LIBERAL TAIL   作:タマタ

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第14話: 終戦

ラグードが放った驚愕の発言。その言葉にナツは声も出ないほどにまで驚いていた。

 

「評議員を潰すだとぉ!?」

 

「あぁ、そうだ」

 

「なんで、んなことすんだよ!!!」

 

「4年前だ。俺たちのギルド、空の運命(スカイデスティニー)ができたのは・・・」

 

 

 

 

 

 

「なぁ、クウザ」

 

「なんだよ、ラグード」

 

ラグードとクウザと呼ばれた男は空が広大に広がり、森や山が夕日に照らされている絶景の丘に二人だけで座り、その景色を眺めていた。

 

「俺達でよぉ、ギルドをつくらねぇか?」

 

「ギルド?魔導士達のか・・・?」

 

「あぁ、そうだ。そんでよ、もうギルド名は決まってんだ・・・」

 

「なんつーんだよ」

 

クウザは少し恥ずかしがりながらもひと呼吸終えてから、口を開いた。

 

空の運命(スカイデスティニー)っつーんだ。空の運命はよぉ、自由で、限りなく、無限に広がってんだろ?そんな運命みたいに俺達も自由に、限りなく、無限に旅をするんだ」

 

「いいじゃねーか」

 

そして、また二人は頭上に広がる、果てしなく続く空を眺めたのであった。

 

 

 

そして、また時は流れ、空の運命(スカイデスティニー)が正規ギルドとして任命され、1年が経った時くらいだった。

ギルドは空飛ぶ要塞。唯一無二の空飛ぶ要塞として、空の運命(スカイデスティニー)はその名を世界に轟かせた。

ラグードは最愛である妻、シイナと親友のクウザと楽しい日々を送り、生活はより豊かになり、やがて、ギルドメンバーは100をも超えていった。

 

しかし、ある事件が空の運命(スカイデスティニー)を襲った。

評議員が放った砲撃が空の運命(スカイデスティニー)の要塞のエンジン部分に直撃し、要塞は墜落した。

多くの仲間達が亡くなり、そして、最愛の妻までもが失われた。途方に暮れた残された仲間達は評議員を恨んだ。ラグードの懸命な抑えで仲間達は評議員に襲撃をすることを止めた。

 

 

 

時は戻り、現在の時へ。

 

 

 

「あん時は必死だった。妻を亡くしたはオレはどうすることもできなかった。あのあと、すぐに評議員は俺達に謝罪してきたぜ。だがよぉ、そのあとだ。・・・アイツ等は俺達のギルドは原因不明の墜落事故として報道しやがった!!!!」

 

「!!?」

 

ナツはその言葉に驚きを隠せなかった。

 

「そして、俺の仲間達は評議員に襲撃をした。だが、仲間達はことごとく殺され、やがて、俺達は追放された。だが、それに抗ったクウザは殺されたッ―――あれからだ・・・オレは評議員を潰すことだけを考え、牢獄のなかで評議員を恨んだ!!!!」

 

怒り狂うようなラグードは拳を思い切り握り締め、食いしばった。

 

「そして、天の魔力の膨大な魔力を注いだ。この遺跡に眠る空間までも消滅させる大砲を手に入れた。この砲撃でオレは復讐する!!!評議員になぁあ!!!」

 

「ふざ・・・けんなよ・・・」

 

「あぁ?ふざけんてるの評議員の方だろーが!!!オレはただ仲間のために復讐しているだけだ!!!俺だけが幸せになれず、ただオレは幸せを求めているだけなんだよ!!!!邪魔するなぁぁあああ!!!ナツゥウアァァア!!!!」

 

「これがお前の幸せかぁぁあ!!!!ラグゥウドォオォォオオオ!!!!」

 

互い怒声をあげ、殴りかかる。

 

「うらぁぁああぁっ!!!」

 

ナツが1秒ほど速く、頬を殴り飛ばした。

 

「ごあぁっ!!!」

 

「お前の好き勝手にはさせねーぞ・・・。ラグード!!!」

 

「ほざけ!!!魔力のねぇテメェになにができる!!!」

 

「仲間がいれば、オレは強くなる!!!」

 

ナツが上げた偉大な咆哮に少したじろいたラグードだが、すぐさま、気を取り直し、魔法を放つ。

ラグードの足元から急激に生えた蔓達はナツめがけて襲いかかり、ナツの頭上から包むようにして放たれた。

 

「ぐぅぅ・・・なめんじゃねぇぞ・・・・・・オラァア!!!」

 

「なっ!!?」

 

ナツはそれを横薙に腕をふるって蔓を引きちぎった。

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

「ゼェ、ゼェ」

 

 

 

 

「(ナツ・・・)」

 

両手の指を絡め、必死に願うリーナは視界の端に僅かに見えた魔水晶(ラクリマ)に気がつき、ずっと見続けていた。

 

「(あの魔水晶(ラクリマ)が私の魔力なら・・・みんなに・・・・・・私の魔力をっ!!!!)」

 

グレイ、エルザ、ルーシィの懸命に戦おうとする姿を見、リーナは決心の想いで魔水晶(ラクリマ)に取り込まれている自分の魔力を遠隔操作で仲間達に分け与えようとする。

横目で見るとナツが必死に死に物狂いで立ち向かう姿があった。1秒でも速く、みなに希望(まりょく)を与えるため、リーナは歯を食いしばり、両手に入る握力を強め、そして、魔力に願うように集中した。

 

「(お願い!!!!)」

 

次の瞬間、魔水晶(ラクリマ)が光りだす。

 

「!!?」

 

「な、なんだ!!?」

 

ナツ、ラグード、及びグレイ、エルザ、ルーシィ、ハッピーが驚く。

光は次第に膨れ上がり、増していく。

 

「お願いっ!!!みんなに私の魔力をっ!!!私の想いを!!!!届いて!!!!」

 

リーナの奮迅の叫び声は塔から周りの森へと響いた、次の瞬間、魔水晶(ラクリマ)はガラスが割れるかのような音とともに破裂した。そして、中からは光り輝く閃光の様な魔力が星のように輝きながら、4つに枝分かれし、仲間の元へと届いた。

 

「えっ?これって・・・」

 

「魔力が回復して・・・」

 

「魔力が元に戻っていく・・・」

 

「この魔力・・・温けぇ」

 

グレイ、エルザ、ルーシィ、ナツ、それぞれにリーナの魔力が届いた。四人を包んだ星のように輝く魔力は見る間に体の傷を癒し、魔力をどんどんと上げていく。

 

「あれぇ、オイラはぁっ!?」

 

自分に魔力が届いていないハッピーは自分の影の薄さに口を大きく開けて唖然とし、端に座り込んですねていた。

 

「オイラ・・・そんなに影薄いかな~・・・・・・」

 

ナツ達に魔力が注がれる光景にラグードは驚愕し、怒り狂った声で目を大きく見開き、顔のそこら中に血管を浮き上がらせ、血が出るほどにまで歯を食いしばって激怒の声を上げた。

 

「消えやがれェェェエエエエ!!!フェアリーテイルゥゥゥゥウウウウウウ!!!!」

 

「勝つのは俺達だァァァァァアアアア!!!行くぞォ!!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!!」

 

「これが最後の一撃!!!」

 

「全部、ぶつけてやる!!!」

 

「まだ、未完成だけど・・・やるしかない!!!」

 

全員、魔力を一斉に高め始めた。全魔力を解放し、全精力を相手にぶつける。

 

「ブースト!!!」

 

「ん!?」

 

「力、増幅の魔法よ!!やっちゃって!!!」

 

「おぉっ!!サンキューな!!リーナッ!!!」

 

ナツはそう感謝の言葉を言い残すとラグードを睨みつけた。

ナツの横をルーシィが横切る。

 

「行くわよ!!!星々の力は聖なる魔法を生み出す!!!」

 

ルーシィの頭上に星屑が一斉に集まり出し、やがて、その星屑は無数に増え上がり、その星屑達は純金の光に包まれる。

 

星屑の躍進(ヴァルナメテオ)!!!」

 

「ぅぐあぁぁああぁぁぁッ!!!」

 

純金の光を纏った無数の星屑はまるで、弾丸のようにラグードに放たれ、ラグードに猪突していった。

 

「ぬっ!?」

 

一気に詰め寄ったグレイが右拳を左の手のひらに押し付けると、凍える気が辺りを覆い尽くす。

 

「アイスメイク・氷創騎兵(フリーズランサー)!!!!」

 

「ぬぅわぁぁぁああっ!!!」

 

無数の氷でできた槍を高速で放ち、ラグードを次々と突貫していく。

 

「くぅぅう・・・っ!?」

 

すぐさま、後ろにラグードの背後に回り込んだエルザが白く天使のような鎧に換装し、その背に数本の剣を浮遊させている。

 

「天輪・三位の剣(トリニティソード)!!!!」

 

「がはぁあぁあぁッ!!!」

 

エルザは三角形を描くようにラグードを激しく切り裂き、エルザは倒れるラグードを背にしゃがみ込むように態勢を取った。

 

「ぅぐぐっ・・・こんのォ、餓鬼共ォォオ―――なっ!?」

 

ナツがラグード死角で深々としゃがみ込み、その状態から右手に豪炎を纏わせ、全精力を集中させ、殴りかかった。

 

「紅蓮火竜拳!!!!」

 

「ぐあぁぁあああぁあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ナツの右手に纏われた豪炎が拳の威力を増幅させ、激しい連続の火拳がラグードに放たれる。

 

「ぐぁぁっ―――がはぁッ!!!」

 

その後、何度も床に体を打ち付け、大木のように太い柱に激突し、柱とともにラグードは崩れ落ちた。柱の瓦礫によって埋もれたラグードを黙視した直後、ナツはその場に倒れ込んだ。

そして、そのまま、なにも言うことなく目を閉じたのであった。

 

「ハハハ・・・クハハハハハハッ!!!」

 

「なっ!!?アイツ・・・っ!!」

 

「まだ立つのか!!?」

 

「そんな・・・」

 

「ハァー、ハァ・・・ゼェ・・・」

 

「貴様等、ごときが俺を倒せるわけがねぇんだよボケェ!!!」

 

そう言うと、魔法を発動する。床が急に噴き上がり、ぐわっと曲がるとナツ達めがけて襲いかかってきた。

 

「ぐあぁぁぁぁッ!!!」

 

「きゃあぁぁっ!!!」

 

「うぎぃ・・・ちくしょお!!」

 

「これほどとは・・・!!!」

 

ラグードは大きく高笑いすると、ボロボロで立てそうもないナツ達を見て、また高笑いした。

 

「クハハハ!!!その程度かぁ!!?」

 

立ち上がる様子もない者たちにそう言うとラグードは手を翳し、魔力を集中させ、その手だけに魔力を増幅し始めた。

 

「終わりだァッ!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!」

 

「終わらねぇ・・・ぞッ!!」

 

「なっ!!?チッ、絶望しろォ!!!クソガキ共ォォォォオオオオ!!!!」

 

そう怒声を上げながら、頭に血を昇らせる。それに対し、ナツ、グレイ、エルザ、ルーシィ、リーナは死に物狂いで立ち上がり、鋭い目付きでラグードを睨む。

 

「絶望なんかしねぇ!!!俺達には仲間がいる!!!妖精の尻尾(ギルド)がある!!!俺達は一人じゃねぇ!!!いつでも仲間の想い背負って・・・・・・」

 

「ッうるせぇぇええッ!!!」

 

「生きてんだァ!!!!」

 

ナツが仲間の想いを背負い、仲間を背に向けて、ラグードの方へと駆け抜けていく。風を切り、床を削り、力を入れ、思い切り跳躍した。

 

「死ねぇぇッ!!!」

 

「ああぁぁぁぁあぁぁぁあああぁっ!!!!」

 

刹那、塔の先端は眩しく輝き、大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・フゥ・・・ハァ・・・フゥ」

 

煙が薄らと漂う中、立っていたのは――――――ナツだった。

それはつまり―――ナツの“勝利”を意味するモノだった。

 

「ぅぉおおおおおおおおおおおお!!!」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の勝利とともに終戦の境とし、ナツの大きな勝利の雄叫びが木霊したのであった。

グレイ、エルザ、ルーシィ、リーナ、ハッピー、そして、ナツ。それぞれが勝利という充実感を噛み締め、大いに歓喜したのであった。

 

 

 

 

 

戦いから少しの時間が過ぎた頃だった。

 

「お主の件、私が調べておこう・・・」

 

「は?何言ってんだ貴様・・・」

 

「もしも、主が言っていることが本当ならば、これは大きな事なのでな」

 

「クハハッ・・・。お人好しな奴等だ。余計なお世話だ・・・」

 

エルザはラグードとそう会話を終えると、情報を聞きつけた評議員の飛行船へと足を進めた。

一方、瓦礫から這い出てきたラグードは評議員に抵抗すらせず、その勇ましく、誇らしいナツ達の背を見つめ、微笑むと空を広大で晴れやかな大空を見上げ、綺麗に架かる虹を眺めながら、つぶやいた。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)・・・・・・か・・・」

 

「むっ、なにか言ったか?」

 

「なんも・・・」

 

呟いた言葉に評議員は問いかけるが、それを気のない返事で返したラグードはまた空を見つめ、天に語りかけるように心の中で呟いた。

 

「(これで良かったか?クウザ、シイナ、仲間達・・・)」

 

そう心の中で呟くラグードはとても快い笑顔で飛行船の中へと消えた。

 

 

 

 

 

ラグードの頭の中には幸楽だった過去をゆっくりと一つ一つ、思い出していた。

 

華のような笑顔のシイナ。

 

熱のように元気なクウザ。

 

虫のように荒れ騒ぐギルドメンバー。

 

そして、そこに太陽のように煌くラグードの姿があった。




~ LIBERAL TAIL
        Q&Aコーナー ~

ミラ「あら、質問きたのね」

ルーシィ「えっ、こないと思っていたんですか?」

ミラ「えぇ。この小説、人気どころか端っこのような存在の小説でしょ?」

ルーシィ・リーナ「えっ!!?ちょっとそれは・・・」

ミラ「それより、面倒くさいからさっさとやってしまいましょ。私、このあと、片付けあるから」

ルーシィ「は~い♪」


シュン様からの質問

1、一話からずっと気になっていました。LIBERAL TAILの“LIBERAL”とはどういう設定でつけられましたか?またどういう意味ですか?


ミラ「これね~」

リーナ「私、知ってます!」

ルーシィ「えっ、私知らな~い・・・」

リーナ「私が説明するね。LIBERALは自由っていう意味で、この小説は自由に執筆して、自由に作ったからそうなったみたいなの」

ルーシィ「へぇ~そうなんだ」

ミラ「そうね。簡単に言ったらテキトーに作った作品ね♪」

ルーシィ・リーナ「えっ!?(汗)」

ミラ「次ね・・・」


2、ルーシィが初めてフェアリーテイルに入った時の事が番外編として見てみたいです。


ミラ・ルーシィ「あららららら・・・(汗)」

リーナ「私これ知りたい!!」

ルーシィ「えっとねぇ。これ、どうやら考えていないらしいの」

リーナ「えぇぇ?」

ミラ「面倒くさいってことね」

ルーシィ「ま、まぁ、タマタ=作者さんも頑張ってみてはいるらしいけど・・・」

ミラ「ってことで次!」

リーナ「早っ!」


3、もう、フェアリーテイルに入るオリキャラは出ませんか?


ミラ「入るかもしれないわ。次!」

ルーシィ「ちょっと、ちょっと。早すぎですよ・・・ミラさん」

ミラ「だって早く片付けしたいもの」

リーナ「もう少ししゃべりましょうよ。ミラさん・・・」

ミラ「仕方ないわね。ドラゴンスレイヤーが入るって噂が広まってそうで広まってなさそうね」

ルーシィ「どーゆー意味!?」

リーナ「他はしらないんですか?」

ミラ「これ以上はタマタ=作者さんがネタバレダメ!っていうからできないわね」

リーナ「そうですか・・・」

ルーシィ「じゃっ―――」

ミラ「―――次!」

ルーシィ「言おうとしたのに(泣)」


4、リーナのプロフィールをお願いできますか?


リーナ「えっ、私?」

ルーシィ「これはちょっと、気になる」

ミラ「え~っと面倒くさいから次回やるわ」

ルーシィ「そんな面倒くさいとか、言わないでください(汗)」

リーナ「タマタ=作者さんが考える時間が欲しいらしいので私のプロフィールは次回に出します。私もまだ心の準備が・・・」

ルーシィ「リーナファンができたのかしら?」

ミラ「それはないわね」

リーナ「えぇ!!?」

ミラ「ホラ、さっきも言ったでしょ?この作品は人気がないからファンどころか、見てもくれてないだけよ?間違えてクリックしちゃったか、おもしがってクリックしたくらいよ」

ルーシィ・リーナ「(今日のミラさんなんか怖いっ!!!)」

ミラ「ってことで質問はおわりね。さっ、片付け手伝ってね♪」

リーナ「え、私、これからナツと仕事に・・・」

ルーシィ「私もこれから・・・」

ミラ「手伝ってね(怒)」

ルーシィ「あはは・・・はいぃ」

リーナ「はぃ・・・(ごめん、ナツ・・・)」





ナツ「リーナおっせぇなぁ!!何やってんだ、あいつ」

ハッピー「あい!」




リーナ「泣いてますぅ(泣)」

と、布巾を持ちながら食器を洗うリーナだった。

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