魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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1話完結のお祭り回になります!

蜘蛛男さんの「ハラガヘッタ」とのコラボです!

ではどうぞ!


戦々恐々の狩人
cross hunting


カニアマゾンのアマゾンレストラン事件から数日後、フェイトはある工事現場にいた。

 

辺りには無惨に散らかった鉄パイプや資材、赤く汚れて窓ガラスを破壊されたショベルカーやダンプカーなどの重機、建っている鉄骨にはポタポタと赤い液体が落ちていた。

 

そんな現場に複数の鑑識などが撮影と現場保存していた。

 

フェイトはその中で青いシートがある場所へ向かい、シートを上げて中へ入った。

 

中には体の一部あるいは半分以上を食われた工事現場の作業員の遺体…いや、遺体だったのが並べられていた。

 

遺体は無惨にも食い散らかされ、バラバラにされてしまっているのだ。

 

フェイト「状況はどうですか?」

 

近くにいた検死官をフェイトは呼び止めた。

 

「状況も何も…前と同じです。急所を一噛みで食い散らかされてます。中には死因すら分からないほどのもありました」

 

呼び止められた検死官は気分が悪いのか早口で言うとフェイトに一礼して足早に去っていった。

 

フェイト「これで7件目…」

 

遺体を見てフェイトは冷や汗を掻いてしまっていた。

 

 

 

―アア、ハラガヘッタゴチソウドコダ―

 

ミッドチルダの郊外の路地裏に銀髪になり、目は紫色の青年が徘徊していた。

 

徘徊している青年の前に数人のチンピラが現れた。

 

チンピラA「おいおい、この辺りは俺らの縄張りだぜ?」

 

チンピラB「通るなら有り金、全部出せよ」

 

青年の周囲を取り囲んでカツアゲをするチンピラたち。

 

ゴチソウダ、ゴチソウガキテクレタ。

 

自身の周囲を取り囲んでいるチンピラたちを見て青年は舌鼓を打った。

 

チンピラC「あ?なにニヤけてるんだよ!」

 

1人のチンピラが青年を殴ろうと胸ぐらを掴んだその時だ。

 

―イタダキマス―

 

殴ろうとしたチンピラの首を青年は姿を変えて噛み付いて皮を、肉を噛み千切った。

 

銀色の体色に、所々にオレンジ色の部分があり、顔はトカゲをモチーフにしている怪物になっていた。

 

チンピラC「え……」

 

何が起きたのか分からないチンピラCは数秒後に自身の首の一部を食われてしまい、傷口から血が噴水のように吹き出していることに気付いた。

 

チンピラC「あ…ぁ………」

 

自身が致命傷を受けた事にやっと気付いたチンピラCは仰向けに倒れ絶命した。

 

チンピラD「へ…へやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

仲間を目の前で食い殺されたのを見てチンピラDは驚いて悲鳴を上げて尻餅をついてしまう。

 

チンピラB「ば、化けm…」

 

チンピラBが何かを言いかけたが青年がなった怪物により肩から首を食われてしまった。

 

チンピラA「ひ、ひぎゃあぁぁぁぁぁっ!た、助けてくれー!!」

 

チンピラD「あ、おい、待ってく……」

 

逃げ出したチンピラAにチンピラDは助けを求めるが直ぐに無駄だと分かった。

 

何故なら自身の頭を怪物が掴んでいたからだ。

 

ニヤリと笑って青年は顔から出るものを全て出しているチンピラDを頭から食った。

 

―アト、ヒトリ―

 

チンピラDを頭から食った怪物は最後のチンピラAを追い掛けた。

 

 

 

チンピラA「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

逃げたチンピラAは近くの廃ビルに入り、一気に階段を上がり屋上に逃げ込んでいた。

 

屋上から屋上へ屋根伝いで逃げようというのだ。

 

逃げ込んだビルの隣にも廃ビルがある。

 

柵を乗り越えようと片足を上げた時だ。

 

―ミツケタ―

 

チンピラA「ひっ!?」

 

気配に気付いて振り向くとさっきの青年がおり、チンピラの足を掴むなりその姿を変えてアマゾンに似た怪物になった。

 

チンピラA「はひ、ひぃ!!」

 

パニクっているチンピラAは急いで登ろうとするがパニクってて上手く上れなかった。

 

そんな中で怪物はゆっくり一歩一歩、近付いていた。

 

チンピラA「ひあぁぁぁぁぁ…………」

 

まごまごしていて遂に目の前まで怪物が来てしまい、チンピラAはお漏らしをしてしまった。

 

―イタダキマ…―

 

チンピラAの足を掴んで逃げられないようにして怪物は口を開いたその時だ。

 

?「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

雄叫びと共に空から新たな影が落ちてきた。

 

落ちてきた影により屋上の地面は砕かれ、粉塵が舞う。

 

―ナンダ?―

 

奇襲を受けて怪物はチンピラAの足から手を離してしまっていた。

 

粉塵が収まると1人の仮面の戦士がいた。

 

ガンマ「グルルルル!!」

 

黄色い体表面、緑色の胸部装甲、青い釣り目をした複眼を持ち、グローブとブーツの部位にはカッターを持った戦士―『仮面ライダーアマゾン ガンマ』は喉を鳴らして威嚇していた。

 

―ゴチソウガフエタ。ウレシイ―

 

ガンマを見て怪物は嬉しそうにしていたのだった。

 

ガンマ(こいつ…いままでの…あまぞんと…ちがう……)

 

今対峙しているアマゾンを見てガンマは少し後退りした。

 

今まで相手したことのないアマゾンだがどことなくアマゾンライダーのシグマに似ていた。

 

だがここで退くわけにはいかないとガンマの闘争本能は訴えていた。

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

地面を蹴ってガンマは怪物に向かって走り出した。

 

―ゴチソウガキタ―

 

向かってくるガンマを見て怪物は舌を出して嬉しそうに不気味に笑っていた。

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

嬉しそうにしている怪物を見て気味が悪いと思っていたがガンマは跳躍して空中で回転してキックを繰り出した。

 

―イタダキマス―

 

キックを繰り出したガンマの足を掴むと地面に叩きつけた。

 

ガンマ「がはっ!!」

 

地面に叩きつけられてガンマに肺から空気が押し出される。

 

叩きつけるために掴んでいたガンマの足を怪物は食おうして口を開いた。

 

ガンマ「アアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

食われるわけにはいかないとガンマは体を捻って掴まれていないもう片方の足のレッグカッターで怪物の首を刺した。

 

レッグカッターが効いたのか怪物は掴んでいたガンマの足を離して数歩後退した。

 

数歩後退した怪物は傷口に触れた。

 

触れた個所には黒いアマゾン特有の血がついていた。

 

―コイツ…ツヨイ…タノシクナッタ―

 

怪物は自身の中で猛り踊る感情を感じて笑う。

 

ガンマ「グルルルル……」

 

方やガンマは今まで相手したことのない怪物に恐怖をしていた。

 

―ゴチソウ…ツヨイ…オイシソウ―

 

今度は怪物が先に動いてきた。

 

ガンマ「ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

バイオレント・ブレイク!!

 

先に動いてきた怪物にガンマはバトラーグリップを引き抜いてアマゾンブレイドを出すと逆手に持って向かって行く。

 

両者か交差して互いに反対側で止まった。

 

ガンマ「うぐっ!?」

 

脇腹を押さえてガンマは膝を着いた。

 

ガンマの脇腹から血がにじみ出ていた。

 

さっきの交差で怪物に脇腹をやられてしまったのだ。

 

―ヤット…タベレル…ゴチソウガ…タベレル―

 

方や怪物は手に付いたガンマの血を舐めながら接近する。

 

―イタダキマス―

 

ガンマに近づいた怪物は口を開けて捕食しようとする。

 

対するガンマは何とかしようと思ったが脇腹のダメージが大きいのか上手く体が動けなかった。

 

怪物の牙がガンマに触れかけた、その時だ。

 

シグナム「火竜…一閃!!」

 

―!?―

 

突然、後ろから現れて火竜一閃を繰り出してきたシグナムに驚いて怪物は跳躍した。

 

ガンマ「にが…さない!!」

 

跳躍した怪物にガンマは跳躍してバトラーグリップを捻った。

 

《バイオレント・ストライク!!》

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

バイオレント・ストライクを怪物の腹部に決めた。

 

腹部にバイオレント・ストライクを喰らって怪物は吹き飛ばされて屋上から地面に落下してしまった。

 

着地したガンマはすぐに下を見た。

 

怪物の姿は地面のどこにもなかった。

 

ガンマ「にげ…られた…」

 

怪物に逃げらてしまったがガンマは不思議と安堵感があった。

 

シグナム「リュイ!無事か!?」

 

呼ばれたガンマはシグナムの方を向くと変身を解いた。

 

リュイ「しぐまま…あまぞん…にげ…られた…」

 

シグナム「ああ、そのようだ。だが今度は私たち2人でやればきっと勝てる。さあ、主はやてが家で待ってる、帰ろう」

 

リュイ「うん……」

 

シグナムと手を繋いでリュイは帰路についた。

 

因みに怪物に追われたチンピラはガンマが戦っている間に気絶していたらしく、連絡を聞いてきたフェイトにより保護された。

 

 

 

リュイがシグナムと一緒になって帰っているとき、怪物になっていた人物―シグマは森の中を歩いていた。

 

―アノゴチソウ…マタアッタラタベテヤル―

 

ガンマを食えなくて少し落ち込んでいるのかシグマは歩きながらそう思っていたがシグマはすでに今歩いている森の中はガンマがいた世界ではなく、自身がいる本来の世界だとは気づいてはいなかった。


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