魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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hunting 59

シグナム「リュイ、しっかりするんだ!」

 

インターミドルの会場から近くの病院にてストラクチャーに寝かされ、運ばれるガンマを呼び掛けるシグナム。

 

体はボロボロで所々に傷があった。

 

シグナムの反対側にはシャマルが他のナースたちと走っている。

 

「すいませんがここまでです」

 

処置室前でナースに止められるシグナム。

 

シグナムを止めたナースが入ると運ばれたガンマがいる処置室の扉が閉まった。

 

シグナム「リュイ…」

 

拳を強く握りシグナムは怒りを露にしていた。

 

それは今から3時間前の出来事だ。

 

ガンマがシグマの前に胸を貫かれ倒れた時だった。

 

突然現れガンマを倒したシグマに観客は驚いて逃げていた。

 

シグマ「ふん、この程度か」

 

倒れたガンマを見てシグマは言う。

 

シグマ「ん?」

 

殺気に気付いてシグマは振り向きざまに何かを掴んだ。

 

巨大化なハンマー―騎士服になりアイゼンを持ったヴィータだった。

 

その眼光はシグマへの怒りが込められていた。

 

シグマ「ただの人間が何のようだ?」

 

ヴィータ「うるせぇ!テメエ、よくもアタシらの家族を!!」

 

シグマ「家族?…あぁ、この雑魚のことか?」

 

倒れているガンマの顔を踏みながらシグマはヴィータを挑発する。

 

ヴィータ「その足を離しやがれ!!」

 

怒り任せにアイゼンをシグマから離すと再び振り下ろした。

 

振り下ろされたアイゼンはシグマの首を1回転させた。

 

ヴィータ「どう…!?」

 

殺ったかと思いきやシグマは自身の首を掴むと再び1回転させて元の位置に戻した。

 

シグマ「何がどうした?」

 

ヴィータ「ば、化け物かよ…」

 

何事もなく首を戻して喋るシグマにヴィータは恐怖心を走らせる。

 

シグマ「失せな、人間!」

 

エネルギーを纏わせたシグマの蹴りがヴィータの腹部に命中した。

 

ヴィータ「がはっ!?」

 

腹部に蹴りを喰らいヴィータはアリーナの柱に叩きつけられた。

 

シグマ「やはり…人間はつまらんな」

 

一撃でヴィータを倒したシグマは呟く。

 

はやて「ほならウチらが相手やで!!」

 

シグマ「ん?」

 

声の方を見ると本来ならミウラたちの応援をしに来たはやて、フェイト、なのはの3人がバリアジャケットを纏っていた。

 

シグマ「ふん…闇の書…いや、今は夜天の書の保有者とただの魔法使いか」

 

はやてたちを見るなりシグマはつまらなそうに言う。

 

なのは「かなり嘗めてるみたいだから少し頭を冷やそうか?」

 

つまらなそうに言うシグマになのはレイジングハートを向ける。

 

だが次の瞬間、シグマは跳躍し右側のアームカッターでなのはの首を切り落とした…ビジョンが流れた。

 

「「「!!?」」」

 

ビジョンを見てはやてたちはシグマから距離を取る。

 

シグマ「いい判断だな。実際に距離を取らないとそうなっていた(・・・・・・・)

 

小馬鹿にするようにシグマは距離を取ったはやてたちに言った。

 

なのは「い、今のって…」

 

フェイト「自身のイメージをビジョンで私たちに見せた…!?」

 

はやて「いったい…何者なんや…」

 

自身のイメージを自分たちにビジョンとして見せてきたシグマにはやてたちも恐怖心が走る。

 

シグマ「ふっ、つまら…!?」

 

はやてたちの恐怖心を感じていたのかシグマが言っていると後ろからヴィータ以上の殺気に満ち溢れた人物が斬りかかってきた。

 

シグナムだ。

 

シグナム「貴様が…貴様がリュイをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

クールな彼女とはかけ離れた怒りと憎悪を露にしながらレヴァンティンを振り下ろした。

 

シグマ「チッ!」

 

シグナムの斬撃が速すぎて対応しきれないシグマは右腕を肘から下を斬られるが直ぐに回収して後ろに下がった。

 

シグマ「今の時代にもお前のような戦士がいたとわな。少々驚いたぞ」

 

シグナムから感じる怒りと憎悪にシグマは言う。

 

シグナム「今の私は貴様を斬ることしか考えん。覚悟しろ!!」

 

レヴァンティンを構えながらシグナムは言う。

 

シグマ「くくくく、そいつは楽しみだな…っと言いたいが生憎とタイムオーバーだ。あばよ!」

 

そう言ってシグマはアリーナの壁を破壊して粉塵を撒き散らして姿を眩ましたのだった。

 

そして事態を収拾するためにはやて、フェイト、なのはは現場に残り、シグナムはガンマを、ザフィーラはヴィータを抱えてシャマルと共に病院に来たのだ。

 

幸いにしてヴィータは騎士服のお陰で大事には至らなかったが胸を貫かれたガンマは緊急手術をすることになったのだ。

 

シグナム「シャマル…リュイを…リュイを助けてくれ…」

 

神にでも祈るようにシグナムは近くの椅子に座って願っていた。

 

そんなシグナムの姿をザフィーラと処置が終わったヴィータは見ていたのだった。


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