魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
リュイ「りーんねえね~!」
次元港ターミナルにて迎えに来ていたリインの側まで駆けていく。
リイン「リュイくん、お帰りなさいです~!」
リュイ「ただい…ま…!」
迎えに来てくれたリインに抱き付いてリュイは言う。
ノーヴェ「り、リインさん…し、シグナムさんは…」
少し怯えて、辺りを警戒しながらノーヴェはリインに聞く。
リイン「シグナムはアギトと一緒に任務中です」
ノーヴェ「そ、そうですか…」
シグナムが来ていないと聞いてノーヴェは安堵する。
リュイ「しぐまま…きてない?」
逆に少し寂しそうにリュイはリインに聞く。
リイン「大丈夫ですよ。お仕事だからいつ帰れるかは分かりませんがリュイくんが帰って来たから直ぐに終わらせるハズです~」
寂しそうにするリュイの頭を撫でてリインは言う。
リュイ「うん…!」
直ぐに終わらせて帰ってくると聞いてリュイは頷いた。
ヴィヴィオ「リュイく~ん、待たね~!」
手を振りながらヴィヴィオはリュイに言う。
リュイ「バイバイ~!」
リュイも手を振り返しながらリインと外で待っていたザフィーラ(人間形態)と帰る。
リイン「リュイくん、合宿は楽しかったですか?」
リュイ「うん…びびおたちと…いっぱい…あそんだ…」
リインに聞かれてリュイは嬉しそうに答えた。
リイン「それは良かったです~!その辺りの話はシグナムたちが帰って来たらお話するです」
リュイ「うん!…ん…?」
頷いたリュイだったが直ぐに立ち止まった。
ザフィーラ「急に立ち止まってどうかしたか?」
急に立ち止まったリュイを見てザフィーラは聞いてきた。
リュイ「しぐままの…こえが…した…」
リイン・ザフィーラ「「え?」」
リュイの側まで言葉を聞いてリインとザフィーラは耳を澄ました。
リイン「全然聞こえないです…ザフィーラは?」
ザフィーラ「私もだ。気のせいでは…お、おい!?」
何も聞こえないリインとザフィーラをよそにリュイはどこかへ走り出した。
リイン「リュイくん!?」
ザフィーラ「どこへ行く気だ!?」
走り出したリュイを見てリインとザフィーラは追いかけ始めたが直ぐに見失ってしまった。
リュイ(しぐまま…しぐまま…!)
リインとザフィーラを置いてきぼりにしたリュイの頭の中はシグナムのことしかなかった。
大好きなシグナムの声が聞こえた。
危険の中にいるシグナムの声が…それだけがリュイを突き動かしていた。
リュイ「はぁ…はぁ…はぁ…」
いくらアマゾンの血を引くリュイでも長時間、走れば息切れで足を止めてしまった。
リュイ「はぁ…はぁ…はぁ…ん?」
息を整えているリュイの視界にあるものが映った。
青い塗装がされ、先頭は変身時のアマゾンライダーの顔と同じ形をしているバイクがあった。
リュイ「!?」
バイクに近寄りハンドルに触れるとバチッと電気のようなのが走り慌てて手を引っ込めた。
リュイ「………」
恐る恐るバイクのハンドルに触れると電気が走ることはなかったが代わりにエンジンが掛かる音がした。
エンジンの掛かる音を聞いてリュイはバイクにまたがった。
リュイ「しぐまま…いま…いくから!」
誰にも教えられた訳でもなくリュイはバイクの動かし方の手順をやると動かしてシグナムの元へ走り出したのだった。