Another story of your name(10/31をもちまして完結) 作:宮水 三葉(cv:こう)
十話、まできました。個人的にはもう十分かなー、なんて思ったりもしてますが(笑)
実際のところ、楽しみにしてくださっている方いらっしゃるのかなぁ~?
今回は望月ということで、美しい景色を連想しながら見ていただければ嬉しいです。
※今回から、とある作者さんの作品の書き方を参考に
セリフには名前表記をいれるようにしました。読みやすくなったかな??
詳しくは。お気に入りのところを見てください
『この世をば
わが世とぞ思ふ
望月の
欠けたることも
なしと思えば』藤原
まるで、満月のひとたりもかけていないようにこの世は私の
想っているようにうまくいってくれる
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あれから、失敗することなく、僕らはついに今日。
婚礼の義を行う。俗にいう結婚式とやらなんだけど、ちょっと違う。
三葉「神前式で結婚できるなんて、幸せやわぁ」
瀧「うん、未だに違いがよくわかってないんだけどな」
そういって、両者は見つめあう。
三葉・・・不格好な羽織袴姿の瀧。けれど、見慣れたからか、幾分かカッコいい
瀧・・・白無垢姿の三葉。ほんとになんでも似合うなぁ、さらに惚れてまうやろ
神前式は、キリスト教式よりも魅力がある。
なんというか、三葉により合ってる気がする。巫女だったもんね(笑)
難しくて、すらすらいえるのに一か月を要した祝詞も、今日は完璧だ。
三葉に散々教わった思い出が、ふと頭のなかをよぎる。
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僕と三葉は、そっと盃に口を付ける。
三婚の儀
神酒をお互いに飲み交わす儀だ。
でも、これはただのありきたりの神酒ではない。
瀧『三葉と俺の、口噛み酒やよ』
三葉にそっと、飲む前にささやく。
まだ飲んでもいないのに、頬が赤く染まっている。
酔ってる?、においだけで・・・。
瀧「顔赤いけど、大丈夫か」
三葉「大丈夫に見える?///」
瀧「み、見えない」
三葉「あなたのせいよ」
瀧「あ、あなた・・・か///」
今日から俺、夫なんやな。
三葉と、常に一緒にいたいくらい、好きだから、そう考えると嬉しい。
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口噛み酒を飲んだ。
カラダが軽くなる。
意識がもうろうとし始める。
「瀧くん、瀧くん・・・覚えて、ない・・・?」
不意に聞こえてきた、聞き覚えのある少女の声。
今なら、答えてやれる。
『俺の愛する、三葉だろ』ってね。
意識はとおくにあるのに、何かに結びつけられたようにコトバが出てくる。
『消えた町、糸守・・・』
ダメだ、思い出してはいけない。
忘れてはいけないけど、思い出してはいけない。
傍にいた三葉が、消えてしまいそうで、手に届かない遠くに行ってしまいそうで、
恐くてたまらなかった。
『お前が世界のどこにいても俺がまた必ず会いに行く』
ずいぶんと大きくなった四葉の神楽を見終えて、三葉に誓いの言葉を送った。
練習したとおりではなかったけど、どうしても言っておきたかった。
覚えている、鮮明に覚えている。あの時、俺は言えなかった。だからこそ、余計に・・・
三葉「ううっ・・・、うん、私も。私も瀧くんを話さないからぁ・・・」
成人している女性が、こんなにも自分の一言で泣いてくれることなんて今までなかった。同じ職場の同僚の女性に恋のアドバイスをしても、ふぅん、で終わっていた。
でも、でも、三葉はやっぱり、違うんや。
美しい、オレンジ色のリングを、壊したくない、離したくない、やわらかい指に
ゆっくりとつけた。
俺の指には、純白の美しいリングがつけられていた。
俺らは、これから、このリングによってより強固にムスばれるんだ。
いや、その証となるだけかもしれない。
ココロはもうとっくにつながっている。
瀧はすっと手を差し出す。
三葉はそぉーっと、指を絡めて、グィッと握る。
瀧「痛いよ、三葉ぁ」
三葉「えへ、ぜったーい、離さないぞ。」
無邪気な夫婦の誕生を
真ん丸の月は静かに見守っていた。
うわぁー。話の展開が早すぎるぅ、なんて自分でも思っちゃうようなはなしになっちゃいました。ごめんなさい(笑)
ついに、結ばれちゃったね。瀧三。うれしいけどさ、瀧四は?というあなた、
次回に期待してください(笑)
衝撃の事実が、発覚します。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
コメントお待ちしております。
次回、「過去」
お楽しみに!