八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
もうすぐ年越しですね。クリスマス?知らない子ですね。
今期のアニメも終わりますね、来年は年始からラブライブです。テンション上がります。やばいですねっ☆
劇場版作品がぽんぽん出るしでいまから前屈みですが、それよりも魔法科2期こい。そう思う昨今です。来ませんかね?来ませんか、そうですか。
そんなこんなで番外編です
― もしもシリーズ -
これは、俺が那須隊に入った時の話だ。
最愛の妹である小町と別れないようにと必死に訓練し、ようやっとB級に上がってしばらくした俺に待っていたのは小町が本部所属のオペ―レーターになる事と、俺が那須隊に入る事だった。そんな八幡的にポイント低い事をにこにこ笑顔の小町により告げられたのだ。
「という訳で、お兄ちゃん。明日から那須隊ね!」
「もしもし?小町ちゃんや?何を言っているのん?」
という訳で、と言いながら、唐突に告げる愛しのマイシスター。前からおバカだとは思ってはいたが・・・と俺が妹の残念なオツムを心配していると、小町はコホン、と芝居がかった仕草をした。
「お兄ちゃんの為に、もう玲さんに話は通してあるから安心してね!!」
「ねぇ?小町ちゃん?お願いだから聞いて?」
「大丈夫!お義姉ちゃん候補ナンバーワンの玲さんならきっとお兄ちゃんもうまくやっていけるから!!」
「もしもし?もしもーし?」
だめだ、小町ってば、俺の質問のいっさいがっさいをスルーして強引に話を勧めようとしていやがる。このままじゃボーダー屈指の美人隊員であるところの那須のところに入れられてしまう。それはだめだ。
ただでさえ小町のコミュ力により那須隊の奴らとはちょくちょく訓練したり、小町つながりで風間さんとか嵐山さんとかに訓練を付けてもらったり、なんなら木虎や加古さんとも訓練したりと周りからの嫉妬的な視線がきついのだ。
ここでさらにB級の華であるところのガールズチーム那須隊に入ったりしたら、今度こそ俺は人生をベイルアウトしなくてはいけなくなってしまう。
小町を残してベイルアウトするわけにはいかないし、何なら、絶対に俺の居場所がなくなる未来しか見えない以上、なんとかこの話を流さなければ!
そう決心をする俺は、いまだに強引に話しを進めようとする小町を説得するべく、声を掛けようとした。が、世界は俺に冷たかった。
「なぁ、小町ちゃんや?」
「お待たせ、比企谷君、小町ちゃん。申請終わったわ」
「あ、玲さん。いえ、お義姉ちゃん。ありがとうございますー!!」
終わった?・・・・・終わっただと!?
「あ~・・・もしもし、那須さんや?ちょっと聞きたいんだが・・・」
小町はさっきから聞き流してくるので、ここは那須に聞くしかあるまい。・・・もう、なんとなく、小町と那須の表情から察してはいるけど!まだ可能性はある!!あるったらあるのだ。
「うん?なにかな?」
俺が小町に聞くのを諦めて確認をしようと声を掛けると、那須は楽しそうに微笑みながら首を傾げた。ええい、かわいいなちくしょう。
「その、だな。今の終わった、ってのは、その、なんだ?もしかして・・・」
「うん、そうだよ?比企谷君の入隊申請。さっき沢村さん経由で本部長に渡してきて、受理してもらったの」
「受理しちゃったかー・・・・・」
「受理しちゃったのー♪」
まじかよー・・・・とがっくりする俺を楽しそうに見つめる那須。
これからよろしくね♪と音符混じりで俺に微笑む。ホントいい性格していやがる。やばいですねっ☆
だが、まだだ、まだキャンセルが効くはず!
「あーその、なんだ。実はだな・・・その件なんだが・・・・」
「もしかして・・・・嫌、だった・・・・?」
先程までのにこにこ笑顔が曇り、今にも泣きそうな表情になる。心なしか瞳がうるんでいる気もする。おおぅ・・・すげぇ罪悪感が出て来たんすけど・・・。
だが、だがしかし!ここで承諾するわけにもいかないのだ、俺は心を鬼にして那須に告げた。
「い、いや・・・じゃ、ない・・・が、その・・・だな」
「だめ・・・・?」
言えねぇ、言えねぇよチクショウ!
「コレカラヨロシクオネガイシマス・・・・」
「うんっ!よろしくねっ♪」
あきらめて俺がうなずくと、それまでのしょんぼりな表情は一瞬で消え、那須はにこやかに微笑んだ。
くそぅ、美少女には勝てなかったよ・・・・・。
こうして俺は那須隊に入ったのであった。
「作戦会議をします」
俺が那須隊に入って最初のランク戦のシーズンを迎えた。
小町と那須に無理やり入隊させられた最初の頃こそ、那須隊での居場所がなくなる事や那須や熊谷、日浦のファンから夜道に刺されないか心配しながら俺は過ごしていた。
実際那須隊に入ってからしばらくは周りの隊員達からめっちゃ睨まれまくっていた。が、その視線はしばらくすると無くなっていた。
なんでかって?同情されてんだよコンチクショウ。
事ある毎に那須にいじられ、もてあそばれてるのを見られていた為に、いつの間にか俺は周りから同情されるようになっていた。
そんなこんなでいつの間にか俺は、自身の尊厳を生贄に捧げることで那須隊の隊員としての日々をなんとか過ごせるようになっていた。尊厳は失われてしまったが。
で、さっきの那須のセリフである。
とりあえず、なんぞ?という意思を込めて那須を見る。熊谷も日浦も志岐も真剣な表情だ。
全員の意識が向いたのを確認した那須は話を続けた。
「今度のランク戦に向けて明日、私の家で作戦会議をします」
「異議あり!!」
「却下します。なので、明日は学校が終わり次第私の家に来てください。あ、小夜ちゃんはPC越しでいいからね?」
あれー?隊長?もしもーし?俺の意見は?つか、志岐は来なくてもいいのに俺は強制参加ですか、そうですか。って、いける訳ないだろが。
「いや、さすがに女子の家に行くのは・・・・」
「比企谷君?」
「・・・・・・はい」
もうね、なにも言えないよ・・・なんか微笑んでるけど目が笑ってないもん・・・・。
そんなわけで、那須の家で作戦会議をすることになった。
んで、作戦会議の日。
俺はさっそく帰りたくなっていた。
理由?そんなん、目の前にいる人が原因だよばっきゃろー。
「それで?比企谷君?玲とはどういう関係なのかしら?」
にっこりと微笑むたぶん那須の母親と思われる美人さんが、新しいおもちゃを見つけたと言わんばかりにニコニコしているんだもの・・・。なんだろう、すごく素敵な微笑みだけど、やっぱり那須の面影を感じるなぁ・・・・主に俺が困ってるとこを楽しそうに見てるとことか・・・・。
とりあえず、少し前にさかのぼると、さすがに男が那須の家に行くのはまずいんじゃなイカ?と話してたのだが、那須が、じゃあこれ着ればいいよと取り出したのが那須隊の隊員服だった。
それを見た俺は那須の目を見たのだが、どうもかなり本気で言っているようだった。なので、俺はその服を見なかったことにして、今日はいつもの恰好で来たのだ。
今度のランク戦でアレを着せられそうな気がしないでもないが、そこは志岐に期待するしかない。頼むぞ!正直どこぞのコスプレになりそうだけど。那須達と同じのを着るよりましなはずだ。
そんな決意の元に那須の家に来た俺は、絶賛那須の母親に歓迎されていた←今ココ。
那須と熊谷と日浦は遅れているらしい。志岐は引きこもりだから当然来ない。つまり、孤立無援である。那須よ・・・なぜこの時間を集合時間にしたし・・・・。
そんなわけで、なぜか今俺は那須の母親と単独で向き合う事になっていたのだが、これがまたやばい。
「それで?恋人はいる?玲はどう?」
「いや、その・・・・」
こんな感じである。
はやく那須か熊谷か日浦来てくれー!!そんな願いを込めつつ、適当な返事をする事しばらく、ようやく那須達が来たようだ。
助かった!!
「ごめんね?まった?」
「い、いや・・・・」
「おかえりなさい、玲。比企谷君、すごくイイ子ね?お母さんも気に入ったわ」
「でしょう?」
でしょう?じゃねぇよ!?おかしいだろ!なにこの2人!?親子か!親子でしたねコンチクショー!!
そんな俺の憤りをスルーして那須と那須母は楽しそうに話していた。
ぐっと涙をこらえる俺を熊谷が優しい微笑みを浮かべながら肩に手を置いて励ましてくれる。やだ・・・カッコイイ。
「くまちゃん・・・」
「くまちゃん言うな」
「あいたっ」
とっても頭が痛かったです。
そんな感じで那須の家で作戦会議は始まった。
「うん、それじゃあ次のランク戦はこの作戦で行きましょう」
「「「了解」」」
しばらくして作戦会議は終わったため、俺達は帰る事にした。・・・正直わざわざ那須の家に来る必要性が感じられなかったが、そこは考えないようにしておく。
日浦、熊谷と順に玄関から出て、さあ、俺も帰るか。と一歩を踏み出そうとしたが、残念ながら帰ることは出来なかった。
なぜかって?
那須と那須母が俺の肩の左右をがっしりと掴んでいたからだった。
嫌な予感がしたが、思わず振り向いた俺の視界にはにっこりと微笑む那須と那須母の顔があった。
信じられないくらい整った顔立ちの母娘に至近距離から見つめられてしまう。
顔が赤くなるのと同時に、びっくりするくらい感じる恐怖。もうやめて!八幡のライフはゼロよ!!
にこにこする2人の美女の視線から逃れるべく、今まさに玄関から出た熊谷に助けて!と救援要請の視線を送る。
「く、熊谷・・・・」
「・・・・がんばんなさい」
だが、熊谷は同情の視線を送るものの、俺を助けてはくれなかった。
日浦もニコニコと微笑みながらさよならです~とか言ってくるし、熊谷は静かに玄関のドアを閉めてしまった。
締まる直前に小さくごめん、と聞こえた気がするが、助けてはくれなかった。く、くまちゃぁぁぁぁーーーん!!!
「さ、比企谷君、一緒にご飯食べましょ?」
「2人の馴れ初めを聞かせてね?」
「・・・・・・・ハイ」
ただでさえ那須一人にすら抵抗の出来ない俺が、その母親も混ざった状態で断れる訳もなかった。
それからめちゃくちゃ那須と那須母から話を振られてもてあそばれて過ごした。
「ただいま。おや、君は・・・・」
そんな感じでしばらく那須と那須母と会話する事しばらく、今度はおそらく那須の父親らしきナイスミドルが・・・・・あ、終わったぁー。
すまない小町。俺はもう今日が命日になるかもしれん。
家に帰ったら娘と妻が見知らぬ男を挟んで会話してた。
うん、これは俺でも殺すわ。
そんな事を考えていると、那須母がにこにこと答えた。
「あら、おかえりなさい。この子は比企谷君、玲の旦那様よ」
「え、ちがっ・・フガッ」
那須母がさらっと火に油を注ぐような事を言い出した。え、ちょっと!?
止めようとすると、那須に止められてしまう。やめて!?その誤解はやく解かないと俺死んじゃう!?
「ほぅ・・・・?」
ひぇぇぇぇ・・・・。クールな視線が俺を射抜いてる。
思わず逃げようにも左の腕を那須に、右の腕を那須母にしっかりと抱えられているため逃げられなかった。
左右の腕がとても柔らかいものに包まれているが、そんな事を考えている場合じゃない、さすが那須母、那須よりも母性が大きいですね、とかちょっとしか考えていないのだ!考えてましたね、すみません。あと那須さんや?腕がミシミシ言ってるんでやめて?
そう考えていると、那須父はふむ、とひとつうなずいた。
「比企谷君か、あきらめてくれ」
「・・・・・え・・・・」
「2人とも、ほどほどにしておくんだぞ?」
「「はーい」」
「・・・・・え・・・・」
比企谷君、ゆっくりしていくと良い。そう言って那須父は着替えに行ってしまった。
だが、俺は見逃さなかった。那須父の目が、同士よ・・・と言っていた事に。
つまり、あれだ。そういう事なのだ。
それからさらに那須と那須母にいいようにもてあそばれたのであった。
・・・ほんと、作戦会議どこ行った。
ちなみに、その後、那須と同様に熊谷家と日浦家に行き、なぜかそれぞれの両親と挨拶した。
娘をよろしくとそれぞれの母親に言われた空気が完全に娘さんを下さいな感じになっていた気がするが気にしたら負けだと思い、(隊員として)うなずいておいた。
ついでにランク戦は無事に勝利し、その後、打ち上げと称して再度那須の家に行ったり、またもや那須母にもてあそばれたりした。
その後那須父に励まされながら2人で飲んだマックスコーヒーの味を俺は一生忘れないと誓った。
人生は苦い。だからコーヒーくらいは甘くても良い。
那須父はそう言っておいしそうにマックスコーヒーを飲んでいた。社畜として働く那須父、那須母に弄ばれる那須父。自分の未来を見ているようだった。
なぜか那須父とそんな感じで絆を深めたりした俺の那須隊での日々は過ぎていくのであった。
という訳で、番外編でした。
なぜか那須隊だったらといいながら日浦にも志岐にもセリフが無いというミラクル!
そしてなぜか登場した那須母と那須父。
自分でもなぜ出してしまったのかよくわかりませんが、出してしまった。さーせん。
マジでボチボチネタが出ない昨今、次は何を書こうか思案中です。また原作に絡むかハイパーズの話か小町の話だと思いますが、次回もよろしくですー!