ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第六話 ユウの作戦

「まずはこれじゃ」

 

そう言うと白夜叉は着物の裾から白と銀のカード取り出し、全員が立っている場所が光に包まれ一面氷だらけの世界に変貌した。

 

「自己紹介をしておこう儂は“白き夜の魔王”白夜叉」

 

「魔王!?」

 

魔王―それは強大な力を持つ最悪の象徴。

そしてノーネームを滅ぼした犯人である。

 

「「「・・・・・・」」」

 

「お前ら黙るな」

 

「まず試練のそなた達にはこの者の相手をしてもらおう」

 

その言葉と同時に白夜叉の後ろから大きな物体が現れた。

その姿は獣の中の獣。

獣の王者の風格を持つ幻獣―グリフォンであった。

 

『!?』

 

そのグリフォンがユウを見かけた瞬間、いきなり顔の色が恐れの色に変化した。

 

「ん?どうしたのじゃ?」

 

『・・・・』

 

「まぁよい。挑戦者は誰が行く?」

 

「私」

 

「春日部さん?」

 

「任せて」

 

そう言いグリフォンに近づき、

 

「あ、そうだ。三毛猫出てきて?」

 

そう言うと耀の後ろから三毛猫が震えながら出てきた。

 

「ほら、三毛猫近くにいると危ないよ?」

 

『そうは言ってもお嬢!アイツが怖いんや!!』

 

「アイツって・・ユウの事?」

 

「ん?俺?」

 

『そうなんや!なんかアイツがいると震えて来るんや!』

 

今更だけど耀は動物と会話が出来るのだ。

但し他の人達はそんな能力を持っていないため二人(一人一匹)の会話が分からないのだ。

 

『お前もなのか』

 

『あんさんも?』

 

『あぁそうなのだ』

 

「なんか面白い話してそうじゃねぇか」

 

『『!!??』』

 

「でも早くゲームを始めてくれ」

 

「それもそうじゃ。お主はこのグリフォンに乗って氷の山脈を超え、ここに一周して戻ってくる事が出来ればお主の勝ちじゃ」

 

「分かった頑張る」

 

『お嬢~!頑張れや!!』

 

「うん!」

 

そしてグリフォンと耀はそのまま飛んでいった。

 

「うんどうしようかな」

 

(ユウ様~)

 

(ん?ヴィテかどうした?)

 

(ここからの誘導のお知らせです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お嬢~!!』

 

「大丈夫だよ三毛猫」

 

耀はなんとかクリア出来たようだ。

しかし驚いた。まさかグリフォンの力を使えるようになる力だとは思わなかった。

 

「さて、見事試練はクリアじゃ」

 

「さぁ帰るか」

 

「帰すとおもうか?」

 

「デスヨネー」

 

「さて、ここからは決闘するのじゃ」

 

「じゃあ」

 

「始めよう」

 

今ここに白き魔王と白き人外の戦いが、

 

「それじゃあ」

 

「行くぞ」

 

始まっ・・・・

 

「ギh「参った」・・・・は?」

 

らなかった。シューリョーの時間である。

 

「さて、帰るか」

 

「待てどう言うことだ」

 

「だから降参だよ」

 

「そんなことが許されると思っているのか」

 

「だから俺は敗北したからお前にある権利をやる」

 

「権利?」

 

「“俺がお前の手下になる”でどうだ?」

 

「なんだと!?」

 

「ユウさん!?」

 

「どうだ?十六夜並の戦力が手に入るぜ?」

 

「・・・・お前はそれでいいのか?」

 

「いいぜ」

 

「良かろう、ならば今からお前は儂の手下じゃ」


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