東方天邪録 転生したら天邪鬼   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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ここは普通に観光スポットになってもいいと思うんだ()


第11怪 観光スポット:太陽の花畑

紅魔館から離れていくばくか。

途中で色々聞きながらある場所に向かっていた。

なんでも、そこには辺り1面の花畑。

とても良く手入りされていて、眺めるだけなら絶景だそうだ。

 

.......そう、『眺める』だけ、ならば。

 

少しでも足を踏み入れれば、花畑にまた一つ、真っ赤な花火が上がると言う。

それを成すのは一人の女性。

 

危険妖怪『風見幽香』

別名、『四季のフラワーマスター』

......まぁ?敵対する気なんてありませんが!!!

花畑かー....。楽しみだな!!

 

「さぞかし絶景なのだろうな!!フハハハ!!!!」

 

「あやや!?何ですかあのスピードはぁ!?」

 

ん?何か聞こえたか?気のせいか。

さて!!目指すは太陽の花畑!!!

風見幽香の住処へいざゆかん!!

 

 

 

 

 

「......ここだなっと」

 

適当な木の上に立つ。

それとなしに前を向くとそこには.....。

 

「これは......たまげたなぁ......」

 

広がるのは花、花、花。

広大な広さに綺麗に並べられた黄色い花。

それも、全てが太陽に顔を向けている。

向日葵。それもかなり背が高い。

人1人は軽く隠れられるだろう。

 

「もう少し近くで見てみるか」

 

そう思って、木から飛び降りる。

しかし、それが間違いだった。

 

「よっと」

 

着地した場所は、まるで分けられてるかのように、ハッキリと土の色が変わった場所だった。

 

「あら、また人間かしら」

 

そして、近くに居た日傘を差した緑髪の女性と目が合う。

 

「......。」

 

「......な、何よ」

 

ま、まさか....。

内心混乱しまくっている。

た、確かここに住んでる妖怪って女性だったよな.....。

 

「まぁ、良いわ。

どうせ消えるんですもの」

 

その直後、空間を裂く様な蹴りが俺の首めがけて飛んできた。

 

「挨拶も無しにいきなり足を出すか.....。なってないな」

 

俺はそれを、反射で出した片手で軽く止めていた。

 

「あらぁ......。珍しいものね」

 

嬉しそうに嗤う女性。

 

「申し遅れた。私の名は天鬼だ。お前の名は?」

 

「死ぬ予定の奴に名乗る名は無い......なんて普段は言うのだけれど。どうもそうはいかないみたいね」

 

笑みが深まる。

獰猛な、とてもとても楽しそうな笑みに。

 

「私の名前は風見幽香。四季のフラワーマスターなんて呼ばれているわ」

 

あ、これ、ダメなやつだ。

こんな時の為のなるようになれの体制を取った。

 

「そうか。お前が風見幽香か。誤解しているのだろうが、別に私はここを荒らそうなどとは思っていない」

 

「知ってるわよ?でも入ったのなら等しく私の獲物よ」

 

「そうか、運が悪かったようだ」

 

「えぇ、そうね。運が悪かったみたいね」

 

風見幽香の足に力が入る。

ミシミシと嫌な音を立てるも、微動だにしない俺の手。

 

「ただこの向日葵畑を観光しに来ただけなんだがな」

 

「......ヒマワリ?」

 

足から力が抜けた。

まさか、知らなかったのか!?

 

「知らないのか?この花の名前を」

 

「えぇ。偶然種をもらって気に入った物だから」

 

それじゃあ仕方ないね。

親切な俺が教えてあげるとしましょう。

 

「そうなのか。この花の名は向日葵。字は向かう日の葵と書く」

 

「へぇ。sun flowerじゃないのね?」

 

うわぁ凄いネイティブ発音。

 

「そうとも言うが、向日葵の方が響きがいいだろう?」

 

「そうね。良いことを聞いたわ。ありがとう」

 

そう言って足を退ける。

ふぅ、やっと話が通じたか

そう思って前の花畑を見やる。

 

「......ッ!!」

 

すると、次は先程よりも勢いの乗った蹴りが風見幽香から放たれた。

 

「......。」

 

しかしこの体は何か思うようなこともなく、腕を払うだけで蹴りを押し返す。

 

「あらっ、やっぱり、貴方只者じゃないみたいね」

 

「そうだな......。では、お返しでもどうかな?」

 

そう言って、今度は俺が蹴りをかました

 

「なっ!?」

 

風見幽香は、ガードは出来た様だが、体は軽く上空へ吹き飛ばされた。

蹴りの衝撃で花畑が揺れる。

.......えぇ(ドン引き)

 

「......はぁ、わかった。やめにしましょ」

 

そう言って、風見幽香はゆっくり空から降りてきた。

 

「勝てそうにないもの」

 

「それもそうだろう」

 

天邪鬼最強説。

まぁ俺が強いわけじゃ無いんだが。

 

「あの子達の名前を教えてくれた礼よ。あの子達を傷つけないなら、自由に見ていって」

 

「あぁ、そうすることにしよう」

 

その後、花畑を見回ったあとに、風見幽香に挨拶をして去ろうと思った。

 

「これ、あげるわ」

 

「これは、向日葵か」

 

風見幽香が、一輪の向日葵をくれた。

 

「良いのか?」

 

「えぇ、貴方の元に行きたいって言い出したのはその子だもの」

 

どうやら風見幽香は花の声が分かるらしい。

 

「そうか、良い土産ができた。また来よう」

 

「えぇ、いつでもどうぞ」

 

俺はその場をゆっくりと飛び去った。




ゆうかりんデレすぎとか言わないでね!!(フリ)

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