ただの旅人と愉快な仲間達が異世界から来るそうですよ   作:神崎優

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第十七話 魔王襲来の知らせ

十六夜・黒ウサギ・ユウがサラマンドラに事情聴取を受けているその頃、

 

「もうおいかけっこ関係なくなったな」

 

「当然よ十六夜君があんな派手なことをしたのだもの」

 

「むしろ私は何故止めなかったか分からないのだが?」

 

「「だるかったから」」

 

「そうか」

 

オッス!オラ、レオンって言うんだ!ユウ以外のオリキャラがこんなことするのは俺が最初だぜ!

あっ、俺は俺って、呼ぶからな?

オラっていうのはノリで言ってみただけだからな。

んで、俺たちはなにをしてるかというとクレープ食べてんだ。

あのあとクレープが旨かったからまた買って二人に事情を説明したあとこうして三人でクレープを食べながら街を歩き回ってんだ。

多分ユウがキレるだろうけどな・・・クレープ食えなくて。

そうそう、俺のあとにユウ以外のオリキャラもこうやって会話するだろうから楽しみにしてくれよな。

 

「そういえば貴方のギフトはいったいどんな能力なのかしら?」

 

「そういえばユウ以外はあまり戦ってる姿は見ないな」

 

「俺のギフトの“重力圧縮(グラビトン)”は、名前通りの能力さ。

一つの物体の周囲にある重力をその物体の一点に集中させる力だ」

 

「つまり、重力で押し潰すギフトなの?」

 

「いや?ユウのおかげで色んな使い道があることが分かったんだ」

 

「ほんとに何者なのだアイツは」

 

「この“重力圧縮”で出来るのは、物体を押し潰す・物体を破裂させる・物体に助力することが出来るんだ」

 

「いったいどうやってるの?」

 

「質問ばっかだな・・・破裂させるのは只能力を解除すれば元に戻ろうとする力を利用して破裂させてんだよ」

 

「確かにそれなら納得がいきそうだが・・・」

 

「助力はどういう事なの?」

 

「まんまさ。重力を集中させればそれだけ威力が増すだろ?」

 

「「へぇ~」」

 

「まぁユウならもっと変な方向に能力を応用しそうだけどな」

 

「あのギフト欲しいわね、瞬間移動なんて羨ましいわ」

 

「それだけならまだ良いのだが・・・お前は“始終”について何か知っているか?」

 

「言っていいのかな~・・・どうなんだろうな」

 

「そんなに秘密な能力なの?」

 

「いや?そうでもないぜ。ユウの“時空間移動(ワームホール)”と似た能力だからな」

 

「あれと同じなのか?」

 

「それも飛びっきり卑怯な能力」

 

「アイツはなんでそんな力を持っているのだ」

 

「キメラだからだろ?」

 

「納得だ」

「納得よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?お主等は何故こんなことになってしまったか分かっておるのか?」

 

「十六夜と黒ウサギのせいに決まってるだろ」

 

「お主最初の約束は何処に言ったのじゃ?」

 

白夜叉の言葉に対して、ユウは、?の顔をする。

確かに問題を起こしたのは十六夜と黒ウサギである。

元々は二人がおいかけっこを始めてしまったのが原因である。

・・・いや、それ以前に黒ウサギにあのような手紙を出したから怒って追っかけて来たんじゃないだろうか?

そして俺達はそのまま逃げ始めた・・・あれ?もしかしなくても俺にも責任がある?

 

「もしかしなくてもお主には最初から責任があるに決まっておろう」

 

「え!?俺何もしてないよ!?」

 

「黒ウサギに農作業任せたじゃろう」

 

「・・・あっ」

 

「そうです!ユウさんにも責任があります!!」

 

「黙ってろ黒ウサギ」

 

「ええィ!いいから早く答えろ!誰の仕業だ!」

 

「俺達のせいだな」

 

今キレているのは、“サラマンドラ”の参謀であるマンドラという男である。

このような問題を引き起こしたからこの男に事情聴取を受けているのだ。

早くクレープ食べに行きたいのにめんどくさいな。

 

「そういや白夜叉。俺達に何か頼もうとしてたよな?あれはなんだ?」

 

「無視をするな!」

 

「確かにそれも問題なのじゃが・・・」

 

「・・・何かめんどい事件か?」

 

「うむ。ある人物(・・)から教えられての。ここにあまりよくない未来が見えたようじゃ」

 

「よくない未来?」

 

「・・・ん?」

 

「その内容がこうじゃ。・・・〔魔王襲来の恐れ有り〕だそうじゃ」

 

「魔王だと!?」

 

魔王とは、この箱庭にてとてつもない力を持っている者達の事を指す意味にもなるし、災厄とも呼ばれる者達でもある。

そして、“ノーネーム”をあのような弱小コミュニティに変えた原因でもあるのだ。

 

「つまり、それを俺達ノーネームに頼みたいというわけか」

 

「そんなものノーネームに勤まると思っているのか!!」

 

「思っておるからこうしてお願いしているのじゃ。・・・それにこのユウは儂の部下でもある。期待は出来る筈じゃがのう?」

 

この上司・・・俺の事をスープの出汁みたいに扱ってやがるな。

いいぜ、そっちがそういう事をするなら乗ってやってもっともっとハードルあげてやるよちくしょうが。

 

「今んところ負け無しだからな~魔王も楽勝に勝てちゃいそうだな~」

 

「・・・何?」

 

おぉ~マンドラが反応してるしてる~。

もっとあげてみようか。

 

「なんだったらサラマンドラも守ってやるよマンドラさん?」

 

「キサマ!私を怒らせようとしてるのか!?」

 

「あれあれ~どうしたの?天下のサラマンドラの参謀さんがノーネームのメンバーに対してまるで馬鹿にされたかのような反応しちゃってさ~。あの自慢げにいたのは全部演技だったのかな~?」

 

「黙れ小僧!それ以上言えば只では済まさんぞ!!」

 

「それだけ大口叩けるなら結構。なら全部(・・)守れよ?それが出来れば前言撤回してやるよ」

 

「いったいどちらが大口を叩いているのだ!?」

 

「俺は自分の実力に自信がある。でもあんたはどうなんだよ」

 

「っ!」

 

「・・・」

 

「いいだろう!もし魔王と戦うとき、そのときは全力で魔王を叩き潰そう!そのあとはその首を晒し無様に焼き払ってくれよう!!」

 

「よし話は終わりだ俺のはな。後は頑張れ十六夜と黒ウサギ」

 

「ちょ!?置いてかないで下さい!!」

 

「じゃあなユウ」

 

「おうじゃあな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ~」

 

今俺は温泉・・・しかも露天風呂に浸かっている。

あのあとクレープ食べようと思ったけど時間も時間だし、戻ってきて宿のある旅館に入りそのまま風呂に直行して今に至る。

それにしてもマンドラさんかなり怒ってたね~。

演技とはいえあそこまで言いまくったのは久しぶりじゃないかな?

まぁ、半分は本気だったんだけども。

白夜叉の魔王襲来の知らせはとりあえず信じても平気だろう。

何故ならアイツ(・・・)が動いてるなら100%信じきれる。

それほどまでにこの知らせがどれだけ大事(・・)なのかよく理解させられる。

こんなことはだいたい非常事態(・・・・)の可能性が高いからそれの対処をしなければならないからだ。

 

「で?いつ入ったお前等」

 

「「「「「ついさっき」」」」」

 

いつの間にか、ロウウィ・零・ヤマト・レオン・ミーレスが露天風呂に入ってきていた。

ほんとにいつ入り込んだんだよ。

 

「そうだユウ」

 

「なんだレオン?」

 

「クレープ旨かった」

 

「よしそこで正座してろその頭叩き割ってやる」

 

「レオン!ヤマト!ロウウィのタオル脱がせるぞ!」

 

「「了解!」」

 

「だるい~」

 

「ははは・・・」

 

ウンオレタチヘイジョウウンテンノヨウダナ~。

 

「そういえばまたなんか戦いでも起こるのか?」

 

「やっぱ感づいちゃう?」

 

「そりゃあね」

 

「まぁ簡単に言えば起こる」

 

「簡単にし過ぎだわ」

 

「でもよ・・・俺達なら負けねぇだろ?」

 

「「「「「当たり前だろ」」」」」

 

「よし、OK!」

 

すると、キメラな為聴力が良いのか女湯の方から何やら声が聴こえてきた。

その内容は、

 

「やはりその肉体美は芸術の域に達するの?それほどまでの肉体を持ちながら己の価値を全く理解してないとは嘆かわしい事であるがやはりそれはその魅力も存在する!そのような無知な肉を調教し、どんなときでもぶべらぁ!?」

 

・・・カコーン、というとても清々しい桶の当たる音が聴こえた後、恐らくだが白夜叉はそのまま風呂に後ろからダイブしたのだろう。

あの白ロリヘンタイだったのか。

上司の新しい情報が得られた所で、

 

「・・・俺はなにも聞いてない。

上司が馬鹿だったということしか俺は知らない」

 

「なに言ってんだよお前は」

 




「この小説は18禁を目指してもおりませんし、15禁にしようとも思ってはおりませんのでどうぞそこのところご理解頂ければ幸いです!」

「少し手遅れな気がしないでもないと思うのだけどな」

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