東方天邪録 転生したら天邪鬼 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
「う〜む......」「なにしてんだ?」
1人部屋で考え込んでいると、正邪ちゃんが後ろから顔を出してくる。
「あぁ、少し悩みがあってな」
「ご先祖に悩み?一体どんな悩みさ」
正邪ちゃんが膝に座りながら聞いてくる。
いや.....ね?
妖怪(元人間だが)としては恥ずかしいのだが。
「実は、私は妖力弾を作ることができなくてな.....」
「へ?」
あの、そんなほうけないで。
悲しいからァ!!!
「はぁ.....意外だねぇ。ご先祖にそんな悩みが」
「どうにも、私の妖気は霧のように拡散してしまってな」
「ふーん......。難儀なもんだね」
「どうにかできないかと悩んでいたのだ」
ほら、以前チルノちゃんと魔法使いの弾幕あったでしょ?
凄い綺麗だったからさ。俺もしたいなーとなったわけだ。
「.....あのさ、ご先祖」
ん?どした?正邪ちゃん。
なんか凄い呆れたような..... ま た お 前 か みたいな顔してるけど。
「自分の能力思い出してみなよ」
能力って.....拒絶する程度の能力でしょ?
........あ。
「あのさぁご先祖」
何故か肩に手を置かれた。
「あんたの能力いつもいつも反則すぎなんだよ!!!!!」
そしてこれでもかと耳元で声を出された。
「私が妖力弾を作れない?そんなわけない」
早速妖力弾が作れない現実を拒絶する。
「じゃあ早速1回作ってみなよ」
そう言われて手に妖力を集める。
すると妖力の弾が出てきた。
「できたじゃないか。そういえば弾幕がしたかったんだよね。それじゃあスペルカードも作らなきゃね」
と、言うわけで。
「3枚作ったが.....」
「それじゃ見せてみてくれよ」
ワクワクと言った感じでこちらを見てくる正邪ちゃん。
それじゃ、俺張り切っちゃうよ!!
「言い忘れたが、少し相手になってくれ」
「......へ?」
よし行こう!!!
「1枚目だ。
【逆札】リバース・オン・リバース」
「おあっとぉ!?」
スペルカードの発動を境に、重力が、視点が、はたまた天地がひっくり返る。
今俺達は、地を見上げ、空を見下げている状態だ。
このスペルカードの能力は、相手の感覚を全て逆にするものだ。
右に動こうと思ったら左に動き、上に行こうと思えば下に行く。逆も然りだ。
そして最大の特徴はこれだ。
「な、なんだい!?あたしは弾幕をちゃんと避けた筈なのに、『避けたはずの方向から同じ弾幕が』.....!?」
何を言ってるのかわからないと思うので少し説明だ。
これは相手の感覚を全て逆にするものだ。
そう、『全て』だ。
「そうか!!あたしの視覚が捉えている光景も、上下左右逆になっているのか!!」
そう。つまり正邪ちゃんは
「あたしから弾幕に突っ込みに行った形になる!!??」
そういうことだ。
<ピチューン
よし、2枚目行こう。
「2枚目だ。
【鬼札】鬼人行進」
「今度はなんだい!?」
正邪ちゃんの周りに結界が貼られる。
これは簡単なことだ。
「放たれて過ぎた筈の弾幕が、結界に跳ね返ってる!?」
そう。さながら箱の中のスーパーボールの様に、画面外に過ぎることなく結界の中を縦横無尽にはね回るのだ。
「ちょ、まだ増やすのかい!?」
俺は少しずつ弾幕を増やして追い詰めるだけだ。
<ピチューン
よし、最後だ。
「3枚目だ。
【天邪鬼】起死回生の逆転劇」
これはマジでピンチになった時の使うようにする。
「こ、今度は何が......ん?」
何も起こらない。それもそうだ。
「すまん。まだ下準備中だ」
そう言って、俺は手に妖力弾を一つ作る。
そこに、ありったけの妖気を篭める。
「正邪、忠告しよう。『絶対に避けるんだ』」
「いっ!?」
不味いと思ったのかすぐに離脱する正邪ちゃん。
溜めが終わったので、妖力弾を構える。
「しかと見るがいい。これが私、『邪なる天の鬼』、天鬼の全力だ」
そして、思いっきり妖力弾を撃ち出す。
綺麗に真っ直ぐな線を描いて弾き出された1個の妖力弾。
それは前の山に直撃し.......。
爆発すると共に、周囲の山を一概に消し飛ばした。
「ふむ......。実際使うならもっと威力を下げなければな」
あ、山は能力で戻しました。
苦手な戦闘描写回でした。