魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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リメイク(?)になります!


出会う烈火と小さき狩人
hunting 00


薄暗い通路に並ぶ檻、その中の一つにまだ幼い男の子が1人で檻の中に入れられていた。

 

服は着ておらず、上腕二の腕あたりに目のような部分が青く輝いて、何かの顔に見える腕輪をしていた。

 

細い手足には太い枷を嵌められており自由を制限されている。

 

薄暗いなかで蝋燭が唯一の灯りとなっていた。

 

そんな薄暗い場所に足音がすると1人の男が男の子の織りの前に来た。

 

男「おい、餌だぞ」

 

檻の前に男が来て僅かに開いている隙間に皿を入れると来た道を戻っていった。

 

皿の上には生の状態での肉があった。

 

男の子は差し出された皿に乗せられている生肉を手に取り何の躊躇いもなくかぶり付いた。

 

血と生肉の生臭さが鼻につく。

 

しかし男の子は食べ続けた。

 

ものの数分で生肉を食べ終えた男の子は空の皿を通路に出し血と脂で汚れた手を舐め始めた。

 

手を舐め終えた男の子は檻の隅まで歩くと両足を抱えるように座った。

 

そして目を瞑って眠り始めた。

 

毎日こんな感じだ。

 

毎日のように生肉を出されて食べ、血と脂で汚れた手を舐めて眠る。

 

それが男の子の毎日だった。

 

今日もそうなるだろうと思っていた。

 

だが、それは違った。

 

男A「くそっ!管理局が!!」

 

男B「実験体を移動させろ!」

 

男の子が眠っていると地上から男の子に生肉を出した男を含め、複数の男たちの怒声と慌てたが聞こえて目が覚めて起き上がった。

 

?「逃がすか!!」

 

「「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

男たちの他に今まで聞いたことがない女性の声がするとドアが壊れたのか、バラバラになったドアだったものと一緒に男たちが雪崩のように落ちてきた。

 

男たちが落ちた後、一人の女性が降りてきた。

 

八重桜のロングヘアーをポニーテール纏め、刀を右手に持った女性だった。

 

?(きれいな…ひと…)

 

鉄格子まで近寄り、女性を見た男の子は正直にそう思った。

 

「く、くそ!まさかよりによって武装隊のシグナムがくるなんて…ひぃ!?」

 

シグナム「ロストロギア不法所持で…ん?」

 

刀を男たちに向かって構え何かを言っている女性【シグナム】は視線を感じて横を見ると男の子と目が合った。

 

男A「今だ!!」

 

シグナムが男の子の方を向いている一瞬の隙に男たちが逃げ出した。

 

シグナム「あ、待て!」

 

逃げていく男たちに気づいたシグナムは追いかけようとしたが直ぐに男の子のいる檻に近付いた。

 

シグナム「今出してやるからな。離れてなさい」

 

優しくそう言うと男の子は鉄格子から離れた。

 

男の子が離れたを見たシグナムは持っていた刀【レヴァンティン】で檻の鉄格子を斬った。

 

鉄格子を斬ったシグナムは檻の中に入ると男の子の手足に嵌められていた鎖を斬った。

 

シグナム「もう大丈夫だ」

 

シグナムはそう男の子に微笑みながら言う。

 

?「ありが…とう…」

 

小さいながらも確りとした声でシグナムに礼を言った。

 

シグナム「礼には及ばん…!」

 

お礼を言われたシグナムだったがふと男の子の二の腕に嵌められている腕輪が視界に入って驚いていた。

 

シグナム「お前、まさか…!?」

 

後ろから来る殺気にシグナムは気付き檻を出た。

 

男B「た、助けてくれー!!」

 

さっき逃げた男の片割れが血相を変えて走ってきた。

 

なぜか体は血だらけであった。

 

?「グガゴオォォォォォォォォォォォォ!!」

 

男B「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

男の上に何かが乗っかり、馬乗りなった。

 

シグナムは男に馬乗りなったのが人間ではないことは直ぐに分かった。

 

体は馬乗りにされている男より一回り大きく、外見はカブトムシに似ており、頭だけでなく両腕の甲辺りにも角のようなものが付いた怪人で、左腕には男の子と同じ形で、赤く光っている腕輪を付けていた。

 

?「グガゴオォォォォォォォォォォォォ!!」

 

男B「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

怪人は男の腹部辺りに噛み付き、内蔵を引きずり出して捕食し始めた。

 

男B「あ…あぁ…」

 

内蔵を食われ、傷口から血が流れる男は直ぐに息絶えてしまった。

 

シグナム「実験体か!」

 

怪人を【実験体】と呼び、シグナムはレヴァンティンを構えた。

 

すると男の子が檻から出てシグナムの前に来た。

 

シグナム「何をしてる!?危険だ!」

 

シグナムが叫ぶと男の子はシグナムの方を向いた。

 

?「はんてぃんぐ…する…」

 

シグナム「ハンティング?」

 

首を傾げるシグナムを他所に男の子は怪人の方に向き直った。

 

男の子が怪人に向き直ったのと同時に腰からベルトが浮かび上がるように現れた。

 

男の子は浮かび上がったベルトの左側のグリップを持つと思いっきり捻った。

 

GA()M()MA()!】

 

グリップを捻ると両目のような赤い部分に血走りのような模様が入り、英語風に『ガンマ』と聞こえた。

 

?「あまぞん……」

 

ANCI(エンシャ)AN(エン)ANCIENT(エンシャント)!!】

 

ボソリと男の子がそう言うとのと同時に再びグリップを捻った。

 

グリップを捻った瞬間、男の子を中心に熱波と衝撃波が起きながらその姿を変えた。

 

白い純白の全身で、両腕と両足そして背には鋭いカッターがあり、青い目をした戦士に変わった。

 

ガンマ「…アマゾンライダー…ガンマ…hunting start…」


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