Another story of your name(10/31をもちまして完結)   作:宮水 三葉(cv:こう)

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ここまでハーメルン初投稿の僕の作品を読んでいただいて、本当にありがとうございます。

十話、まできました。個人的にはもう十分かなー、なんて思ったりもしてますが(笑)

実際のところ、楽しみにしてくださっている方いらっしゃるのかなぁ~?


今回は望月ということで、美しい景色を連想しながら見ていただければ嬉しいです。


※今回から、とある作者さんの作品の書き方を参考に
セリフには名前表記をいれるようにしました。読みやすくなったかな??
詳しくは。お気に入りのところを見てください


第十話! 『望月』

『この世をば

   わが世とぞ思ふ

       望月の

欠けたることも

    なしと思えば』藤原

 

 

まるで、満月のひとたりもかけていないようにこの世は私の

想っているようにうまくいってくれる

 

*************************

 

あれから、失敗することなく、僕らはついに今日。

 

婚礼の義を行う。俗にいう結婚式とやらなんだけど、ちょっと違う。

 

 

三葉「神前式で結婚できるなんて、幸せやわぁ」

 

瀧「うん、未だに違いがよくわかってないんだけどな」

 

そういって、両者は見つめあう。

 

 

三葉・・・不格好な羽織袴姿の瀧。けれど、見慣れたからか、幾分かカッコいい

 

瀧・・・白無垢姿の三葉。ほんとになんでも似合うなぁ、さらに惚れてまうやろ

 

 

神前式は、キリスト教式よりも魅力がある。

なんというか、三葉により合ってる気がする。巫女だったもんね(笑)

 

 

難しくて、すらすらいえるのに一か月を要した祝詞も、今日は完璧だ。

三葉に散々教わった思い出が、ふと頭のなかをよぎる。

 

********************

 

僕と三葉は、そっと盃に口を付ける。

 

三婚の儀

神酒をお互いに飲み交わす儀だ。

 

でも、これはただのありきたりの神酒ではない。

 

瀧『三葉と俺の、口噛み酒やよ』

 

三葉にそっと、飲む前にささやく。

 

まだ飲んでもいないのに、頬が赤く染まっている。

酔ってる?、においだけで・・・。

 

瀧「顔赤いけど、大丈夫か」

 

三葉「大丈夫に見える?///」

 

瀧「み、見えない」

 

三葉「あなたのせいよ」

 

瀧「あ、あなた・・・か///」

 

今日から俺、夫なんやな。

三葉と、常に一緒にいたいくらい、好きだから、そう考えると嬉しい。

 

**************************

 

口噛み酒を飲んだ。

 

カラダが軽くなる。

 

意識がもうろうとし始める。

 

「瀧くん、瀧くん・・・覚えて、ない・・・?」

 

不意に聞こえてきた、聞き覚えのある少女の声。

 

今なら、答えてやれる。

 

『俺の愛する、三葉だろ』ってね。

 

 

意識はとおくにあるのに、何かに結びつけられたようにコトバが出てくる。

 

 

『消えた町、糸守・・・』

 

ダメだ、思い出してはいけない。

忘れてはいけないけど、思い出してはいけない。

 

傍にいた三葉が、消えてしまいそうで、手に届かない遠くに行ってしまいそうで、

恐くてたまらなかった。

 

 

 

『お前が世界のどこにいても俺がまた必ず会いに行く』

 

ずいぶんと大きくなった四葉の神楽を見終えて、三葉に誓いの言葉を送った。

練習したとおりではなかったけど、どうしても言っておきたかった。

覚えている、鮮明に覚えている。あの時、俺は言えなかった。だからこそ、余計に・・・

 

三葉「ううっ・・・、うん、私も。私も瀧くんを話さないからぁ・・・」

 

成人している女性が、こんなにも自分の一言で泣いてくれることなんて今までなかった。同じ職場の同僚の女性に恋のアドバイスをしても、ふぅん、で終わっていた。

 

でも、でも、三葉はやっぱり、違うんや。

 

美しい、オレンジ色のリングを、壊したくない、離したくない、やわらかい指に

ゆっくりとつけた。

俺の指には、純白の美しいリングがつけられていた。

 

俺らは、これから、このリングによってより強固にムスばれるんだ。

いや、その証となるだけかもしれない。

 

ココロはもうとっくにつながっている。

 

瀧はすっと手を差し出す。

 

三葉はそぉーっと、指を絡めて、グィッと握る。

 

瀧「痛いよ、三葉ぁ」

 

三葉「えへ、ぜったーい、離さないぞ。」

 

 

 

無邪気な夫婦の誕生を

真ん丸の月は静かに見守っていた。

 

 

 

 




うわぁー。話の展開が早すぎるぅ、なんて自分でも思っちゃうようなはなしになっちゃいました。ごめんなさい(笑)


ついに、結ばれちゃったね。瀧三。うれしいけどさ、瀧四は?というあなた、
次回に期待してください(笑)


衝撃の事実が、発覚します。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
コメントお待ちしております。

次回、「過去」

お楽しみに!

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