魔法少女リリカルなのはViVidー人喰らいし、古の血ー   作:ダラケー

10 / 109
hunting 08

?「やれやれ、何かの気配を感じてきてみれば…化けモノ同士の争いに出くわすとわね」

 

右に持った剣を構えながらそう言う青年。

 

?『ゼロ、彼らはホラーじゃないわ。関わらない方がいいわよ』

 

ゼロと呼ばれる青年が首に下げているネックレスの装飾が言った。

 

ゼロ「確かにね。でもシルヴァ、オレたちは守りし者だよ?例え相手がホラーじゃなくても守りし者としての責務を果たさなきゃ」

 

言われたゼロはシルヴァと呼ぶ首飾りに言う。

 

シルヴァ『はぁ…あなたってヒトは…』

 

ゼロに言われて呆れたように、シルヴァはため息を吐いた。

 

シルヴァ『早めに言っとくけど白い方は敵意を出してるけど警戒に近いわ。で、象の方だけど…』

 

ゼロ「それはオレも分かる。敵意剥き出し…いや、獲物を睨む野獣かな。象は敵、でしょ?」

 

シルヴァが言うよりも早くエレファントアマゾンが敵であるとゼロは言う。

 

シルヴァ『分かってるならいいわよ』

 

ゼロ「ありがとう、シルヴァ」

 

シルヴァに礼を言うとゼロは剣を構えた。

 

ゼロ「ハッ!!」

 

剣を構えたのと同時にゼロは跳躍してエレファントアマゾンの前にまで接近した。

 

エレファント「バロオォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

対するエレファントは巨漢に相応しい大きさの剛腕を振るってゼロを殴ろうとする。

 

ゼロ「フッ、ハッ!」

 

しかしゼロは避けようとせずに二本の剣を交差させてエレファントの攻撃を防ぐと弾いてエレファントの懐に入るとエレファントの腹部を斬り裂いた。

 

エレファント「バロオォォォォォォォォォォォォォォン!?」

 

腹部を斬られたエレファントアマゾンは数歩ほど後退する。

 

ゼロ「助太刀するよ。黄色い怪物くん」

 

ガンマ「グルルルル………」

 

ゼロを警戒するガンマだが直ぐにエレファントアマゾンに構えた。

 

エレファント「バロオォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

斬られたことに怒りだしたのか、エレファントアマゾンは咆哮を上げる。

 

しかもさっきゼロに斬られた部分が再生して傷が消えていた。

 

ゼロ「へぇ、完全に斬らないと再生しちゃうんだ。ならこれならどうかな?」

 

ゼロはそう言って両手に持っていた剣を高く上げると空中で円を二つ描いた。

 

円は一つとなり光輝き何かを出して青年に纏わせた。

 

銀色一色の塗装で、顔は狼に類似した鎧で、二刀の剣も形が変わっていた。

 

ガンマ「アマ…ゾン…!?」

 

鎧を纏い姿が変わったゼロを見て、ガンマは驚く。

 

絶狼「アマゾン?違うな。オレは絶狼、銀牙騎士 絶狼。君と同じ、守りし者だよ」

 

ガンマ「おなじ…」

 

『銀牙騎士 絶狼』に言われて、ガンマはよく分からないのか首を傾げた。

 

絶狼「そう。ほら、来たよ!!」

 

ガンマ「グルルルル!!」

 

言われてガンマが前を見るとエレファントアマゾンがタックルしようと走ってきていた。

 

ガンマ「フッ!」

 

絶狼「ハッ!」

 

しかしエレファントアマゾンのタックルは単調であったために跳躍して簡単に回避できた。

 

絶狼「あまり時間を掛けたくない。一気に決めるぞ!」

 

着地した絶狼がそう言うとガンマは頷いた。

 

エレファント「バロオォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

タックルを回避されながらも、勢いそのままにエレファントアマゾンUターンして2人に迫る。

 

絶狼「ハアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

両手に持っていた二刀の『絶狼剣』の柄部分をくっ付けて長剣『銀牙絶狼剣』にすると構えて真っ正面から絶狼はエレファントアマゾンに突っ込んだ。

 

ガンマ「ハッ!」

 

絶狼が突っ込む少し前にガンマは跳躍し左側のグリップを捻った。

 

バイオレント・ストライク!!

 

ガンマ「ハアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

グリップを捻ると『バイオレント・ストライク』という音声が流れて、ガンマは左足を突き出してエレファントに向かって行く。

 

ガンマ・絶狼「「ハアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」

 

エレファント「バロオォォォォォォォォォォォ………」

 

絶狼の一閃とガンマのバイオレント・ストライクを同時に喰らったエレファントアマゾンは断末魔を上げてうつ伏せに倒れドロドロの黒い液体になったが、すぐに蒸発してレジスターだけが残された。

 

ガンマ「………」

 

ガンマは残されたエレファントアマゾンのレジスターを拾いマジマジとマジマジと眺めた。

 

ガンマ「…ハズレ…か…」

 

そうボソリと言うと拾ったレジスターをグシャリと握り潰し、ポイッと捨てた。

 

振り向くと、さっきまでいた絶狼の姿はどこかに消えていた。

 

しかしガンマはあまり疑問に思わずベルトを消して男の子に戻ると近くにあった木に近付き、座ると木を背にして目を閉じた。

 

男の子「すー…すー…」

 

木に寄りかかると目を閉じて、すぐに眠ってしまったのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。