魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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hunting 05

時空管理局にある武装隊のオフィスにて、シグナムは自身のデスクに座り会議の結果である資料を読んでいた。

 

方針はこれまでと変わらずアマゾン及びアマゾン細胞を不法に所持している犯罪組織の摘発並びにアマゾンの撃滅または捕獲であった。

 

シグナム(2年前にあんなことが無ければな……)

 

資料を読み終えて、シグナムはそう思っていた。

 

2年前に何があったかと言うと、とある管理世界に発掘された遺跡の中から見つかった細胞型のロストロギア…後にアマゾン細胞と呼ばれる細胞である。

 

アマゾン細胞は投与された生物は身体能力を飛躍的に上げ、人並み外れた力が手に入る

 

しかし、投与された生物を瞬時に怪物へと変化してしまう。

 

さらにアマゾン細胞はたんぱく質を好む。

 

だが、普通の肉などではアマゾン細胞は満足せず唯一満足させられるのが、人間の肉。

 

アマゾン細胞を投与されれば人食い怪物と成り果ててしまうのだ。

 

管理局は直ぐにアマゾン細胞を封印しようとするがとある製薬会社がアマゾン細胞を奪取。

 

アマゾン細胞を使用した非合法の実験を行っていた。

 

それはアマゾン細胞を人間大にまで成長させた人工人間である通称【実験体】の製造である。

 

さらに、その実験体を使用した生物兵器を開発し、闇のマーケットや紛争地域などに売り付け、利益を得ようとしていた。

 

事態を重く見た管理局上層部は直ちに製薬会社の調査を開始。

 

物証を揃えた上で、製薬会社の研究施設を突き止めた管理局は局員を向かわせる。

 

しかし、研究施設への突入寸前で、施設が謎の爆発を起こした。

 

爆発により研究員は全員死亡し、実験体は全滅したかに思われていた。

 

だが、後の事後処理にて回収された研究データから約4000体もの実験体が製造され、爆発に紛れて全てが野に放たれていた。

 

さらに最悪なことに一部をアマゾン細胞がテロ組織などに横流しされていた。

 

野に放たれた実験体4000体を管理局はその元となった細胞から【アマゾン】と呼称して対応しているのだ。

 

シャマル「あ、シグナム。こんな所にいたのね」

 

2年前の事件の資料を読んでいると、シグナムを探していたであろう書類を持ったシャマルがやって来た。

 

シグナム「シャマルか、どうした?」

 

シャマル「あの子の検査結果が出たの」

 

持っていた書類を見せながらシャマルはシグナムを探していた理由を言う。

 

シグナム「そうか…で、どうだった?」

 

シャマル「それが妙なの」

 

シグナム「妙?」

 

結果を聞いてきたシグナムにシャマルは信じられないというような顔をしていた。

 

シャマル「あの子には確かにアマゾン細胞があったわ。でも同時に人間の細胞もあったわ」

 

シグナム「なに、人間の細胞もか!?」

 

シャマルの言葉を聞いてシグナムは驚いて声を上げた。

 

シャマル「えぇ」

 

驚くシグナムにシャマルは頷いて書類を渡した。

 

書類を受け取ったシグナムは書類を見てシャマルが言っていたことが本当だと認知せざるをえなかった。

 

アマゾン細胞から生み出されたアマゾンは細胞すべてがアマゾン細胞のみの人工生命体である。

 

しかし、あの男の子はアマゾン細胞だけでなく人間の細胞も持っている。

 

書類を見たシグナムの中にある仮説が出来た。

 

シグナム「まさか…あの子はアマゾンと人間の子なのか?」

 

人間とアマゾンの血を持つ忌み子、それがあの男の子であると。

 

シャマル「分からないわ。でもそうでなければ説明がつかないの」

 

どうやらシャマルも同じ考えであったようだ。

 

シャマル「はやてちゃんには何て言うの?」

 

シグナム「主はやてには次の会議で私が直接言っておくつもりだ」

 

シャマルからはやてには忌み子かもしれない男の子のことをどう話すかと聞かれてシグナムはそう答える。

 

シャマル「そう…」

 

シグナムの言葉を聞いてもなお、シャマルは少しの心配していた。

 

その時、局に緊急事態を知らせるサイレンが鳴り響いた。


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