東方天邪録 転生したら天邪鬼   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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やべぇ、好き勝手するの楽しい✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝


第2怪 竹林からの脱出

「あぁ〜、疲れたぁ。」

 

自然とそんな言葉が出てきた。

それもそうだ、あれからどれほど歩いたかもがわからない。

進んでも進んでも竹、竹、竹。

後ろ振り向くと全く違う風景に見える。

こういう所を抜け出るのはなかなかに骨が折れるもんだ。

 

「まぁ、進めばなんとかなるだろ。」

 

楽観主義の俺はこういう時も運と流れに任せる。

自分でも悪い癖だな〜と思うんだが、性格は簡単には矯正されない。

仕方ないと、この東方projectに関することを懸命に思い出そうとしていた。

 

「......そういえば、この東方って主要キャラに何かしらの能力が付いてるんだよな?」

 

少し頭を使うとまずその事が思い浮かんだ。

俺にもそれがあるんじゃね!?

凄いワクワクしてきた。

なんだ?俺の能力はなんなんだ!?

そう思って思考を繰り広げていると、ある言葉が浮かんできた。

 

 

『拒絶する程度の能力』

 

 

.......確かに俺はノーと言える日本人だけども。

詐欺には絶対引っかからないとか言われたけども。

そんなふわっとした表現しなくても良くない!?

いや待て、ふわっとしてるってことは、つまり能力の使い方もふわっとしてるわけで、応用が効くってことじゃない!?

......無いか。

 

「とりあえず拒絶できるならこの姿どうにかできないかな。」

 

角が生えてるなんて絶対痛い奴だと思われるよ.....。

せめて生前(?)の姿にして欲しい。

 

「まぁ、今度にするか。鏡とか無いしな。確認もできない。」

 

そんなことを喋っていると、足音が聞こえた。

 

「おいお前、もしかしてここに迷い込んだのか?」

 

長い白髪の少女が現れた。

俺はその少女に『あぁはい、そうなんですよ』と言いたかったが....。

 

「......その様だ。ここは見る度に景色が変わってしまってな。どうも道がわからなくなる。」

 

「そういう風にできてるからな、この竹林は。」

 

また口調が痛い奴に.....。

これも拒絶したいなぁ。できたらだけどな!!

 

「なら付いて来な、出口まで案内してやるよ。」

 

そう言って少女は俺の横をすり抜けて先を行く。

それに黙って付いていく。

 

「.....あんた人間じゃ無いみたいだな。名前は?」

 

「天邪鬼の天鬼だ。」

 

俺は普通に自分の名前である『天木」と答えた。

 

「天邪鬼の天鬼......?

アッハッハッハ!!!そりゃあのお伽噺の鬼の名前だろう?あんた面白いな。」

 

お伽噺と言われたのは癪だが、受けたようなので良いわ。

 

「本当なら何かしらしてみてくれよ。私を不死身から戻すとかさ。」

 

笑いながらこちらに言ってきた。

どうやら不死身の様だ。流石東方、人外が溢れかえっている。

 

「あぁ良いだろう。

お前は不死身ではない。お前は普通だ。」

 

また勝手に口が動く。

出来る筈も無いことをまぁペラペラと。

 

「ハハハッ、何本気にしてん........!?」

 

少女は驚いた様子で一瞬で俺から距離を取る。

 

「あ、あんた!!何をした!!!」

 

何を驚いて....あぁそうか、俺の冗談に乗ってくれたんだな。

全く、幻想郷にはユーモア溢れる人が一杯居るんだな。

それでは俺も盛大に乗ろうかな。

 

「やって見せろと言ったのはお前だろう?私はその言葉を再現したまでだ。」

 

少女は迫真の演技で体を悶えさせる。

すげぇな、演技だとわかってても不安になるくらい感情がこもっている。

 

「がぁっぁぁあああぁぁあ!!!

ハァ、ハァ.....も、戻った....!?

あんたまさか本当に!?」

 

「なんならもう1度繰り返してやってもいい。私は天邪鬼の天鬼だ。」

 

「そ、そうかい.....。

本当に居たんだね。あんたは。」

 

物凄く動揺した演技。

主演アカデミー賞も狙えるレベルじゃないだろうか。凄まじいな。

 

その後少女は「竹林からは出してやる。だから、頼むから私達に危害を加えないでくれ。」と言われたのでノリでOKした。

無事竹林から出た俺は、家を探すことにした。

住所不定は流石にみっともないからな。

どこか静かな場所は無いかなー....。


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