魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

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その日、シグナムは男の子と共に自身が暮らしている八神家の家に来ていた。

 

男の子「………」

 

シグナムに連れられて来た男の子は少し不安な表情でシグナムを見ていた。

 

シグナム「大丈夫だ。私がついている」

 

そんな男の子を安心させるために、シグナムは頭を撫でた。

 

男の人「うん……」

 

シグナムに頭を撫でられた男の子はまだ不安な表情であるが少し和らいでいた。

 

 

 

男の子が八神家に来た理由は数日前の本局の部隊長室のこと。

 

男の子をリインが連れて、病室に戻している頃、シグナムははやてと2人だけで話をしていた。

 

シグナム「い、今…なんと仰いました!?」

 

はやてが言った一言を聞いたシグナムは驚いた。

 

はやて「せやからあの子をウチらで預かるんや」

 

あの男の子をはやては自身の家、つまり八神家に迎え入れると言う。

 

シグナム「し、しかし、あの男の子はアマゾンですよ!?」

 

はやて「せやけど、あの子はウチらと同じ人間や。ウチはな、アマゾンでも人間と共存出来るならしてみたいんや…」

 

あの男の子はアマゾンである前に、人間であると微笑みながらそう言うはやて。

 

はやて「それにな…」

 

シグナム「はい?」

 

はやて「あの子、シグナムに一番よく懐いとる時の顔が一番可愛いかったんよ」

 

シグナム「そこですか!?」

 

はやて「せや、まぁヴィータたちにはウチから言っとくから手続きは頼んだで」

 

と男の子を八神家で預かることとなったのだ。

 

 

シグナム「じゃあ、入るぞ」

 

男の子「………」

 

コクリと頷いてシグナムの後ろにピッタリとついていく。

 

シグナムが玄関のドアを開けて2人は中に入った瞬間、『パーン』という音が響いた。

 

『八神家へようこそ!!』

 

玄関に入ると動物のお面をしてクラッカーを持った、おさげに結った赤髪をした少女『ヴィータ』、妖精か悪魔かの風貌をしたリインみたいな小さな少女『アギト』、はやてと大柄で青い毛並みをした狼『ザフィーラ』がそう言った。

 

しかし…。

 

男の子「うぅ…」

 

クラッカーの音に驚いた男の子はシグナムの後ろに隠れてしまっていた。

 

そんな男の子を見てはやてたちは少し2人を待たせて集まった。

 

ヴィータ「うぉいぃぃぃぃぃ、逆に怖がってんぞ!どーすんだよ!?」

 

アギト「やべーぞ、このままだとシグナム以外あたしら全員シャマルと同格にされちまうよ!!」

 

はやて「なんとかせぇへんとなぁ…ん?」

 

円陣を組んで小声で話していると男の子がシグナムの後ろからジーッとある人物を見ていた。

 

男の子が見ている人物…というか狼であるザフィーラであった。

 

はやて「あぁ、ザフィーラ」

 

ザフィーラ「はい?」

 

はやて「あのな、ごにょごにょ、ええか?」

 

ザフィーラ「は、はぁ…構いませんが…大丈夫ですか?」

 

はやて「大丈夫や」

 

なにやらはやてに耳打ちされたザフィーラは男の子の前まで歩いてきた。

 

シグナム「ザフィーラ?どう…」

 

ザフィーラ「触って良いぞ」

 

シグナムが聞くより早くザフィーラがそう言った。

 

ザフィーラがそう言うと少年はシグナムから離れてザフィーラのモフモフの体を触り始めた。

 

しかも逆撫でで…。

 

男の子「もふもふで…きもちいい…」

 

ザフィーラ「むっ…さ、逆撫では…」

 

逆撫でを嫌がろうとしたザフィーラにはやてが口パクで「そのままや!」と指示を出した。

 

ザフィーラ「仕方ない…むぐっ…」

 

そんなザフィーラの顔に男の子は頬をすりすりした。

 

?「ワンワン…もふもふで…きもちいい…」

 

シグナム(な、なんなのだ!?あの子がただザフィーラを撫でているだけなのにこんなに興奮してしまうんだ!?)

 

ザフィーラを撫でている男の子を見てシグナムは興奮してしまっていたのだった。


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