八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・?   作:ちゅんちゅん丸

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こんばんわ!教導編9話です!

今回は訓練について。基本は原作通りに進めて行くつもりのため、いわゆる魔改造的な事はしません。

でも、三雲君には活躍してほしいので微妙に強化していきます。そんなこんなで9話です。


比企谷隊の教導9 持たざる眼鏡の訓練は?

ー ランク戦ブース ー

 

セクハラエリートとのお話を終えた俺は、第六駆逐隊と共に件の眼鏡ボーイ-三雲修というらしい、の元にてくてくと歩いていく。なんだかんだで気になるのか電達もにこにこしながらついてきてくれていた。

 

しかし、あれだな・・・さっきの対戦を見てもなかなかにこの道のりは険しいのではないだろうかと思ったり思わなかったり。いやいや、そんな弱気な事でどうする!?できる!できる!俺なら出来る!たぶん出来る!!こんなときは女神ひふみんの笑顔を思い浮かべるんだ!

そうしてなんとか気持ちを前向きにしたところで早速行ってみるかね。ちょうど三雲も休憩に入るようだ。声を掛けるには丁度いいタイミングだわさ。

 

「あぁー、その、なんだ、三雲君?ちょっといいか?」

 

「は、はい?な、なんでしょうか・・・・?」

 

「あぁー・・・・その、あれだ・・・」

 

「は、はい・・・・」

 

うむ、その、あれだね?特に何も考えずに来てしまったもんだから今更だけどなんて声かければいいんだ?これ。

たとえば、君、弱いから俺が鍛えてあげよう!とか言ったらなんかすげえ上から過ぎてイラつくし。さらっと自然な流れでアドバイスをする方向に出来ないもんかね・・・・?

そんな俺が心の中で葛藤をしている間にも律儀に不思議そうな顔をして素直に待ってくれている三雲、うん、こいつ良いやつかもしれん。

 

そんな俺と三雲のギクシャクした距離感をクスクスと笑っていた響と電がちょいちょいと俺の服を引っ張ってきた。かわいい。

ちなみに暁と雷は飽きたのかいつの間にか他のC級のところに行ってしまった。薄情者めぇ・・・。

 

「ここは私達がなんとかするよ」

 

「電達に任せて欲しいのです」

 

「お、おう。正直なんて言えば良いのかわからなかったから助かる。頼むわ」

 

へっぽこな師匠ですまないねぇ・・・。しかし俺のそんなしょうもない姿をみても電も響も特に幻滅した感じはなくにこやかに引き受けてくれた。ありがてぇ!

 

「初めまして、僕は響」

 

「電なのです」

 

「そんで、俺が教導隊の比企谷だ。よろしく」

 

「あ、はじめまして、C級の三雲修です。よろしくお願いします」

 

そうだよね、最初なんだから自己紹介ダヨネ。ハハハ!ハチマンうっかり!

 

「よろしくなのです♪それで、三雲さんのポイントはどのくらいなのです?え?最近入ったばかりなのです?負け続き?そういう日もあるのです。トリガーは何を使ってるのです?あの盾と剣の?すごいのです!」

 

とまぁ電の質問に三雲が応え、間で響が良い感じに話しかけたりとあっという間に三雲と電と響は仲良くなってしまった。しゅごい。今度から電のことを師匠と呼んだ方がいいのだろうか・・・。

そんなこんなと話しているうちに三雲の緊張も解けたようだ、よし、そろそろ本題にはいっても良さそうだな。

 

「それで、今回君に話しかけた理由なんだが、まぁ教導隊の隊長として入隊したばかりの君に少しばかり戦闘におけるアドバイスをしようと思ったんだ。迷惑でなければこいつらと一緒に訓練しないか?」

 

「え?良いんですか?」

 

「おう、もちろんだ。それが俺の仕事でもあるしな」

 

「比企谷さんは素直じゃないのです」

 

「そうだね、君の頑張りをみてなんとかしたいと思ってるのさ」

 

「いや、そんなことないからね?仕事だから、仕事だからやってるんだからね?」

 

だから素直じゃないとか関係ないのよ?と話すも電も響もニコニコして素直じゃない~と笑っていやがる。ぐぬぬ。

次回の訓練は今までのよりもハードにしてやろうと心に決めたのであった。そんなやりとりをしていると三雲の決心もかたまったようで、俺に頭を下げてきた。

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「おう、任された。」

 

「任せるのです」

 

「任されたよ」

 

三者三様の返答をする俺と電と響。てかなんでお前らがそんな態度なんだよ。むしろ一緒に訓練する感じで話してたじゃねぇか。まぁそんな態度も可愛いから許されるわけで。

なんとも微笑ましい態度に思わず俺と三雲も苦笑してしまっていた。

 

「さて、それじゃあ早速訓練、と行きたいところだが、その前に今の三雲がどれくらい、どんな感じで戦うのか確認だな。とりあえず5本対戦するか」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

「おう、その調子だ。思いっきりかかってこい」

 

言ってて思ったんだけど、今のセリフめっちゃ先輩っぽくない!?なんか頼れる先輩感が出せてたんじゃないだろうか。

普段の周りからの俺の扱いがアレすぎてすっかり忘れてたけど、なんだかんだで俺ってば年齢的にもボーダー内的にもそれなりに先輩風付加してもよさそうなものなのにこんなセリフ1つで喜んでる俺って・・・いや、これ以上考えるのは止めよう。

そんな俺の思考を読んだのか、電と響はくすくすと笑いながら頑張ってね先輩と俺に手を振ってきていた。恥ずかしいっス。

 

 

 

そんなこんなで対戦後、三雲の動きを観察しながら対戦していたのだが・・・・。

 

「あ、ありがとう、ございました・・・・」

 

「おう、おつかれさん」

 

さてさて、どうするかな・・・・。対戦した結果、いくつかとるべき道筋は見えたものの、どこから行くべきか・・・・。

 

迅さんとの話を考えるに、今すぐ強くしなくてはいけない、というわけではなさそうだし。三雲自身もまだ入隊したてでどのような方向性かはまだ考えているところだろう。この状況であまり俺が介入して方向性を決めてしまうのは三雲の可能性を狭めてしまうかもしれない。

 

ふむ・・・となれば俺が今とるべき方針はあれだな。三雲の可能性を広げよう。

 

「とりあえず、今後の方向性、というか、訓練メニューだが・・・あぁー、その前に三雲はトリオン体での戦闘についてどのくらい理解している?」

 

「あ、ええと、ネイバーはトリオン体でないと攻撃が通用しない事と、トリオン体になることで生身をはるかに超えた動きが出来る事、トリオン体での戦闘は特別な才能が必要で、僕はその才能が足りていない。と説明は受けました」

 

ふむ、おおよその事は理解しているようだ、トリオン量やらはあまり良く理解していないようだが、その辺はおいおいでいいかな。

 

「それでだいたいあってる。大事なのはそのトリオン体での動きだな。才能があればその分トリオン体は強力なものになるが、それだけが全てではない。むしろそこはトリオン体での戦闘経験を積んで行けばある程度成長も出来る」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、だから才能というよりも、スタート地点が少し後ろなだけだと考えた方が建設的だろう。後は生身の肉体を鍛える事。トリオン体を動かすのは三雲の脳だ。だから動体視力の強化やレイガストを使うのなら剣術を学んだり、戦術の勉強も並行して行う事。その中で自身に会った戦闘スタイルを模索していくのが良いだろう。」

 

「なるほど・・・」

 

以前、俺が小南に勝つために秘密の特訓をレイジさんにつけてもらっていた時に教えてもらったことだ。トリオン体に生身の筋肉は関係ないが、トリオン体を動かすのは生身の感覚である、と。だから生身で動けるようになればそれだけトリオン体も動けるようになるのだ。

その説明をされたときにレイジさんの筋肉は無駄なのか?という疑問が沸いたが、そこは聞いちゃいけないのだろうと思ったものだ。

 

「見たところ格闘技や運動をやっていたわけではないだろ?あとは戦術だな、これは本を読み、考えろ。ただやみくもに動くんじゃなくて、相手の先を読むんだ。見据えるのは30秒先の未来ってやつだな」

 

フルコントロールエンカウント いずれ訪れるであろうチーム戦を視野にいれた戦術思考だ。

かの有名な?腹黒眼鏡が得意とした戦術で、1%刻みで30秒先を思考する。文章にするとこれだけだが、実際に行うと膨大な情報量と刻一刻と変化する戦況に実際に行うことは困難を極めるものだ。

だが、三雲はトリオン量が少ないという大きなハンデを持つ。本人の目指すものと迅さんの予知にもあるように、きっとこの少年の前にも大きな選択肢が訪れるのであろう。

その時、ただ強くなっていただけでは対処できないような状況でも冷静に対応できるように教えていこう。

 

「俺がこれから三雲に教えていくことは戦い方ではなく、考え方、戦術と戦略だ。戦闘はまず生身を鍛えて、トリオン体での動きにも慣れてからだな」

 

「はい!」

 

「いい返事だ」

 

はっきりとした返事をして瞳に力強さを宿す三雲を正面から見据える。この瞳は、まっすぐで、まじめで、目標に向かって進んで行くだろう。俺の濁った瞳とは全くちがう。

 

だからこそ、俺はこの瞳を曇らせないように、まっすぐ歩いていけるようにアドバイスをしてあげよう、そう思った。

 

「よし、それじゃあとりあえずはあれだな、まずはぶれないマニュフェスト的な感じで強靭な精神を鍛えるべくひたすらこいつらの攻撃を受けてもらおうかな」

 

「・・・・え?」

 

電と響の肩に両手をのせてニヤリ、と笑いながら三雲に告げる。これは俺が最初の頃に小南と烏丸にやられたことで。とにかく相手の攻撃から目を逸らさないようにするためにひたすら攻撃を受け続けるというものだ。ガードは許可するが、反撃はNG。目をつぶる毎に時間延長という非常に過酷なものだ。

それを三雲に説明すると冷や汗をかきまくっていた。だよね。

ちょっと前に瞳を曇らせないようにとか言っときながらさっそく濁らせちまったよ、うっかりだね、てへ。

 

「んじゃまぁ、さっそくやるかね、まずは響と電の攻撃を受けてもらう。さっきも言ったが、目をつぶる毎に時間延長。反撃はNG、最初だからまずは二人の攻撃をしっかりと見ることからやってみよう」

 

「はいっ!よろしくお願いします」

 

「任せるのです!」

 

「思いっきりいかせてもらうよ」

 

「あ、ちなみに電と響は三雲に完璧にガードされたらあとで特別訓練な」

 

もう一度ニヤリ。さっきくすくす俺の事を笑った罰として超ハードな訓練をしてやろう。・・・・そうだな、以前那須と大井にさせられたあのスペシャルハードなやつだな。

 

「マンツーマンなのです!?比企谷さんに特別訓練をつけてもらえるのです?それはそれでありなのです!」

 

「そうだね、とても魅力的な提案だね」

 

あ、あれ?なんか逆にウエルカムな感じになってる?あれ?これ罰ゲームになってなくね?なんでこいつらこんな訓練好きなん?

 

あれー?と首をかしげている俺をおいて意気揚々と電と響はブースに入り、三雲も遅れて入るのを確認した俺は改めて今後の方針を考えつつ、のんびりと三雲の訓練というなの解体ショーを眺めるのであった。

 

 

 

 

 

 




というわけで9話でした。やべぇ、ヒロインズがでてねぇ…

先日、アドバイスを頂いて思ったのですが、ssを書くときの1話あたりの文字数とか、サクサク進ませた方がいいのか。それとももっとガッツリ描写した方が良いのかとか、台本形式ばりに会話文増やした方がいいのかなとか珍しく考えていました。

それで、考えたすえの結論としては、一話あたり5000文字前後、描写はこれまで通りくらい。会話も今までくらいで行きたいと思いまする。

そんな感じでこれこらも宜しくお願いします!次回は那須さん出したいなぁー!

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