組織が絡み、元の状態に戻った。

 

シグマ「………」

 

何事も無いようにシグマは腕の感覚を確かめる。

 

シグマ(あの時…あの騎士に斬られた時か…でなければここまでのダメージではないハズ……)

 

自身の左腕が斬り落とされたそもそもの原因を思い出すシグマ。

 

傷の治療していた時に現れた1人の騎士と戦闘したことを思い出していた。

 

互角に戦いそのあと戦況が不利になるなり撤退した、その時自身の左腕に切れ込みを入れられたと考える。

 

シグマ(いずれヤツとも決着を付けてやる)

 

その騎士との決着を期待しながら、シグマはその場を後にするのだった。


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