ポケットモンスター The Rebellion of fate   作:天羽々矢

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ラティアスとラティオスの力を借り、エリオに勝利しオルディンから脱獄を果たしたアルト。
アルトは自身のポケモン達と共にエヴァン地方の首都ロサシティを目指すが・・・

OP:oath sign/LiSA


第4話 海門要塞 地を護る砦

外洋を進む船、そこでアルト達は作業に追われていた。

ジュプトルは舵を取り方角の確認。

フカマルは荷物の固定。明らかに人員が不足していた。

 

そんな中、甲板に座っているアルトに近づくラティアス。

 

「クゥゥ・・・」

 

悲しそうな表情を浮かべるラティアスに、アルトは静かに手を差し伸べようとして、・・・止めた。

アルトは1度ラティアスを突き放してしまった。そんな自分に再びラティアスに触れる資格なんて、無い。

 

そこにラティアスは、静かに顔を近づけ、気にしないでと言いたげにアルトの顔に頬を摺り寄せる。

アルトは辛そうな表情を浮かべ、ラティアスの頬に手を触れ・・・

 

 

バシャァァァァン!!

 

 

「何だ!?」

 

「クゥゥッ!?」

 

突然、水柱と共に船に大きな揺れが襲い来る。

 

「ウォォォォォゥッ!!」

 

船の舳先にいたラティオスが大声を上げる。

ラティオスの目線の先を見ると、悪天候の影響ではっきりとはしないものの、巨大な壁のような物が火を噴き、アルト達へ砲弾を撃っている。どうやら敵と認識しているようだ。

しかも厄介な事に、壁はロサシティへ通ずる道路が通っている港街への入口ともなる海峡を塞ぐように建っている。

別の港街からもロサシティへは行けるが、外洋を大回りする為に大幅に時間が掛かる上、最悪遭難してしまう危険もある。

 

その考えに至ったアルトはジュプトルのいるブリッジへ走った。

 

「ジュプトル!舵を右へ、一旦陸に着けるぞ!」

 

「ジュルィ!」

 

ジュプトルも今の状況は飲み込めているらしく、アルトの指示を聞いた後すぐに舵輪を大きく右へ回し舳先を大きく右へ向ける。

その際に船が大きく傾き、船内倉庫でフカマルが転がっていたのは余談。

 

 

 

 

砲撃を回避する為に船を陸に着けたアルト達は、船をラティアスとラティオスに任せて壁に向かった。

アルトが考えた案は、少数で壁の内側に潜り込み、開けられるようであれば開放、不可能であれば内側から壁を破壊するといった物だ。

 

壁に入るのはアルト、ジュプトル、フカマルの3人のはずだったが、オルディンから共に脱走してきたリオルも同行する事になった。

 

壁に侵入できる経路としてアルトが考えたのは建設時に使われていたと思われる物資の搬入口。

あれほどの壁を建設するには外からでは限度があると考えたのだ。そして見つけた。

 

「・・・警備は2人」

 

警備兵の傍には恐らく彼らの手持ちであろうポケモン「グラエナ」と「コジョフー」が徘徊している。

それを見てもアルトはひるまずジュプトル、フカマルと共に警備兵の前に出る。

 

「何だお前は!?」

 

「悪いが、通してもらう」

 

アルトがそう告げるとジュプトルとフカマルが前に出て身構え、警備のグラエナとコジョフーも臨戦態勢を整える。

 

「侵入者め、容赦はしないぞ!グラエナ、かみつく!」

 

「コジョフー、バレットパンチ!」

 

「グラウゥッ!」

 

「コジョッ!」

 

グラエナとコジョフーがジュプトルとフカマルに迫るも、アルトは冷静に指示を送る。

 

「ジュプトル、でんこうせっか、フカマルはりゅうのいぶきでフォローしろ!」

 

「ジュルィ!」

 

「カァァァフッ!」

 

「グラウッ!?」

 

フカマルの口からエメラルド色のブレスが放たれ、ジュプトルに迫るグラエナを吹き飛ばす。

そしてジュプトルはコジョフーの拳を至近距離で回避し、勢いそのままコジョフーを蹴り飛ばす。

 

「コジョッ!?」

 

蹴り飛ばされたコジョフーはそのまま壁に叩き付けられ膝をつくも、アルトとジュプトルは容赦しない。

 

「リーフブレード!」

 

「ジュルィ!」

 

アルトの指示を受け、両腕の葉を光らせコジョフーを斬りつける。

 

「ジュルゥゥッ!!」

 

「コジョォォォッ!?」

 

コジョフーはそのままトレーナーの下へ転がっていき、

 

「コジョォ~・・・」

 

目を回しながら地面に倒れ込む。完全に戦闘不能だった。

 

「まさか・・・、たった数回の技で!?」

 

でんこうせっかとリーフブレードでコジョフーが戦闘不能になった事にトレーナー2人は驚きを隠せなかったが、それが致命的な隙になった。

 

「グラウゥゥゥゥッ!?」

 

「なっ、しまった!?」

 

グラエナの悲鳴に似た鳴き声で現実に引き戻されるも、グラエナはフカマルのたいあたりで弾き飛ばされ、

 

「りゅうのいぶき!」

 

「カァァァフッ!」

 

再びフカマルから放たれるりゅうのいぶきがグラエナを吹き飛ばし、グラエナはそのままトレーナーの下に転がり、

 

「グゥ~・・・」

 

目を回し戦闘不能状態になる。

 

「ば、馬鹿な・・・」

 

トレーナー2人が唖然とする中、動いたのはアルト自身。

 

「はぁっ!」

 

「ごふぅっ!?」

 

一気に接近し回し蹴りを繰り出し1人を昏倒させる。

それに気づいたもう1人がアルトを取り押さえようとするが、アルトは後腰に差している剣を鞘ごと取り腹部に鋭い突きを繰り出す。

たまらず昏倒する2人の警備兵であるトレーナー。それを見たアルトはジュプトルとフカマルに壁の中に入る事を視線で分からせ、搬入口の扉をくぐり壁に入る。




戦闘BGM:戦闘!マグマ団・アクア団/ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア

ED:オラリオン/やなぎなぎ


キャラ募集は引き続き行っていますが、やっぱりそれっぽい戦闘描写が書けないです・・・

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