ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ 作:神崎優
「士道のご飯がメチャメチャ旨かった」
「でしょー!兄様のご飯は最高なんですよ!」
「照れるからやめてくれ」
「はいはい、士道えらーい」
「こ、琴里・・・」
「・・・で?何処から話せばいいかな?」
本題はそこである。
琴里が何も無しにこちらの家に寝泊まりしろとか何かあるに決まってるよ。
こういうやつうちにもいるからなんとなくわかんだよ。
誰なのかって?
アンの事ですが何か?
「まず貴方達が何が分かったのか知らなければならないわ」
「あー、そこからか」
「そうよ」
「それはかくかくじかじか」
「まるまるうまうま、って分かるか!!」
「デスヨネー」
知ってた。
「貴方人間じゃなかったのね」
「何が分かったのか説明してたのに何故そこに関心を持った?」
「ユウさん達の戦闘スタイルを知りたいです」
「お?さては真那~。
お前戦い好きだな?」
「戦闘勉強は基本でいやがります!」
「お前とは気が合いそうだ!」
「おーい、脱線してるぞ~」
「おっと、戦闘スタイルだったな
基本的に簡潔的に言えば、
俺が近・中距離型
ロウウィが近距離型
零が中距離型
ヤマトが中・遠距離型
レオンが近・遠距離型
ミーレスが万能型だ
本来の武器じゃない飛び道具は抜かしてるからな」
「レオンのところ普通に中距離と言いなさいよ」
「ツッコムとこはそこなんだな」
「にしても零って私が相手したやつよね。
弓も使ってたのはそれでか」
「ん?弓使ってたとき琴里はどう戦ってた?」
「炎で燃やしてた」
「ダイナミック~」
「うるさい」
「すいません」
「真那も戦ってみたかったであります!」
「どっかの提督か!」
「ていうか真那は戦えるのか?十香達のような霊力感じないけど」
「この子はASTという
「最強は誰だ?」
「知らなくていいですよ」
「真那・・・嫌なやつなのかそいつ?」
「・・・はい」
どの世界でも強いやつは嫌なやつなのか。
また新しい知識が知れたな。
でも戦ってみたい気持ちの方が強すぎるな。
・・・会えないかな?
「まだ聞きたいことがあるわよ」
「ん?なんだ?」
「貴方が何で反応したのかよ」
「・・・精霊の武器は天使なんだよな?」
「えぇ、そうよ、私達と同じ霊力を宿しているわ」
「それなら反応してもおかしくないな」
「どういうことだ?」
「俺の種族に天使があるからだ」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「沈黙辛いからやめてくれぇ!!」
「で?名前は?」
「は?」
「天使の名前よ!私の
「あ、あぁ~成る程」
少し50分くらい悩んだ後、
「・・・うん、こんなのだな」
「じゃあどうぞ」
「あぁ、俺の天使の名は
≪
「どんなの?」
「腕に装甲が着いて、それに剣と羽のオブジェが四つ着いてる感じだ」
「能力は?」
「羽のオブジェが変化して、それに伴って剣に付与効果が発揮するタイプだ」
「臨機応変タイプね・・・キメラのあんたに似合ってるじゃない」
「だろ?」
「戦いなら真那や私達が相手するわ」
「全力でやりますよ!」
「それよりもう寝ろ三人とも~」
「「「はーい」」」
一方、別の方にて五河家を監視している者がいた。
それは前の世界の箱庭にて白夜叉にどう動くか説明していた謎の多い少女――ヴィテであった。
ユウ達と似て異なる方法でこちらの世界に飛んできたようである。
流石に人外過ぎだと思うが。
「どうやら私がご説明しなくてもちゃんと五河士道さんに出会えて、協力関係になれたみたいですね」
まぁ、こうなるのは分かってましたけども、とヴィテは悠々とそのような言葉を発していた。
ヴィテの能力は謎の塊のようなものではあるが、二つだけ分かっていることがある。
一つは、彼女がユウよりも強大な力を有していること。
もう一つは、彼女は未来の世界を常に見ることが出来るという事である。
「・・・そこのお方、少しお話をしなせんか?」
ヴィテは自分の後ろに向かって声を飛ばす。
『きひひ・・・なぜ分かったのですか?』
「私は未来を見れるのですよ
ヴィテの後ろの影から、ヤマトに「いともたやすくおこなわれるえげつない行為」を行った狂三が出てくる。
しかも、天使と霊装を纏った状態で。
「用件はなんですか?」
「あなたのお命・・・というのはどうでしょう?」
ヴィテは落ち着いた雰囲気で辺りを見渡してみるが、そこには狂三の分身達が自分に銃口を向けて取り囲んでいた。
まさに袋のネズミ状態である。
これならまだ良かったのだが、どうやら空にも伏兵が隠れているようで、完全に逃げ道を失っていた。
「さぁ?どうされますか?」
「・・・ふぅ」
ヴィテは一度溜め息を吐いた後、
「
「・・・はっ?」
狂三が驚くのも無理がない。
何故なら目の前の光景がとてもじゃないが信じられない状態になっていたからだ。
自分の分身達が何故か全員
その中心には、両手で逆手持ちしている二本の短剣が持たれていたヴィテが居たため、その剣で首を切ったかと思ったが、ヴィテはその場から
――化け物。
たったの一言がそう頭の中を走っていった。
精霊である狂三でさえも見えない速さで切ったということなのか。
それとも、ただの能力なのか。
「それで?」
「っ!!」
「話し合いを・・・しましょうか?」
戦慄。
自分と同じ両目、自分と同じような能力、圧倒的な力の差、何よりも自分では勝てないという事を初めて思い知らされた瞬間である。
「貴方・・・名前は・・・」
「・・・アルカヌム・ヴィテ。
かつて心の無い殺人鬼として改造され、後に大量の人達を虐殺し、あの方達に救われて、今はあの方達のお手伝いをしています。
ただの・・・人殺しです♪」
「ヴィテ相変わらずおっかね~」
「怒らせると恐いってこういう感じなのか?」
「生命の危機じゃん」
「ユウはどうやって勝ったの?」
「えっと・・・」
「・・・まさか」
「か、勝てませんでした(汗)」
「「「「「ダサっ」」」」」
「じゃあ勝ってみろよお前ら!」
「相変わらず楽しそうですねユウ様♪」
「大丈夫!100戦1勝99敗だから!」
「・・・勝率1%じゃねぇか」