魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー 作:ダラケー
エピローグと合体させてますんで長いですが、どうぞ!
砲撃の直撃を受けてしまったリュイにアークエンジェルは慌ててしまう。
しかし…
リュイ「うぅ…」
爆煙が薄くなると呻き声のようなのが聞こえる。
ガンマ「ウオアァァァァァァァァァァァァァ!!」
雄叫びと共に爆煙を振り払い現れたのはリュイのもう一つの姿―『仮面ライダーアマゾン ガンマ』だった。
ヲ級「!?」
ガンマの登場にヲ級は驚いて一瞬だけ怯んだ。
ヴィータ「大丈夫みたいだな。リュイ、お前はあのクラゲ野郎を倒せ!アタシはザフィーラとハエを叩き落とす!」
ガンマ「うん…!」
ヴィータの指示を受けてガンマは頷いた。
指示を出したヴィータはザフィーラと共にヲ級が放った艦載機を撃破しに行く。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァ!!」
跳躍してヲ級に向かっていくガンマ。
バイオレント ブレイク!!
空中にてガンマはバトラーグリップを引き抜いて槍―『アマゾンスピア』を出すと柄の部分に持ち代えてヲ級に向かって投げた。
投げられたアマゾンスピアを見てヲ級は少し動いて回避しようとするが被っている帽子のようなモノ―艤装の右側の砲を貫いて破壊された。
ガンマ「はずした…」
本当は一撃で仕留める気でいたがヲ級は少し動いてかわされてしまったことにガンマは少しながらショックを受けるが直ぐに浜に着地して構える。
ガンマが着地したのを見たヲ級は頭に被っている帽子のような艤装の生き残っている左側の砲を向ける。
AA「そうはさせない!!」
砲を向けるヲ級にアークエンジェルは艤装を展開して陽電子破城砲『ローエングリン』の照準を合わせる。
AA「ローエングリン、発射!!」
照準を合わせてヲ級に向かってローエングリンを発射する。
ローエングリンのビームを見て慌ててヲ級は砲を射つのを止めて回避行動に入る。
ガンマ「ナイス…」
バイオレント ストライク!!
ローエングリンのビームが空を切った時、ガンマは再び跳躍して右側のグリップを捻ると右足を突き出して繰り出す必殺技―『バイオレント ストライク』を繰り出した。
ヲ級「!?」
まさかの攻撃にヲ級は回避行動が間に合わなかった。
ガンマ・AA((とった/取った!!))
二人は同時にそう思った時だった。
ガンマ「ガアァッ!?」
突然の別方向から砲撃されてガンマは浜に吹き飛ばされる。
ガンマ「グルルルル……」
吹き飛ばされながらもガンマは立ち上がってヲ級がいる方とは別方向を睨むガンマ。
ガンマが睨む先から筋骨隆々の四肢をもつ双頭の魔獣を従えた、黒いドレスの妖しい美女が現れた。
魔獣の両腕と首には枷がはめられており、その見た目にも溢れんばかりの凶暴性をさらに強調している。
女性のほうは角が左側に1本だけで、垂れた前髪二束が眉間のあたりでクロスしていて肩を露出した膝丈の黒いドレスは胸元に模様が入っておりスカートはバルーン風に膨らんでいて脚は黒いタイツにスタッズのついたゴツい装飾の靴、二の腕まであるロンググローブを身に着けて妖艶な雰囲気を醸していた。
ヴィータ「新手か!?」
魔獣と女性を見て驚くヴィータ。
AA「戦艦水鬼!?なぜここに!?」
女性―『戦艦水鬼』の出現にアークエンジェルは驚く。
ガンマ「?」
アークエンジェルの言った意味が分からないガンマは首を傾げる。
AA「とある海域で深海棲艦たちのボスよ。なんでここにいるのかは分からないけど…」
ガンマ「てきなら…たおす…」
戦艦水鬼に構えるガンマ。
AA(でも戦艦水鬼って海域の島にしかいないと思ったんだけど…なんで海上に?)
戦艦水鬼がいることにアークエンジェルは疑問に思いながらも構える。
戦艦水鬼「ヤクタタズノ…クズテツガ!!」
恨みを言うように戦艦水鬼は魔獣に似た姿をしている艤装から砲撃を始めた。
ガンマは左に飛び、アークエンジェルは海上に向かっていく。
AA「MS隊、発艦!!」
海上に出るなりアークエンジェルはハッチを開いて『X105 ストライクガンダム』と数十機の『M11C ムラサメ』を発艦させた。
AA(いくら戦艦水鬼でもMSで倒せない相手じゃない)
AA「MS隊、攻撃開始!!」
AAの指示でストライクを先頭に戦艦水鬼の頭上からMS隊が迫るが…
?「シャバアァァァァァァァァァァァァ!!」
MS隊が戦艦水鬼を頭からビームライフルで攻撃しようとした瞬間、戦艦水鬼の艤装からニュルリと涌き出るように1匹の蜘蛛の姿をした怪人が出現し、口から紫色の糸玉を噴射した。
突然、現れた蜘蛛怪人の攻撃にストライクと前方のムラサメ隊はギリギリでかわしたが後方を飛んでいたムラサメ数機が糸玉に絡まり、残りは四肢のいずれかに糸玉が絡み付いた。
ムラサメに絡み付いた糸玉はジュウーとボディーを溶かしながら浸食し、破壊した。
AA「なにあれ!?」
ムラサメ隊を破壊した糸玉を繰り出す蜘蛛怪人に驚くアークエンジェル。
?「シャバアァァァァァァァァァァァァ!!」
MS隊を退かせた蜘蛛怪人はアークエンジェルに向かってMSを破壊した糸玉を繰り出そうとしていた。
ガンマ「ガアァッ!!」
?「!?」
糸玉を繰り出そうとした蜘蛛怪人の後ろからガンマが襲い掛かってアークエンジェルへの攻撃を防ぐ。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァ!!」
アームカッターで蜘蛛怪人の右肩を斬り付けた。
斬られた右肩は切断されて、結果的に蜘蛛怪人は右腕丸ごと失い傷口からドス黒いアマゾン特有の黒い液体が噴き出る。
?「シャバアァァァァァァァァァァァァ!?」
傷口を押さえて蜘蛛怪人は後退する。
ガンマ「typeはinsect…modelはtarantula…遠距離攻撃型…なら…」
蜘蛛怪人―『タランチュラアマゾン』に構えた時だった、上空に退避していたストライクがビームライフルを発砲した。
緑色のビームがガンマに迫る。
ガンマ「!?」
突然のビームにガンマは反応が遅れてしまった。
ビームはガンマのすぐ横を通り過ぎてガンマとタランチュラアマゾンが乗っている艤装の手を貫いた。
どうやらタランチュラアマゾンに集中していたガンマを背後から襲おうとしていたようだ。
それが分かったガンマはアークエンジェルにお礼を言う代わりに親指を立てた。
アークエンジェルも親指を立てる。
手を貫かれて激しく体を動かす艤装。
ガンマ「クッ!!」
激しく体を動かす艤装にガンマは慌てて後ろに飛んでアークエンジェルの艤装の上に乗っかった。
AA(あれ?意外と軽い…)
乗っかってきたガンマが予想以上に軽かったことにアークエンジェルは驚いた。
ガンマ「あーく…」
AA「なに?」
ガンマ「そろそろ…ちから…でなくなる…つぎで…きめよう…」
そう言うガンマをアークエンジェルはよく見ると少し呼吸が乱れていた。
AA「分かったわ。決めましょう」
ガンマ「うん…!!」
戦艦水鬼と合流してきたヲ級に構えるアークエンジェルとタランチュラアマゾンに構えるガンマはそう言った。
タランチュラ「シャバアァァァァァァァァァァァァ!!」
ガンマに向かってタランチュラアマゾンは口から糸玉を繰り出す。
ガンマ「ハアァッ!!」
糸玉をガンマは右手で掴み受け止めて見せた。
しかしMSを浸食するほどの酸性を見せた糸玉を受け止めたのにも関わらずガンマの右手は浸食すら見せていなかった。
タランチュラ「ギギ?シャバアァァァァァァァァァァァァ!!」
首を傾げるタランチュラだが直ぐ様何十発の糸玉を繰り出した。
ガンマはそれら全てを体で受け止めて見せた。
直ぐにガンマの姿は糸玉に覆われてしまうが…。
ガンマ「ガアァァァァァァァァァァァァァ!!」
覆っていた糸玉全てをアームとレッグカッターで斬り刻んで無傷の姿で現れた。
タランチュラ「ギギッ!?」
無傷で現れたガンマにタランチュラアマゾンは驚いていて後退する。
バイオレント パニッシュ!!
その隙にガンマは右側のグリップを捻ると両腕のアームカッターが大型化した。
ガンマ「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
吠えたガンマはタランチュラアマゾンに向かっていく。
タランチュラ「シャバアァァァァァァァァァァァァ!!」
タランチュラアマゾンも糸玉を繰り出しながらガンマに向かっていく。
二人が交差した瞬間、何かが飛んだ。
タランチュラ「………」
飛んだのはタランチュラアマゾンの首で、首を失った体は傷口から血を噴水のように噴き出しながら海中に落ちた。
タランチュラアマゾンが海中に落ちたのと同時に空中で身動きが取れないガンマに向かって戦艦水鬼とヲ級が砲を向ける。
2体の砲撃が始まった…がガンマの姿はそれと同時に消えた。
戦艦水鬼・ヲ級「「!?」」
突然消えたガンマを探して辺りをキョロキョロする
辺りにいなく残っていた上空を見るとストライクの肩に乗ったガンマの姿があった。
しかし2体が驚いたのはそこではない、ストライクを筆頭にタランチュラアマゾンの糸玉から逃れていたムラサメ隊がビームライフルを向けていた。
AA「全機、発射!!」
アークエンジェルの指示で一斉にトリガーを引いた。
無数の緑色の光が戦艦水鬼とヲ級を襲う。
辺りが蒸気で覆われる。
戦艦水鬼「アアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
蒸気を突き破るようにボロボロの戦艦水鬼がアークエンジェルに向かっていく。
艤装も半分体を失っているがせめてアークエンジェルだけでもと戦艦水鬼の想いに応えようと迫る。
AA「ゴッドフリート、照準…」
225cm2連装高エネルギー収束火線砲『ゴットフリートMk.71』の照準を合わせるアークエンジェル。
だが戦艦水鬼たちはそれより早く着くと確信していた。
アークエンジェルの武装は確かに強力だが照準が合わず外れれば大したことはない、仲間である他の艦娘はいない、アークエンジェル一人なら道連れで倒せると思ったのだろう。
そう、
バイオレント ストライク!!
ガンマ「ハアァァァァァァァァァァァァァ!!」
ストライクの肩から跳躍し、右側のグリップを三度捻ったガンマはバイオレントストライクを繰り出して艤装に止めを刺した。
AA「ゴッドフリート、撃てぇーーーーーーーーっ!!」
艤装が殺られて速度が落ちた戦艦水鬼に向かってアークエンジェルはゴッドフリートを発射した。
戦艦水鬼「アァァァァァァァァァァァァァ………」
悲鳴に似た断末魔を上げて戦艦水鬼は消滅した。
AA「やった!」
小さくガッツポーズするアークエンジェル。
AA「はっ、そういえばリュイくんは!?」
ヴィータ「ここだよ、ここ」
アークエンジェルがキョロキョロしているとヴィータの声が聞こえて見るとヴィータとザフィーラがおり、二人の方に上昇して見ると気持ち良さそうにザフィーラの背中で寝ているリュイの姿があった。
ザフィーラ「海に落ちる前に回収出来てよかった」
ヴィータ「あーぁ、とんだ散歩になったぜ。早く帰ろうぜ」
AA「そうですね」
ザフィーラ「あぁ」
ヴィータに言われて3人は浜に着地して帰路についていった。
―エピローグ―
AA「みなさん、短い間でしたがお世話になりました」
次元世界に行き来する船が離着陸する次元港にてアークエンジェルは大量の荷物を持って八神家の面々に挨拶をしていた。
深海棲艦の襲撃後、家に帰ったあとはやてたちに事情説明した晩にアークエンジェルの世界から通信があり、それを頼りにアークエンジェルの世界を割り出して今日がはやてが艦長をしている次元航行船で帰る日なのだ。
因みに大量の荷物はアークエンジェル自身がいなくなって心配した姉妹艦や提督、仲間の艦娘に渡すお土産である。
ヴィータ「気にすんなよ」
シグナム「そうだ。我々以外にも自分の世界を守る者がいると分かったんだからな」
アギト「あっちに帰っても頑張れよ」
リイン「皆さんに渡すお土産は忘れずにです」
シャマル「元は軍艦でも今は女の子なんだから健康にもきよつけてね」
ザフィーラ「修練も忘れずにな」
それぞれが伝えたいことをアークエンジェルに言う。
リュイ「あーく…」
最後に残ったリュイは少しもじもじしていた。
AA「ありがとうね。リュイくんのおかげで私は無事にまた皆の所に帰れるわ」
もじもじして先が進まないリュイの頭を撫でてそう言うアークエンジェル。
そんなアークエンジェルを見てリュイは意を決した顔をした。
リュイ「あーく…ちょっと…かがんで…」
AA「ん?なに…」
リュイに言われて屈んだ瞬間、リュイはアークエンジェルの右頬にキスをした。
「「「「「「なっ!?」」」」」」
AA「えっ////!?」
突然のこと過ぎてアークエンジェルは勿論、はやて以外の八神家面々は驚愕した。
1秒と満たないキスをしたリュイは恥ずかしかったのか直ぐにシグナムの後ろに隠れた。
はやて「ほな、行こうか」
AA「は、はい…」
呆けているアークエンジェルに、にやけながらはやてはそう言うと二人は船に乗る。
はやて「じゃ、アークちゃんの世界に向かって出港や!!」
はやての号令の元、船が出港した。
AA(ばいばい。リュイくん…また会える日が来るなら今度はドミニオンたちと行くわ)
客室にて手を振るリュイを窓から見下ろしながらアークエンジェルはそう思うのだった。
シグナム「り、りりりりり、リュイ!?なんでアークエンジェルとキスしたんだ!?」
船が行ったあと、シグナムが超慌ててリュイに聞いてきた。
リュイ「あれが…おわわれの…あいさつ…じゃないの?」
シグナム「え?」
リュイ「はやぱぱが…ほほに…きす…するのが…おわかれの…あいさつ…っていってた…」
シグナム「あ…主はやてぇーーーーーーーーーー!!」
キスした原因…もとい黒幕を聞いたシグナムの怒号の叫びが港中に響き渡った。
その後、無事にアークエンジェルを送って帰って来たはやてはシグナムの制裁+説教漬けにあったのはまた別のお話。
えー、ここまでのお付き合いありがとうございます!
NTKさん、クロスありがとうございました!
ではまたどこかでお会いしましょう!