ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第二十六話 ラタトスク

「で?あなた達は何者なの?」

 

「捕まえておいてその質問はどうなんだよ」

 

俺達(ペスト除いて)は、赤い髪の少女――五河琴里(いつかことり)から事情聴取という名の尋問を受けていた。

何せ俺達(ペスト除いて)が揃って捕まってしまったからね。

しかも俺は気絶してたからここが何処なのか全然全く分からん。

 

「まず本気出せよお前ら」ボソボソッ

 

「「「「「なんか・・・ねぇ?」」」」」ボソボソッ

 

「き・い・て・る・の!!?」

 

ヤベッ、怒らせちゃったよ。

 

「まぁ話したくないならそれでいいわよ?・・・そうしたら」

 

「そうしたら?」

 

「切り落とすから」

 

「何を!?」

 

しかも両手で斧構えてるじゃん!!

殺る気満々!!?

流石に笑えないよ!?

ほらー!!そこのあなたのお兄さん横で青い顔しながらガクガクブルブルって震えてるよ!?

 

「ちょっと待ちなさい!あなたどうして士道(しどう)が私の兄だって分かったの!?」

 

「え?そこ気にしちゃう?ていうか心を読むなよ!俺だけの特権だぞ!」

 

「心を読めるの!?」

 

「あ、マズッ」

 

これを墓穴を掘るって言うんだね!

分かるとも!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇー?異世界からの旅人ねぇ~?」

 

脅迫しておいて信用しきってねぇなこりゃ。

でも俺達は手錠で拘束されてるけど、これ簡単に壊せれるな。

隙を見て逃げるか。

 

「これは士道とはあまり関係が無さそうね」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「敵に教える情報は無いわ」

 

・・・にゃろう、仕方ねぇな。

 

「教えろ」

 

「嫌よ」

 

「教えないなら、」

 

「教えないなら?」

 

「・・・昨日士道の歯ブラシを間違って使ってs」

 

「わー!!わー!!わぁー!!!」

 

「え?俺の何?」

 

「エイッ!!」

 

「グフッ!?」

 

士道の腹に琴里の見事な飛び膝蹴りが決まったー!!

これは効果は抜群だー!!

自分の兄に対しての仕打ち酷すぎねぇか!?

士道疼くまってんだけど!?

 

「・・・分かったわよ、教えるわ」

 

「俺も士道がこれ以上死ぬような事にならなければそれでいいよ、じゃないと死ぬ」

 

何気に酷いこと言ったな俺も。

 

「私達がどんな存在なのか分かってるわよね」

 

「俺達が説明してたときお前らが話してたな」

 

「そう・・・士道は私達――精霊の霊力を封印出来る力があるのよ」

 

「はぁ!?お前そんな力があったのか!」

 

「黙って聞きなさい」

 

「すいません」

 

「コホン・・・だけど今朝事件が起きたわ」

 

「?」

 

「士道の霊力が突然逆流したのよ、私達精霊達にね」

 

「へぇー」

 

「・・・でも不思議な事に士道に霊力がまだ宿っており、私達は私達で封印されてる状態のまま、霊力を使えるのよ」

 

「ん?別に問題なくないか?」

 

「そうもいかないわ、いつ暴走するか分からないもの」

 

「それもそうか」

 

「それに士道によると天宮市の上空に何か(・・)ある、と言ってきたのよ」

 

「上空?」

 

そんなの見えなかったけどな~?

 

「どうやら士道だけにしか見えないみたいだし、その直後にあなた達の反応を感知したからこうして連行してみたのよ」

 

「・・・」

 

「で?何か分かったかしら?」

 

「・・・ユウ」

 

「ん?どったの零」

 

「これって・・・聖杯?」

 

「デスヨネー」

 

うん、そんな超現象引き起こせるのは聖杯ぐらいしか無いわな。

まさかこんな形で変化を入れてくるとはな。

例えるなら、カーブのはずなのに回転がストレートみたいなもんだ。

・・・打てるかそんなの!

 

「あー、多分それの原因俺達知ってるわというか原因それしかなさそうだわ」

 

「あなた達の仕業ではないのね?」

 

「むしろお前らのその原因を取り除きに来た感じだな」

 

「・・・少し信用出来たわね」

 

「それでも少しかよ」

 

「じゃあこれから私達と行動してもらうけどそれで構わないわよね?」

 

「雨を凌げて、食料があって、好き勝手出来て、安心して寝れる所があるなら喜んで」

 

「決まりね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういやさ」

 

「何よ?」

 

「琴里って士道の事すk」

 

ゴキッ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ暫くはこの精霊マンションで過ごしてもらうわ」

 

「これお前らが建てたの?」

 

「そうよ?」

 

「「「「「「ラタトスク機関パネェ!」」」」」」

 

「それとユウは私達の家で過ごしてもらうわ」

 

「え?なして?」

 

「もっと聞きたいことがあるからよ」

 

「成る程・・・お前ら~」

 

「「「「「?」」」」」

 

「ペスト反応してないな・・・お前らの用意された部屋だが」

 

少し重い空気に変えてから・・・。

 

「魔改造して良いからな」

 

「「「「「任せろ」」」」」

 

ヘイジョウウンテンマッタナシ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お世話になりま~す」

 

「「お世話しま~す」」

 

んまぁ、軽いノリで五河家に入っていったら、

 

「あ、兄様お帰りなさい」

 

士道に瓜二つ(左頬にほくろがついてるが)の少女がいたよ。

兄様って言ったから一瞬アンかと思ったよビックリしたな~。

 

真那(まな)!?あなたまた検査すっぽかしたわね!」

 

「ゲッ!?琴里さん!マズッ!!」

 

「に~がすか~!!!」

 

・・・えーっと、真那って言う子を琴里が物凄い形相でおいかけっこを開始し始めた、と言えばいいかな?

 

「士道・・・」

 

「・・・なんだ?」

 

「お前も・・・大変な妹を持ったな」

 

「・・・あぁ」

 

この日を境に士道と何か仲良くなれた気がしたよ。

 

「いい加減逃げないでちゃんと検査を受けなさい!!」

 

「兄様に会うためなら例え火の中、水の中、琴里さんの中!逃げ切りますよー!!」

 

「逃がすかこのバカ!!」

 

・・・俺今日からこの家で暮らすんだよな?

心配になってきたよパト○ッシュ・・・。




今回はかなりネタしかなかったかな?

ネタが少し無かったから是非もないよネ!!

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