問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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完成したので投稿します。

修也「久々の出番か」


第8話 常識に囚われず、我が道を行け!だそうですよ?

『ながらくお待たせしました!これよりギフトゲーム“ヒッポカンプの騎手”を始めさせていただきます!司会進行は毎度お馴染み、黒ウサギが』

 

雄々オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

黒ウサギの登場により、観客が大地を揺るがすほどの大歓声を上げる。

 

こんな光景、前にも見たな。

 

それに今回は水着だしより、会場の熱気と雄叫びが凄い。

 

取りあえず、フェルナには目の毒なので、見ないように言っといた。

 

『えー諸君!! まず一言 黒ウサギは実にエロいな!!』

 

『さっさと開始してくださいお馬鹿様!!!』

 

黒ウサギの投げた鋭利な石が白夜叉に突き刺さり鮮血が吹き出す。

 

痛そうだな。

 

『それでは本当に一言 黒ウサギは本当にエ』

 

ガシュ!ザシュ!ズガシュ!

 

『流石にこれ以上は痛いから本題に移ろう。この度の収穫祭は我々“サウザンドアイズ”からも露店を出しておる。しかし、残念ながらギフトゲームを開催する準備の時間が無かった。そこで、ヒッポカンプの騎手の優勝者にはサウザンドアイズからも望みの品を贈呈すると宣言しておくぞ!』

 

白夜叉の言葉に熱狂的な歓声を上げる者と、参加しなかったことに後悔する者の声が一斉に上がった。

 

『それでは、“ヒッポカンプの騎手”の最終ルール確認を行います!

1、水中落下は即失格!ただし、陸や岸辺に上がるのはOK!

2、進路は大河だけ使用すること!アラサノ樹海からは分岐点があるので各参加者が己の直感で進んでください!

3、折り返し地点の船長に群生する“樹海”の果実を収穫して帰ること!以上です!』

 

ルール確認が終わると、白夜叉は両手を開き準備を整える。

 

『参加者達よ。指定された物を手に入れ、誰よりも早く駆け抜けよ!此処に、“ヒッポカンプの騎手”の開催を宣言する!』

 

白夜叉が開催宣言をするや否や、フェイスが行動に出た。

 

素早く蛇腹剣を抜き、範囲内の参加者を斬る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水着だけ。

 

『きゃあああああああああああああああああああ!!?』

 

水着のみを切り裂かれた女性は、己の裸体を隠す為水に飛び込む。

 

男の参加者の中には鎧を着てる奴もいたが、そいつらは鎧の隙間を縫って斬り裂かれ、素っ裸になった。

 

フェイスはそんな参加者に見向きもせず騎馬を進め、参加者の水着や衣服を通りすがりに斬り裂いていく。

 

俺はフェルナの傍に移動し、水着を斬り裂かれそうになるのを槍で防ぐ。

 

耀も同じようにコッペリアを光翼馬のブーツで剣を弾く。

 

『流石は我が仇敵が選んだ騎士!冷徹な判断力と、肌に傷一つ付けずに水着のみを斬り捨てる剣技!宿敵の臣下なれど見事! 

っ つ う か も っ と や れ ヤ ッ ホ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ! ! 』

 

『 ヤ ッ ホ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! 』

 

“箱庭”にはバカしかいないのだろうか……………

 

 

 

 

 

フェイスの攻撃により、参加者は十分の一までに減った。

 

そのおかげで俺たちもサポーター同士の決着が早く付き、今では半数にまで減った。

 

『さあ、残り五チームになりトップは“ウィル・オ・ウィスプ”よりフェイス・レス。二位は“ノーネーム”よりフェルナ。そして三位から五位は“二翼”の選手たちです。そして、いよいよアラサノ樹海の分岐路に入ります。此処からはどの経路を選ぶかで勝負が決まりますので己の直感を信じて突き進んでください!』

 

“二翼”が残ってるか。

 

戦略的に、早めに潰したい。

 

まぁ、戦略関係なしに潰したいがな。

 

「耀」

 

「何?」

 

「戦略的に“二翼”を潰してきてくれ。あくまで、 戦 略 的 に 」

 

“戦略的に”を強調して、耀に指示を出す。

 

「了解。戦略的に潰してくる。あくまで、 戦 略 的 に 」

 

そう言って耀は“二翼”を潰しに飛ぶ。

 

「フェルナ、コッペリア。このままじゃ、フェイスに追いつけない。だから、近道するぞ」

 

「ですが、マスター。どの道が近道かわかりません」

 

「ご主人様は道が分かるのですか?」

 

「いや、分からん。だから、近道を造る」

 

「「え?」」

 

俺は耀の血が入った小瓶と鷲獅子と鳳凰の血を飲む。

 

「我が血よ。我が名の下に従え。その血に流れる力を槍に纏わせよ!」

 

白牙槍が血の力で強力なオーラを纏い、更に、鷲獅子の旋風で鳳凰の焔の威力が上がり、その焔が槍を包み込む。

 

「血の劫火槍(ブラッティ・フレイムスピア)!」

 

俺が放った槍は、樹海の木々を焼き尽くすかの如く焼き払い、大地を抉り、更に大河で縄張りをつくっていた“水霊馬”をも焼き払った。

 

そして、俺たちの目の前に、新たに一直線の大河の道ができた。

 

「よし、これで時間短縮になるはずだ。フェルナ、コッペリア、進むぞ」

 

二人に声を掛けると、二人は「「あ、はい」」と、口を揃えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その頃の会場~

 

会場では修也がやったことに観客が口を開けたままの状態になった。

 

木々を薙ぎ倒して進むならまだしも、まさか自分で新しい道を造り、障害になる“水霊馬”までも倒すとは誰もが思いもよらなかった。

 

「み、見事!常識に囚われずに、我が道を行く!その行動、発想……まさしく、クルーエ=ドラクレアの再来とも言えよう!流石は我が旧友の息子!“箱庭の英雄”にして“吸血鬼の神”の血は健在!その力も、父に劣らぬ物!流石はクルーエの息子………いや、流石は月三波・クルーエ・修也じゃ!」

 

沈黙が漂う会場の空気を壊したのは白夜叉だった。

 

白夜叉の目は爛々と輝き、身を乗り出しかねない勢いでまくし立てる。

 

白夜叉の言葉に会場は一気に歓声を上げる。

 

“ノーネーム”がこんなことをしたらブーイングの一つ起きてもおかしくなかったが、会場から誰一人として不平不満を言う者はおらず、皆が、クルーエ=ドラクレアのことを褒め、そして息子である修也を褒め称えた。

 




ちなみにコッペリアの水着はビキニで、色は黒。

腰にはパレオが付いてます。

フェルナはピンクの水玉模様のセパレートで、ボトムスがスカートみたいになってます。

最初はスク水にしようと思ってました………………

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