Another story of your name(10/31をもちまして完結)   作:宮水 三葉(cv:こう)

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初心者はつらいです(笑)

UAが4500突破していることに今更気づきました(-_-;)

ありがとうございます。

今日は「懸命」に生きる瀧くんサイドのお話です。
彼の記憶は、戻るのか。

それでは、お楽しみください


第八話 懸命

人はなぜ、大事なことほど忘却するのだろう。

 

忘れちゃいけない人の名前を、どうしてこんなにも簡単に失ってしまうのだろう。

 

胸は案外、あったな

 

どうでもいいのに、なぜか。

 

「あのぬくもりが恋しいなぁ」

 

******************

 

カタワレ時。

 

あれから三時間以上、考えていた。

 

だって、何か、大事なモノを失っている気がしたからね。

 

ここ、浅草には多くの観光客が訪れていて、そのための商業施設とか、観光施設が多くある。

 

さっきまでいた千駄ヶ谷から、どうやってここに来たのか覚えていないが、

いつの間にか、ここにいた。

 

「うーん。パッとしないなぁ。なんかこう、ザ、日本っていう建物がもっとほしいよな」

 

一つのスイッチが切れ、一つのスイッチが入った。

 

僕の眼には、雲一つない晴天をバックにスカイツリーが美しく映っている

 

おもわず、バックからスケッチブックを取り出す。

 

一度も見たことがない景色だった。どうしても書きたかった。

 

この眼に焼き付けておくためにも、書いておきたかった。

 

***********************

 

慣れた手つきで真っ白い紙が芸術の世界へと引き込まれる。

 

あっという間に書き上げた。

 

どこか誇らしげな表情をしている。

 

「満足できるな、これなら。」

 

スケッチブックをしまい、ファスナーをしめる

リュックを背負う

時計を見る

 

 

時計の針が止まっている。

 

 

「故障してたっけなぁ。まぁいいか、帰るか。

 いつからこんなとこにいたっけなぁ。何しに来たんやろか。」

 

 

瀧は長く物事を考察するのが苦手だ。

 

すぐに眠気が襲ってくる。

 

けど、嫌気がしない。

 

どこか。何か。よくわからないぬくもりが

なぜか帰ってくるようなやさしさが

全身を覆うからだ。

 

「司、どこにおるかな、あいつ浅草だったよな、来たことなかったし行ってみるか。」

 

と考えてみるものの、瞼が落ちてくる。

 

はよ家に帰ろ、とため息をついた

 

 

気づかなかった。いつからか、火事が起きている。

 

轟々とうなる炎、逃げる人々。救い出す救命隊に、交通整備の警察。

 

 

悲劇は、時に運命を告げる。

 

それが悪い形でも、よい形でも。

瀧の身に、ふと、忘れていたことが甦る。

 

失った何か。

 

それは。俺の記憶・・・?

 

いや、違う。

 

でも、失われても、形は消しちゃいけないんだ。

 

 

『せやけど、形は決して消しちゃあいかん。』

 

 

聞き覚えのある声。それと同時にムスばれていた記憶も甦る。

 

『繭五郎の大火』

 

*********************

 

 

なんて、愚かなんだろう。

 

愛しているのに、こんなにも想っているのに、会いに行く権利が、一緒にいる権利が俺にはある。

 

 

カラダにすぅーっと『愛情』の気持ちが流れ込み、動き出す。

 

気づいたらさっきまで見ていた景色が、千駄ヶ谷のあの景色に変わっている。

 

足は、止まらない。

 

前よりも、明確にわかる。

 

向かっているのはー。

 

**********************

 

開いているドアを強引に、でもやさしく静かに閉めつつ、中に入る。

 

ドラマでよくある、ご主人様お帰りのシーンだ。

 

「って、何考えてるの俺!?」

 

慌てて口元をふさぐ。

 

そーっと、声のする方にムーンウォークしながら向かう。

 

そして、何かの雰囲気を感じて、扉を開けてとびかかる

 

 

 

 

『お前は、俺だ。俺はお前だ。三葉は俺のだぁーーーーー』

 

********************

 

眼の前にいた俺は、どこか消え、

 

俺のカラダに、俺がいる。

 

前もどこかに、こんな感覚を覚えた。

 

けど、そのときは忘れちゃいけないコトを忘れてしまった。

 

 

今度こそ、忘れない。

 

 

『名前はー、三葉!!』

半分泣きながら抱き着く

 

三葉は黙って受け入れ、そして驚いた声で言った。

 

『寝ぼけとるの?笑』

 

そうだ、三葉にはわかりっこない。

 

 




あ、長くなってしまって申し訳ないです(笑)

いかがでしたでしょうか。

今回は前々回の別サイド、という形ですね。

とりあえず、瀧くんは純粋でよかったぁ~

三葉一途だもんね(笑)


次回はいちゃいちゃ回にしましょうかね?
コメント感想、お待ちしております。


タイトルコールだけしておきます(笑)

次回、「告白」

また次回ORコメント欄でお会いしましょう。じゃあね~

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