八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
あれです、前回話数間違ってしまい申し訳ないです。
番外編てきな話とか作ったりしてたら話数が飛んでしまいました。てへ。
あと、ちょっと過ぎたけど小町ぃー!お誕生日おめでとぅー!!と言わせて下さい。
とくに番外編とか無いけど、俺ガイルでもっとも好きなキャラクターなので今回はこの場にて祝わせてもらいました。
でも、今回の話は那須さんを出したかった。ただそれだけの話です。
空とぶサカナの襲撃の翌日、トリオンを使い切っていた俺と小町と北上と大井は忍田さんの指示により、待機という名のトリオン回復に努めていた。
俺達が回復のために休息している間もおっきーとひふみん先輩はおそらくいるであろう小型トリオン兵をレーダーに映すためのプログラムの作成をずっと行っていた。夜型ですもんね、おっきー。
「ふわぁぁ・・・ふぅ、良く寝た」
ベイルアウト用のベットから起きた俺は大きく伸びをして体をほぐす。まだ10代なのに体からバキバキいっていて社畜っぽいなぁとか思ったが、気にしたら負けだと思うことにした。
しかし、良く寝た。トリオンもしっかりと回復しているようだ。これで後はもうすべて解決しましたー!とか小町あたりが言ってくれると嬉しいのだが、そうもいかないだろう。
「ふぅ、まぁ今日も一日がんばりまっしょい!」
しょい!と気合を入れてマットから立ち上がって他のメンバーと合流する。やみのまー。
「おはようございます」
「おはよ~」
「お兄ちゃんおはよ!」
「おは・・よう」
俺が熊本弁で話しかけると大井、北上、小町にひふみん先輩も朝の挨拶をしてくれる。うん?熊本弁違う?またまたー。
どうやら俺が最後に覚醒したらしい。久しぶりに比企谷隊が全員そろったような気がしないでもないが気のせいだろう。
「状況はどうなってます?」
俺達が休憩している間の事を確認すると、状況はまだ続いているようだった。デスヨネー。
トリオン障壁によりゲートの発生を妨害できるのは明日まで。それまでに対策しないとなのだが、幸いひふみん先輩とおっきーのプログラムはほぼ完成しているらしく、後は実際の子機を一機捕獲できればそこからレーダーに移せるようになるようだ。
つまり、これからの仕事はその子機探し。・・・・め、めんどくさしー!
しかし、小町の安全のためにも早急に解決しないとなもんで、仕方ないべさ。と諦めると、どうやら俺の端末に連絡が来ていたようなので確認する。
「ふむ?メールか?」
確認するとそこにはいくつかメールが来ていた。
一つは三雲から感謝の言葉が。ふむ、律儀な奴である。とりあえず気にするなってことと、空閑に手伝ってもらってサンキュと伝えてくれと返した。
もう一つには迅さんからで、後は任せろ!と不安な感じがしないでもない内容の文が。それにはファイトだよ!と返した。内容を間違えた気がしないでもない。が、まぁきっとサイドエフェクトになにか見えたんだろうと思い信じることにした。後々めんどい事を手伝わされそうで怖いが、こういう時、迅さんのサイドエフェクトがもっとも強いので後の事はあきらめるしかないだろう。やはり返信を間違った気がするなぁ・・・・。
更にはおっきーからも来ていて、とりあえずなんとかなったから、後はひふみんに任せるぜ!という旨と、その後に素材ゲットだぜ!というメールがあった。ふむ、とりあえず感謝の内容を送るとしよう。俺も引きこもりたいものだ。
そして最後に忍田さんからで、比企谷隊と一部の部隊には緊急事態に備えて待機の指示と、三雲の件についての会議の結果が記されていた。・・・迅さん、やっぱりこれ後々なんか手伝わされそうだなぁ・・・まぁでも迅さんと忍田さんのフォローによりなんとかなったようで良かった。タヌキのおっさんや城戸司令はクビにする気マンマンだったらしいが、何とかなったようだ。感謝感謝である。
俺の力不足で三雲をクビにするなんて許容できるわけが無い。もしクビにされるようなら小町に頼んで城戸司令を説得してもらうところだった。この辺の交渉において小町は最強なのだ。ちなみに交渉において、俺と志岐とひふみん先輩は最弱ランキングの1~3位を独占している。
「どうやら俺達は緊急事態に備えて待機らしい。」
そう伝えると、全員知ってると返してきて、あ、そうですか。そうですよね。とちょっとしゅんとしてしまう。
まぁ、そんなこんなで北上と大井は先日の連戦でトリガーに負荷がかかったそうなのでメンテナンスをしに開発部に行った。
小町は沢村さんのところへ行き、中央作戦室のオペレーターの協力をしに行った。どうやら中央のオペレーターは皆24時間体制で詰めていたようで、小町はそのヘルプに向かうようだ。仲良いですもんね、でもお兄ちゃんの余計な事は話さないで欲しいかなって思ったりして。
ひふみん先輩はプログラムの確認と、他の可能性を模索するべく可愛らしくPCとにらめっこしていた。
そして、俺はというと、・・・・・・やることが無かった。びっくりするくらい何も無かった。
「ひふみ先輩、紅茶のおかわりいりますか?」
「ううん、だい、じょうぶ。ありがとね?ハチ君は・・しっかり休んでて?」
「はい、わかりました」
と、こんな感じである。
正直さっきまでしっかりと休んだので休憩の必要もないし、昨日の連戦でファンネルを酷使したのでこちらも修理が必要かと思っていたら、どうやら俺が寝ている間に宇佐美が来ていたらしく枕元に修理されたトリガーと眼鏡が靴下に入れて置かれていた。サンタかよ。
・・・・・・ふむ、宇佐美のミニスカサンタ姿を想像してみる・・・・悪くない。性格はちょっと、かなりあれだが、見た目は黒髪のストレートロングに落ち着いた雰囲気の眼鏡とその完成度は高い。つまり、悪くない、むしろ良い。
おっと、あまりにも暇だったので余計な事を考えてしまった。・・・しかしあれだな、暇だ。ひふみん先輩に協力を申し出ても休んでて、と言われてしまったし、流石にこの状況で訓練するわけにもいかないし。くまったくまった。
そんなこんなで、特にやることも無い俺はせっせとPCをポチポチしているひふみん先輩をさりげなくフォローをしつつ、可愛さニューウェーブ!とか脳内CMを流して遊んでいた。
そんなまったくもって最高に有意義な時間を過ごしていると、通路からバタバタと慌ただしい音が聞こえた。バタコさんかしら?
「たいへんよー、たいへんなのよー」
ばたばたと聞こえたと思ったら、バーン!と勢いよく開かれたドア。そしてそこまでの勢いはどこに行ったのやらという感じで棒読みで入って来たのは熊谷だった。
いや、おかしいでしょ。どこから突っ込めばいいのかわからんけど、まずこのドア電動なのになんでそんな障子みたいな開き方すんのさ。とかそんでなんで急いで来たのになんで棒読みなのさ、とかたいへんな感じゼロなんすけど。
「そうか、わかった。頑張れよ」
とてもいやな予感がひしひしとした俺は熊谷の両肩を掴んでくるんと回転させて押し出した。さらっとやってしまったけど、せ、セクハラとか言われないよね?
「たいへんなのよー、たすけてひきがやー」
「その全然たいへんそうな感じがしない話し方をやめてくれたら前向きに検討しよう」
相変わらず棒読みな熊谷にいい加減ちょっとイラっと来たので暇じゃないのよ?という意思を込めて見つめる。まぁ、正直すげえ暇なんすけどね。でも今の熊谷の顔はめんどくさい事をやらせようとしてるときの表情なので極力断りたいものである。・・・・あれ?これ無理フラグじゃね?
「ちょっと玲の体調が良くないから看病して欲しいの」
「おい、それマジで大変じゃねぇか」
と思ったら実はちゃんと、ちゃんとって言うのもあれだが、マジで大変だった。最近ではめっきり忘れられがちだが、那須はもともと病弱改善のためにボーダーに入隊している。
言ってて意味がわからないが、病弱改善の為である。なのでちょくちょく体調を崩していまうのだ。
「だから比企谷に玲の看病をお願いしたいの」
「いやいや、男の俺じゃなくても志岐とか日浦とかいるだろ。」
おいおい、くまちゃんってば迅さんにセクハラされすぎて頭おかしくなったんじゃね?俺に女の子の看病させるとか無理に決まってるだろ。そんな気持ちを込めてごめんなさいした。しかし熊谷はそんなんじゃ認めてくれないらしい。
「あたしと茜はこれから防衛任務兼イレギュラーゲートの手がかり探し。小夜子は本部オペレーターのヘルプで隊室に誰も居ないのよ」
「いや、それなら・・・・・・あ」
言いながら考えてみる。小町もヘルプでいない。大井と北上も開発部でいない。ひふみん先輩は対策で大忙し。おっきーは・・・・家事スキルとか無いだろうから無理。他には・・・・あれ?頼れるやついなくね?第六駆逐隊も熊谷達と同じだし、それ以外の隊員も似たようなものだ・・・・。
「ね?お願い!」
「いや、でもあれだ・・・・さすがにまずいだろ」
「大丈夫!むしろ玲的にはどんとこいって感じだから!あたし達もしばらく帰って来ないから!」
なにが大丈夫でなにがどんとこいなのかは聞かないでおこう。
しかしなんでこんなノリノリなんだよ、普通に無理だから。さっきから超暇だったからちょっと仕事手伝う的なのならいいけど那須の看病を俺だけでやるとかいろいろとアレがまずいでしょー?
そんな感じであれやこれやと何とか説得していると、しびれを切らしたらしい熊谷がおもむろにポケットからスマホを出すと俺に画面が見えるように差し出してきた。なんぞ?
「あん?なに?・・・・・は?」
そこには、俺が那須の胸にヘッドダイブしている画像が!そしてすいっと熊谷が指を動かすと今度は俺が那須にお姫様抱っこされている画像まで。
え、うそでしょ!?という気持ちを込めて熊谷の方を見ると、何やら勝ち誇った顔をしていた。な、なぐりてぇ。
「で?お願いしていいわよね?ていうか受けないとあたしうっかりしちゃうかもよ?」
「・・・・・・ちょ、ちょっとまってくれ」
「あら、しょうがないわね、うっかりするわー」
「わ、わかった!わかった!引き受けるから!その画像をばらまかないで下さいお願いします!」
そんなんばらまかれたら社会的に死んじゃうから!そう必死にお願いした結果、どうやら思いとどまってくれたらしく、「それじゃよろしく~」と手をひらひらさせながら行ってしまった。
ふ、ふぅ・・・生き永らえたか。はぁ・・・・・これからもアレで脅されてしまうのかしら・・・・・でも断るわけにもいかないし、スルーするわけにもいかないわけでして・・・・・行くしかないですよね。
「はぁ・・・・すみませんひふみ先輩、ちょっと那須隊の隊室に行ってきます」
「う、うん・・・・がんばって、ね」
なにやら同情の視線を向けながら見送ってくれたひふみん先輩に挨拶をしてとぼとぼと那須隊の隊室に向かって歩く俺。
あぁー・・・まぁ、あれだな。看病するだけだし。仕方ないと割り切ろう。うん。
「はぁ・・・・あ?」
とぼとぼと歩いていると俺のスマホがブルりと震えた。なんぞ?と確認すると、熊谷からのメールで、いくつかの指示と逃げたらわかってるな?後那須は寝てるから勝手に入っていいと書いてあった。追伸でいっちゃえ!とか書いてあったがそこは見なかったことにした。
「入っていいぞって言われても・・・・ふ、ふう。し、しつれいしまーす」
寝ているらしい那須を起こさないように静かに入室する。
隊室内に入ると熊谷に聞いた通り、見える範囲には誰も居なかった。おそらく那須は奥のベイルアウト用のベットで寝ているのだろう。
体調悪いなら自宅か病院で、と思うものの、昨日の件で病院は手いっぱいだろうし、緊急事態に対応できるようにボーダーに待機しているのだろう。熊谷の雰囲気からそこまで体調が悪いわけではないみたいだしな。
そ、それにしても・・・那須という美少女が静かに眠る部屋に侵入する俺って、やばくね?大丈夫だよね?後で捕まったり、しないよね?
女子特有の甘い匂いのする隊室と、状況によるものと、俺の社会的立場がデンジャラスなトリプルパンチにより、死ぬほどドキドキしながら静かに、那須を起こさないようにそろり、そろりと奥に進んで行く。
・・・・・・あれ?これ更に怪しさ増してませんかね?
「も、もしもーし・・・那須さーん、起きてますかー・・・」
ぽそりと声を掛けながらちらりとベイルアウト用のマットのある場所まで行くと、熊谷の話通りに那須が静かにスースーと寝ていた。
近くまで行くと、どうやら少し熱があるらしい那須は少し汗をかいているようだった。
寝ている美少女と、わずかに浮かぶ汗のコントラストについて小一時間くらい議論したいところではある。が、本当に逮捕待ったなしなので理性の化け物を総動員して熊谷の指示を実行する事にした。
・・・・しかし、あれだ、那須の細身の体とか、どこぞの令嬢のような雰囲気とか、儚げな雰囲気とか、うっすらと浮かぶ汗とか、鎖骨のラインとかがやばかった。あれ、がっつり見てね?
「よ、よし。とりあえず那須におかゆでも作るかね」
とりあえず那須の鎖骨あたりを重点的に脳内フォルダに収めた後は気を取り直して熊谷の指示その一である那須にご飯を食べさせるを実行しよう。
ちなみに、その二はあーんして食べさせて、その三は汗を拭いて、その四は嬉し恥かし朝帰りとか書いてあったのでその一以外は無視することにした。あいつは一体俺に何をさせたいのだろうか・・・・。
そんなこんなで那須の鎖骨についての考察と、那須隊の隊服はその露出度やらラインやらも素晴らしいが、大事なのは鎖骨なのではないだろうかとか考えているうちにおかゆが完成した。いや俺鎖骨について言及しすぎじゃね?どうもこの状況で俺の思考もショートしてしまっているようだ。
千葉の兄としてしっかりと小町の鎖骨も愛そうと誓ったのだった。
・・・・もう俺はだめかもしれん。
そんな事を考えながらおかゆを鎖骨の元にもっていき、とても気持ちよさそうに寝ているところ申し訳ないが、薬を飲ませたりしないとなので優しく起こす。・・・・鎖骨の元にってなにさ、どうもさっきからあれだな。タイーホされそうな感じなので気を付けよう。
「那須、少し起きてくれ、薬の時間だ」
小町がやるようにユサユサと出来る訳が無いので声を掛けるのみだ。
少し眠りが浅くなっていたのか、少しするとどうやら起きたらしく、「う、うぅーん・・・」という悩まし気な声がして、ちょっとドキドキしてしまう。エロい。
「すまん那須、ごはんを食べさせて薬を飲ませるように熊谷に頼まれてるんだが、食欲はあるか?」
寝起きに俺が居るのはさすがにあれなのでさりげなく状況説明をしつつ那須の食欲を確認する。よーし、よし!完璧だー!俺の人権も保障されるに違いない。
しかし那須はまだ完全に覚醒していないようで。
「うーん、・・・ハンバーグとカレーとシチューとあんまんと八幡くんとドーナツ、杏仁豆腐とチョコレートパフェ食べたい・・・」
うん、それはどこのなでしこちゃんかな?つか一部不穏な単語もまじってなかったかな?寝ぼけてただけよね?
「そうか、おかゆだな。作って来たから食べてくれ」
俺のその言葉に少し覚醒し始めた那須は俺を認識したとたんにふわっと、ふにゃっと?した笑顔を浮かべた。正直、あれです、可愛い。超可愛いと言える。
「あーはちまんくんだー、わーい」
子供が親に甘えるかのようなふわっとした笑顔を浮かべた那須はあろうことかそのまま俺の胸に飛び込んで抱き付いてきていた。わーいってなにさ!俺をキュン死させる気か!?
「ふひゃっ!な、なすしゃん!?!?」
慌てる俺には一切お構いなしな那須。抱き付いたまま俺の胸に顔をうずめる。あ、あのー・・・?
いや、その、なに?しかもこの娘そのまますりすりして来たりして、那須の柔らかい体の感触やら女の子特有の香りやらがやばかった。
「うーん・・・はちまんくん成分、ハチマ二ウム?の補給~。最近全然一緒にいられなくて寂しかったので、しっかりと補給しないと~・・ふふふ」
ふふふって何さー!かわええやろー!!
まだ寝ぼけているのかそんな事を言いながら抱き付いてすりすりしている那須。これ、もう無理やって。
可愛すぎでしょ・・・普段のクールな感じとかどこに行ったんだよ。いや、こんなん素で言われたら恥ずか死間違いなしだけど、これもまたやばい訳で。
「お、おう・・・その、すまなかったな、那須。もう少ししたら落ち着くだろうから、そしたらまた、な」
お兄ちゃんスキルが発動したおかげで何とか気恥ずかしさから脱却することが出来た俺は、その後もいろいろと甘えてくる那須の頭を優しくなでながら、その、那須の言うハチマ二ウムが溜るまではこのままでもいいか、と思うのであった。
「も、もうお嫁に行けないーー!!ある意味行けそうだったけど!!!」
その後、那須隊の隊室から那須のそんな叫び声と、ひたすら謝り続ける俺の声が通路にも聞こえていたそうな。
という訳で、イレギュラーゲート編はこれで終わりです。
後は比企谷隊が待機している間に迅さんと三雲と空閑が解決しました。
次回はその後のお話です。
イレギュラーゲートの件が片付いた後は三輪隊が三雲達に襲撃したり、空閑を守るために玉狛でかくまったりします。
その間にもしれっと裏で働く、そんな比企谷隊のお話です。
それでは次回もよろしくお願いしますー!!