東方天邪録 転生したら天邪鬼   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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今回は主人公に関する話です。


第1怪 天邪鬼に関する逸話

「な、なんだったのよあいつ....。

ちょっと紫?説明してくれるわよね?

あんたが出てくるって事はそれなりの奴なんでしょ?」

 

霊夢がイライラした様子で聞いてくる。

 

「勿論よ。あれが復活したとなれば、あなたにも気を付けて欲しいから。」

「そうは言っても、所詮は天邪鬼なんでしょ?」

 

霊夢はまだあいつの恐ろしさに気づいていない。

これはしっかり言い聞かせなければならない様ね。

 

「まぁ霊夢も天邪鬼については知ってるでしょう?」

 

「そりゃもちろん。ついこの間、天邪鬼関連の異変を片付けたばっかりですもの。

ズル賢くて、性格もひん曲がってて、相手を利用するのに躊躇は無い、外道まっしぐらの下っ端妖怪。

それがどうかしたの?」

 

「あの天邪鬼の名前は天鬼(あまき)、天邪鬼の祖よ。」

 

「.......え?」

 

「天邪鬼の祖よ」「聴き返したわけじゃないわよ!!」

 

おっと、少しからかっただけでこれとはね。

挑発に乗りやすいタイプかしら?

......いやそれは無いわよね。

 

「祖ってことは、最初に生まれた天邪鬼ってこと!?」

 

「正確には天邪鬼っていうのは、彼から派生した妖怪一族が一つに纏められた後に付けられた種族名で、基本はその子孫のことを指すのよ。」

 

おおまかな説明をするとポカンとしている霊夢。

なんだか面白い顔ね。

 

「彼には色々な逸話があるのよ。

曰く、一晩で大国を5つ滅ぼしたとか。

曰く、彼には性別が無いとか。

曰く、そもそも決まった形が無いとか。

曰く、かの茨木童子を食ったとか。

曰く、地獄を一周して戻ってきたとか。

他にもあるのだけれど、信憑性があるのはこれくらいね。」

 

「そんな奴だったのね......。茨木童子って何よ。」

 

「萃香と同等かそれ以上の力を持っていたとされる伝説の鬼よ。」

 

「よくそんなのを封印できたわね。」

 

「本当に、奇跡的だったわ。

偶然に奇跡が乗っかって来た様な物よ。

いきなり幻想郷に入ってきて、いきなり戦争を仕掛けてくるもの。怖かったわよ〜?」

 

本当に、今でも生き残れたのは奇跡的だと思える。

あの時ほどピンチになったのは月に戦争を仕掛けた時ぐらいね。

 

「だから霊夢も、今度会っても関わらないこと!!良いわね?」

 

「あっちから来たんだけど。」

 

これであらかた説明を終わったかしら......( ゚д゚)ハッ!

まだ一つ言うことがあったわ!!

 

「そうそう、彼の能力を言っておくわ。」

 

「あんたを追い詰めた能力ってのは気になるわね。教えてちょうだい。」

 

「それは天邪鬼を天邪鬼として確立させたと言っても過言じゃない能力よ。

それはね......。」

 

 

 

『拒絶する程度の能力』

 

 

 

あらゆる事象を拒絶し、物事を文字通りひっくり返す能力。

つまるところ、起こったことと逆のことを起こす能力。

私の能力もこれで封じ込まれた。

使用されては防ぎようのないわけで、応用性も半端ない。

なにせ、『攻撃も能力も全部自分に返ってくる』わけで、攻めれば攻めるほど不利になるのだ。

 

「だからあの時私の札が私に向かって来たわけね。」

 

「そうよ。あと、彼の姿は覚えているかしら?」

 

「えぇ。確か背は少し高めで、髪が黒色で、人間の様な姿だったけれど、角が生えていたわ。」

 

「彼は自身の存在を拒絶することによって姿形、気配や妖力の質まで変えることができるの。

だから会ったときの姿や印象は宛にならないわ。気をつけることね。」

 

「本当にケタ違いね。これからは戸締りをしっかりしなきゃ。」

 

「戸締りでどうにか出来るなら苦労しないわよ。全く。」

 

 

 

 

 

 

幻想郷に復活した古の天邪鬼。

その逸話は数えるのも嫌になるほど残っている。

そんな天邪鬼はと言うと......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで来れば大丈夫か....?

あれ、喋り方が普通だ。」

 

そんなことは露も知らずに能天気だった。

 

「もしかして、誰も居なかったら普通に喋れるのか?

良かったがかなり不便な体だな。」

 

なにせ思ってもないことが口に出るのだ。

面倒極まりない。

 

「......ここどこだ?」

 

そこは、見渡す限りが竹に囲まれた、広大な『竹林」だった。


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