八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
今回は少し原作と変わっていますが、大まかな流れは変わっていません。
なので、基本的には原作のキャラはほぼ原作通りのやり取りをしてると思ってください。まぁちょいちょい変えてるので、だいたい、と思ってもらえると。
今回は比企谷隊ががんばる話です。つまり、がんばって空飛ぶサカナを迎撃するお話。
あんなでかいの木虎はよく一人でやれるって思いましたよね・・・スコーピオンとアステロイドでどうすんのさって。つか核つぶせても市街地に落ちるやん?って、そう思って書いたのが今回です。
「あー、その、なんだ・・・」
「おー昨日の先生だ」
「先生、すみません・・・」
三雲の中学校に駆け付けて、何とか間に合って、モールモッドを撃破した。ここまではいい。
うん、でも、その、何?これ昨日もあったなーっていうぎこちない空気が流れてるんですけど。
でも、まぁ、そのなんだ?
「三雲、無事だったか。それとそっちは空閑でよかったか?」
「そうだよ。そちらは比企谷先生?俺は空閑遊真、よろしく。」
「比企谷八幡だ、よろしく。」
どうも、こちらこそどうも、というやり取りをする俺と空閑。なにこれ・・・。
さっきまで緊急事態だったのになにやってるんだか・・・まだ緊急事態から脱したわけでもないのに不思議な空気だ。
そんなこんなで、さて、話でも?と三雲に話しかけようとすると、通信が入ってきた。
”ハチ君、その近くに、またゲートが出たみたい・・・”
「あの?ひふみ先輩?俺ここまでスラスターで来たからもう残りのトリオン3割くらいしかないんですけど?」
”・・・・・・”
ひふみ先輩からの通信に思わず具申してしまう俺。とりあえずある程度市街地も避難が進んでいるみたいで、それでも急がないとではあるため、そんな事を言いながらも走りだそうとする俺。でもそんな俺のセリフになぜかひふみん先輩は無言なわけで・・・あ、あれ?怒ってるのかな?びくびく。
あ、でも行く前に三雲にこれだけは伝えておかないとだな。
「三雲、俺は次の地点に向かう、ここには別の部隊か回収班が来るはずだから、そいつらに俺の指示で戦闘したと言え!いいな!」
そう良いながら俺は走りだす。未だにひふみん先輩からの反応は無いが、仕方ない。ついでにうしろから三雲の声が聞こえるけどそれも後回しである。ある程度避難が進んだとはいえ、いまだ緊急事態には変わらないわけで、トリオンの残量は心もとないが、行くしかないのだ。
まぁでも、流石にスラスターはもう使う訳にはいかないので走るんですけど。
「ひふみ先輩?さすがに残りのトリオン量があれなんですけど?」
とりあえず次のゲート発生地点まで急いでてってけ走りながら再度ひふみ先輩に通信を送ると、ようやく返答をくれた。よかった、俺無視されてたわけじゃないのね。
”ハチ君、今、大井ちゃんと北上ちゃんに向かうよう、お願いした、から”
あ、そういう事でしたか。安心した。
「助かります。それで、状況はどうなっていますか?」
ひふみん先輩の説明によると、小規模ながらも市街地付近に複数のゲートが発生しているらしく、各部隊それの対応に追われているようだ。
迅さんの予知とは違うようなのでこれが大規模侵攻というわけでは無いが、それでも緊急事態な訳で、市街地にもトリオン兵が出てきそうだったり、それの対応に向かわなければなんだが、こりゃ長期戦も覚悟しないとかもな。
「ふぅ・・・しかしそうなるとマジでトリオン量が心配だな」
そうは言っても、先ほどの状況でスラスターを使わないわけにもいかなかった訳で、ファンネルと射撃系のトリガーはなるべく使わずに接近戦でやるしかない、と。
そう考えをまとめていると今度は小町から通信が入る、どうやら小町も俺と同じように迎撃に出ているようだ。
まぁ、現状ひふみ先輩がオペレートしてくれてるし問題ないだろう。現在は大井、北上と合流してこちらに向かっているようだ。
”お兄ちゃん、小町はね?頑張ってるお兄ちゃんが大好きだよ?”
コマチハハチマンヲオウエンシタ!ハチマンノトリオンガカイフクシタ!
愛する小町からの応援によりシスコンスキル、トリオン回復が発動したことにより、俺のトリオンが2割くらい回復すると、今度はひふみん先輩から通信が入る。
”ハチ君、頑張ったらご褒美あげる、ね!”
ヒフミンハオウエンシタ!ハチマンノトリオンガサラニカイフクシタ!
続くひふみん先輩の応援によりさらに2割回復する。おお!これで7割まで回復した!これなら勝つる。
愛する妹とひふみん先輩の応援により戦闘力を取り戻した俺。通信機から大井と小町の”ちょっろ・・・”というセリフが聞こえた気がしないでもないが気にしない。愛の力は偉大なのだ。
まぁ実際にはほんとに回復してるわけじゃなくてそれくらいやる気が回復しただけなのでやはり無茶は厳禁ではあるのだが。
そんなこんなでその後もちょくちょく発生するゲートの対応に追われる俺達なのであった。
それからしばらく、俺と小町と北上と大井はちょこちょこ発生する小規模なゲートの対応に追われながら各地を転戦していた。
三雲の中学校を出る時点でかなり消耗していた俺のトリオン量は節約しながら戦闘していたため、今ではそれなりに回復していた。回復するのかよ。
トリオン体になっていたのに回復した自分にちょっと人間やめ始めてる疑惑が浮上している気がしないでもないが、これも妹への愛と女神ひふみんの力であると思うことにした。まぁそんな事を話すと小町と大井と北上がちょっとあれな視線を向けて来てはいたが、大丈夫。隊室に戻ればきっとひふみん先輩が優しい笑顔で俺を迎え入れてくれるはず。だからまだ大丈夫。
「ふぅ、これで終わりですかね?」
「う~ん、あたしも疲れたよ~」
「ですねー、小町もちょっと疲れました。」
俺があまりガンガン攻撃できなかった分、大井と北上、小町に頑張ってもらっていた。そのため、そんな大井と北上と小町には頭が上がらない俺。いや、もともと上がらなかったけどね?それでも文句も言わずに頑張ってくれたので、後で何かご馳走しようと心に決める。・・・俺、この戦いが終わったら、隊のメンバーにアイスを奢るんだ・・・。
”ゲート発生!ハチ君!!”
おおぅ・・・・・・・・俺がフラグを建てたのではないと信じたい。
その珍しく慌てたひふみん先輩の通信にすわ何事かと身構える俺達。それと同時に市街地の上空にゲートが発生する。・・・それも大型の。
「・・・・・は?」
そこから出てきたトリオン兵は大型の、それも初めて見るタイプの物だった。何あれ?ナウシカ?ジブリなの?そんな感じの大きな空飛ぶエイのようなトリオン兵の出現に、思わず一瞬思考が停止してしまう俺達。
「は!?なんですかあのトリオン兵は!?ここから発生地点までそれなりに距離があるのにはっきりと視認できるなんてどれだけ大きんですか!?」
「ほえ~・・・・おおきいねぇ~?」
「えぇー・・・・なにあれ?おいしくなさそう・・・」
めずらしく大井も錯乱しているようだ、ほんとそれな、ありゃ相当大きいな。北上もいつものようにのんびり言っているものの、その額にはうっすらと汗がみえる。さすがに北上も驚愕しているようだ。しかしだ、小町よ・・・お前のその反応はなんだ、随分と余裕そうな小町の反応に俺も思考が冷静になる。
いやでもその反応は無いとお兄ちゃん思うんだ。逆に今までおいしそうなトリオン兵がいたのかとかすげぇ気になるんすけど・・・?しかしさすがにこのまま放置するわけにもいかない。
「急ぐぞ!」
「「「了解!!」」」
ひふみん先輩に状況を確認してもらいながら急行する俺達。
遠くに見えるトリオン兵は市街地の上空を旋回し始めると同時に爆撃を開始していた。や、やめろぉー!そこにはサイゼもあるんだぞ!?
「くそっ!爆撃型か!」
「お兄ちゃん!」
「わかってる!急ぐぞ!北上はビームキャノンのチャージを開始!市街地に被害が出ない場所で打ち落とすぞ。小町は北上のガードだ!」
「「了解!」」
大型のオリオン兵に向かいながら指示を出す。ひふみん先輩の情報によると木虎がすでにアレの迎撃に向かっているらしいが、あいつのトリオン量ではあのでかい・・・めんどいな、もうサカナでいいか、を倒す事は出来ても吹き飛ばすことは出来ないはずだ。市街地に落とすわけにもいかないので北上のビームキャノンで砲撃、それでもぎりぎり削りきれないだろうが、あとは俺と大井で協力して削っていくしかないだろう。
「俺と大井は市街地の防衛だ!爆撃を撃ち落としつつファンネルとプラネイトディフェンサーで市街地を防衛する!北上の攻撃で削り切れなかった分は俺達で削るぞ!」
「わかりました!」
そうこう指示を出しながら急行してようやく俺達は現着した。
出現からまだ数分とは言え、すでに市街地には大きな被害が出始めており、いくつかの建物が崩れ、そこから炎が上がっていた。くそっ!
俺と大井は爆撃を撃墜するべくそれなりに高いビルの屋上に跳躍する。よし、俺と大井で少し離れたビルの上に立ち。迎撃態勢に入る。すでに北上と小町は狙撃ポイントに移動している。
「比企谷隊現着!状況を開始する!大井!可能な限り爆撃を打ち落とすぞ!漏れたやつはディフェンサーで止めろ!」
「わかっています!でも範囲が!」
大井が叫ぶのも当然で、俺と大井が迎撃に入ったとは言え、あの魚は空を飛んでいる上にかなりの広範囲を爆撃している。とても俺と大井だけでは防衛出来るものでは無かった。
「少しでも被害を抑えるんだ!あそこの河川敷の上空付近にあの魚が行けば北上が打ち落としてくれるはずだ。それまでは耐えろ!」
正直ここまでの連戦で俺も北上も大井も小町もそれなりにトリオンを消費してしまっている。北上もフルチャージの一発を撃てばトリオン体を解除されるだろうし、俺も大井も現在出し惜しみなしで爆撃を迎撃しているため、こちらももうあと数分が限界だろう。小町は射撃トリガーを持たないため、比較的トリオン量に余裕はあるものの、現状俺達が落ちたら対抗する手段が無くなってしまう。
「まだだ!ひふみ先輩!ファンネルのコントロールを!」
ひふみん先輩に10機あるファンネルのコントロールを委譲する。それにより俺はサブトリガーのバイパーのコントロールに集中し始める。そうすることで俺の迎撃範囲が拡大する。
俺と大井はビルからビルへ跳躍しつつ移動しながら迎撃を続ける。サカナの右翼に俺が、左翼に大井が、という位置取りをしながらサカナからの爆撃を防いでいた。それでも防ぎきれない攻撃が市街地に落ちていく。
そんな光景に唇をかみながら必死に迎撃していると、たまにサカナの上部で光がはじけているのが見える。どうやら木虎はサカナに乗り移って撃墜しようとしているようだ。
「八幡さん、このままではトリオンが!」
大井が叫ぶ、俺ももう残りがほとんど無くなっている。このままではもう1分も持たないかもしれない。北上のチャージは完了しているため後は市街地に被害が出ない場所にさえ誘導できればだが・・・・。
そんな状況に焦り始めていると、サカナが急に方向転換をして高度を落とし始めていた。・・・おいおい、まさか!
「万歳アタックする気か!まずい!北上は射程に入り次第撃て!大井は落下地点にディフェンサー!俺のファンネルとで市街地への被害を減らすぞ!」
サカナの落下地点に急行する俺と大井。大井が何か言いたそうな表情で俺を見ている。
俺も、もちろん大井もあのサカナの巨体での自爆を止めきれないのは理解している。それでも、やるしかない。
北上の砲撃である程度は削れるはずだ、後は俺と大井とで残りを削って受け止める。大丈夫、俺達ならやれるさ、ウイングゼロのバスターライフルでリーブラを打ち落とすシーンを何度見たと思っている。それに比べれば空飛ぶサカナの一匹や二匹。
そうして覚悟を完了させると北上から砲撃ポイントへ移動したとの連絡が入る。
「よし、撃てぇ!!」
それと同時にサカナの胴体を貫くように極光が奔る。北上の砲撃によりサカナの大部分が吹き飛んだものの、まだ頭の部分としっぽの部分が残っていた。
「大井!頭を削るぞ!しっぽの部分は無視だ!」
「了解!」
分割されたサカナの尾の部分はそれなりの質量ではあるものの、大きな被害にはならないだろうが、問題は頭だ。おそらく自爆するであろうその頭部の核に俺と大井は攻撃を集中させる・・・が。
「かたい!」
「このままでは!」
俺も大井もトリオンがほとんど残っていないため、その核を削り切れるだけの攻撃が出来なかった、仕方ない、受け止めるしかないか!
「大井!フルガード!!」
「はい!」
「『盾』印、五重」
大井の返事とは違う、もう一つの声が聞こえたが、もうサカナの顔が目の前に迫っていたため、それを確認することは出来ずに俺はその、大きな顔をファンネルのシールドモードとシールドを使用して受け止め、そして俺と大井はその衝撃でベイルアウトしていった。
・・・・しかしあれだな・・・最後のあの光景はしばらくトラウマになるかもしれんな。目の前いっぱいにサカナの顔って・・・・。そんな事を思いつつ、最後に手助けをしてくれた白髪の少年に感謝するのであった。
という訳でイルガ―(サカナ)迎撃の回でした。
もちろん裏では嵐山隊が学校に来たり、その後木虎が三雲を学校まで迎えに来たり、その途中でイルガ―が出て、木虎が迎撃に行ったり、三雲が町の人助けに行ったり、空閑が三雲の頼みで木虎をばれないように助けに行ったり、三雲は面倒見の鬼だなって言われたりしてます。
ばれないように、という三雲のオーダーにより、空閑はこっそりとシールドを張ったのです。
ちなみに、北上は砲撃後にトリオン切れでベイルアウト、小町は北上のベイルアウト後、木虎と合流してともにイルガー撃破後の対応をしていたりしています。
今回のイメージはガンダムWの最終回。あれね、誰もが無理やろ。って思ったあれです。知らない人がガンダムW見る事をお勧めします。名シーンなのです。
おっと、話がそれましたね、という訳で?次回もよろしくでっす!!