八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
そろそろ終わりが見えてきた戦争編、今回は八幡SIDEのお話。
マジメな感じにしようと思っていたけど、今回もギャグ回になってしまった。
仕方ないんや・・・最近重い話ばっかり読んでたから、軽い感じにしたかったんや・・・・。
そんなこんなで戦争編です。
ー 基地南西部 八幡SIDE -
20xx年、地球に核の冬が・・・・みたいな感じのプロローグが似合う感じに住宅街が次々とカスタマイズされていく中、俺は那須と共にバーニング少女、清姫さんとの戦闘状態を継続していた。街が、俺達の街が燃えていく・・・・。
右を見ると白い二階建ての建物が縦に半分になりつつ、その断面が融解していた。あれが自分の未来の姿にならない事を切に願う、本当に切に願う。焼き加減がウェルダンどころの話じゃない。
ああはなりたくないなぁと思いながら今度は左を見てみるが、やっぱり同じようにアイスのような溶け方をした似たような建物があって、今すぐベイルアウトして炬燵にくるまりたくなった。・・・やべ、俺のトリガーベイルアウト機能無いんだった・・・やべ。
焼き八幡は嫌だとばかりになんとか撃破しようと攻撃してみた。みたが、俺のファンネルも、那須の鳥かごバイパーも清姫さんを中心に全方位をカバーするかのような長大な炎の蛇にその巨体で防がれてしまう。まじブラックトリガーさん理不尽。トリオン体もそうでないのも燃やすとか理不尽すぎる。
ただ、幸いな事に清姫さんの攻撃においてもその長大な炎の蛇を使うため、その大きさからか、さほど早くはないので機動力を活かしたり、メテオラの爆風を利用したりして何とか軌道を逸らしたりすることでなんとか互角の状況を作り出せていた。
・・・そう、ぱっと見圧倒的に不利な状況でありながらもどちらもダメージ的にはノーダメージの互角だった。
「ふぅ・・・・那須、あとどんくらいだ?」
「あはは・・・・さすがにもうあんまり残ってないかな・・・・八幡君は?」
那須の問いに俺もそんなもんだ、と答える。いやはや困った困った。
そう、ダメージ的には互角でも俺のトリオン量も、那須のトリオン量もかなり苦しくなってきていたのだ。戦闘途中で南西部にある最後のプロペラトタンクを確保する事が出来ていたのだが、それももう使い切ってしまっていた。なんであの清姫さんはトリオンが枯渇しないのか不思議でしょうがない。あんだけの壊れ性能で燃費もいいとか理不尽すぎるだろ。
「そっか・・・・こまったねぇ?」
あぁ、まったくだ。とそう答えつつ、ここまでの事を振り返る。
よくわからんライバル心的な物を延焼させた那須と清姫さんがとっても干渉しずらい、よくわからんテンションで戦闘を開始して。なんか互いの所有権について言っていたが、そこはスルーだ。スルーなのだ。
あははははは、うふふふふふと笑いながら壮絶な攻撃を繰り返していて軽くホラーで怖かった。正直夢に見そう。
あはははとか笑いながら相手がブラックトリガーなのになぜに互角に戦えてるのかは本当に意味不明だった。
那須すげえ!って言ったら愛の力よとかイケメンスマイルで言ってきた那須に思わずキュンときてしまったが、いったい俺はどこに向かっているのか不安でしょうがない。
そんなこんなでいろいろな面であまりの恐怖にあれこれと理由を付けて逃げようとしたが、そうすると炎の蛇とバイパーが同時に飛んできて俺の逃亡を阻止していて、なんで那須も攻撃してくんのさ、とか思ったり。
実際、さっきから俺の天使であるところの大井と北上と小町が敵に口説かれていて、割と本気で今すぐ駆け付けたいのだが・・・・・もちろん、この場から逃げたいのもあるのだが。とうぜんのように俺はここから戦略的撤退は出来ないようだ。那須と清姫さんの笑顔が怖い。
「なぁ、那須。なんか小町と大井と北上が危険な状況だから助けに行きたいんだが?」
「大丈夫、八幡君の童貞は私が守るから!」
「あらあら、安珍様はわたくしのものですわ」
「ちがうからね!?誰もそんな事心配してないからね!?そうじゃなくて、小町のところに行きたいのだけど!?」
「私、この戦いが終わったら、八幡君にいっぱい甘えるんだ・・・・」
「あ、あの・・・わたくしはこ、恋人繋ぎというものをやってみたいのです・・・」
話を聞いて!?思わず涙ぐんでしまうのも仕方が無い、仕方が無いのだ・・・・。会話がかみ合わなすぎて泣きそう・・・。むしろ那須と清姫さんの方がかみ合ってるように見えるのは気のせいだろうか・・・・。
そして謎の対抗心からか、那須のセリフが過激になってきている反面、清姫さんが想像以上にピュアな感じでちょっとキュンとしてしまったのはここだけの話。
ちょっと、赤くなりながら何をさせる気かと思ったら恋人繋ぎて・・・ちょっとかわいいとか思っちゃったじゃねぇか。
そんな事を思っていると、那須がちょっと悔しそうに清姫さんを睨んでいて、清姫さんが勝ち誇っていた。いったいこのわずかな時間に何があったんだってばよ・・・・。
ほんとなんか仲良さそうだなぁ・・・・とか思っていたら、何やら那須が清姫さんに向かってタイム!と宣言していた。はて?と可愛らしく頭を傾ける清姫さん、仕草は可愛らしいのになぁ、話が通じないからなぁ・・とか思って2人のやり取りを見守る。間違ってもここで逃走を図ってはいけないのだ。悲しい未来しか見えないからね。
「タイム?」
「ちょっと、休憩。少しまってね?」
「わかりましたわ」
那須のお願いにこくりとうなずく清姫さん。
え!?なんで会話が成立してんだよ!?しかもあっさりタイムを了承してるし!!実は友達だったりすんのか!?
あっさりと了承したあと、ふう、と一息ついてほんとに休憩し始めた清姫さんに、まじかぁーとか思っていると、那須が、作戦があるの!とニヨニヨしながら近ずいて来ていた。
「いや、なんか嫌な予感がするんだけど?」
「大丈夫!絶対安全で、完璧な作戦だよ!」
ニヨニヨしながら告げる那須に、マジで?と問いかけても自信満々にうなずいてくる。
そうか、そこまで自信があるならいいだろう。とか本気で思うやつがいたら会ってみたいものだ、嫌な予感しかしないよ?
「わかった、何をすればいい?」
でも、ノーと言えない俺、マジ社畜。すると那須はこそこそと俺にその作戦を説明し始める・・・・・聞かなければよかった。
「いや、それは無理だろ・・・・」
そんな俺に那須はニコニコしながら小切手のような紙を渡してきた。ん?なんぞ?・・・・・!!こ、これは・・・・!
「ふふふ♪お願いね!」
「カシコマリマシタ・・・・・」
チケットを使うとは卑怯なりぃぃぃぃぃ!!愛する小町への思いを利用するとは・・・・!でもなによりもずるいのは小町なのよね・・・。
しかし、こうなったら仕方が無い、腹をくくるしかあるまい。なんだかんだでこのチケットには逆らえないのだ。
ようし!と気合を入れ直した俺、目をどろどろと腐らせているのだろうなぁ、と思いながらも那須を見てうなずく。那須も、わかったわ、面白いのをよろしくとばかりにうなずいた。
それにしても那須さんや・・・こんな状況でも余裕ですね・・・・そんな魅力的な笑顔をうかべられてもさぁ・・・・でも、遊んでるように見えて、これが一番被害が少なくなりそうなんだよなぁ・・・・。
「たいむ終わりですわ、さあ安珍様、わたくしと共に参りましょう?」
「そんな事わさせないわー」
さぁ、ファイナルラウンドの開幕だ!と言わんばかりに清姫さんが戦闘態勢に入る、それに那須が棒読みで答えていた。すさまじい勢いで茶番の匂いが立ち込めている。
しかし、ここからが真の茶番の始まりなのである。俺はすぅ・・・と静かに深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「うぅ!あ、あたまがぁ・・!・・・・はっ!こ、ココハ、ドコダー、オレハイッタイナニヲシテイタンダァー!」
「?」
首を傾げながら見てくる清姫さん。その目がまるで何やってんだこいつと言ってるようで今すぐ布団にくるまって叫びたくなるが、ここは我慢である。
そんな俺の茶番を見て、那須が笑いを必死にこらえていたが、我慢なのである。こいつが男だったらぜったい殴っていたが我慢だ。
ナニガオキタンダァー!と頭を抱えている俺を見て、清姫さんがトコトコと歩いて来て、心配そうに俺の近くに来て表情を曇らせていた。
「安珍様?大丈夫ですか?」
この大丈夫が体調の事を言っているのか、頭の事を言っているのか不明だが、純粋に心配そうにしてる清姫さんは実はすごい良い人なんじゃないかと思ってしまう。あと可愛い。
「ハッ!き、キミハ、清姫じゃないディスカァ!」
ええい、ままよ!と心の中で唱えながら、これはセクハラではない、作戦なのだ!セクハラではないのだぁ!と言い訳しつつ、まるで記憶が蘇った恋人のように清姫さんを抱きしめた。
訴えられませんように!と心の中で何度も唱えるのも忘れない。
「あ、あああああ安珍様ぁ!?」
恥かしそうに顔を真っ赤に染めながらばたばたと手を動かす清姫さん。嫌悪ではなくちょっと嬉しそうな声色に、那須の作戦は間違っていなかったのかと、安心する。正直、敵とはいえ、実はすごい良い娘っぽい清姫さんを騙すようですごい罪悪感がぱないのだが、しょうがないのだ。
「会いたかったよ・・・・い、愛しの・・・き、清姫・・・」
耳元で囁くように俺的イケボで死にたくなるセリフを言う。むしろ誰か俺を殺してくれ・・・・。
「あぁ、安珍様・・・・わたくしの事を思い出してくれたのですね・・・」
嬉しそうに抱きしめ返してくる清姫さんにあぁ、ずっと会いたかった・・・と返しつつ、ごめんなさいごめんなさい!でもいい匂い、柔らかい、意外とでかいとか心の中で叫んでしまう。
相変わらず騙すようで罪悪感が天上知らずだが、その後も俺は思い出したくもない黒歴史的なセリフを清姫さんに連発し、その都度嬉しそうにする清姫さんの頭を撫でたりする。月が綺麗ですね・・・とか、どこにも月が見えないのに言ってみたり、まるで絹のような素敵な髪だ、とか言ったりして。後ろでニヨニヨしている那須に通信で後で私も抱きしめてね?とか言われたりすることしばらく。
・・・・なんと・・・・、清姫さんが仲間に加わった!!
「では、わたくしはいったん戻りますわ」
嫁入り道具を取りに帰るとの事で、いったんアフトに戻るそうな。
自分でやっといてなんだが、まったく理解が追い付いていない俺はあぁ、わかった。早く戻ってきておくれ、愛しの清姫とか無意識に応えていた。・・・ほんとに意味がわからんね。何がどうなってこうなったのやら記憶が欠落しているんだが・・・・。
「あぁ、でもその前に、安珍様?」
「どうしたんだい?清姫?」
きっと俺の口には俺の知らない何かが寄生したのだろう。どうしたんだい?とか言いながらキラキラした笑顔をするとか・・・ほんと死にたい。そんな事をボーっと考えていたせいか、清姫さんの行動に反応する事が出来なかった。
「これはわたくしからのぷれぜんとです」
そういいながら顔を真っ赤にした清姫さんの顔が目の前に、そして気づいた時には俺のおでこにやわらかな感触がががが・・・・。
「わたくしの愛の加護です、安珍様、どうぞご存分に」
「あ、あぁ・・・・ありがとう、清姫」
顔を真っ赤にしつつ、ニコリと微笑む清姫さんに、俺はそう言うのが精一杯だった。顔を真っ赤にした清姫さんは両手で自身の頬を抑えつつ、き、キスをしてしまいました!これはもう、夫婦と言ってもいいのではないのでしょうか!?とか言っている。正直、可愛すぎてつらい。でも那須からの視線が怖いので、差し引きトントンだったりして。むしろ通信越しに大井やら小町やらがフィーバーしててやばい事になっていて、後の事を考えると頭痛が痛い。
「では、那須さん?しばらくは安珍様をお任せしますわね?」
「うん、わかった。後でメールするね?」
ばいばいと微笑みながら別れの挨拶をする那須と清姫さん、ニコニコしているが、いつの間にメアド交換したの!?とかメール出来んの!?とかすげえ仲良さそうにしている那須と清姫さんに驚愕してしまう。これがイケメンの力なのかと思った。違うか?
すげぇ、那須すげぇとか考えている間に清姫さんはゲートを開いて消えてしまった。
なにやら単独でゲートを開いていたように見えるのは俺の気のせいだろう。きっと敵さんにゲートのトリガーを持つ奴が居るのだろうと考える事にした。
「八幡君?これが全部終わったら、私達にもお願いね?」
ふぅ、なんとかなったぜ・・・!と思っていると、ちょんちょんと肩をつついた那須ににこやかに死刑宣告を告げられた。そ、それはつまり、さっきの黒歴史をやれと?そんな思いを視線に込めると、那須はそれはもう楽しそうに、花が咲くような微笑みを浮かべてうなずく。
「今日一番の笑顔をここで持ってくるとか鬼か!!」
その後、なんやかんやして那須はもう残りのトリオン量が少ない為、周辺の小型のトリオン兵の対応に向かった。もちろん俺の黒歴史を量産させる約束をしてからそれはもうにこやかに走っていった。
俺はこの後どうするかとヴェーダとリンクしようとしたが、むむ・・・・?
「小町とひふみ先輩とのリンクが途絶えてる?アレを使ってんのか・・・・」
大井と北上は俺がよくわからん事をしている間に人型ネイバーを撃破していたようだ。どうやら俺が意識を遠くに飛ばしている間になにやら事態はかなり進んでいたようだ。
小町が試作トリガーを使っているのだろう。小町とひふみ先輩に連絡が取れないため宇佐美と連絡を取った俺は三雲の援護に向かう事にした。
正直本部に行って小町の援護に行きたいのはやまやまだが、今から行っても間に合わないだろうし、なによりも忍田さんがあそこにはいる。だからこそ俺はこの事態を早期終了させるべく、今も必死に戦っている後輩の元に向かうのであった。
という訳で清姫編でした。
次回は大井と北上と小町とひふみ先輩のお話、つまり次も軽い。
そもそも重い話は無かったと言えばそれまでですが、仕方ないんや・・・・。
さすがにハイレインが出てきたらまじめになりますので、それまでは少し軽い感じで行きます。まじめな話は書きづらいんですよ・・・・戦闘とか、戦場とか・・・書くのが大変!思ったより時間がかかってまうんや。
最初からお察しなクオリティがさらにお察しになっているが、その辺はいつも通り、脳内でいい感じに補填してください、力不足で申し訳ない!
そんなお察しのあれやこれやですが、戦争編終了まではきっちり?書きますのでそれまではお付き合いいただければと思います。それでは!また次回もよろしくお願いします!!