魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
客「か、管理局だ!!」
突入して唯一の出入口を塞ぐティアナたちを見て、客のアマゾンたちは動揺する。
ティアナ「無駄な抵抗は止めて大人しくしなさい!私たちは無用な争いを求めていません!」
クロスミラージュを向けながらティアナはアマゾンたちに言う。
ガンマ「……!」
ティアナはそう言っているがガンマはあることに気付いていた。
カニアマゾン「ふざけるなあ!!」
ティアナの警告を聞いたカニアマゾンは叫びながら向かっていく。
ティアナと局員らは向かって来るカニアマゾンに攻撃するが甲殻に阻まれてダメージを与えられなかった。
カニアマゾン「ガアァァァァァァァァーーーーーーーーーー!!」
「「うわっ!!」」
甲殻に守られたカニアマゾンは悠々と近付くと手前にいた局員2人をハサミで挟んで持ち上げる。
ティアナ「この…」
カニアマゾン「シェラアァァァァァァァーーーーーーーーー!!」
ティアナ「きゃっ!!」
局員2人を助けようとするティアナだったがカニアマゾンは挟んでいる局員の1人を投げてぶつけると、もう1人も他の局員たちの方に投げてぶつける。
カニアマゾンに局員をぶつけられて出入口の道が開けた。
カニアマゾン「今だ、早く逃げろ!!」
退路を開くとカニアマゾンは他のアマゾンたちに言う。
カニアマゾンに言われてアマゾンたちは一斉に逃げだした。
局員A「こ、この、逃がすか!化け物ども!!」
逃げるアマゾンたちを立ち直った局員の1人がショック弾を発射してきた。
射線上にはリュイに話しかけた女性だった。
カニアマゾン「危ない!」
シグナム「行かせるか!」
女性を助けようとするカニアマゾンをシグナムが妨害した。
ショック弾が女性に命中しかけたとき、ショック弾と女性の間に何かが割って入り守った。
ガンマ「ぐうぅ!!」
女性を守った何か―それはガンマであった。
『!?』
女性「あなた…何で…!?」
人間の味方をしているガンマが自身を守ったことに女性と周りにいたティアナやシグナムたちは驚く。
ガンマ「わか…らない…でも…あなた…たちを…かること…できない…からせたく…ない…そう…おもった…だけ……」
ガンマ自身も何故、女性を守ったのかよく分からなかったようで、戸惑いを混ぜながら言う。
カニアマゾン「い、今さら味方面するな、裏切り者が!!」
怒りを露にしながらカニアマゾンはガンマにタックルして掴むと入り口を破壊しながら外へ出た。
女性「………」
ガンマの行動に戸惑っていた女性は我に帰ると直ぐに外へ出て逃げていく。
シグナム「待て!」
女性のあとを追いかけようとするシグナムだが、人間態のアマゾンでも走る早さは本来の人間より早いために店を出て直ぐに見失ってしまった。
シグナム「逃げたか…」
女性や他のアマゾンたちを見失ってしまい、シグナムは店に戻る。
シグナム「ティアナ、大丈夫か?」
ティアナ「はい、私は…それより、シグナムさんはリュイのところに」
シグナム「分かった。ここは頼む」
ティアナにこの場を任せてシグナムはガンマのところへ向かう。
レストランから出たガンマとカニアマゾンは工事地帯に入っていた。
作業員A「うわあぁぁぁぁぁぁっ!?」
作業員B「アマゾンだ!」
突然入ってきたガンマとカニアマゾンを見て作業員たちは慌てながら逃げていく。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
掴まれていたガンマは右側のアームドカッターでカニアマゾンを斬りつける。
カニアマゾン「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
斬られたカニアマゾンは怯んでガンマを離して、転倒してしまった。
ガンマ「グルルルルル………」
カニアマゾンから解放されたガンマは地面を転がると直ぐに立ち上がって構える。
ガンマが構え終わるとカニアマゾンもまた立ち上がって構えていた。
カニアマゾン「お前達さえ…お前達さえ来なければ…まだ…あの店で…ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
恨み言を言いながらカニアマゾンはガンマに向かって行く。
ガンマ「うぅ…ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
カニアマゾンの一言にガンマは一瞬だが戸惑いを見せるが振り払って向かって行き、アームカッターで斬りかかる。
カニアマゾン「ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
戸惑いを見せたガンマの攻撃を回避してカニアマゾンはハサミでガンマの首を挟んだ。
ガンマ「あが!?」
カニアマゾン「コのママ、挟み殺シて、やル!!」
様子がおかしいカニアマゾンはハサミで首を挟むとガンマの体が持ち上げる。
右腕に付いているレジスターの目の部分が青から赤へ変化しており、薬が切れて本性が覚醒したのである。
ガンマ「あぐ…ぐっ…あ…」
気道を抑えられてガンマは息ができずに苦しみながらも何とか脱出しようとハサミを掴むが、力が強いのか全く動かせなかった。
ガンマ「か…あぐ……」
ハサミを離すのが無理ならとガンマは右手をドライバーに近付けてバトラーグリップを掴み、引き抜いた。
《バイオレント・ブレイク!》
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
バトラーグリップを引き抜いてアマゾンブレイドを出してカニアマゾンの腹部を刺した。
カニアマゾン「ガルガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
ガンマに腹部を刺されてカニアマゾンは驚き、ガンマの首を挟んでいたハサミを開いてしまった。
ガンマ「げほ…げほ…ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
解放されたガンマは息を吸うとカニアマゾンを蹴って突き放した。
間を飽けずにガンマは立ち上がるとアクセラーグリップを捻った。
《バイオレント・ストライク!》
ガンマ「ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
アクセラーグリップを捻ったガンマは少し助走を付け、跳躍してバイオレント・ストライクを放った。
カニアマゾン「うぎゃあおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……………………」
バイオレント・ストライクを喰らい、カニアマゾンは吹き飛ばされ、後ろに積み上げられていた錆びたドラム缶に激突。
中身が油か何かだったのか爆発が起きた。
ガンマ「……………」
爆発の炎を見てガンマはカニアマゾンや店にいたアマゾンの女性の言葉を思い出していた。
ただ、普通の人間たちのように平和に、ひっそりと暮らしていたい…それが彼らにとってはささやかな願いであった。
その言葉がガンマの…リュイの心に、微かだがしこりのようなものを残ってしまっていた。
リュイ「!」
変身を解いてリュイは自身の目なら涙が流れていることに気付いた。
シグナム「リュイ!」
そこへ、爆発音を聞いてきたシグナムが駆け付けてきた。
シグナム「無事か!?怪我はないか!?」
リュイの身を按じてシグナムは側による。
リュイ「う…うぅ…ごめん…なさい…ごめん…なさい……」
側に来たシグナムに涙を流しながらリュイは抱きついて謝り始めた。
シグナム「………」
最初は何故、謝りだしたのか分からなかったが泣きじゃくるリュイを見てシグナムは察して何も言わずに頭を撫でていた。
シグナム「落ち着いたか?」
しばらく泣き続けたリュイにシグナムは聞く。
リュイ「うん…」
シグナムに聞かれたリュイは頷いた。
リュイ「しぐまま…おねがいが…あるの…」
シグナム「どうした?」
リュイ「もし…ぼくが…ほかの…あまぞんたち…みたいに…ひとを…はやぱぱや…びびおたちを…おそったり…たべようとしたら…そのときは…しぐままが…ぼくを…ころして」
シグナム「なっ!?」
突然のリュイの言葉にシグナムは驚いてしまうのだった。