八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・?   作:ちゅんちゅん丸

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こんばんわ。戦争編28話です

今回は戦争後のお話。もう一話戦争編やったらアフターの話やります。

いろいろとぶっとんだネタをやるかもなので、いつも通りあまり期待せず、ヘーフーンと見ていただければと思いまする。

でも、今回は戦後処理の話。
論功行賞とか記者会見の話を今回と次回でね!


比企谷隊の戦争28 大規模侵攻後、その1

ー 比企谷隊隊室 -

 

「1枚書いては小町のため~、2枚書いては小町のため~」

 

3枚書いてはマイスィートアルティマキュート小町のため~と歌いながら目の前に積まれた鬼のような書類の山を目を腐らせながら突き崩していく。

しかしなんだこれ?おかしいでしょ?書いても書いても終わらないんだけど?

大規模侵攻が終了してから早4日、マスゴミ、もといマスコミの記者会見が3日後に控えている為、マスコミ用の先の戦果報告という名の報告書の作成をしているのだが、この量おかしいでしょ・・・。

ぶっちゃけ特大の爆弾ももう一個あったりするが、これに関しては今はまだスルーだ。しかし・・・。

 

「まじでこれあと3日で終わらせるのとか無理でしょ・・・・」

「がん・・ばろ?」

「そうです、ぶつくさ言う暇があれば書類を進めて下さい・・・」

 

山脈のように積まれた書類の山を前に俺が世の無情をぐちると、女神ひふみん先輩がやわらかな微笑みをうかべながら励まし、大井がいつものように淡泊に返してくる。

 

当然2人も俺に勝るとも劣らない量の書類を処理しているが、やはり大規模侵攻終了からひたすらにデスクワークをしている為、疲労の色が濃く見えていた。

 

そんな俺を見かねたのか隊室にいる4人目の少女が静かにそれぞれの飲み物を置いてくれる。ありがとうと告げると彼女もにこやかに微笑み頑張ってくださいと返してくれた。正直笑顔が大変可愛らしくて癒されるが、彼女が爆弾の原因なので、しばらくはスルーである。大井とひふみん先輩の視線がたまに痛いがスルーなのだ。

 

そんなつらい状況でも俺にやさしく微笑んでくれるひふみん先輩まじ女神!さらっと返していた大井もなんだかんだで書類の合間に食事を作ってくれたり他の隊員と連携を取ってこまごまとした戦後処理をしてくれたりと各部署との折衝をしている分、俺よりも大変かもしれん、それでも泣き言ひとつ言わずに仕事にいそしんでるのだから頭が上がらない。

 

「わかってる。小町に怒られちまうからな、せいぜい社畜のエースとしてビシバシ働くさ」

「ええ、その通りです。小町さんと北上さんの為にもしっかりとやらないとです」

「ふふ、すぐに・・・起きる・・よ?」

「ですね、小町が起きたときに仕事が残ってたら今度は何させられるかわかりませんからね」

「頑張ってくださいまし」

 

うふふ、とかわいらしく微笑みながら俺を励ましてくれる女神マジアルティマキュート。きゅんきゅんしちゃう。

いまでこそこんな感じに話が出来ているが、大規模侵攻翌日は大変だった。

 

トリオン切れかつ、ハチザムの影響で気を失っていた俺が目覚めたのは翌日の事だった。

その時点ですでに報告やら事後処理でてんやわんやのボーダー内において、我が比企谷隊は大規模侵攻の始まりから終わりまで大活躍(不本意)だったため、報告書の量が半端なかった。

報告書にレポートに、マスコミの対応に、今後のうんたらかんたらと、とんでもない量の書類が俺をまっていたのだ。

そこまではまだ、想定内だったのだが、問題は大規模侵攻の翌日になっても小町の目が覚めなかったことだった。いやまぁ、もう一つ、さりげなくいた少女も大問題だったのだが。

本部内での対ブラックトリガーと、最終局面でもゲート美女の相手をするのにゼロシステムを使用したことで、想定よりも小町の脳に負担がかかっていたらしい。

時間制限があったはずだったが、最終局面でゲート美女の相手をするのに限界を越えて使用していたらしい。目が覚めない小町におろおろしていた俺に大井とひふみん先輩が教えてくれた。

2人が言うにはかなり脳に負担がかかっていたらしく、目が覚めるのに時間がかかるかもしれないとの事だった。

小町が目ざめない事に最初こそ激しく動揺した俺だが、小町が無理をしているのを知りつつ、あの時点で小町以外にゲート美女を足止め出来ないために止めることが出来なかった。とひふみん先輩に涙ながらに謝られ、大井にも励まされて今では無様を晒して小町に怒られないようにしようと考えられるようになった。

ほんとに、俺にはもったいないくらいの仲間である。

 

そうして2人に励まされた俺は、もう何も怖くないと書類の山に向かい勇猛果敢に取り組んで、大井とひふみん先輩と共に強大な敵に立ち向かっていた。

そして、俺達が書類と格闘している間、北上には医務室でいまも眠っている小町の様子の看病をお願いしていた。そして、しれっといる少女はいったん受け入れて、問題を後回しにした。

北上に小町の看病が出来るのか不安ではある。むしろ小町と一緒に寝ていそうでもあるが、だからと言って北上に書類仕事は絶望的だったのだ。

大井かひふみん先輩がいないとか、マジ無理な書類の量なので消去法である。もちいろんそんなこと大井に言ったら後が怖すぎるので言わないが、つまりあれだ。どれだ?だめだ、もはや疲労と寝不足でなんだか思考が纏まらない・・・いつもか。

いつの間にか隊室にいた角の生えた少女の件とかなぜかボーダーに認識されてないからスルーしてるが、こちらも頭の痛い案件である。

そんなことを考えながら書類を片付けているとどうやら来訪者きたようだ。はいはい、絶賛社畜中のはちさんですよー。来訪者を出迎えようとした頃には角の生えた少女、清姫さんの気配が消えているのを確認した俺はドアを開く。

 

「こんばんわ、比企ヶ谷君。実はお願いがあってねーーーー」

 

それは、事実上もう2〜3泊徹夜しろよ。と言ってるのとど同義のセリフだった。

ふ、ふざけんんあぁぁーーーーーーーーにゃんでこんなにゃ書類ばっかでさらにやらにゃならんのじゃぁぁぁーーーーー!

と、全力で脳内で叫びつつ、俺は当然のようにそのお願い(強制)を受諾するのだった。

もうね、あんなん言われたらしゃーないやん?はぁ・・・・。あ、清姫さん、あざっす。うん、おいしい・・・。

いつの間にか気配を戻した清姫さんが差し出すどらやきを頬張りつつ、大井に視線を向ける。清姫さんの件はしばらくスルーなのだ・・・。

 

「大井、スマンが・・・」

「わかりました。それなら私が交渉してきますが、当日は八幡さんがお願いします」

「むぅ・・・まぁ、そうなるか。了解だ。」

 

とりあえず、大井にある程度の指示を出す。俺には交渉事は無理なので、そこんところは大井にお任せなのだ。

こんな時小町がいればと思ってしまう。交渉事には小町が最強なのだ、ちなみに俺とひふみん先輩は戦力外通告を受けている。仕方ないネ。

 

「あ・・・そう、いえば。」

「なんです?」

 

そんな会話をしつつ、今後の事を考えていると、ひふみん先輩が何かを思い出したようだ。

女神ひふみんによると、今回の論功行賞が発表されたようだ。ほぅ・・・・。

ぶっちゃけそれどころじゃないが、少し息抜きもしたかったので俺とひふみん先輩と大井で発表内容を確認する事にした。まぁ、今回そうとう働いたし、ブラックトリガーも倒したしでかなり期待できる。

 

「どれ、確認するかね・・・・・」

「ふふふ・・・・今回はかなり頑張りましたからね。これで北上さんに新しい服を買えます」

「みんな・・頑張った・・!」

 

うんうんとうなずく清姫さん。まじでこの人さらっと居るんだけどマジでどうしようかな・・・・。とか思うものの、とりあえず論功行賞を確認するのを優先する。現実逃避ではない、ないのだ・・・。

 

「んじゃま、いくぞ・・・・」

「は、はい・・・」

「どきどき・・・・ごくり」

「楽しみですわ」

 

俺がPCの正面、右に大井、左にひふみん先輩、俺の肩にそっと手を置いて画面をのぞき込む清姫さん。

大井はそうとう期待しているのか画面に頭をぶつけんばかりに近づけていて、その結果、肘と肘がかるくぶつかって、ともすればたゆんとしたものにまで触れそうで、違う意味でどきどきしてしまう。

左のひふみん先輩も、期待度の高さが伺える。どきどきとかごくりとか口で言ってるあたりに俺を萌え殺す気なのかと疑いたくなるが、可愛いので良しとする。俺の目の前ではらりと流れる髪がいろっぽい。こちらもどきどきがとまらない。

んで、後方の清姫さんは俺の肩に軽く体重をかけて画面をのぞき込んでいるように見えるが、そもそもうちの隊じゃないし、なんならボーダーの人間でもない。さらに言うと今回敵対していたはずなのに、いつの間にか我が隊室にいた。今も画面を見るふりをして俺の髪の匂いをこれでもかと嗅いでいて、横の2人とは違う意味でどきどきしている。

そんな感じでいろんな意味でどきどきしているのをごまかすようにPCから今回の論功行賞を確認する。

 

ー 論功行賞 ー 

 

特級戦功 

B級教導隊(比企谷隊) 北上

B級教導隊(比企谷隊) 比企谷八幡

S級(ブラックトリガー) 天羽月彦

玉狛支部 空閑遊真 

 

「しゃーーーんんなろぉぉぉーーーーーー!!!!・・・・おっと、失礼しました。」

「あ、あぁ・・・・」

特級戦功の部分で大井が見た事もない奇声を上げてガッツポーズをしていた。・・・すぐにいつもの感じに戻っていたが。正直目の前でがばっと動いた結果目の前でたゆんたゆんしているものに目を奪われていたとか言えないので気にしてないよと答える。あ、ちょっと、清姫さん?肩が痛いんすけど?あと後頭部になにやら柔らかいものがあたってるんすけど?

いろんな意味で姿勢をかえれなくなったので、俺は鉄の意思でもって続きを見る事にした。

 

一級戦功 

B級教導隊(比企谷隊) 大井

B級教導隊(比企谷隊) 滝本ひふみん

B級教導隊(比企谷隊) 比企谷小町

玉狛支部 迅悠一

玉狛支部 小南桐絵

A級5位 嵐山隊 

玉狛支部 三雲修

 

「おおう・・・・・」

「はうぅ・・・・・」

 

予想していたとは言え、比企谷隊オールスターズ参戦である。やべぇ・・・。しかも左のひふみん先輩が顔を赤くしてもだえている。かわいい、ひふみんまじひふみんって俺が言い過ぎたせいだろうか。どうやら本部でもひふみんが定着してしまっていたようだ。反省はしているが、後悔はしていない。

2級戦功の方を見ていくと、レイジさんやら烏丸やらおっきーがいた。とにかくいっぱいいた。みんな頑張った!って感じか。何人かの活躍の場を奪っている気がしないでもないが、そこは気にしたら負けだと思った。

 

「んで、詳細の方は・・・・?」

 

北上 本部基地南西部から南部にかけて多数の新型を撃破、その後A、B級と共に人型を撃破し、本部前の攻防でブラックトリガーの撃破に大きく貢献した。新型撃破数 108 報奨金150万 S級に認定

 

比企谷八幡 本部基地南西部をほぼ比企谷隊のみで防衛、その後部隊を分割しそれぞれ人型の対応をするよう指揮をする。さらに人型ブラックトリガー2体を撃破、奮戦した。新型撃破数 15 報奨金150万 S級に認定

 

「おおう・・・・って、んん!?S級!?」

「えぇ・・・?なんですか、これ?」

「すごい・・・ね?」

 

いやいや、すごいねってチパチパしてる場合じゃないですよ、可愛いけど。

なんだこれ、S級に認定ってなにそれ?ブラックトリガーじゃないんすけど?というか北上の撃破数がおかしい事になってる。単独で6割の新型を倒してるんすけど・・・。

 

「ふむ、なになに・・・今回の戦果を元に、比企谷隊の比企谷八幡、北上をS級に認定する。・・・つまり、単独でブラックトリガーに対抗できると認定されたという事ですね。幸い部隊は教導隊としてそのままでいいみたいですから良しとしましょう。給料も手当がつくみたいです。」

 

よかったですとにこやかに微笑む大井だが、俺はそれどころじゃない。まじか、まじなのか・・・忍田さんか!?それとも城戸司令か!?俺にうらみでもあるのかよ!いや、まぁ、今回結構迷惑かけた感あるし、なんなら俺の後ろでくんかくんかしてる特大の爆弾もあるからちょっと、かなり文句言いずらいけど!これ言った後降格されるよね・・・さすがにクビは無いと思いたい。

ま、まぁ?それもまた今度にしよう、続きを見よう。現実逃避じゃ・・・

 

大井 本部基地南西部から南部にかけて新型撃破に貢献、南部の人型戦では多くの隊員を守り人的損害をゼロにした。その後本部前の戦闘でもブラックトリガーの撃破に大きく貢献した。 新型撃破数 5 報奨金80万 A級に昇格

 

滝本ひふみん 戦闘開始から戦況の分析、情報収集に努め、新型、人型、ブラックトリガーそれぞれの情報、対策に大きく貢献した。 新型撃破数 2 報奨金80万 A級に昇格

 

比企谷小町 基地南西部の戦闘支援後ボーダー内に侵入したブラックトリガーを撃破、さらに本部前の戦闘においてもブラックトリガーの撃破に大きく貢献した 新型撃破数 3 報奨金80万 A級に昇格 

 

・・・なるほど。つまりなんだ?俺と北上がS級で大井とひふみん先輩、小町はA級?つまりなに?もう同じ隊でA級とかB級とか関係ないかんじ?

 

「え?なにこれ?なんていじめ?」

「つまり・・・・比企谷支部?」

「・・・・・・は?」

「まぁ、そういう可能性もあるでしょうね・・・」

 

え、なにそれ・・・・めんどくさいんですけど?なにその支部。隊員俺達しかいなくね?あとは・・第六駆逐隊とか?

なんかわかったような顔して大井とひふみん先輩がうなずいてるけどやだよ?っていうか城戸司令もいつだったかなんか牽制してきたし、やらないよ?

 

「まぁ、その辺はまた今度確認しましょう。とりあえず目下のところはマスコミ対策の報告書の作成ですね。」

「だ、だな・・・・とりあえずいろいろと後回しにしよう、いろいろとな。」

 

よーし!と張り切っている大井とひふみん先輩が仕事に戻っていくのを見届けつつ、いまだにクンクンしている清姫さんをやんわりと引き離しつつ、お茶が飲みたいと言ってみる。すると嬉しそうに微笑みながら清姫さんはお茶を入れに行く。

いや、もうこれどうしよ?逆に支部化した方が楽な気はするけど、いやだなぁ・・・また仕事増えそうじゃない?ホントこれどうなんの?

 

 

 




という訳で戦争編戦後の話でした。

清姫さんはしばらくスルーして下さい。アフターでやります。たぶん。
そして新型撃破数、北上がすごいことになってますが。スルーして下さい。
そしていろいろと活躍の場が奪われた人たちはだいたい2級戦功です。全部書くと長くなるのでメインどころのみ書いてます。察して下さい。

スルーして下さいばっかですが、仕方ないのです。ほんとすみません。
ほんで、次回が記者会見のお話。
ここでも比企谷隊がはっちゃけます。たぶん!

そんなこんなで次回もよろしくです~

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