東方天邪録 転生したら天邪鬼   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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次は軽く神様に会いに行きます


第12怪 観光スポット: 神住まう神社 そして帰宅

花畑から館に帰る途中、話に聞いた守谷神社が見えたので寄っていくことにした。

敷地内にダイレクトで着地。

もちろんそっと。

なんだか、ここの空気肌に痛い気がする。

 

「いらっしゃいませー」

 

ここは店か。そんなツッコミを喉の奥にしまう。

 

「信者の方ですか?」

 

笑顔で対応するこれまた緑髪の女性。

多いな、緑髪。大妖精もそうだし。

 

「いや、信者ではないんだが、話に聞いたので帰る途中に寄ってみたのだ」

 

「そうだったんですか。それでは、こちらへどうぞ〜♪」

 

手招きされたので付いて行ってみると、大きな建物.....なんて言ったか、あの賽銭箱の後ろにある建物の前に来させられた。

しかし空気が痛い。叩かれてるようにビシビシした痛みが....あぁん♡これはキモイな。変な誤解を招きそうだ。やめよう。

 

「せっかく来たんですから、拝んで行ってください!!」

 

図々しいなこの巫女さん。

 

「ここ守谷の信者になれば、土地は恵まれ、奇跡が起こり、不安も取り除かれるでしょう!!」

 

自信満々に言うな。

まぁ幻想郷には本当に神様も居るようなので、嘘でも無さそうだ。

 

「あいにくそういうのには興味が薄くてな。信じておくかと言うほどの関心しかない」

 

「あぁ〜、最近の人はそんな人が多くなってきて困るんですよ。」

 

うんうんと勝手に頷く巫女さん。

 

「これは見せた方が手っ取り早いですね!!ご覧あれ、これが守谷の奇跡です!!」

 

そう言った瞬間、天候が変わった。

さんさんと輝いていた太陽が雲に覆われ、姿が見えなくなった。

それも、『守谷神社の敷地内だけ』。

なるほど、確かに奇跡だ。

 

「これは凄い。しかし、あいにく神に祈っている様な暇がない身でな.....」

 

「そうですかぁ、無理は言えませんもんね」

 

すると、雲が嘘のように去っていった。

と、そこに

 

「早苗〜、お腹すいたよ〜」

 

フワフワと帽子を被った少女が来た。

 

「諏訪子様ぁ......はぁ。」

 

巫女さんはなんだか残念そうにため息を吐いた。

様付けをしているとなると......この少女が神様か?

 

「あれ?そこの人は?」

 

「帰る途中でここに寄った参拝客の方です。すいません、これでも神様なんです。これでも」

 

「これでも......」

 

巫女さんに怒られて落ち込む神様とかシュールだな。

 

「いや、良い。私が知っている神もおおかたそんな物だ」

 

「そんな物......」

 

あっと、追い討ちを掛けてしまった。

もう完全に肩を落としてしまっている。

なんだか申し訳ない。

 

「すまないが、もう行かなければ。気が向いたらまた来よう」

 

「そうですか。気を付けて帰ってくださいね?」

 

その声を最後に、飛び上がって帰路に戻った。

 

 

 

 

 

 

「早苗、危なかったね」

 

「なんでですか?」

 

「あの妖怪、とんでもない奴だったよ」

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

何やかやで館に戻ってきた。

 

「今戻った」

 

「おかえりなのだー」

 

「遅い!!早くアタイと遊べ!!」

 

「チルノちゃん!!......おかえりなさい。天鬼さん」

 

館に入るといつもの3人が出迎えてくれた。

 

「戻ったかい、ご先祖」

 

遅れて正邪ちゃんも。

 

「あぁ、ただいま」

 

いやぁほんと、自宅って良いね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?あの花畑に行ったぁ!?」

 

現在、正邪ちゃんに土産話をしていた所、急に驚かれた。

花畑に行っただけなのに。

 

「何をそこまで驚く」

 

「驚くよ!!あそこには風見幽香が居るんだ!!」

 

「あぁ。色々と話したよ」

 

「話したって.....はぁ、もう何も言わないよ」

 

何故か呆れられたんだが。

 

「そこで向日葵を1輪貰ってな。これだ」

 

持っていた向日葵を見せた。

 

「確かにあそこに咲いている花だね......いやぁ驚いた」

 

なんだか少し悟った様な表情をしている正邪ちゃん。

 

「ご先祖だけは敵に回したくないね」

 

そしてこんなことを言ってきた。少しショックだ。

人を化物かなにかと勘違いしてないか!?

 

向日葵は小さな花瓶に活けている。窓辺から射し込む太陽の光で、とてもキラキラしている。




はい。守谷神社に少し寄っただけです。

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