八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
今回も安定の?ワートリキャラが全然でてこない回です。
もうこれタグ追加した方がいいのかと考え中などうも私です。
というわけで、原作のサイドストーリー?的な位置づけな感じのお話です。
ベイルアウトによる少しの浮遊感から少しして、ボフン!という音と共に俺と大井は隊室にあるベイルアウト用のマットに帰還した。
「うぉぉ・・・最後のあれやばすぎだろ。ちょっとしたトラウマになりそうなんすけど」
「お、おのれ・・・。ちょっとでかくて空飛ぶサカナの分際で・・・」
超ドアップの空飛ぶサカナを受け止めた俺と大井はそれぞれ文句を言いながらマットから起き上がる。ふぇぇ、トリオン切れで体がだるいよぉ・・・。
「おつかれ~大井っち~、ハッチーさん」
そして俺達のほんの少し先にトリオンを使い切ってベイルアウトしていた北上がニコニコしながら俺達を労ってくれた。
俺と大井はそれぞれ北上を労いながら状況の確認をするべくひふみん先輩のところに向かうことにした、まぁ同じ隊室内なんですけどね。
「ふぅ、このまま休んでいたいとこだが、そうもいかないか、どれ、よっこいしょ。」
「よっこいしょ、って・・・もっとしっかりして下さい。そんな事でどうしますか」
どうしますかって言われても、だって疲れたんだからしょうがないじゃないですかぁー。そんな視線を向けるも大井は当然許してくれないわけで。
俺昨日も今日もほぼトリオン枯渇するくらいまで頑張ってるんですけど?でもそれで許してくれないわけで。うちの大井さんはスパルタなんです。
「へい」
「へいって・・・。まったく、説教をお望みですか?」
「すみませんでしたぁ!以後気を付けます!」
「ふふ、最初からそうしてくださいね?」
ふふふ、はははとゆるーく話しながら俺達はひふみん先輩の元に向かう。か、体が重い・・・、北上と大井も少し顔色が悪い感じだ、こりゃ無理させないようにだな。
はぁ・・・状況を確認した後は忍田さんとこに行って、その後は・・・あれだ、空閑の話とか三雲の事とか、あぁでもその前にゲートの対策をしないとだな。ふぅ、しばらくは休めなさそうだなぁ・・・・。くすん。
それから、ひふみん先輩に話を聞くとあのサカナの襲撃による市街地への被害は大きいようだ。現在は開発室によるトリオン障壁を展開したらしく、48時間の間ゲートを強制封鎖したらしい。
一時的にイレギュラーゲートの発生を封じたため、すでに救助隊の派遣と手すきのB級隊員らが救助活動を行っているらしい。
それから唯一現場に残っていた小町はその場にいた木虎と合流してこちらに向かっているようだ。なぜか三雲も一緒らしいが、なぜだ?
しかし今回の被害は、大規模侵攻以来の大惨事と言えるだろう、それでも迅さんの未来視ではもっと大規模なものが視えているようだが。
「ぐぬぬ・・・・」
「で、でも、みんなががんばってくれたから、被害をかなり抑えられたと思う、よ?」
被害を防げなかった事に悔しがる北上と大井をひふみん先輩は優しく撫でながら慰めていた。
到着までの数分間と、その後の爆撃を迎撃しきれなかった分と、最後の自爆によりそれなりの被害が出ているが、俺達の到着がもっと遅かったら今回の被害は数倍に膨れ上がっていただろう。
ひふみん先輩のフォローは理解している。理解しているが、それでも俺達がもっと強ければ、と思ってしまう。
そんな俺達の葛藤を理解しているのかひふみん先輩は優しく俺達を励ましてくれていた。
「ふぅ、よし。切り替えよう。これから俺は報告に行ってくる。トリオン障壁を展開しているとはいえ、緊急事態に備えて北上と大井はとにかくトリオンの回復に努めてくれ。」
「わかりました」
「了解だよ~・・・・すーすー」
て、はやっ!返事したそのまま北上が寝てしまったんすけど。そういえばお昼寝の途中でしたね。
大井は苦笑しながらも寝てしまった北上の頭をそっと自分の膝にのせて微笑みながら撫で始めている。
正直大井にも寝ていて欲しいものだがまぁ、大井がそれでいいならいいか。
俺も寝たいなぁ、と思うものの、そうもいかないわけで、俺とひふみん先輩は一緒に忍田さんへ報告に行くのであった。
「さて、うまい事三雲の件を話さないとですね」
「がんばって、ね!」
という訳で、やってまいりました中央作戦室。
いまだ状況は収まっていないのか、中からは慌ただしくオペレーターの人達の声が聞こえる。
三雲のトリガー無断使用の件とか空閑の件とか、サカナの件とかイレギュラーゲートの件とかいろいろあって忍田さんの心労が心配される昨今である。・・・・空閑の件はまだばれてないと信じたい。あ、コレに関しては俺のストレスがマッハだわ。
そんな現実逃避をいつまでもしているわけにはいかないので、ようし、行くぞ!と心の中で奮起して作戦室に入る。
「し、失礼しましゅ、比企谷隊、報告にきましちゃ」
噛んだ・・・・・盛大に噛んだ・・・・・。
「プッ!・・・・ふふふ」
横でひふみん先輩が顔を真っ赤にして笑いをこらえようとしている、てか、こらえれてないし。は、恥ずかしぃー!
よく見るとさっきまでわたわたしてたオペレーターの人達も聞いていたのか、小さくくすくすしている。ぐぉぉ!マジか、耳良すぎじゃね!?
ま、まぁ?おかげで先ほどまでの緊張した空気はなくなっていたので良しとしよう。
「あぁ、比企谷!学校といい、未確認のトリオン兵の対応といい助かった!」
「本当にご苦労様、比企谷君達のおかげで市街地や民間人への被害が大分抑えられたわ」
俺が噛んでいたことは華麗にスルーして忍田さんと沢村さんが労ってくれる。
あ、沢村さんは普通にくすくすしてるわ。いや、良く見ると忍田さんもちょっと口の端がひくひくしてたわ、まぁ?二人も心労が多いでしょうし?リラックスに貢献できたようでなによりですし?
・・・もうやだ、かえる。
「あぁ、すまんすまん。現状、ゲートの発生は防げているが、その間にイレギュラーゲートの発生原因を特定して対策しないとだが、緊急時に備えて比企谷隊は隊室で待機しつつトリオンの回復に努めてくれ。今回の件は本当に助かった。」
「いえ、俺達の力が及ばず、被害を出してすみませんでした。それと待機の件、了解しました。」
「謝らないでくれ、本当に助かった。比企谷達が居なければ今回の比ではない被害が出ていただろう」
市街地を守り切れなかった悔しさがあった俺達だが、本心からそう思ってくれているだろう忍田さんの言葉に少し救われた気がした。
周りのオペレーターの人達も同じように思ってくれていたのかみんなありがとう、とか助かったと言ってくれた。まぁ中にはさっきの可愛かったとか言ってきた沢村さんとかもいたが、そこは忘れてくれませんかねぇ!?
って、これで終わったらだめじゃん!
「あ、あざす・・・、それと、今回の報告なんですが・・・・」
それから俺は三雲の中学校での件を空閑の事は話さずに報告した。この状況で空閑の事話すとかそんな事俺にはできねぇだ。さすがの忍田さんもストレスがやばくなるだろうしね、幸い空閑は割といい奴っぽいので今回の件が落ち着くまでは静観でもいいだろう。・・・いいよね?
俺が駆けつけるまでに時間がかかりすぎた事、俺が三雲にトリガーを使用するように指示したこと。三雲の活躍により多くの生徒達が助けられた事を話して、何とか三雲の処罰を軽くしてもらえるように報告した。
「以上です。もし三雲になんらかの処罰が下りる場合は俺に責任があります」
そう締めくくった俺を忍田さんはじっと見つめてきている。
「わかった、比企谷が離れた後は嵐山隊が中学校の対応をしていたが、その報告から三雲が自身の判断でトリガーを使用したと聞いていたのだが・・・了解した。そういう事ならば俺の方で何とかしよう。」
「ありがとうございます」
まったく、予想通りと言うかなんというか。やはり三雲は自分がやったと報告していたようだ。まぁ、そう言うだろうと思っていたが。
大方、俺に迷惑をかけないようにしたのだろう。そんな後輩の気遣いに苦笑していると、どうやらひふみ先輩も同じことを思っていたようで、横でふふふってしていた。
それから、イレギュラーゲートの件でも報告する事にした。
どうもひふみん先輩の話だと、俺と北上、大井のトリオンの燃費がここ最近悪くなっていたとの事、今回のイレギュラーゲートの件と合わせて調べたいことがあるとの事。
「ふむ、わかった。開発室と刑部姫君にも話を通しておこう。滝本君も協力してくれ」
「・・・はい」
少し考えた忍田さんはひふみん先輩にも協力要請をして、それにかわいらしくうなずくひふみん先輩。
あれ?これもしかして俺も協力しないとじゃね?そう思って沢村さんに視線を送るとうんうんとうなずいていて、あぁ、やっぱしそうなんすね。はぁ、どうやら俺が休憩できるのはもう少し先になりそうだ・・・。
「んで?イレギュラーゲートの原因をひふみんと調べろって言われたんですけど?ねぇ?帰っていい?だめ?・・・・・・あ、そう」
中央作戦室から帰還した俺とひふみん先輩は早速とばかりにあれこれと調べものをしていると、不機嫌です、と顔全体に書かれた刑部姫こと姫ちゃんさんが我が隊室にやってきた。
あの、なんで俺が睨まれてるんすかね?え?なんとなく?・・・ひどい。
「うん、姫ちゃんに、手伝って欲しいの」
「は?普通に嫌なんですけど?ていうか忙しいんですけど?素材集めないとなんで他を当たってくださいごめんなさい」
ひふみん先輩にお願いされておきながらその態度はなんだ!と思うものの、働きたくないという姫ちゃんさんの理想も大変共感できるもので、こんな緊急事態でもぶれない姫ちゃんさんのスタンスにちょっと尊敬の念をもってしまう。
まぁ、その理由があれ過ぎるが・・・まぁ、こんな事を言っていてもなんだかんだ最終的にはひふみん先輩に強制的に働かされてしまうんだろうけどね。
そんな事を思っていると、ひふみん先輩のまとうオーラが少し冷たくなる、あ、これ氷の女王様モードですね、我々の業界ではご褒美ですのやつだ。
「な、なによ!こないだからゲートやらなんやらで折角買ったのに全然プレイできてないのよ!?」
「・・・・・・・手伝って欲しいの」
クールひふみんのプレッシャーに早くも涙目になり始めている姫ちゃんさんだが、それでも必死に抵抗している。
それあれですよね、今回のイレギュラーゲートの件ですよね、それに対抗するべくいろいろとやってたんすよね。なんだかんだと文句は言うものの、この人も俺と同じで小心者だから強く言われたりするともう抵抗できないんですよ。だから意外と引き受けた事はちゃんとやったりするんすよね・・・。
「ね?ひふみん。ちょっとだけでいいの。ちょっとだけでいいから、・・・ね?」
戦法を変えたらしい姫ちゃんさん・・・めんどいな、おっきーと言おう。おっきーは両手を胸の前で合わせながらくねくねとひふみん先輩に懇願している。あ、あざとい!
でもとうぜんクールひふみんにはそんなうすっぺらいあざとさなんて通用しないわけで。
「だめ」
「いじわる!けち!コミュ症!巨乳!やだー!引き籠るぅー!引き籠るのぉー!」
冷たくあしらわれたおっきーは今度はダダをこねだした。め、めんどくせぇ・・・。
それでもひふみん先輩の対応は変わらないわけで、あ、でも気温がさらに下がりましたね・・・そろそろ決着が付きそうかな?
「だめ。手伝って」
「ふ~ん、そう。そういう事いうんだ~?」
なにやら今度はニヤニヤし始めるおっきー。そう思ったら俺の方にちょいちょいと手招きをしてきた、え、俺!?巻き込まれるのん!?
すげぇ嫌そうに近づくと、俺の耳にこしょっと内緒話をするような感じで距離を詰めてきた。く、くすぐったいっす・・・・。
「ひふみんの秘密教えてあげる。あのね・・・」
え、ちょっと気になるんすけど!?って思わず耳を傾けようとしたところで激おこなひふみん先輩が顔を赤くしながらおっきーの口を抑えていた。すげぇ気になるんすけど!?あれかな、胸に星の形のほくろがあるとかかな、ドキドキ。
「それ、だめ。仕事、する」
「うぅ・・・・はいはい、わかったわよぅ。はぁ・・・・引き籠っていたいのにぃ・・・・」
だんだんとひふみん先輩の目から光が失われていくのを見て、流石に無理だと悟ったのかおっきーは盛大なため息を吐きながらしぶしぶ了承するのであった。
ですよね。俺もまじめにやります、さーせん。
「はぁ、仕方ない、そんじゃま、びしばしやって、びしばし引き籠りますか!」
そうと思ったらふんす!と気合を入れたおっきーがとても内容とマッチしていないテンションで隊室のPCに向かっていく。それを見ていた俺とひふみん先輩は少し視線を交差させるとそれぞれふふふ、ははは、と笑ってそれぞれイレギュラーゲートの対策について取り組んでいくのであった。
ふぅ・・・とはいえ、俺も休憩しないとなんで、基本的には2人に頑張ってもらうんすけどね。もうさっきからちょっとくらくらしてるんす。
カタカタカタ、ガガガガガガ!カタタタタタタ!とキーボードを叩く音が続いている。ちなみに、俺、おっきー、ひふみん先輩の順ね。
つか2人ともキーボード操作早すぎない?さすおにの人なの?なにやら2人でプログラムを確認したり作っているのだが、そのペースがやばい。
「ん~やっぱり誘導装置には異常はなさそうなのよね~・・・・」
「やっぱり誘導が無効化、されてる?」
う~んとうなりながら話すおっきー、さっきからプログラムやらシステムを見直していたのだが、どうやら異常は無いようだ。そうなるとやはりひふみん先輩が行っているように無効化されているのだろうが、その方法を突き止めないと。
「問題はどうやって無効化しているかなのよね~」
「やっぱりハチ君達の、消耗が関係する、かな?」
「う~ん・・・。トリオンの消耗は使い方次第だからなんとも言えないのよね」
2人そろってうむむ、ってしている。どうやら行き詰っているようだ。俺もうむむ、って考えて見る。
「う~む。・・・うん?そういえば・・・」
「ん?なになにはーちゃん?」
「そういえば、ゲートの話が出始めた頃、なんか北上がなんか変な気配がするとかなんとかって・・・」
いつだったか詳しくは覚えてないけど、なんかそんな事を言っていた気がする。昨日今日と全力戦闘をして確信したが、明らかにトリオンの消費効率が低下しているのは俺も気になっていた。
あきらかに消耗が激しかったのだ。普段ならそこまで気にならなかったが、まず間違いなく低下している。
「ふむ、変な気配・・・野生の感を持ってる北上ちゃんが言うなら信憑性高そうね」
野生の感って・・・、あながち間違ってないけどさ、これ大井が聞いたらブチ切れそうだなぁ。まぁでもいろいろ俺も考えてみよう。
「「「むむむ・・・・・」」」
う~む、例えば、こんなのはどうだ?
「・・・なんかゲート発生させる子機?みたいなのでもいるんですかね?」
ははは、と笑いながらかるーく言ってみると、ひふみん先輩とおっきーがそれぞれピコーン!と目を光らせた。へ!?なに!?
「そ、それよ!さすがはーちゃん!・・・ならこれで、ひふみん?」
「わかって、る!」
唐突に以心伝心した2人はPCを高速でうちはじめた。へ?どれ?
「え?どういう事ですか?」
「子機よ子機!はーちゃんの言う通り!たぶん周りの人からトリオン吸収してるのよ!それが隠れているの!」
「なん・・・・だと!?」
「たぶん、レーダーに映らない加工がしてあるか、地中に、いるのかも・・・」
な、なるほど。なんとなく言ってみた事が正解のようだ。ただ、問題はレーダーに映らない事のようで、相当小さいのか、ステルス性能を持っている可能性が高いようだ。
だから2人は協力して子機をレーダーに映らせるためのプログラムをしているらしい。
「ゲートの発生が複数個所で起きている事からおそらく複数いるの、その一つでも見つかればそこからこのプログラムでレーダーに映るように出来るわ!そしてそれが終わったら炬燵でごろごろするんだから!」
イレギュラーゲートの原因はまだ確定では無いものの、とりあえずはなんとなくあたりが付いたため、ひふみん先輩の計らいによりプログラムは2人に任せて俺は今度こそ休憩するのであった。
というわけで、イレギュラーゲート対策編でした。
こういう話は文字数が増える割りに進まないのが難点です、でもさくっとやってしまうとそれはそれで、あれなんですよね。
もうちょっとさくさく進ませた方が良いんだろうなぁとか思いましたまる。
次からはもう少しさくさくさせつつ、那須さんも登場させたいと思います。
それでは次回もよろしくお願いします!