Another story of your name(10/31をもちまして完結) 作:宮水 三葉(cv:こう)
UAが4500突破していることに今更気づきました(-_-;)
ありがとうございます。
今日は「懸命」に生きる瀧くんサイドのお話です。
彼の記憶は、戻るのか。
それでは、お楽しみください
人はなぜ、大事なことほど忘却するのだろう。
忘れちゃいけない人の名前を、どうしてこんなにも簡単に失ってしまうのだろう。
胸は案外、あったな
どうでもいいのに、なぜか。
「あのぬくもりが恋しいなぁ」
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カタワレ時。
あれから三時間以上、考えていた。
だって、何か、大事なモノを失っている気がしたからね。
ここ、浅草には多くの観光客が訪れていて、そのための商業施設とか、観光施設が多くある。
さっきまでいた千駄ヶ谷から、どうやってここに来たのか覚えていないが、
いつの間にか、ここにいた。
「うーん。パッとしないなぁ。なんかこう、ザ、日本っていう建物がもっとほしいよな」
一つのスイッチが切れ、一つのスイッチが入った。
僕の眼には、雲一つない晴天をバックにスカイツリーが美しく映っている
おもわず、バックからスケッチブックを取り出す。
一度も見たことがない景色だった。どうしても書きたかった。
この眼に焼き付けておくためにも、書いておきたかった。
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慣れた手つきで真っ白い紙が芸術の世界へと引き込まれる。
あっという間に書き上げた。
どこか誇らしげな表情をしている。
「満足できるな、これなら。」
スケッチブックをしまい、ファスナーをしめる
リュックを背負う
時計を見る
時計の針が止まっている。
「故障してたっけなぁ。まぁいいか、帰るか。
いつからこんなとこにいたっけなぁ。何しに来たんやろか。」
瀧は長く物事を考察するのが苦手だ。
すぐに眠気が襲ってくる。
けど、嫌気がしない。
どこか。何か。よくわからないぬくもりが
なぜか帰ってくるようなやさしさが
全身を覆うからだ。
「司、どこにおるかな、あいつ浅草だったよな、来たことなかったし行ってみるか。」
と考えてみるものの、瞼が落ちてくる。
はよ家に帰ろ、とため息をついた
気づかなかった。いつからか、火事が起きている。
轟々とうなる炎、逃げる人々。救い出す救命隊に、交通整備の警察。
悲劇は、時に運命を告げる。
それが悪い形でも、よい形でも。
瀧の身に、ふと、忘れていたことが甦る。
失った何か。
それは。俺の記憶・・・?
いや、違う。
でも、失われても、形は消しちゃいけないんだ。
『せやけど、形は決して消しちゃあいかん。』
聞き覚えのある声。それと同時にムスばれていた記憶も甦る。
『繭五郎の大火』
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なんて、愚かなんだろう。
愛しているのに、こんなにも想っているのに、会いに行く権利が、一緒にいる権利が俺にはある。
カラダにすぅーっと『愛情』の気持ちが流れ込み、動き出す。
気づいたらさっきまで見ていた景色が、千駄ヶ谷のあの景色に変わっている。
足は、止まらない。
前よりも、明確にわかる。
向かっているのはー。
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開いているドアを強引に、でもやさしく静かに閉めつつ、中に入る。
ドラマでよくある、ご主人様お帰りのシーンだ。
「って、何考えてるの俺!?」
慌てて口元をふさぐ。
そーっと、声のする方にムーンウォークしながら向かう。
そして、何かの雰囲気を感じて、扉を開けてとびかかる
『お前は、俺だ。俺はお前だ。三葉は俺のだぁーーーーー』
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眼の前にいた俺は、どこか消え、
俺のカラダに、俺がいる。
前もどこかに、こんな感覚を覚えた。
けど、そのときは忘れちゃいけないコトを忘れてしまった。
今度こそ、忘れない。
『名前はー、三葉!!』
半分泣きながら抱き着く
三葉は黙って受け入れ、そして驚いた声で言った。
『寝ぼけとるの?笑』
そうだ、三葉にはわかりっこない。
あ、長くなってしまって申し訳ないです(笑)
いかがでしたでしょうか。
今回は前々回の別サイド、という形ですね。
とりあえず、瀧くんは純粋でよかったぁ~
三葉一途だもんね(笑)
次回はいちゃいちゃ回にしましょうかね?
コメント感想、お待ちしております。
タイトルコールだけしておきます(笑)
次回、「告白」
また次回ORコメント欄でお会いしましょう。じゃあね~