問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

86 / 106
第5話 “ペルセウス”との同盟だそうですよ?

翌日、俺は“境界門”を使い、六桁にある“ペルセウス”の本拠に来た。

 

「修也殿!今日は一体どのようなご用件で?」

 

門番をしていた兵が敬礼をしながら、聞いて来る。

 

「ああ、ルイオスにちょっとな。今、ルイオスはいるか?」

 

「はっ!ルイオス様は只今執務時間ですので、執務室に居るかと!」

 

「そうか、ありがとな」

 

「いえ!………所で、修也殿、今度お時間がありましたら、また我々に稽古を付けて頂けないでしょうか?」

 

「ああ。じゃあ、今度時間作る。その時でいいか?」

 

「ありがとうございます!」

 

嬉しそうに門番は敬礼をし、門を開ける。

 

“ペルセウス”本拠を歩き、ルイオスの執務室へと向かう。

 

執務室の前に立ち、扉をノックする。

 

「ルイオス、俺だが入っていいか?」

 

『兄貴ですか?どうぞ』

 

許可を貰い、扉を開けると大量の書類に囲まれながら、紙に羽ペンを走らせてるルイオスがいた。

 

「すみません。ちょっと急ぎの仕事がありまして、申し訳ないんですが、仕事しながらでもいいですか?」

 

「ああ、構わねぇよ」

 

ソファーに腰を下ろし、一息つく。

 

「で、兄貴。今日はどうしたんですか?」

 

「ああ、ちょっと重要な話をな」

 

そう言うとルイオスは羽ペンの動きを止め、ベルを鳴らし、側近の人を呼んだ。

 

「ルイオス様、どうかされましたか?」

 

「人払いを頼む。それと、僕が許可するまで誰一人としてこの執務室に近づけるな」

 

「はっ!」

 

側近の人は足早に執務室を出ていき、兵士たちに何か呼びかけていた。

 

「……その重要な話と言うのは、かなり重要なんですよね?」

 

「察しが早くて助かる」

 

ルイオスは椅子から立ち上がり、俺の向かい側に座る。

 

「で、話とは?」

 

「要件を言う。俺達と同盟を組んでほしい」

 

「同盟………ですか?」

 

「俺達“ノーネーム”が六桁に昇格するには旗が必要だ。だが、俺たちには旗印も名もない。そこで、連盟旗を作るつもりだ。そのためには三つ以上のコミュニティが必要。現段階では“ノーネーム”“六本傷”“ウィル・オ・ウィスプ”“インフォーマント”の計四つのコミュニティが同盟になることが決まってる。数としては十分だが、俺達は“ペルセウス”の力も貸してほしいと思ってる」

 

俺の話にルイオスは真剣に聞き、考える。

 

「兄貴、この同盟には、連盟旗を作る以外にも、理由があり、そして、同盟コミュニティにメリットがあってのものですか?」

 

ルイオスは真っ直ぐに俺を見つめ聞いて来る。

 

“ペルセウス”リーダーとして、真剣な眼差しと表情だった。

 

「ああ、ちゃんとメリットがあるし、“ペルセウス”と同盟を結びたい理由もある」

 

「………わかりました。同盟の件、引き受けます」

 

「助かる。それと、コイツを見てくれ」

 

懐から、一枚の紙を出し、ルイオスに見せる。

 

「こ、これは!金剛鉄の鉱脈の見取り図!?それに、この推定採掘量!?…………こ、これは?」

 

「早い話、金剛鉄を“六本傷”のメンバーが採掘、“ウィル・オ・ウィスプ”にそれの錬成。そして、“ペルセウス”には恩恵付与をして貰いたい」

 

「…………」

 

ルイオスは絶句したのか、口を開けたまま固まってる。

 

「利益分配については、今度ジン達と話し合ってくれ」

 

「あ、は、はい。分かりました」

 

いまだに呆然としているルイオスを放置し、俺は執務室を出た。

 




ルイオスの性格が変わりすぎたかな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。