八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・?   作:ちゅんちゅん丸

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こんばんわ!教導編11話です

という訳で、夏休み終了のお知らせです、いま年末だけど。

今期もいろいろとアニメが終わりまして、でも来年はフルメタがあるわけでして、もう今からテンションアゲアゲな感じなのですよ。

教導編はこれで終わり、次回から原作突入していきます。原作は12月スタートではありますが、その少し前まで時間が飛びます。つまり、文化祭編はないのだ。

そんなこんなで11話です。



比企谷隊の教導11 夏休み終了のお知らせ

「え?もう夏休みおわるの?」

 

那須アンド熊谷コンビと訓練をしたその後、ちょいと休憩と三人で座って会話していた際、唐突に、さらりと那須から俺に告げられた事実。現実から必死に逃げようと脳が理解を拒否していたため、俺は思わず聞き返してしまっていた。ぱーどぅん?あとね?近すぎなイカ?俺の左右で挟み込むように那須と熊谷が座っていて、それぞれの腕がぴったりとくっついているのだが?いやしかし近すぎる美少女も問題だが、なんか今那須が聞き捨てならない事を言わなかったか?

え?嘘だよね?夏休みだよ?一番長い休みで夏に休むと書くあれだよ?ホントにもう終わるの?仕事した記憶しかないよ?

そんな絶望にのまれながらも嘘だよね?と言う俺の表情を読み取った那須は非常に残念ですが・・・と余命宣告を告げる医者のような深刻な表情で首を横に振った。まじか・・・!

 

「う、うぞだドンドコドーン!!」

 

そのあまりにも悲しい事実を理解してしまった俺はあまりの絶望にここがランク戦ブースだという事も忘れて両手、両膝を地面について絶望してしまう。おーうおうおう!と男泣きである。それくらいの絶望だ。

おかしいな・・・。今年の夏は小町と海水浴に行ったり、北上と夏祭りにかき氷食べたり、大井と花火見ながら花火の音にかき消される系の告白ごっこをしたり、ひふみん先輩とコスプレしてそのままひふみん先輩をアイドルデビューさせたり、姫ちゃんさんとボーダーの屋上に城を建設する計画を建てたりとかいろいろやることあったはずやん!?むしろそれぞれで一話ずつ使っても良いくらいなのに!?まじで休み終わるの!?いや、実際時間あってもやらないけどね?祭りとか人いっぱいだし?最後の方とか訳わかんねぇし。ただ、休みが無かったかなーってね?

だから、念のため、もしかしたらって事もあるし?う、うそだよね?という表情でもう一度熊谷を見る。・・・が、やはり同じように首を横に振っている。悲しい表情っぽいけどすこし笑ってる気がするのは気のせいだろう。

 

え?マジで?嘘でしょ?と再度、もう一度那須を見てもやはり首を振っている、心なしか那須も楽しそうな表情をしているのは本当に気のせいだと信じたい。いくらなんでも俺がショックを受けてるのを楽しむようなどSでは・・・・あるなぁ・・・。いやいや、気のせいでしょ、そうだと信じたい。

 

「だって、だってさ・・・夏休みなんだぜ?」

 

戦闘に巻き込まれて仲間たちと逃走しようとしたが、目の前で親友を失ったけどその事実を受け止められずにいる主人公のような表情で那須に再度しつこいくらいに聞いてもやはり終わってしまうらしい。・・・・・なんだこのめんどくさい表現は、我ながら脳みそがちょっとあれな感じになってるようだ。

 

「いやいや、ランク戦やったり、教導隊入ったり・・・いや、作ったりか?あとは訓練したりさせたり、泣かされたり試作トリガーの試験したり、訳わからん雑誌の意味不明な取材受けたり、意味不明な特集にぶち切れた大井をなだめようとして騒動に巻き込まれたりとか、仕事した記憶しかないんだが!?俺の休みはどこにいったんだ!?!?」

 

ちなみに、教導隊の取材はまだいいとして、いや良くないけど、かみかみだったけど、恥ずかしすぎてひふみ先輩とちょっと泣いたけど。その後の大井への取材がやばかった。すげえやばかった。

北上とセットでとか教導隊としてでは無くて比企谷隊から大井だけが、那須隊からは那須が、加古隊から加古さん、他にも月見さんとかひゃみさんとかで特集を組んだらしい。

なにそのラインナップ?と聞いたが、なぜか大井も知らされてないらしく、ただちょっといつもと違う感じで取材やら撮影があったらしい。鞭持ったりろうそく持ったりとか下げずんだ目で撮影したりとかしたらしい。それを聞いた俺はなぜやったし・・・と思ったが、そこは言ってはいけないだろうと空気を読んでいた。

 

その後なんだったんだ?という各員の疑問にふらりと現れた迅さんが説明したところによると。ボーダーのどS特集だったそうな。いやいや、ろうそくとか鞭持つ時点で断ろうよ!?と俺は思ったものの、なんかそのまま進行していらしい。

しかし、どS特集という事実を知らされた女性陣はもう大噴火。激おこカムチャッカである。それにより迅さんは瞬く間にぼこぼこにされ、その特集を組んだキツネの根付室長も説教され、さらにそれを止めようとしていた俺も巻き込まれて説教されたりていお仕置きされたりしてひどい目にあったものだ。しかもその一部始終も撮影されていたらしく、非常に評判がよかったらしい。もうこの組織やだ・・・。

 

つかさ?大井とか那須は解るとして(って言ったらすげえ怒られた。自覚しよ?)月見さんとかひゃみさんは普通にすげえ優しいのに確実に見た目で呼ばれてたでしょそれ・・・・クールだもんね、2人とも。さすがにどS特集で呼ばれたって言われてた時は複雑な表情してたけどもさ・・・・。それでも怒らないひゃみさんと月見さんとかまじエンジェーである。

そんな少し前にあった困った出来事を思い返している俺に熊谷は信じられないものを見る目をしていた。

 

「いや、あんたそれ働きすぎじゃない?ちょっと玲、あんたらやりすぎよ?」

 

「えへへ、そうかな?」

 

働きすぎとか言われて心外な!とちょっとムッとしたものの、その後の熊谷のセリフに思わずくまちゃん!と抱き付きそうになったが、その後が怖かったのでやめておいた。なんだかんだで姉御肌なくまちゃんは優しいのだ。

働きすぎだよね!?と思いながら、俺の現状を作った一人である那須に熊谷と一緒にジト目を向けるも、那須らしくないハニカミ笑顔に、ちょっときゅんとしてしまう。くそっこれだから美少女はずるい。

 

「えへへじゃないでしょ・・・・はぁ、比企谷も、困ったことがあったら相談するのよ?」

 

「くまちゃん・・・・!」

 

不覚にも、熊谷のやさしさに目がウルっときてしまった、直後に勢いよく頭をはたかれたが・・・。

 

「くまちゃん言うな」

 

ーーーーサーセン。

 

 

 

 

 

 

 

そうして、那須と熊谷との訓練が終わった俺は、現実という名の夏休み終了のお知らせに打ちひしがれながら、隊室に戻るのであった。

 

トボトボと隊室に戻るとそこにはなんと、誰も居なかった・・・・・ふふ、久しぶりに1人だね?と1人でつぶやいてみる、あかん、コレ怪しい奴ですやん。

 

「最近はなんだかんだで人が居て騒がしかったから新鮮だなぁ・・・いぇーい!ソファーにも座っちゃうもんねー!俺が隊長だぁー!図が高いぞぉー!ふふーん!!」

 

なんか不思議なテンションになってきた俺は、いつも大井と北上が座っているソファーに勢いよく飛び込んで座りながらくだらない事を、訳わからないくらいのハイテンションで言いながらボフンボフンと遊んでみる。ひゅー!いつもの床に座布団と違って柔らかーい!!いえぁー!!・・・・・はぁ、虚しい。

 

ひとしきりソファでテンションを上げまくった俺は唐突に現実に戻ってきたため、とりあえず他のメンバーの予定を確認することにした。無駄にテンション上がってる状況から急に冷静になると、なんというかすげえ恥ずかしいよね・・・・。

1人でテンション上げて、一人で恥ずかしがっている、恥ずかしい俺は、恥の多い人生だった現実から逃避しながら、これからの事を考える。

 

「ふむ・・・大井も北上も小町もひふみん先輩もしばらくは戻ってこない感じか・・・」

 

ついでに言うなら来客予定もない。

俺の予定もさっき終わった。終わった・・・よね?

 

となるとこれはあれだ、先ほどまで嘆いてた、休みってやつじゃないですかねー?え?さっき試作トリガーの試験した?まぁ、でも今日はこの後フリーな訳でして・・・そうなると当然どうしよう?となるわけで。

 

「今までなら悩む要素もなく寝るかダラダラするの二択だが・・・・」

 

悲しいかな、大井による教育により、なんか最近グダグダしたり、だらだらしたり、惰眠をむさぼることに抵抗を覚え始めている昨今である。とーちゃん、かーちゃん、俺は順調に社畜街道を突き進んでいるよ。たまに迷うこともあるけれど、そういう時は大井が冷たく微笑みながら社畜街道に戻してくれるんだ・・・・。俺、すげぇ良い部下をもてて幸せだよ・・・

 

「まぁ、仕方ない、休みたいが、どうもそういう気分じゃないし、しばらくは教導隊の訓練メニューでも作成してるか」

 

とかこれまでの俺からは想像できない発言をしながら早速端末にカタカタッ、ターン!と打ち込み始める俺ガイル。

 

さてと、ここで作成するのは、生き残るための戦い方を身につける。そんな訓練メニューだ。

強くなるのと、生き残ることは別問題であると俺は考えている。それと同じく戦いに勝つことと、町を守る事もまた別問題である。だから。ただ鍛える、戦い方を教えるだけでは不十分な事もあるのだ。

 

そして、ここでの考え方として大事なのが、ボーダーがどこを目指しているかだ。

現在のボーダーの派閥は3つに分かれている。ネイバーを排除する派閥、町を守る事を重視する派閥、ネイバーと仲良くする派閥である。ちなみに俺は無派閥だった。しいて言うなら街を守る派閥であるとも言えるが・・・だから、ここを基準に考える。

 

まぁ正確に言うなら俺が所属しているのは小町を、唯一の家族を守る派閥である。つまり小町派。そのために俺はただ強くなるだけでなく、小町を守れる強さを身につるためにこれまでを過ごしてきたのだ。

だから、ボーダー内において、個としての戦闘力であれば俺より強い隊員なんぞ大量にいるが、守りながら戦うことにかけては自信があるのだ。俺にとって勝つことは二の次だった。だから別に那須とかに負けまくったり、小南に分割されまくったりしてもぜんぜん悔しくなんてなかったのだ、泣いてなんかいないのだ。

 

「だから、俺が今後教導隊で教えていくべきなのはランク戦での勝ち方、戦い方では無くて、対ネイバー戦における防衛と生存方法だろうな」

 

つか、A級に入れるような戦い方とかB級どまりの俺に教えれる訳ないし?

だからこそ俺が教えるのはチームランク戦のような平等な条件での戦いかたでは無くて、1対複数や3人対大部隊といった、実際の戦闘における戦い方を教えよう。

 

「つまりあれだな、3人組で1チームとして、1チーム対3チームとか、1人隊3人とかで対戦させて、それぞれの対策とかを考えるようにするかあとはバムスターの訓練のやつを10体くらいにしたり、モールモットも5体くらいとかにしよう」

 

プランが固まれば、あとは細かいことを詰めるべくカタカタ・・・・カタカタ・・・ネイバーは機械じゃない。思考する人が送り込んできた兵である。だからこそ、戦術の予想が立てられるのだ。

俺がネイバーならばまず、人数が少ない俺達ボーダーに対しての基本戦術としては、数で勝るトリオン兵を大量に動員するだろう。日々ゲートが開くのは運よく人が捕まれば良し、ダメでもこちらの戦力と地形の把握をしてると思われる。つまり、これが一定の成果を見せたときに向こうは仕掛けてくるのだ。

仕掛けるならばいくつか考えられるパターンがあるが、その中でも各員が数で圧殺されるのは避けられないだろう。

 

だから、その為にもC級の奴らには複数を相手にした時の立ち回りと、逆に複数でかかる場合、いかに効率よく倒すかも考えさせる事で少しでも生存率を上げていこうと考える。

攻める側、守る側両方の思考をしていけば、いざという時にきっと彼らの生存率を上げてくれるだろう。

 

「ふむ、こんなものかな?」

 

ひととおり打ち込み、確認してみる。うむ、ちょっと考えすぎかもしれん。あながち誇張とも思えんが流石にやりすぎか?C級隊員にそこまでを求めるのは酷かもしれん。いやでも必要だろう。

 

しかし随分集中してしまったみたいだな・・・目がなんだかしぱしぱしている、ドライアイがさらに進化してゾンビアイになってしまった・・・・いやそれもとからだったわ。

しかし、眠くなって来たな・・・時計をみるとそろそろ大井が戻ってきそうな時間だ。・・・しかし眠い。

 

「大丈夫・・・ちょっと目をつぶるだけ・・・・ふぁ・・・・」

 

ちょっと目をつぶるだけ・・・そう油断した俺の意識はそのまま闇に落ちていくのであった。

 

 

 

 

 

カタンッ・・・

 

「ふぇ・・・・?」

 

いつの間にか寝てしまった俺は小さな物音に闇に落ちた意識をサルベージさせていた。つまり起きた。・・・ねむい、でも起きる、いや眠い・・・いや起きた?

しかし、まだ意識はボーっとしていて、なぜかわからないけど、優しい香りと、柔らかい暖かさに包まれてまどろんでいた。あぁ、幸せだ。まるで冬のオフトゥンのような魅力的なまどろみである。

 

「むふぅ・・・・」

 

「・・・っん・・・」

 

なんか左右から寝息とか聞こえるんすけど・・・?耳元で聞こえたちょっとエロい吐息にまどろんでいた意識がだんだんと覚醒してくる。ん?なんだこの状況?つかこの手のひらに収まっていr・・・収まりきらない柔らかくも弾力に溢れるものって・・・・もしや・・・・・。

 

おそるおそる目を開けると、俺の目の前には大井の可愛らしい寝顔があるわけでして、俺の両手が禁足事項な状態でした・・・すごい、なにがすごいってもうすごい。いままで不可抗力的な感じであれしたことはあったけど、手のひらがすごい事になってる。たぶんこれ世界で一番柔らかいんじゃない?って感じ。しかも後ろからは北上がコアラのように抱き付いてきていて逃げられない状況になっていた。なにこの天国のような地獄は!?この後死ぬ未来しか見えないんすけど!?

 

「はわ、はわわ・・・・」

 

そして、その状況をばっちりと目撃しているひふみん先輩が顔を真っ赤にしてはわわってしていて、かわいい。とか思っていたが、やばい、この状況はいろいろとまずい!さっきの物音はひふみん先輩だったんだね!?

俺は今更ながら両手を禁足事項状態から放して、その際に大井がまたエロい声を出してるのを鋼の精神でやり過ごしてひふみ先輩に必死に言い訳をしていた。視線で。声出したら起きちゃうからね!

 

違うんです違うんです、俺はソファで休んでたんです、そしたらいつの間にかベイルアウト用のマットに移動させられて、大井と北上にサンドされて、気が付いたら両手が禁足事項になってて・・・と必死に視線で釈明をする。そんな俺の必死の視線に何かを感じ取ったのか、ひふみ先輩は首を傾げている。感じ取れてない!?

ああもう!北上に完璧にホールドされてて脱出できないし大井がさっきからエロいしで、ひふみ先輩は絶対に勘違いしているしでもう誰かたすけてぇーーー!!

 

 

 

ーーその後、覚醒した大井は状況を理解するなり瞬間湯沸かし器のように顔を真っ赤にしてあわわってしていた。しかもそこからなぜか俺は2時間くらい説教されるのであった。げせん。

説教された後、なんとかひふみ先輩の誤解を解いたり、恥ずかしさを紛らわすように説教してきた大井にパフェを奢ることを約束する事でなんとかこの事件を収めることが出来たのであった。

 

 

 

 




もうすぐ年越しだというのに・・・年内には原作突入したかった。

さて、次回で少し時間は飛びます、文化祭も飛ばします、ヒロインズのメイド服とか、ちょっとしたデートだったりとか、そんなこんながあったていで話は飛びます。


という訳で、次回、原作に突入するちょっと前から話は始まりますので来年もよろしくお願いします!

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