魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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アマゾンレストラン
hunting 66


ミッドチルダの校外にポツンと1軒の洋食レストランがあった。

 

その洋食レストランに1人の男性が入店した。

 

シェフ「いらっしゃいませ」

 

男性が店内に入るとシェフらしき小太りで物腰も柔らかそうな男性が笑顔で出迎えた。

 

男性「あの、ここって営業してます?」

 

店内を見て男性は辺りが暗く椅子もテーブルに上げられているのを見て聞いてきた。

 

シェフ「はい、大丈夫ですよ。ですがただ今満席ですので少々席が空くまで別室でお待ち下さい」

 

微笑みながらシェフはそう言って男性を案内する。

 

シェフが男性を案内したのは業務用の冷凍庫がある部屋だった。

 

シェフ「恐縮ですがここでお待ち下さい」

 

微笑みながらシェフは一礼して部屋を出ていく。

 

男性はシェフに言われて部屋に待つことにした。

 

しかし男性は気付いていなかった。

 

シェフが男性に気付かれないように部屋に鍵を掛けたことを…。

 

 

 

男性を部屋に案内したシェフは入口から少し奥にある部屋にやって来た。

 

そこには席についた数人の男女の客がいた。

 

客を見てシェフは一礼し、客も一礼する。

 

シェフ「本日はお越しいただきありがとうございます。本日も腕に頼をかけて作らせていただきます」

 

客にそう言ってシェフは部屋を出る。

 

部屋を出たシェフが向かったのは男性がいる部屋だった。

 

鍵を開けて部屋に入る。

 

シェフが入ってきたのを見て男性は席が空いたかと思い、椅子から立ち上がった。

 

シェフ「それではその命、いただきます」

 

一礼してシェフは男性にそう言った。

 

男性「へ?」

 

シェフの言葉に男性は首を傾げるとシェフの体から煙が吹き出して姿を変えた。

 

全身各部に鋭い棘を有した頑丈な殻を持ち、腕部には巨大なハサミを持ったアマゾンになった。

 

男性「なっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

シェフが変身したアマゾンを見て男性は悲鳴を上げた。

 

その後、シェフに戻ったアマゾンは厨房でミンチ肉を作る機械―ミンチ器で何かの肉をミンチにしていた。

 

そしてミンチにした肉でハンバーグを作り上げ、さっきの客たちに出した。

 

出されたハンバーグを誰も何も言わずに食べ始めた。

 

メガネの男性「うぐっ!?」

 

ハンバーグを食べて暫く、半分くらい食べたスーツを着たメガネの男性が苦しみだした。

 

シェフ「お客様、残念ながら今すぐ店を出てください…」

 

苦しみだした男性にシェフはそう言う。

 

メガネの男性「分かって…ます…」

 

苦しみながら男性は立ち上がった。

 

メガネの男性「みなさん…いままで…ありがとう…シェフも…ありがとう…」

 

立ち上がった男性は他の客とシェフにそう言って部屋から出て最後は店を出た。

 

シェフは男性を見送った。

 

その表情は悲しい顔をしていた。

 

 

 

メガネの男性「うぅ…うぐはっ!!」

 

店を出た男性は路地裏にてさらに苦しんでいた。

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

苦しむ男性の前にガンマが路地裏の先から現れた。

 

メガネの男性「うぅ…うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

兵隊アリアマゾン「シャアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ガンマを見た男性は煙を上げて兵隊アリアマゾンになって臨戦した。

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

《バイオレント・ブレイク!!》

 

臨戦した兵隊アリアマゾンをガンマは狭い路地裏から出させようとアマゾンズウィップを引き抜いて放った。

 

兵隊アリアマゾン「シャアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

アマゾンズウィップを跳躍して回避すると兵隊アリアマゾンは路地裏の壁を蹴り上段から蹴りを繰り出す。

 

ガンマ「グガッ!!」

 

兵隊アリアマゾンの上段から蹴りを喰らいガンマは飛ばされる。

 

ガンマ「グウゥ…」

 

飛ばされたガンマは立ち上がって路地裏にいまだに隠れている兵隊アリアマゾンを睨む。

 

兵隊アリアマゾン「グルルルルル……」

 

兵隊アリアマゾンはガンマが路地裏が狭く不利だと分かっていることを見透かしているかのように出ようとしなかった。

 

ティアナ「クロスミラージュ!!」

 

クロスミラージュ《Shoot Barrett, shoot!》

 

ガンマがいる場所とは反対―兵隊アリアマゾンの背後からティアナが圧縮魔力を弾丸状に形成し、加速して打ち出す射撃魔法【シュートバレット】を放ってきた。

 

兵隊アリアマゾン「ギャシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」

 

シュートバレットを背中に喰らい兵隊アリアマゾンは路地裏から吹き飛ばされる形で出てきた。

 

ガンマ「!」

 

吹き飛ばされてきた兵隊アリアマゾンを見てガンマは左側のグリップを捻る。

 

《バイオレント・パニッシュ!!》

 

ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

跳躍して大型化したアームドカッターで兵隊アリアマゾンの腹部を横一閃に両断した。

 

両断された兵隊アリアマゾンは2つに斬られた体が地面に落ちた。

 

兵隊アリアマゾン「ギ…アァァァァァァァァァァァァァ……………」

 

ぴくぴくと小刻みに動きながらも直ぐに動かなくなりドロドロの液体になった。

 

ガンマ「………はずれ…」

 

着地するなりガンマは兵隊アリアマゾンのアマゾンズレジスターを見てそう呟くとグシャリと潰して捨てた。

 

レジスターを捨ててガンマは変身を解除してリュイに戻ると睡魔に襲われて倒れる。

 

ティアナ「おっと!」

 

倒れるリュイをティアナがキャッチする。

 

ティアナ「全く、良く眠ってる」

 

眠っているリュイの頭を撫でながらティアナは言う。

 

 

 

ガンマ/リュイとティアナが兵隊アリアマゾンを倒した頃、レストランの厨房にて、店主が追い出した男性の食べ残したハンバーグをゴミ箱にしているポリバケツに捨てていた。

 

さらに来店した男性が身に付けていたと思われる血塗れの衣服なども一緒に捨てていた。

 

全て捨て終わった男性は蓋をすると厨房の外へ行ってしまったのだった。


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