魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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hunting 21

ノーヴェ「よし、2人とも準備はいいな?」

 

アインハルト「はい」

 

リュイ「うん…」

 

準備運動が終わった2人にノーヴェが聞くと返事をした。

 

ノーヴェ「それじゃあ、始めっ!!」

 

開始の合図をノーヴェが出すと、アインハルトとリュイは動いた。

 

アインハルト(まずは様子見…)

 

最初は相手の出方を伺おうとした矢先、リュイは跳躍して踵落としを繰り出した。

 

アインハルト「ふっ!!」

 

両腕をクロスさせて踵落としを防ぐアインハルト。

 

リュイ「はっ!!」

 

防がれながらもリュイは反動を利用して空中回転して踵落としを連続で繰り出した。

 

アインハルト「くっ!!」

 

流石のアインハルトも2連続の踵落としは予期できず後ろに飛んで回避した。

 

リュイ「とっとっ…」

 

回避されたリュイは踵が地面にぶつかる前に体勢を変えて着地した。

 

アインハルト(あの技…どこかで…)

 

リュイの繰り出した2連続の踵落としを見てアインハルトの中で何かが引っ掛かった。

 

アインハルト「今度はこちらから行きます」

 

しかしアインハルトは直ぐに切り替えて離れた分から一気にリュイに接近する。

 

接近して来たアインハルトを見てリュイはバク転して下がる。

 

アインハルト「逃しません!!」

 

バク転して下がるリュイを追撃しようと迫るアインハルト。

 

リュイ「はあ!!」

 

アインハルト「!?」

 

逆立ちになった状態でリュイは回転し、ミウラの時に繰り出して見せた回し蹴りだ。

 

アインハルト「くっ!?」

 

回し蹴りに阻まれてアインハルトは下がる。

 

リュイ「はっ!!」

 

アインハルトが下がったのを見てリュイは地についた両手をバネのように動かして両足キックを繰り出した。

 

アインハルト「きゃっ!!」

 

両足キックを喰らってアインハルトは倒れる。

 

アインハルト(やはりこの戦い方…どこかで…)

 

リュイの繰り出す攻撃に、アインハルトに刻まれた古代ベルカの記憶に引っ掛かる感じがしていた。

 

リュイ「はっ!!」

 

立ち上がったリュイは止めの左ストレートを繰り出すが…。

 

ノーヴェ「そこまで!!」

 

ノーヴェのストップが掛かり、リュイはパンチをアインハルトの顔の寸で止めた。

 

ノーヴェ「この試合、アインハルトの負けだな」

 

アインハルト「そのようです」

 

年下相手に負けたことをノーヴェに言われるが、アインハルトは悔しがることなく認めた。

 

リュイ「はーる…」

 

呼ばれて見るとリュイが手を差し伸べていた。

 

(はーるって…私/アインハルト/さんのこと!?)

 

『はーる』と言われて周りと驚きつつも差し出された手を取って、アインハルトは立ち上がった。

 

アインハルト「ありがとうございました。リュイくん」

 

立ち上がってアインハルトは模擬戦でのお礼を言う。

 

リュイ「ありがとう…」

 

リュイもまたお礼を言う。

 

アインハルト(私の思い過ごしですね。彼とは今日初めて会った…初めて?いえ、どこかで……気のせいですね)

 

リュイとの模擬戦を通して、アインハルトは自身の中に刻まれた古代ベルカの記憶に引っ掛かっていたが直ぐに思い過ごしだろうと判断する。

 

リオ「2人にとも凄かったよ~!!」

 

コロナ「リュイくんアインハルトさんに勝つなんて凄いよ!!」

 

模擬戦を終えた2人にヴィヴィオたち3人が駆け寄って言う。

 

ヴィヴィオ「よぉし、次は私とやろう!」

 

リオ「え、次は私だよ!」

 

コロナ「違うよ、私とだよ!」

 

ノーヴェ「お前ら…決めとけって言っただろ…」

 

口論を始めるヴィヴィオたちを見て、ノーヴェは呆れてしまった。

 

女性「うぅ…」

 

すると、口論するヴィヴィオたちの近くにある茂みから1人の女性が突然出て倒れた。

 

ノーヴェ「お、おい!大丈夫か!?」

 

倒れた女性にノーヴェは駆け寄る。

 

その後ろからヴィヴィオたちも来た。

 

ノーヴェ「酷いケガだな。今日の連中はここまでだ、アタシはこの人を病院までおくっ…」

 

リュイ「にょーえ!!」

 

突然リュイがノーヴェを突き飛ばした。

 

次の瞬間、ノーヴェがいたところの地面が粉々に砕けた。

 

さっきまでいた場所を見ると、そこには大きなハサミがあり、地面を砕いていた。

 

?「チィ…仕留メそこナッたか…」

 

ノーヴェが駆け寄った女性はそう言って立ち上がった。

 

地面を砕いたハサミは女性の右腕だった。

 

ノーヴェ「ま、まさか…アマゾンか!?」

 

ノーヴェがそう言うと女性の顔の一部が火傷をしたように爛れ、さらに体からは煙まで上がっていた。

 

女性の体から出る煙が一気に吹き上がり、周囲に強烈な衝撃波と高熱が生じ、木葉や茂みの葉を燃やしながら姿を包み込んだ。

 

煙が晴れると右腕だけでなく左腕もハサミになり、尾骨辺りからは先に鋭い針を持った尻尾が生えているアマゾンが現れた。

 

ノーヴェ「マジかよ…くそっ、アインハルト!ヴィヴィオたちを連れて早く逃げろ!!」

 

?「逃ガスか!!」

 

怪人はそう言うと尻尾を地面に突き刺すと公園を囲むようにドーム型の壁が現れた。

 

?「全員ココデ、私が食ウんダヨ!!」

 

ハサミを構えながらアマゾンは皆を見て言うのだった。


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