ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第二話 旅の目的

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「お疲れさん黒ウサギ」

 

「お疲れさんじゃないです!集団暴力も良いとこですよ!?」

 

素敵な蒼い色の髪をなびかせながら黒ウサギは怒りしかない言葉を浴びせてきた。

 

「とりあえず説明頼むぜ」

 

十六夜は完全に堪能しきった顔で黒ウサギに催促する。

・・・そんなに良かったなら俺もやっとくべきだったかな?

 

「き・こ・え・て・ま・す・よ!」

 

「うぉ!?マジかよ!」

 

マジでか(汗)このウサギ只者じゃない!

 

(だまらっしゃいこの腹黒様!!)

 

(コイツ直接脳内に!?)

 

と、まぁネタはほっといて。

 

「コホン・・・それでは改めまして!ようこそ箱庭の世界へ!」

 

正直に言っちゃうと説明聞くより実体検した方が俺自身覚えやすいし、分かりやすいんだよね。

黒ウサギごめん。

 

するとユウの耳に着いてた耳飾りに着いていた水晶ががユウの耳の穴に勢いよく入っていった。

 

(ん?通信か?)

 

実はこの耳飾り通信機能付きの耳飾りなのだ。

いったいどんな原理で動いてんだか。

 

(はーい。もしもーし)

 

(ユウ様ですか?)

 

勿論これは心の中で話しています。

え?どうやって話してるかって?

・・・・・・・・・企業秘密?

 

(って、ヴィテじゃないか!)

 

(そうですけど?どうかされましたか?)

 

(あぁいやなんでもないや)

 

ちなみにこのヴィテというのはかなりの実力がある女の子である。

どんぐらい強いか?俺が手も足も(・・・・)出ないぐらい強い!・・・いやマジだよ?俺勝てないんだよ?

 

(で?どうした?何か見えたのか(・・・・・)?)

 

(全くもってその通りでございます)

 

ヴィテの能力は役に立つな~ほんと。

 

(実はそれとは別にもう一つありまして)

 

(ん?なんだ?)

 

(あの方が逃げました)

 

その瞬間俺の思考が一瞬だが完全に停止した。

 

(・・・マジ?)

 

(おおマジです)

 

(冗談だよね?)

 

(真実です)

 

(ほんっっとうにアイツ逃げちゃったの?)

 

(そりゃあもう清々しいくらいの勢いで)

 

だーっ!またかよあんにゃろう!アイツなんで逃げるんだよ!イジメか!?新たなるイジメなのか!?今度こそ取っ捕まえて鎖で縛って手足に杭を刺して頭を粉砕☆玉砕☆大喝采してやる!!!

 

(さ、流石にやりすぎではないでしょうか?)

 

(ヤァァロォォウブッコロシテヤァァァル!)

 

(本題に移らせてくださいね?)

 

(ヒィッ!?)

 

うんヴィテは恐いわ。

 

(それであの方は今はそちらの世界(・・・・・・)にいますよ)

(そうかそう・・・か?・・・は?)

 

(えっとですね、そしてこちらが本題です)

 

(お、おう!!(汗))

 

思わず叫びそうになったけどここはグッと堪える。そうしないと殺される主にヴィテに。

 

(実はこことは違う世界に破壊が訪れるようです)

 

(・・・単体か?複数か?)

 

(複数でございます)

 

(それぞれの場所は?)

 

(特定は出来ていますがそちらの世界からでは秋頃にならなければ移動は出来ません)

 

秋頃・・・この世界の季節は春のようだな。

植物(・・)達から聞いたからな。

でも信用性が少しなさそうだな。

 

(ですからこれからユウ様にはこのような行動をとってもらいます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・分かった」

 

「何がですか!!」

 

「ウワッ!?黒ウサギ!?」

 

「ちゃんと聞いてましたか!?」

 

どうやらヴィテと会話してたら黒ウサギの話が終わってたようだな。

 

「もうみなさんクリアしてしまったんですよ!」

 

「え?何を?」

 

周りを見てみるとユウ以外のメンバー八人は手にトランプの絵札を一枚ずつ持っていた。

クリアしたということは、

 

「つまり残り四枚の絵札を一発で引かないといけないということか」

 

「なんで最後まで聞いてなかったんですか御馬鹿様!!」

 

ペシーンっと、ハリセンで叩かれた。

黒ウサギどっから取り出したし。

 

「じゃあ引くか」

 

と言って台の上のカード一枚手に取る。

 

「え!?いきなり!?」

 

十六夜・飛鳥・耀は失敗したなと確信した。

ロウウィ・零・ヤマト・レオン・ミーレスはあのやろうと口を揃えて言った。

 

「・・・」

 

「えっと・・・ユウさん?」

 

「ほい絵札」

 

そう言って黒ウサギにカードを渡すとそれはなんと残り四枚しかない絵札のカードであった。

 

「えぇ!?どうしてですか!?」

 

「勘だ」

 

世の中において絶対的に信用出来ず、なおかつ絶対的に信用されるもの!それが勘だ!!

 

「むぅ~、なんか納得出来ませんけど一応皆さんクリアということになります」

 

・・・実はある細工があったんだけど言わないでおこう。

 

「そうだ黒ウサギ一つ質問に答えろや」

 

十六夜が待ちくたびれたかのように黒ウサギに質問する。

 

「え?」

 

その内容はユウの心をたぎらせるものだった。

 

「この世界は・・・面白いか?」

 

 




全員がどんな絵札を引いたかは書きません。
だって面倒なんですもん(´・ω・`)

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