つよきす 愛羅武勇伝   作:神無鴇人

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波乱の体育武道祭、開幕!!

レオSIDE

 

 遂に始まった体育武道祭1日目(まぁ、俺個人にとっての本番は2日目だが)、天気は快晴、絶好の体育祭日和とはこの事だ。

体育武道祭は東西南北4つの軍に分かれて対決する竜鳴館トップクラスの大イベント。

それ故に竜鳴館は朝っぱらからお祭り騒ぎ状態だ。

さらに大規模なこの行事はローカルだがテレビ中継までされるからみんな張り切っている。

ちなみこの武道祭の目玉、団体戦『ドラゴンファイターズは』は特別行事なので2日目に行われる。

ルールはトーナメント方式、まず東軍対北軍、西軍対南軍が行われ、その勝利チームが決勝戦で戦う。

つまり俺と乙女さんが戦う機会は明日という事である。

 

 話は戻って、遂に体育武道祭は開幕。

さまざまな競技で選手達がしのぎを削りあう(補足・可能な限り複数エントリー可能)。

 

「3年女子バレー、優勝は3−A!東軍!」

 

 全学年A組は東軍、つまり乙女さんの所属チームだ。

 

「よし、1000億ポイントはもらった!!」

 

 点数も豪快……。

 

「さすが乙女さん、やってくれるぜ」

 

 勝負は明日だってのに今からウズウズしてしまう。

 

 

 

NO SIDE

 

 その後も各選手達はそれぞれの出場科目で活躍していく。

 

女子障害物競走 蟹沢きぬ・優勝

 

「よっしゃあ!楽・勝!!」

 

 

女子リレー 霧夜エリカ・優勝(圧勝) 近衛素奈緒・2位

 

「ま、こんなところね」

 

「クゥ……こんな奴に……」

 

 

女子二人三脚 霧夜エリカ&佐藤良美・優勝(圧勝)

 

「当然、竜鳴館一のベストカップルだもの」

 

「あはは……(苦笑)」

 

 

3年騎馬戦バトルロイヤル 鉄乙女・優勝(大圧勝)

 

「東軍は負けん!!」

 

 

ホームラン競争 イガグリ・2位

 

「くそー、2−Aの丸刈りに負けたべ!」

 

 

 さて、我等が主人公レオは……。

 

「それでは、男子走り高跳びを開始する」

 

対馬レオ、出場科目『走り高跳び』。

 

「フッ、対馬が相手か。面白い勝負になりそうだ」

 

 そう言って声をかけてきたのは2−Aの村田だ。

 

「何だ、お前もか村雨?」

 

「村田だよ!どこの名刀だそれは!?」

 

 お決まりのボケがあったものの競技は開始される。

先行は村田だ。

 

「悪いが勝負は速攻で終わらせてもらう!1m40cmで!!」

 

 いきなり勝負に出た村田。1m40cmのバーを見事に飛び越える。

 

「村田洋平、1m40cm合格!」

 

「よし!!」

 

 会心の結果に勝利を確信する村田。

しかしレオは冷静にこう言い放つ。

 

「じゃあ俺は1m55cmで」

 

 その場の空気が一気に騒然となる。

 

「な、何だと、僕の記録より15cmも上じゃないか!?」

 

 周囲が困惑する中、レオは静かに準備に入る。

 

「ば、馬鹿な……出来るわけが無い。強がりに決まっている!」

 

 殆どの人間が思っていることを村田が代弁する。

 

「村田、勝負ってのは決着がつくまで勝ち誇ることなんて許されないんだぜ。それを今教えてやる」

 

 レオのその言葉の直後、開始のピストルの音が鳴り響きレオは凄まじいスピードでバーへ接近し、そして跳び上がった。

 

「な!?……ば、馬鹿な」

 

「す、スゲェ……」

 

「ま、まるで飛んでるみたいだ」

 

 誰もがその飛翔に心奪われた。レオは軽々とバーを飛び越え、そのままマットに両足で着地した。

 

「対馬レオ、1m55cm合格!!」

 

 次の瞬間西軍から歓声が上がる。それはそうだろう、誰もが村田の優勝を確信するなかでそれを見事に覆す大逆転を見せたのだから。

 

「くっ……ま、まだだ!まだ終わっていない!!」

 

 それでも勝負を捨てきれない村田も1m55cmに挑むが……。

 

「村田洋平、1m55cm不合格!」

 

「ち、畜生……」

 

 無情にもバーは音を立てて地に落ち、村田以外の者も同じように1m55cmの壁に敗北していった。

 

「そこまで!優勝、対馬レオ!!」

 

男子走り高跳び 対馬レオ、優勝(大圧勝)

 

「ま、ざっとこんなもんだな」

 

 

 

乙女SIDE

 

 レオの奴、今のジャンプ力で一体何十、いや何百分の一の力だ?

フフフ……今からワクワクしてくるではないか。

 

 

 

レオSIDE

 

 数多くの好勝負が展開され、1日目は終了。勝負は明日に持ち越しとなり、俺たちは一度帰宅する。

 

「乙女さんはどうするの?今日も実家?それとも俺ん家?」

 

「今日からはお前の家に戻らせてもらう、明日も早いし、何よりお前と同じ条件で戦いたいからな」

 

 見事なまでに正々堂々としたスポーツマンシップ。くぅ〜〜、早く闘いたい!!

 

 

 

 んで、帰宅。そして晩飯。さ〜て、そのメニューは……。

 

「トンカツ入りおにぎりだ。これで体力をつけるぞ!」

 

 やっぱりおにぎり……………………でも。

 

「何か久しぶりに食った気分」

 

「そうだな、私も修行中は家族に任せきりだったからな。こうやってお前とおにぎりを食べるのも懐かしく感じてしまう」

 

 何かしっくりくるなぁ……やっぱ乙女さんと一緒に居るのが当たり前になっちまってるな、俺。


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