魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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シグナム「はぁ…」

 

管理局の武装隊のオフィスにてシグナムは1人、ため息を吐いていた。

 

隊員A「どうしたんですか、シグナム隊長」

 

シグナム「ん?いや、何でもない」

 

隊員に聞かれてシグナムはそう答えた。

 

相談したかったがため息の原因がリュイのこととなると相談できるハズがなかった。

 

シグナム(まさか、あの子があんなことを言うなんてな…)

 

リュイ『もし…ぼくが…ほかの…あまぞんたち…みたいに…ひとを…はやぱぱや…びびおたちを…おそったり…たべようとしたら…そのときは…しぐままが…ぼくを…ころして』

 

カニアマゾンを撃破した時にリュイが言った言葉を思い出しながらシグナムは悩んでいた。

 

シグナム「はぁ…」

 

ため息を吐いてシグナムは悩むことしかできなかった。

 

シグナム(私は…リュイが今まで倒してきたアマゾンたちのように殺せるのだろうか…いや、それ以前にリュイと戦えるのか?)

 

悩みが増えてシグナムは頭を抱える。

 

シグナム(仕方ない…少し気分転換でも……)

 

アナウンス『第19地区にて強盗事件発生!犯人は子供1人を人質に立て籠っているもよう!』

 

シグナム「またか…最近多いな」

 

アナウンスを聞いてシグナムが呟いていると着信が鳴った。

 

はやて『シグナム、今どこにおる!!』

 

通信に出ると慌てた様子のはやてが出た。

 

シグナム「今は武装隊のオフィスですが……」

 

はやて『直ぐに出撃や!』

 

シグナム「い、いったい何が?」

 

はやて『さっきザフィーラから連絡があったんやけど、強盗が人質しとる子供はリュイらしいんや!!』

 

この言葉を聞いてシグナムの何かがぶちっと音を立てた瞬間、シグナムの机が破壊され、近くにいた職員たちが驚いたのだった。

 

 

 

ミッドチルダの第19地区のとある建物の1角を警ら隊が取り囲み、建物内部にはサバイバルナイフを持った強盗犯らしき男と男の抱えられているリュイがいた。

 

警ら隊『犯人につぐ!』

 

強盗犯「なんだ!?要求した物は用意できたのか!でないとこのガキの命は無いぞ!!」

 

サバイバルナイフをリュイの首に当てながら強盗犯は言う。

 

リュイ「ひっ…」

 

サバイバルナイフを首に当てられてリュイは怖がって両目に涙を溜めていた。

 

普段は人食い怪物であるアマゾンを相手にしているリュイだったが運動神経が人並み以上である以外は普通の一般的な男の子と何ら変わらないのだ。

 

で、何でこうなっているのかと言うとザフィーラ(人間形態)と一緒に散歩をしていたが警ら隊に追われた強盗犯とリュイがぶつかり、そのまま人質にされてしまったのだ。

 

警ら隊『いや、そうではないが…』

 

強盗犯「じゃあ、なん……」

 

警ら隊の言葉を聞いて強盗犯は怒って言いかけた瞬間、建物の壁が爆発した。

 

爆発して空いた穴からレヴァンティンを持ったシグナムが入ってきた。

 

警ら隊『あー…もう手遅れなのだが、君も知っているかも知れないが今回は武装隊のシグナム隊長が応援に来たんだが…君が人質にしている子はシグナム隊長のご子息らしく、物凄く不機嫌なために遺言があれば聞こう!』

 

強盗犯「自首します…」

 

シグナムの怒りが事情じゃないのを感じたのか、リュイを離して犯人は両手を上に上げて言う。

 

リュイ「しぐまま~……」

 

解放されたリュイは半泣きでシグナムに駆け寄る。

 

シグナム「すまなかったリュイ。遅くなって」

 

リュイ「ううん…しぐまま…きてくれるって…おもってた…」

 

シグナム「そうか、なら少し向こうに行っててくれ」

 

ザフィーラ(人間形態)がいる方を指差しながらシグナムはリュイに言う。

 

リュイ「しぐままは?」

 

シグナム「私は…」

 

リュイに聞かれてシグナムは強盗犯の方を見た。

 

シグナム「私は少し彼とお話をするから」

 

笑ってる…笑ってはいるが笑ってない…我が子に手を出した輩に見せる顔ではない…。

 

リュイ以外の人間全員がそう思っている。

 

リュイ「うん…」

 

シグナムに言われてリュイはザフィーラ(人間形態)のいる方へ向かっていく。

 

シグナム「さて…私の子が世話になったな…」

 

レヴァンティンを向けながらシグナムは強盗犯に言う。

 

シグナム「ちゃんと自首するなら大目にみたのだがな」

 

強盗犯「は!?いやいやいや、さっきお子さん解放しただろ!?おい、あんたらも何か言って…」

 

警ら隊「アー…ハンニンハシグナムタイチョウノゴシソクヲカイホウスルモイマダニハゲシイテイコウヲオコナッタタメコレヨリジツリョクヲコウシシマス…」

 

片言で目を反らしながら警ら隊は言うと他の人たちも目を反らした。

 

強盗犯「え!?なに、そういう設定なの!?」

 

完全に見捨てられた強盗犯は驚く。

 

シグナム「さあ、大義のための犠牲となるがいい!!」

 

強盗犯「ぎいぃぃぃぃぃぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

向かって来るシグナムを見て強盗犯の悲鳴が辺りに轟くのだった。

 

 

 

リュイ「わんわん…しぐまま…なにしてる…の?」

 

少し離れた場所にて保護されたリュイはザフィーラ(人間形態)に聞く。

 

ザフィーラ「高町流お話の術だ」

 

腕を組んで呆れながらザフィーラ(人間形態)は言う。

 

リュイ「?」

 

よく意味がわからないリュイは首をかしげるのだった。

 

そして事件は発生から僅か1時間足らずで解決した。

 

後に【19地区の奇跡】と呼ばれたのだった。




はやて「……やっぱりこうなったか…」

報告を聞いてはやては頭を抱えていた。

リイン「どうするんですか、はやてちゃん…」

はやて「またウチらの予算から引かれるやろうなぁ…」

リイン「またですか…」

はやて「うぅ…前はなのはちゃんやったのに……」

リイン「どうしようもないです」

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