魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
hunting 17
リュイが八神家にやって来て早一月、事件は部隊長室で起きた。
はやて「あぁーーーーーーーーーーーー!!」
部隊長室にはやての声が轟いた。
はやて「わ、忘れとったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
今後の予定表を見ていたはやては頭を抱えて叫んだ。
リイン「ど、どうしたんですか?はやてちゃん」
はやて「これや、リイン!」
予定表のとある日付を指差してリインに見せるはやて。
そこには『全員出張』と書かれていた。
リイン「え?これがどうかしまた?」
はやて「全員出張ってことはリュイが独りぼっちになってまうんやぁ!!」
リイン「あ…………あぁぁ!!」
はやてに言われてリインも声を上げた。
はやて「……っと言うわけや!リュイを預けられる人、誰かおらへん!?」
『……………』
慌ててシグナムたちに連絡を入れるはやてだが全員、出張のことを忘れていて黙ってしまった。
はやて「仕方ない…急やけどなのはちゃんかスバルに相談してみるか…」
はやてがそう言った時、ヴィータが口を開いた。
ヴィータ『でも、今回リュイが大人しくアタシらの言うこと聞くか?』
シグナム『どうゆう意味だ?』
ヴィータ『ほら、リュイは先月くらいに来たばかりじゃねーか。誰かに預けるってことは捨てられるって思うんじゃねーか?』
ヴィータに言われて全員が黙ってしまう。
確かにまだリュイが八神家に来て、1ヶ月しか経っていない。
たった1ヶ月で、家族に慣れつつあるのに急に他所の家に預けられでもしたら、幼いリュイのことである。
八神家から捨てられてしまったと考えてしまうには十分だった。
はやて「どないしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ほぼ詰みの状況にはやての叫びが辺りに響き渡る。
?「ど、どうしたの、急に大声出して?」
はやて「ふえ?」
声の方を見ると書類を持ったフェイトが扉を開けて立っていた。
はやて「ふぇ…フェイトちゃ~ん!!」
フェイト「ちょっ、なになに!?」
ダッシュでフェイトに抱き付くはやて。
はやて「実は~!!」
ことの次第をフェイトに話す。
フェイト「なるほど…全員出張なのを忘れてて急遽リュイくんを預かれる人を捜してるわけね?」
はやて「そうです…」
フェイト「なら私に任せてくれない?」
はやて「え?」
シグナム『そうか、確かリュイはお前にだけは懐きかけていたな』
初めてリュイがシグナムやシャマル以外と出会いかつ、慣れかけているフェイトを見て言う。
最初こそリュイはシャマルのせいで、警戒していたが、白衣を着ていないことやシグナムと親しく話しているのを見て、幾分かフェイトへの警戒心が無くなりつつあったのだ。
フェイト「えぇ。だから下手に知らない人に預けるより少しでもリュイくん自身が知っている人の方がいいかなって」
はやて「あ…ありがとう~!恩に着るで~、フェイトちゃ~ん!!」
号泣してフェイトの制服を思いっきり濡らす。
フェイト「止めて~!」
制服を濡らされてしまったフェイトははやてを離そうとしていたのだった。