八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
今回はトリガーセットについて触れます、おかげさまで入隊に入れなかったので、またまた進まない回となってしまった!てへ!
後、たくさんの誤字報告感謝です、ほんとサーセン。
ー 本部開発室 -
年始の入隊に向けて空閑と雨取が訓練に明け暮れ、三雲も烏丸に師事しながらシューターとして訓練の日々を過ごしている中、俺は本部の開発室に来ていた。一人でね!んちゃー!小町も大井も別件でいないのだ。俺も用事があると言った時の2人が泣きそうだったが、心を鬼にして別行動とした。もちろん後でたくさん構う約束をした。
「それで、頼みってなんじゃ!?」
「へい、それが・・・・」
いつも俺に対してキレてるタヌキのおっさんについ小物のような返事をしつつ、そのお願いを口にする。それは
「つまり、トリオンタンクを作れという事か!?」
「へい、その通りでさぁ。あっしのトリガーの燃費じゃあ、途中でスッカラカンになってしまうんでごぜぇます」
なんとなくそのまま小物っぽく話してたら、タヌキのおっさんがガチギレしそうだったんで、まじめに話す事にした。さーせん。
「ファンネルを全開駆動させると30分と戦えないんで、いわゆるプロペラトタンクみたいに、外部ユニット、バッテリーを作れないかな、と」
「ふむ、なるほど・・・・・」
つまりそういう事だ。
大規模侵攻が発生した際、どれほどの規模で来るかは不明だが少なくとも4年前より少ない、という事は無いはず。
相手にはこちらにもトリガー技術があることは知られているだろうし、下手したらある程度の威力偵察もこれまでにされている可能性もある。
そして、俺が敵としてボーダーを襲撃する事を想定したところ、前回の大規模侵攻の5倍以上は必要だと思っている。
これは、ひふみん先輩のヴェーダに搭載されたAIでも同様の計算らしく、5~10倍くらいの規模は想定した方がいいだろう、というのが俺達の見解である。
不確定すぎる情報のため、この計算は俺とひふみん先輩のみでそれ以上は忍田さんのみに報告するだけにした。なんにもこの情報を裏付けるものないからな。無用な心配をさせないのだ。
しかし、その規模を考慮した場合、我が比企谷隊には決定的な問題があった。それは・・・
「俺達は継戦能力がありませんからね、外部からトリオンを供給しながら戦闘する方法を確立したいんです」
「たしかにのぅ・・・・」
大井の試作型はシールドのみだし、ひふみん先輩も特殊型とはいえそこまで燃費が悪い訳ではない。
問題なのは俺と北上だ。俺のファンネルは全開駆動だと、30分くらいでガス欠になるし、北上に至ってはトリガーの改良を重ね、威力と燃費を向上させた上で、フルバーストの照射が4回のみ。通常射撃ならある程度戦えるが、それでも俺と大差ない時間しか戦えないだろう。
つまり、俺達だけでイルガ―あたりを5匹くらいなら迎撃できるだろうが、それ以上は無理って事だ。うん、まじ無理。
空閑、というかレプリカがいうにはイルガ―はかなりコストがかかるとかでそんな大量に来ることもないだろうって言ってたが、こちらとしては小町の安全確保のためにもあらゆる手段を構築する必要があるのだ。
「よし、わかった!そのプロペラトタンクを迎撃用のトラップと一緒にいくつか設置するようにしとくわぃ!」
「あざす」
うし、これでひとまず俺達の弱点のひとつが対策出来た。タヌキがアンビリカルケーブルの方がよいかの?とか言ってくるが、世代が違うんですと言っておいた。
本部の遊び心でケーブル切れからの暴走まで再現されたらたまったもんじゃない。それならガンダムファンの多い本部が想像しやすいプロペラトタンクの方がいろいろと捗るだろう。
ついでに小町の試作トリガーの進捗も聞かれたのでボチボチですと答えてから開発室を後にした。ぐぬぬってしてるタヌキは可愛くないのだ。
ちなみに、現在比企谷隊では小町のトリガーを開発中で、いやこの言い方だと語弊があるか、玉狛と、ひふみん先輩とおっきーにより、が正確である。
最初はタヌキのおっさんが開発する気マンマンだったのだが、なぜか我が比企谷隊の新型にはガンダムネタを入れないと、というしばりでもあるのかやたらと難航していたのだ。
いわく、サテライトキャノンはどうだとか・・・月からのエネルギーを、とか言い出したので却下した。月は見えているか・・・・・・とか超言いたいけど却下だ。却下なのだ・・・・。高威力で北上とかぶるしな。
次に、核やら月光蝶やらと言いだしたがこちらもいろいろと問題あるため、当然却下。ターンXのあれも却下である。ホラーすぎる。
それから、光の翼・・・・これは結構ありなんじゃないか、?と思ったのだが、正直剣で良くね?って事でこれまた却下、と見せかけて保留とした。天使小町に翼が生えるとか、ここはエデンかっての。ついでにひふみん先輩やら北上やら電にも装備させたいくらいだ。まぁ、そんな遊び心は大規模侵攻後って事で。
そんな感じで本部の方ではあーだこーだと開発が難航しつつ、ついに大規模侵攻の対策をしなくては、という事で開発が一時中断したのだ。
そして、そんな中でも頼りになるのは当然にしてもちろん、我らが女神ひふみん先輩である。
おっきーと玉狛支部と協力し、さらにひふみん先輩自身のヴェーダとリンクして使用する、特殊型トリガーの開発を成功させていた。
さらに、レプリカ先生の協力により、ヴェーダのAIも強化されたり、俺のファンネルにもレプリカ先生には劣るが、照準補助の自律型照準補助システム、その名も宗次郎(ひふみん先輩命名)が配備された。
これまでのガンダム押しはどこに行ったのかと聞きたいくらいそのシステムの姿はハリネズミだった。ちなみにヴェーダのAIも宗次郎、つまり、俺のファンネルもひふみん先輩のトリガーとリンクしているのだ。ちょっと嬉しい。
AIのため、レプリカ先生のように実体があるわけでは無い。無いのだが、正直ロックオンとハロみたいなのを想像していたのでちょっとがっかりしたのはここだけの話である。
まぁあれだ、戦闘中にいきなり「ハロ、ゲンキッ!」とか「ミトメタクナイッ!」とか耳元で言われたらキレる自身があるので、冷静に考えたらこれが正解なのだろうと思った。宗次郎はひふみん先輩同様に静かなのだ。
俺のトリガーも小町のトリガーもヴェーダが起動中に最大効果を発揮するのがネックではあるが、そこは許容範囲内だろう。まぁ、現在の俺はさらなる特訓という名の忍田式スパルタ訓練によりついに10機すべてを制御できるようになったのだが、小町のはヴェーダの制空権内でないと使用不可の為、現在ではひふみん先輩と特訓中なのである。
「よし、トリオンタンク、いや、プロペラトタンクか?の目途はついたし、次は玉狛だな」
そして、俺の次の目的地は玉狛である。トリオンタンクの目途はついたし、ファンネルも制御できるようになった。現在は小南でも回避が困難になって来たほどだ。初めてファンネルで勝利した時なんかぐぬぬってなった小南がかわいくてやばかったりもしてもうあれだった。それはさておき。
「うっす、宇佐美、頼みたいことがあるんだが?」
「ふむ、新しい眼鏡をご所望かな?」
開発部を出た俺はその足で玉狛に来ていた。
三雲達の訓練を見るために以前よりもこまめに来るようになっていた玉狛だが、今は三雲達は外でランニングをしているらしい。おそらくレイジさんが監督しているのだろう。頑張れ、三雲!
そんな事を考えていると、宇佐美がいつものように眼鏡を勧めてくる。これで一体何個目だろうか・・。
「いや、今日はそうじゃなくて、ちょっとトリガーセットを変更して欲しいんだ」
「ほう?いいよ!どんな感じにする?シューティング眼鏡は必須として・・・」
「これで頼む」
いつぞやの相手に眼鏡を付けるトリガーはそんな名前だったのか・・・ぶつぶつ言ってる宇佐美をスルーしてトリガーセットの希望を記入した紙を渡す。
トリガーセット変更だけなら本部でも出来るのだが、大井と北上の本部製の試作型と違って俺のファンネルは玉狛製の為、ここでしかトリガーセットが変更できないのだ。
「ふむふむ・・・・本当にこれでいいの?」
「出来ないか?」
「ううん、大丈夫・・・・できるけど・・・・」
宇佐美が心配するのも当然だろう。俺の注文したトリガーセットは以下のようにした。
メイン ファンネル、スコーピオン、メテオラ、アステロイド、グラスホッパー
サブ ファンネル、スコーピオン、アイビス、バイパー、スパイダー
追加依頼、ベイルアウト機能の取り外し。
実は俺のトリガーもレイジさんのと同じで通常のものよりもチップ数を大幅に増やす事が可能だったのだ。これまでは必要性が無かったのと、無駄な機能のために通常数で使っていたのだが、今度の大規模侵攻に備えて限界付近まで詰め込むことにした。
当然問題もあり、まず、トリガーを増やす事により、トリガーの切り替えが複雑になる、という事。これはまぁ楽しい忍田式で慣れる予定だ。でもさすがに12個は無理なので10個にした。
次に燃費の問題だ、増やせば強い、という訳ではなく、増やすだけトリオンを消費する、という事だ。しかしこれは先ほどのタヌキとの交渉でクリアした。外部ソースがあればトリオン切れの心配は少なくなる。
さらに、試作型のファンネルをこれまでのメインだけでなく、サブにもセットしてこれまで以上にコントロールを難しくしている。という問題点もあったが、これもヴェーダのおかげでクリアできる。これまでの10機だけでなく、追加で10機だ。もう何も怖くない(フラグ)
「問題ない、問題点はクリアしてある。燃費も、制御も当てがある」
「そうじゃないよっ!そこもだけど、そうじゃないの!なんでベイルアウト機能を外すの!?」
「・・・・・・」
宇佐美の問いかけに俺は答えることが出来なかった。
当然だ、ここ最近で俺がやらかした事は更生委員会の奴らやオペレーター達には筒抜けだったし、俺に無茶をさせないようにと小町と大井がさんざん説教をしてきた上でこんな事を言ってるのだから。
小町はひふみ先輩と慣熟訓練、大井と北上も別件で俺のそばにいない今がチャンスだった。
「トリガーセットは入れるけど、最後のはダメ。この件は小町ちゃんと大井ちゃんに報告だからね!」
「好きな眼鏡を好きなだけ着けよう」
本気で怒ってる宇佐美にとりあえず交渉をしてみる。
「・・・・・・ダメダメ!ダメに決まってるでしょ!」
ちょっと間が空いたな、これならいけるかもしれん。
「どうしてもだめか?おいしいとこのどら焼きもつけるぞ?」
「ダメ!」
「なんでもいう事を聞くから、頼む」
「・・・・なんでも・・・・はっ!だめだめ!」
くっ!惜しい!あともう少しだったのに・・・思わずなんでもとか言っちゃったけどだめらしい。はぁ、しょうがない。
「頼む、迅さんの予知だとこうする事で小町の危険が減る可能性があるんだ。十分注意する。頼む、宇佐美にしか頼めないんだ」
「・・・・あぶない事はしない?」
「努力する」
「絶対に言う事聞いてもらうよ?」
「俺に出来ることで、無茶な事でなければ」
「この事は?」
「誰にも言わないで欲しい」
迅さんの予知で、という点は実は少し内容が違うのだが、俺は真剣な表情で、宇佐美を見つめる。
小町の安全のために、ベイルアウトに割いているトリオンを戦闘用に回す。これによりいままで以上の能力を発揮できるようになるはずだ。
当然俺自身が、危険になる可能性が高くなるが、それよりも俺の戦闘力を向上させる方が優先だ。
そんな俺の覚悟を悟ったのか、宇佐美がため息を吐きながら俺の交換条件を提示してくる。
「はぁ・・・わかった。」
「すまない・・・」
「それは言わない約束だよ・・・・絶対に無茶したらダメだからね?約束破ったらアタシもハーレムに加えてもらうからね?」
「わかった・・・・え?なにその後の不穏な単語は?」
「あ、やばっ!・・・・・なんでもないよ?べ、別にそんなラノベ展開とか無いから、冗談だから安心して!」
「お、おう・・・・」
こうして最後に少し不穏な単語が飛び出したが、何とか最大の障害をクリアする事が出来た。
後はセットを変更したトリガーの慣熟訓練と、三雲達の強化を進めて行くだけだ。
迅さんが言うには、今回のキーマンは三雲らしい。あいつを守りつつ、しかし市街地への被害も減らしていくためにも俺は楽しい楽しい忍田式で訓練しつつ、C級隊員達への訓練も同時進行をして日々を過ごしていくのであった。
そして、年が明け、入隊日がやってきた。
という訳で、戦争編でした。戦争編とはなんだ・・・
ちなみに、他の隊員はこんな感じです
大井 メイン プラネイトディフェンサー、スコーピオン、ハウンド、
サブ スコーピオン、ハウンド、アステロイド、
基本、以前のセットにディフェンサーが入っただけ、ランク戦をしないのと、隠れる気が無いため八幡同様にバックワームを入れてない。更生委員会の創始者。
北上 メイン ビームキャノン、アステロイド、メテオラ、
サブ アステロイド、バイパー、ハウンド、バックワーム
大井に「私が守るから」と言われて素直にシールドを入れていない。トリガーをセットする際にタヌキに20回位確認された過去を持つ。トリオンバカ食いのビームキャノンが最近の悩み。
ひふみ メイン ヴェーダ、アステロイド、バイパー、シールド
サブ 弧月(杖)、アステロイド、ハウンド、バッグワーム、
なんとかファンタジアの影響で杖を持たされた戦うコミュ障オペレーター。本人だけでなく、ヴェーダのAIもあまり話さない。
小町 メイン 試作(名称未定)、スコーピオン、シールド
サブ メテオラ、スコーピオン、グラスホッパー
主人公の妹。この世界で最も強化されているかもしれない。「小町のお願い」の前ではすべての(八幡の)抵抗は無意味なのだ。トリガーは名称未定だが、発動後、小町は最強となる・・・予定。
刑部姫 メイン 百鬼夜行、バイパー、メテオラ、シールド
サブ アステロイド、メテオラ、カメレオン、バックワーム
物騒な名前のオリジナルトリガーを持つが、その性能はトリオン兵を生産するというもの、本人の趣味によりこうもりとか、キツネとか。攻撃、防御、移動、囮とこなせる万能トリガーで本人の自作である。
って感じです。それぞれ大規模侵攻で活躍予定!
今度こそさくさくっていきますよ!さくさくとはなんだ・・・・。